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変革は、固まった状態や思考を「解凍」し、変化後「凍結」して定着させる

  • 投稿カテゴリー:Change Management
  • 投稿の最終変更日:2021年1月14日
  • Reading time:4 mins read

変革の「解凍➡変化➡凍結(Unfreeze ➡ Change ➡ Freeze)モデル」は、既成概念を「溶かして」変化させ、新しい状態を「凍結して」固めて定着させる1947年のモデルです。最近聞かれるアンラーニング(Unlearn)と共通する概念です。

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前回、「変化・変革は、終わりで始まり、始まりで終わる」と紹介しました。
下図のように、変化は、元々暫く続いていた状態と、その後新しくまた暫く続いていく状態を繋ぐ「移行期」、変革はそれらを繋ぐ「移行作業」と捉えると、変化・変革を成功に導きやすくなります。

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変化・変革の成功を助ける似たような概念に「解凍➡変化➡凍結(Unfreeze ➡ Change ➡ Freeze)モデル」があります。⼼理学者のレヴィンが1947年(!)に発表した論文で紹介したもので、「レヴィンの変⾰モデル」とも呼ばれます。
※ なお、レヴィン・モデルの引用の多くは、「Freeze(凍結)」を「Refreeze(再凍結)」と紹介していますが、原文は「Freeze」です。ま、どちらでも大勢に影響はありませんが。。。

このモデルは、その後のチェンジマネジメントの起源の一つとなり、様々な形に展開されていった元のモデルでもあります。単純化され過ぎていると批判される事もあり、その後の人達に色々な肉付けをされたりもしましたが、このモデルの言わんとするポイントは、このシンプルなままの方が分かりやすいと思います。

1.解凍(Unfreeze):「浄化」とも呼べるもので、自己や快適な現状を正当化する姿勢や執着、習慣、価値観、既成概念を「溶かして」取り去り、新しい考えや状態を受け入れられるようにする準備段階。
2.変化(Change):解凍段階で変化の準備ができた後、実際に変化のプロセスを進め、新しい状態に移行する段階。
3.凍結(Freeze):変化後の新しい状態を「凍結して」固め、定着させる段階。

「解凍」は、変革は氷のように固いままではできない、一度既存の形を溶かしてから変化させ、そして変化した後、その変化を持続させるためにまた固めるというイメージです。
現実には多くの組織は「解凍(Unfreeze)」する事なく変革にいきなり取り組み失敗する事が多いですね。突然変更の指示が上から舞い降りてくる事はよくあります。
この「解凍」の段階は、以前紹介した「変革へのレディネス(準備)」を整える段階にも対応します。
また、最近聞かれるようになった「アンラーニング(Unlearn:学びほぐし)」とも共通します。
アンラーニングは、新しい事を学ぶためには、今持っている知識や価値観がもう時代に合わないかもしれないと見直し、合わなければその価値観を捨てる事も必要という考えです。「レヴィンの変⾰モデル」は1947年のモデルですが、人間の基本的な部分は時代を越えて共通するという事ですね。

「凍結」も重要です。様々な変化が起きる現在の社会においては、次から次へと変化の波が押し寄せて、凍結している時間などない!なんて方もいらっしゃるかも知れませんが、一つ一つの変化をしっかり定着させていく作業こそが重要です。そうでないと、色々トライしてみたが、結局何も定着しなかった。。という結果になってしまいます。
個人の習慣や癖を変えるのが大変なのと同じです。健康診断の結果を受けて、たばこやお酒を止めてみても、ジョギングを始めてみても、3日坊主ですぐ元通り。。。
組織も人の集まり、変化を起こすのも大変ですが、変化を定着させるのも大変なのです。

変化は一度行って終わりではありません。世の中は変わり続けます。それに呼応して、変化のプロセスも何回も繰り返し回します。
だからと言って、定着の過程が短く、目まぐるしく変化が連続すると、人は変化疲れ・変革疲れを起こします。その意味でも「凍結」で新しい変化を定着させると共に、安定した状態をある程度継続した上で次の変化へのエネルギーを蓄える事が必要でしょう。

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レヴィンの変⾰モデルは色々な所で引用されています。中には「氷の形を例えば四角から丸に変化させるためには、一度溶かして形を変えてからまた固め直す」と紹介しているものがありますが、これはちょっと違います。
レヴィンの変⾰モデルの正しい理解は、上で説明したように、変化を受け入れるために、既成の考え・状態をほぐしていき、その上で変化を実行する。この時点で変化自体は終了するのですが、油断するとすぐに元の状態に戻ってしまうため、変化を定着する作業を継続する事が必要である、つまり形を変えるために固めるのではなく定着させるために固める。。。というものです。

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ところで、「組織の硬直化」なんて表現を使う事がありますが、変わる事ができない組織というのはとにかく「固い」です。前屈しても床から15センチも指先が離れている位(笑)、とにかく柔軟性がありません。
急に無理な動きをしようとすると、体の色々な所が「ビキッ!」と言い出します。「健康のため運動をしよう!」と一念発起しても、いきなり激しい運動は怪我の元、結局、体をおかしくして「いたたたた、やっぱりやめておこう。。」と元の状態に元通り。
組織の変革も同じで準備運動が必要です。

「レヴィンの変⾰モデル」は氷を例えに使っていますが、これを粘土のかたまりにイメージを置き換えてみると、下図のようになります。「あきとの粘土モデル」とでも名付けておきましょうか(笑)。

最初の状態は、丸めて箱の中に暫くしまっていたような固い粘土の塊です。小さいころ粘土遊びをした事がある人は覚えているかもしれませんが、暫く遊んでいなく引き出しの奥にしまっていた粘土はかちかちになっています。
粘土も、人や組織も、そのままの大きな塊で変える事は大変なので、少しづつほぐしながら柔らかくしていきます。
この粘土モデルは、以前に紹介した「小さな変革」、改革は「Minimum Viable Change(MVC)」で実現するに共通するイメージです。
小さな改革:「Minimum Viable Change(MVC)」は、巨大な変革の塊にそのまま体当たりして行っても跳ね返されるだけなので、固まった組織、状態、問題に小さい所から、変革を小さくして対応しましょうというものでした。

そして、一部を変えた後、また全体に戻して一つにまとめる。
小さい変化でも変化した後、また元の塊に戻して固めるという作業が重要です。
安心して放っておくと、あっという間に元の状態に戻ってしまうのです。変化は最後の定着という作業が大事で、これを意図的に計画する必要があります。

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