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	<title>認知バイアス | あきと アウトプット</title>
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	<title>認知バイアス | あきと アウトプット</title>
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		<title>スキーマ、ヒューリスティック、バイアス：その違いと関係性</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 04 May 2026 07:28:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[行動経済学]]></category>
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		<category><![CDATA[認知心理学]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>私たちには何かを軽率に判断してしまったり、安易に決めつけてしまうことがありますね。その背景にあるスキーマ（認知の枠組み）、ヒューリスティック（思考の近道）、バイアス（判断の歪み）の違いと相互関係を整理し、私たちの判断がど [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">私たちには何かを軽率に判断してしまったり、安易に決めつけてしまうことがありますね。その背景にあるスキーマ（認知の枠組み）、ヒューリスティック（思考の近道）、バイアス（判断の歪み）の違いと相互関係を整理し、私たちの判断がどのように形成されるかを体系的に解説します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">私たちは毎日、膨大な情報や様々な状況の中で数えきれないくらいの選択をしながら生きています。目に入るもの、耳に入る言葉、人との会話、買い物や食べるもの、仕事上の選択。。。そのひとつひとつを、いちいち時間をかけて分析していたら、日常生活はとても成り立ちません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そこで脳は、過去の経験をもとに物事を整理し、必要なときに深く考えることなく瞬時に判断できるようにしています。この仕組みのおかげで、私たちは複雑な世界を効率よく理解して、素早く行動を起こすことができます。しかし、一方で、その便利さゆえに生じる考え方の偏りや判断の誤りもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">心理学上、この仕組みを理解するうえで重要なキーワードとして、「スキーマ」「ヒューリスティック」「バイアス」があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一見難しそうに感じるかもしれない言葉ですが、実はどれも、私たちが日々無意識に使っているごく身近な心の働きです。今回は、この3つの違いとつながりを、日常の感覚に引き寄せながら分かりやすく整理していきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらの関係を理解すると、「なぜあの人はあのような言動をするのか」だけでなく、「なぜ自分も同じことをしてしまうのか」も見えてくるでしょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">スキーマとは？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><strong>スキーマ（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Schema_(psychology)" target="_blank" rel="noopener">Schema</a>）</strong>は、人、場所、物、出来事などに関する私たちの認知的な枠組みです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの脳は、膨大な情報を整理したり分類分けして保管しています。<strong>スキーマは脳内の認知的なファイルやフォルダ</strong>と考えると分かりやすいでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">分類分けして整理しておくことで、新しい情報や場所や人に接した際に、それらと照らし合わせて素早く状況を理解し対応することができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">心理学上のスキーマという概念は、スイス人の発達心理学者ジャン・ピアジェ（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Jean_Piaget" target="_blank" rel="noopener">Jean Piaget, 1896 &#8211; 1980</a>）によって1923年に提唱されました。ピアジェは、子どもの認知発達の段階理論を提唱し、その主要な構成要素の一つとしてスキーマを用いました。ピアジェにとって、認知発達は、子どもがより多くのスキーマを獲得し、そのニュアンスと複雑さを増していく過程と結びついています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">スキーマの種類</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、人物、社会、出来事、役割、自分自身など、さまざまな対象に対して、スキーマを持っています。以下にその例を挙げましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>物に対するスキーマ</strong>は、私たちが目にしたり、利用する物が何であるか、それがどのように機能するかといったスキーマです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、私たちは、建物に入ったり、部屋を移動するために、さまざまなドアを不自由なく利用することができます。ドアには押し戸、引き戸、自動ドア、回転ドアなどがあり、取っ手の形もさまざまですが、小さい頃からの経験を通して、それらの使い方に関するスキーマを持っているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">もし、そのようなドアの存在しない生活環境で育っていれば、このようなスキーマは身に付いていません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">少し古いですが、1980年に上映された『ブッシュマン（原題：The Gods Must Be Crazy）』という映画があります。文明と接触せずに生きてきたカラハリ砂漠のブッシュマンが、都会（ヨハネスブルグ）の文明社会の仕組みに遭遇し、困惑や騒動を巻き起こすコメディ映画です。その中で、空から落ちてきたコカ・コーラの瓶を神様からの贈り物だと思い、その所有を巡って部族内で争いが起きる印象的なシーンがあります。これはブッシュマンに、コーラのような清涼飲料に対するスキーマがないために起きたものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、<strong>人に対するスキーマ</strong>も持っています。</span><br /><span style="color: #262626;">例えば、研究者、営業職、スノーボーダー、芸術家などの外見や行動、性格に対して特定のイメージをもっていますね。それらは<strong>ステレオタイプ</strong>とも呼ばれます。人物を概ね理解するために役立ちますが、一方で間違った理解をもたらすこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>社会的スキーマ</strong>は、様々な社会状況でどのように振る舞うべきかを理解するのに役立ちます。例えば、親戚の家、会社のオフィス、映画館、フレンチレストラン、ファーストフード店などで、どのように振る舞うべきかを理解しています。ただし、これは国や地域によって異なることがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また古い映画を引き合いに出すと（汗）、オーストラリアの荒野からニューヨークにやってきた男を描いた、1986年の映画『クロコダイル・ダンディー（Crocodile Dundee）』は、文化的なスキーマの衝突を描いたコメディでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>イベントスキーマや行動スキーマ（スクリプトとも呼ばれます）</strong>は、特定の出来事において人が期待する一連の行動を網羅したものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、映画を見に行く場合、事前にネットでチケットを買って良い席を選び、当日映画館に行ったら、ポップコーンとコーラを買って席に着き、スマホの音をオフにする、映画を見終わったらぞろぞろと映画館を出る、といった一連の流れをイメージできます。レストランに対しては、入店し、席に案内されるのを待つ、席について注文、食事、支払い、店を出るというスキーマを持っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、電車やタクシーの乗り方やマナーや交通ルールは国によって異なることも多く、初めて訪れる国に着いて戸惑うことがあるのは、それらが自分が持つ行動スキーマと異なるからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>役割スキーマ</strong>は、特定の社会的役割を担う人がどのように振る舞うかという期待です。例えば、レストランのウェイターには注文をとり、料理を運んでくるだけでなく、温かく親切であることを期待します。日本では「お客様は神様」という考えが拡大解釈されて、店員に過剰な要求をしたり、横柄な態度を取る客もいましたが、今ではカスハラ対策法も制定されて、役割に対するスキーマも変化してきていますね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">店員だけでなく、様々な人たちの役割のスキーマ、さらにはその他多くのスキーマも時代と共に変化してきています。私たちは機能しなくなったスキーマはアップデートしていく必要があります。</span></p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class=" wp-image-30898 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2026/05/schema.png" alt="Schema" width="504" height="163" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2026/05/schema.png 1134w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2026/05/schema-300x97.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2026/05/schema-1024x330.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2026/05/schema-768x248.png 768w" sizes="(max-width: 504px) 100vw, 504px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ヒューリスティックとは？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今紹介したように、スキーマとは、経験から長期的に蓄積される知識の枠組みであり、脳内に保管され、世界を理解するためのテンプレ－トです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">次に紹介する<strong>ヒューリスティック（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Heuristic_(psychology)" target="_blank" rel="noopener">Heuristic</a>）は、素早く判断するための思考のショートカットを指します</strong>。ヒューリスティクスは「見つける、発見する」に由来する言葉で、私たちが意思決定を行う際に用いる近道のことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">経済学者で認知心理学者のハーバート・サイモン（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Herbert_A._Simon" target="_blank" rel="noopener">Herbert A. Simon, 1916 &#8211; 2001</a>）は、1950年代にヒューリスティクスの初期モデルを提唱しました。ハーバート・サイモンは、合理的な意思決定には限界があること（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Bounded_rationality" target="_blank" rel="noopener">限界合理性：bounded rationality</a>）を示し、不確実性がある状況で人はどのように意思決定を行うかという問題を提起しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">1970年代には、心理学者のエイモス・トベルスキー（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Amos_Tversky" target="_blank" rel="noopener">Amos Tversky, 1937 &#8211; 1996</a>）とダニエル・カーネマン（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Daniel_Kahneman" target="_blank" rel="noopener">Daniel Kahneman, 1934 &#8211; 2024</a>）がヒューリスティクスと認知バイアスを結びつけるアプローチを導入しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それまで主流であった経済論や意思決定論は、人間は合理的な意思決定者で、理性によって行動を決定するという考え方に基づいていましたが（rational actor model）、2人はこれに異議を唱えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">1974年には、科学誌『サイエンス』に掲載された画期的な論文『不確実性下における判断：ヒューリスティクスとバイアス』が世界的な注目を集め、行動経済学や現代認知心理学の分野の拡大に大きく貢献しました。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">この論文で、人は不確実な状況下で判断を下す際、形式的な確率論には従わず、代わりに、ヒューリスティクス（思考の近道）に頼ると主張しました。</span><span style="color: #262626;">論文で紹介されている3つの主要なヒューリスティクスを見てみましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">1）代表性ヒューリスティクス（Representativeness）</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">「スティーブはとても内気で引っ込み思案で、いつも親切ですが、他人にも現実の世界にもあまり興味がありません。穏やかで几帳面な性格で、秩序と構造を重視し、細部にこだわる性格です。」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人は、スティーブが特定の職業に就いている可能性をどのように判断するでしょうか？<br />例えば農家、セールスマン、パイロット、図書館員、医師といった職業のリストから、可能性の高い順から低い順に、どのように並べるでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多くの人が、スティーブは農家であるより、図書館員である可能性が高いと答えます。しかし、これは、図書館員や農家のステレオタイプを考慮しているだけで、人口において農家の方が図書館員よりはるかに多いという事実を無視しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">代表性ヒューリスティックは、このように、<strong>確率や統計を無視し、ステレオタイプとの類似性を重視し「それっぽさ」で判断する</strong>もので、誤った判断を招く可能性があります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">2）利用可能性ヒューリスティック（Availability）</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">利用可能性ヒューリスティックは、<strong>人が、例をどれだけ簡単に思い浮かぶかに基づいて、頻度や確率を推定する</strong>ものです。思い出しやすいものは思い出しにくいものよりもより頻繁に起こるように感じます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、鮮明な出来事や劇的な出来事、最近の出来事を過大評価し、実際よりもより高い頻繁で起きるように感じます。飛行機事故はインパクトが大きく記憶に残りやすいため、自動車事故のリスクの方がはるかに高いにもかかわらず、実際よりも飛行機の危険度を高く評価するのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">3）アンカリング（Anchoring）</span></h6>
<p><span style="color: #262626;"><strong>最初に高い数値を見ると、たとえ無関係であっても、その後の推定値が高くなるというヒューリスティック</strong>で、例えば、5万円という値札を見て高いなと思う一方で、10万円から値引きされて5万円にたどり着いた場合は安いなと感じます。10万円にいったん私たちの意識がアンカーされるからです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="c9zXyCeHIw"><a href="https://www.a-output.com/metacognition">自分の考え方を知り、それをコントロールすること：メタ認知の誤解</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;自分の考え方を知り、それをコントロールすること：メタ認知の誤解&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/metacognition/embed#?secret=zy9eK1Hm2x#?secret=c9zXyCeHIw" data-secret="c9zXyCeHIw" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">バイアスとは？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">エイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンは、論文の中でこれらのヒューリスティックをバイアスと結び付けています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、これらは<strong>ランダムに生じる間違いではなく、個人や状況を問わず人間の特性に基づいた体系的で再現性のあるエラーであり、予測可能な方向に一貫してかかる思考の傾向</strong>であると主張しました。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">バイアス（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Cognitive_bias" target="_blank" rel="noopener">cognitive bias</a>）とは、私たちに固有の考え方のくせから結果として生じる偏りであり、理論的・合理的・客観的な結論とのズレです。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">人間の直感や自信は正確ではなく、確率論や論理に反し、しばしば誤った判断をもたらしますが、バイアスは私たちの通常の思考プロセスに組み込まれているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">トベルスキーとカーネマンがバイアスという言葉や現象を初めて紹介したわけではありませんが、バイアスを体系的な現象として、また研究の中核的なテーマとして確立した研究者であると言えるでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">バイアスに関しては、本サイトでも度々紹介してきましたので、詳細については、<a href="https://www.a-output.com/covid19-bias" target="_blank" rel="noopener">それらの記事</a>をご参照下さい。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="nh4vv170GG"><a href="https://www.a-output.com/covid19-bias">正常性バイアス、確証バイアス、突出バイアス、メディアバイアス。。コロナウイルスの様々なバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;正常性バイアス、確証バイアス、突出バイアス、メディアバイアス。。コロナウイルスの様々なバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/covid19-bias/embed#?secret=t4fJYcio3U#?secret=nh4vv170GG" data-secret="nh4vv170GG" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="w53egHNrDe"><a href="https://www.a-output.com/locus-of-control">ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/locus-of-control/embed#?secret=IG1hAwE05t#?secret=w53egHNrDe" data-secret="w53egHNrDe" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">スキーマ、ヒューリスティック、バイアスの関係</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">では最後に、ここまで紹介したスキーマ、ヒューリスティック、バイアスが、それぞれどのように関係し合っているのかを考えてみましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今説明した流れから、スキーマがヒューリスティックを引き起こし、ヒューリスティックがバイアスを引き起こす「<strong>スキーマ → ヒューリスティック → バイアス</strong>」という関係を「直感的に」捉える人が多いでしょう。一見、これは便利な簡略化のように見えますが、厳密には正しくありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">たしかに、スキーマはしばしばヒューリスティックのベースになります。つまり、誰かの発言を聞いた瞬間に、何らかのスキーマが発動して自動的な分類分けを適用し、ヒューリスティックがそのスキーマを用いて即判断することがあります。</span><span style="color: #262626;">しかし、<strong>すべてのヒューリスティックがスキーマに基づいているわけではありません</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、<strong>情動ヒューリスティック（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Affect_heuristic" target="_blank" rel="noopener">Affect heuristic</a>）</strong>では、スキーマではなく、感情が判断のベースになります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは 「なんとなく怖い、良さそう」で判断することがあります。例えば、新しい投資商品を説明する営業マンに対して 「なんか怪しいからやめとこう」とか、初対面の人に対して「なんとなくこの人は信頼できそうだ」などと判断することがあります。声のトーン、表情や間の取り方、匂いや距離感、しぐさ、ペンの持ち方、箸の使い方などの微妙な要素が直感的な判断に影響することがあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、先ほど紹介した論文のようにヒューリスティクスがバイアスにつながることがありますが、<strong>すべてのバイアスがヒューリスティクスに由来するわけでもありません</strong>。バイアスは、ヒューリスティクスだけでなく、私たちが持つ動機や期待、自己正当化、社会的圧力、記憶の歪みによっても生じます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらには、<strong>スキーマ、ヒューリスティック、バイアスの関係は一方向ではありません</strong>。バイアスがスキーマを書き換えることもありますし、スキーマが直接バイアスを生むこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">バイアスの中にヒューリスティックが含まれ、ヒューリスティックの中にスキーマが含まれる「<strong>バイアス ⊃ ヒューリスティック ⊃ スキーマ</strong>」の関係をイメージする人もいるかもしれません。これも直感的には分かりやすいですが、正確ではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">スキーマ は「知識構造」、ヒューリスティックはその知識やその他の手がかりを用いる「プロセス」、認知バイアス は「結果や傾向」を示すもので、それぞれ種類（カテゴリー）や機能が違います。そのため、包含関係にはならないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">もっと簡単に言うと、スキーマは思考を助け、ヒューリスティックは思考を加速させ、バイアスは結果の歪みとも言えるでしょうし、次のように捉えることもできます。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><strong><span style="color: #262626;">ス</span><span style="color: #262626;">キーマ：データベース</span></strong><br /><strong><span style="color: #262626;">ヒューリスティック：アルゴリズム</span></strong><br /><strong><span style="color: #262626;">バイアス：出力のエラー</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">ちょっと乱暴ですが、料理に例えるならこうなります。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><strong><span style="color: #262626;">スキーマ：手持ちの材料<br /></span><span style="color: #262626;">ヒューリスティック：1分でできる超お手軽レシピ<br /></span><span style="color: #262626;">バイアス：簡単レシピに従った結果、食べられるけど何かおかしい料理</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、時には次のようなこともあります。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><strong><span style="color: #262626;">レシピなしで料理（ヒューリスティックなし）<br /></span><span style="color: #262626;">材料自体に欠陥あり（スキーマがバイアスに直接的に影響）</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回、スキーマ、ヒューリスティック、バイアスと、その関係性について説明しました。これらはすべて、私たちが効率よく世界を理解し、素早く判断するために欠かせない仕組みです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし問題は、「第一候補」を「事実」のように扱ってしまうことです。本来であれば思考のショートカットやバイアスによって生じた「たぶんこうだろう」と留めておくべき判断が、「きっとこうだ」と確信に変わったとき、そこにズレや摩擦が生まれます。<strong>これは単なる欠点ではなく、私たちが生きていくうえで避けられない思考の副作用</strong>とも言えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>だからこそ大切なのは、他人のバイアスを指摘するだけでなく、すべてのヒューリスティックをなくそうとすることでもなく、自分の中にある「思い込みのプロセス」に気づくこと</strong>です。そして、ほんのちょっとだけでも「本当にそうだろうか？」と問い直す余白を持つことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その小さな意識の違いが、人との関係やコミュニケーションの質を変えるだけでなく、社会をも大きく変えることがあるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～<br /></span></p>
<p>参考文献<br />(1) Amos Tversky, Daniel Kahneman, “<a href="https://www.jstor.org/stable/1738360" target="_blank" rel="noopener">Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases &#8211; Biases in judgments reveal some heuristics of thinking under uncertainty</a>&#8220;, Science, New Series, Vol. 185, No. 4157, pp. 1124-1131., 1974/9/27.</p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="nUFXN6U06X"><a href="https://www.a-output.com/irrationality">本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/irrationality/embed#?secret=umuB7EKF3O#?secret=nUFXN6U06X" data-secret="nUFXN6U06X" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>


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<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="OU2b3RuacO"><a href="https://www.a-output.com/logical-fallacy">ロジカル・ファラシー Logical Fallacy：私たちの論理の誤り</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ロジカル・ファラシー Logical Fallacy：私たちの論理の誤り&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/logical-fallacy/embed#?secret=hEJfsibvnP#?secret=OU2b3RuacO" data-secret="OU2b3RuacO" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
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		<title>知能の罠とは？頭が良い人が判断を誤る６つの理由</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 04 Jan 2026 13:03:26 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[成長マインドセット]]></category>
		<category><![CDATA[書籍紹介]]></category>
		<category><![CDATA[権力]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<category><![CDATA[自己認識]]></category>
		<category><![CDATA[自己防衛]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
		<category><![CDATA[認知心理学]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>能力が低いのに、自分の能力を過大評価して迷惑な行動を取る人たちがいます。それとは反対に、能力が高いのに愚かな発言や行動をとってしまう人たちもいます。知性や学問や教育は、さまざまな認知エラーから私たちを守ってくれないだけで [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">能力が低いのに、自分の能力を過大評価して迷惑な行動を取る人たちがいます。それとは反対に、能力が高いのに愚かな発言や行動をとってしまう人たちもいます。知性や学問や教育は、さまざまな認知エラーから私たちを守ってくれないだけでなく、賢いからこそ愚かな思考に陥る可能性もあるのです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">みなさんは「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Dunning%E2%80%93Kruger_effect" target="_blank" rel="noopener"><strong>ダニングクルーガー効果（Dunning Kruger Effect）</strong></a>」を知っているでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>特定の分野で能力の低い人が自分の能力を過大評価すること</strong>を表す認知バイアスです。</span><br /><span style="color: #262626;">アメリカの社会心理学者の<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/David_Dunning" target="_blank" rel="noopener">デイビッド・ダニング（David Dunning, 1960 &#8211; ）</a>と<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Justin_Kruger" target="_blank" rel="noopener">ジャスティン・クルーガー（Justin Kruger）</a>によって1999年に提唱され、その後、ビジネス、政治、医学、運転、学習や試験など、さまざまな分野における研究で実証されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その具体例として、周りの人たちに迷惑ばかりかけているのに「自分はできる」と自分の仕事を過大評価したり、異性にモテないのに「自分はモテる」と思っている人が挙げられます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">逆に、異性にモテるのに「自分はモテない」と思っているなど、能力の高い人が自分を過小評価する傾向を含めることもありますが、これは「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Impostor_syndrome" target="_blank" rel="noopener"><strong>インポスター症候群（Impostor syndrome）</strong></a>」とも呼ばれます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ダニングクルーガー効果は、専門知識やスキルが不足していて自分の能力の低さに気づけなかったり、自分の能力を客観的に見れないことなどが原因です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">無能とは、有能と無能の違いを区別できないことを含むため、無能な人は自分の無能さを認識することが困難です。そのため「二重の負担」と呼ばれることもあります。自己の過大評価（認知バイアス）と、その欠陥に気づかない（メタ認知の欠如）という２つの負担を抱えているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アメリカの心理学者であり、ベストセラー作家の<a href="https://adamgrant.net/" target="_blank" rel="noopener">アダム・グラント（Adam Grant）</a>は、その著書『Think Again: The Power of Knowing What You Don’t Know（邦題）発想を変える、思い込みを手放す』の中で、ダニングクルーガー効果は誰にでも起こりうると述べています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちには、何かを学び始めてスキルが向上する段階で、自信が実力よりも上回る場面があります。学習を始めた初期段階で自信が急上昇する「馬鹿の山（Mount Stupid）」を登り、その後、知識が増えるにつれて自信が低下する「絶望の谷（Valley of Despair）」を経て、知識と自信がバランスよく高まる「啓蒙の坂（Slope of Enlightenment）」へと進むと説明しています。</span></p>
<div id="rinkerid29704" class="yyi-rinker-contents  yyi-rinker-postid-29704 yyi-rinker-img-m yyi-rinker-catid-42 ">
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<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">賢い人でも、愚かな思考に陥る</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">さて、今回詳しく紹介するのは、知能が低い人たちについてではなく、逆に知能の高い人たちでも愚かな発言や行動をとってしまうという現象についてです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一般的に、IQが高く頭の良い人たちは、教養があり、良識があり、総じて正しい判断をすると思われていますね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、そのような頭の良い人たちでも、普通の人たちよりもはるかに間違った行動を取ることがあるのです。知性や学問や教育が、さまざまな認知エラーから私たちを守ってくれないだけでなく、賢いからこそ愚かな思考に陥る可能性があるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、知的で教育を受けた人の中には、過ちから何かを学んだり、他人の助言を素直に受け入れることができない人たちがたくさんいます。他人の判断の間違いは指摘できるのに、自分自身の判断の間違いが</span><span style="color: #262626;">認識できません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに悪いことに、そのような人たちは下手に頭が良いため、自分の主張を正当化するために巧妙な論理を組み立てることができます。過ちを犯したとしても、自分を防御するだけでなく相手を反撃することに成功し、ますます独断的になる傾向を強めます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間の脳や行動に関する書籍の作家である<a href="https://davidrobson.me/" target="_blank" rel="noopener">デビッド・ロブソン（David Robson）</a>が、これらの現象に興味をそそられ、幅広い分野を調査し、その結果をまとめたのが、2019年に書いた著書『<strong>The Intelligence Trap（邦題）なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか</strong>』です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロブソンは、ノーベル賞受賞者や大企業の経営者など、とても賢いにもかかわらず、信じられないほど愚かな決定を下す数多くの事例を発見しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その書籍の中で紹介されている理論や、本では紹介されていない理論も合わせて、賢い人が愚かな思考に陥る背景にある心理や性質を紹介しましょう。なお、紹介する理論には正確な日本語訳が見つからないものもあり、そのようなものには適切だと思われる訳を付けています。</span></p>
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<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">専門知識の錯覚：Illusion of expertise</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「<strong>専門知識の錯覚（Illusion of Expertise）</strong>」とは、<strong>自分が実際よりも高度な専門家であるように振る舞う心理現象</strong>です。表面的で浅い理解しかなかったり、過去の成功事例に囚われて、深い理解や実行力を欠く状態を指します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ダニングクルーガー効果のように知識不足なのに自信過剰になったり、専門用語の羅列や曖昧な表現で専門性を装う「<strong>知識の錯覚 (Illusion of Knowledge)</strong>」や、物事をコントロールできていないのに、できていると信じ込む「<strong>コントロールの錯覚 (Illusion of Control)</strong>」とも関連しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以下がその主な特徴です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>自信過剰</strong>：自身の能力や知識を実際より高く評価し、自分の限界を認めず、知らないことでも知っているかのように振る舞う。</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>知識の断片化</strong>：断片的な情報や流行りの言葉を知っているだけで、体系的な理解を欠く</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>実行性の欠如</strong>：概念は理解していても、実際に自分の行動に落とし込むことができない</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>専門家を装う</strong>：知っている人の名前を挙げたり、曖昧な表現を使ったりして、自分を権威づけようとするが、具体的な説明はできない</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>謙虚さの欠如</strong>：本物の専門家が持つ謙虚さがなく、批判に対して攻撃的になったり、防御的になったりする</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>成功法則への固執</strong>：成功者の「型」に倣えば誰でも成功できると信じ込み、成功パターンに固執する</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>責任転嫁</strong>：失敗を他人のせいにしたり、言い訳したりして、責任を認めない</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このような偽専門家を見分けるポイントには次のようなものが含まれます。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">具体的な質問には答えず抽象的な話に終始する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">繰り返し説明を求めてもこちらが理解できるような回答が返ってこない</span></li>
<li>「〜するべきだ」といった断定的な物言いを多用する</li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">この錯覚は、個人レベルでは深く学ぶ機会を奪い、組織レベルでは非効率な意思決定を招く可能性があります。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="0h3SFEog0z"><a href="https://www.a-output.com/illusion-of-control">コントロールの錯覚の良い点と悪い点：Illusion of control</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;コントロールの錯覚の良い点と悪い点：Illusion of control&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/illusion-of-control/embed#?secret=6XWH9mgQGD#?secret=0h3SFEog0z" data-secret="0h3SFEog0z" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">獲得的独断主義：Earned dogmatism</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「<strong>獲得的独断主義（Earned dogmatism）</strong>」とは、専門家を自認する人が、<strong>実際には限られた知識しか持っていないにもかかわらず、その知識に過度に固執し、閉鎖的になる心理現象</strong>を指します。専門家としての自信（と自称）が、批判的な情報を受け入れにくくし、頑なな態度に繋がります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さきほど紹介した「専門知識の錯覚」は、実際には知識が少ないにもかかわらず、自分は専門家だと信じ込んでいる状態でしたが、「獲得的独断主義」は、新しい情報や異なる意見に対して耳を貸さず、自分の意見を曲げない閉鎖的な考えです。自分の知識レベルへの自信とプライドが、独断的かつ防御的な態度を強め、多様な意見を受け入れることを妨げるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体例として、ある分野の入門書を読んだだけで、それがすべてだと思い込んで、反する意見を聞き入れなくなったり、自分が「詳しい」と信じていることの間違いを他人から指摘されても訂正できない人が含まれます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは以前紹介した「<strong>保有効果（Endowment effect）</strong>」や「<strong>損失回避（loss aversion）</strong>」とも関係しています。保有効果とは自分が手に入れたものを高く評価する傾向を示す言葉で、損失回避は手に入れたものを失うことを嫌う傾向を示す言葉です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、一度手に入れたものを高く評価し、それを失いたくないのです。自分が手に入れた専門性についてもそれが当てはまります。</span><span style="color: #262626;">「専門家」の帽子をかぶった途端に、さらに多くを吸収して専門性を高めていったり知識を更新しようと考えるのではなく、それを失いたくないという消極的で閉鎖的な考えが芽生えるのです。獲得した見解に固執し、それを修正することは受け入れがたい損失のように感じられるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="3MXx7jUi00"><a href="https://www.a-output.com/endowment-effect">保有効果（Endowment effect）：自分の持ち物は、他人の同じ物より価値が高い訳</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;保有効果（Endowment effect）：自分の持ち物は、他人の同じ物より価値が高い訳&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/endowment-effect/embed#?secret=4rzqYKt3Y3#?secret=3MXx7jUi00" data-secret="3MXx7jUi00" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは一般に、専門家は創造的で分析力に富んだ人物だと考えがちですが、研究によると、<strong>「専門家」というレッテルはむしろ独断的な考え方を誘発する可能性が高い</strong>ことが示唆されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a title="書籍紹介：ヘンリー・フォード「私の人生と仕事」My Life And Work" href="https://www.a-output.com/my-life-and-work" target="_blank" rel="noopener">以前本サイトで紹介した</a>実業家ヘンリー・フォードは「私たちの誰一人として専門家ではない」と言いました。<br />「専門家の精神状態に入った瞬間に、多くのことが不可能になる」とも言いました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">専門家はとても賢いので、何かしようとするとそれができない理由を常に探し出そうとします。専門家はプライドが傷つけられることを何としてでも回避しようとします。だからこそ、フォードは決して専門家を雇わなかったのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="nmiVCWJu7T"><a href="https://www.a-output.com/my-life-and-work">書籍紹介：ヘンリー・フォード「私の人生と仕事」My Life And Work</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;書籍紹介：ヘンリー・フォード「私の人生と仕事」My Life And Work&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/my-life-and-work/embed#?secret=sg2PaQ48Rx#?secret=nmiVCWJu7T" data-secret="nmiVCWJu7T" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">専門知識の過度な一般化：Overgeneralization of expertise</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、ある分野の専門家が、別の分野に関しても、あたかもその分野の専門家でもあるかのように発言する姿を見ることがありますね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、医者なのに経済政策について断定的に語ったり、起業家が何の関係もない環境問題について浅い示唆をするような場面をテレビ番組でよく目にします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのような行為や傾向には、文脈によっていくつかの呼び方がありますが、ここでは「<strong>専門知識の過度な一般化（overgeneralization of expertise）</strong>」と紹介しておきましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<strong>専門家ファラシー（expert fallacy）</strong>」、「<strong>偽りの権威（false authority）」</strong>、「<strong>専門性の越境的誤用</strong>」、「<strong>エピステミック・トレスパス / 認知的不法侵入（Epistemic trespassing）</strong>」も同じ現象を表す言葉で、いずれも専門分野で得た成功や知識が、無関係な他の分野にも通用すると誤認すること、ある分野の専門家が専門外の分野に踏み込み、あたかもその分野の専門家であるかのように振る舞う行為を指す言葉です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Nobel_disease" target="_blank" rel="noopener"><strong>ノーベル賞症候群（Nobel Prize syndrome / Nobel Disease / Nobel Effect）</strong></a>」もそうです。</span><br /><span style="color: #262626;">ノーベル賞受賞者が、受賞後にまったく専門外の分野で誤った主張を始める現象を指し、「ノーベル賞」ならぬ「ノーベル症」と呼ばれることもあります。ノーベル賞受賞者でさえ、専門家ファラシーに陥ってしまうことがあるわけです。特定の分野でノーベル賞を受賞したことと、受賞者のその他の分野での正当性は全く別物です。受賞者の発言のすべてが正しいわけでもありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">専門家側にそのような問題がある一方で、それを受け止める側である私たちにも問題があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">専門分野がまったく異なるのにも関わらず、彼らの主張を違和感なく受け止めているからです。これには「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Halo_effect" target="_blank" rel="noopener"><strong>ハロー効果（Halo Effect）</strong></a>」が影響しています。<strong>私たちには、ある分野で際立って良い特性を持っている人に対して、その他の特性でも実際よりも良く評価する認知の癖</strong>があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには、人や出来事や行動などの間に関係が何も存在しないにもかかわらず、あたかも関連性があると誤認する「<strong>錯覚的相関（illusory correlation）</strong>」も関係しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私は、しばらく前に見たある報道番組で、コメンテーターとしてゲスト出演していた東大卒クイズ王の伊沢拓司が司会者から中東問題に対して発言を求められた場面を覚えているのですが、彼は、他のコメンテーターとは異なり、「私は何かコメントをできるほど中東で起きていることを理解していないが、私個人として○○ということを意識していきたい」というようなコメントをしていて素晴らしいと思いました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">専門家はこのような謙虚さを持たなければなりません。真の専門家であるほど、高い謙虚さを持つ必要があります。それが信頼性を高めるのです。真の専門家は、自分が過信に陥っていないか常にアンテナを張り、自身の知識の限界を理解し、他人の意見に耳を傾け、継続的に学習し続け、知識を更新していく必要があるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="gkzcmUe2MY"><a href="https://www.a-output.com/irrationality">本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/irrationality/embed#?secret=2hYdCvhiy1#?secret=gkzcmUe2MY" data-secret="gkzcmUe2MY" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">権威バイアス：Authority bias</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">先ほど紹介したハロー効果とも関係しますが、<strong>専門家や高い役職や肩書や地位や知名度などを持つ権威的な人物の意見が、無関係な分野でも信頼されてしまう現象</strong>を「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Authority_bias" target="_blank" rel="noopener"><strong>権威バイアス（Authority Bias）</strong></a>」と言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間は社会的な生き物です。権威に逆らわず服従することは生存や社会秩序の維持のために必要だった側面があり、権威バイアスは私たちに本能的に備わっている機能です。ただし、誤った判断や盲従につながる危険性もはらんでいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは成功した事業家がSNSで勧めるサプリを飲み始めたり、有名なインフルエンサーが広告しているから商品を買ったりしますね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「医者が言っているから」「社長がそう言うのだから」と、内容を疑いながらも、権威に流されて指示に従ってしまうこともあります。逆にこのバイアスを利用して、白衣を着ているだけで本物の医師のような信憑性を与えたり、警察を語って相手を委縮させようとする詐欺もあります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ディスラショナリア：Dysrationalia</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Dysrationalia" target="_blank" rel="noopener"><strong>ディスラショナリア（Dysrationalia）</strong></a>」は、世界で最も影響力のある認知心理学者の一人であるキース・スタノヴィッチ（Keith Stanovich, 1950 -）によって1990年代初頭に提唱されました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>知能が高いにもかかわらず、バイアス、悪い習慣、そして論理的思考の不適切な使用によって合理的に考えることができないこと</strong>を指す言葉で、簡単に言うと「頭はいいが合理性に欠ける」ことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ディスラショナリアを持つ人は、IQが高く学校やテストで良い成績を収めますが、誤った判断や論理的な誤りを犯します。例えば、自分の信念に反する証拠を無視したり、論理ではなく感情に基づいて意思決定をします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">スタノヴィッチは2009年の著書『What Intelligence Tests Miss: The Psychology of Rational Thought（邦訳）知能検査が見逃すもの』の中で、<strong>合理的な思考能力と知能指数（IQ）は驚くほど無関係である</strong>ことを示しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、「知能指数 ≠ 合理的思考」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">むしろ、スタノビッチは、SAT（アメリカの大学共通テスト）のスコアが高い人は、そうでない人よりも「<strong>バイアスの盲点（Bias blind spot）</strong>」がわずかに高いことを発見しました。知的レベルの高い人は、その他の課題においても、他の人よりも優れた成績を収められると考える傾向が高かったのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには「<strong>自信過剰バイアス（overconfidence bias）</strong>」の他に、自分の信念や価値観に沿う情報のみを集める傾向を示す「<strong>確証バイアス（Confirmation bias）</strong>」や、自分の経験や情報の利用可能性によって思考が制限される「<strong>利用可能性バイアス（Availability bias）</strong>」が関係しています。</span></p>
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<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">情動リアリズム：Affective realism</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「<strong>情動リアリズム（Affective realism）</strong>」は、<a title="書籍紹介：感情はどうやってつくられるのか？  構成主義的情動理論" href="https://www.a-output.com/how-emotions-are-made" target="_blank" rel="noopener">以前本サイトで紹介した</a>心理学者<a href="https://lisafeldmanbarrett.com/" target="_blank" rel="noopener">リサ・フェルドマン・バレット（Lisa Feldman Barrett）</a>によって提唱された概念で、<strong>感情は単なる反応ではなく、現実の認識や私たちの経験を構築する基盤となるもの</strong>であり、感情は認知や知覚から切り離されたものではなく、見るものや解釈するものに影響を与え、私たちに「感じたものを信じる」ように仕向けるというものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">究極的には、ここまで紹介したような権威バイアスや獲得的独断主義の根底に、情緒的リアリズムがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">権威は私たちに、信頼、尊敬、賞賛といった感情を呼び起こします。これらの感情が、権威者の発言をより信頼できる、あるいは真実であると認識する色彩を強めます。権威バイアスが自然に感じられるのは、私たちの感情がそれを信頼できると見なすものを形作るからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">獲得的独断主義は、ある信念を努力、苦闘、アイデンティティ、道徳的投資などを通じて獲得したと感じ、感情によってそれに固執してしまうことです。私たちが時間や労力を費やして獲得した信念には、プライドやアイデンティティなど強い感情が伴います。これらの感情は、私たちが自分の内面的な信念を現実のものとして経験する方法の一部となります。信念に対立するものは、単なる知的な意見の相違としてではなく、感情的な脅威として感じられるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、<strong>私たちの内的世界が外的現実に色を付ける</strong>のです。そして感じたことがどのように認識するかに影響を与え、私たちは感じたことを信じるのです。これがさまざまなバイアスを引き起こす根底にあるものです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="YUk3O3NUwu"><a href="https://www.a-output.com/how-emotions-are-made">書籍紹介：感情はどうやってつくられるのか？  構成主義的情動理論</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;書籍紹介：感情はどうやってつくられるのか？  構成主義的情動理論&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/how-emotions-are-made/embed#?secret=ot6FueYuhx#?secret=YUk3O3NUwu" data-secret="YUk3O3NUwu" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回、知能の高い人でも間違った判断を犯すことに関連する６つの理論を紹介しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">認知神経科学および応用認知心理学の分野における著名な研究者である<a href="https://www.cci-hq.com/dr.-itiel-dror.html" target="_blank" rel="noopener">イティエル・ドロール（Yitiel Dror）は</a>「<strong>専門家であればあるほど、ある意味で脆弱性が高まる</strong>」と言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、私たちは知識不足で正しい行動が取れないことを避けるだけでなく、知識を積み上げて思い上がったり偉そうになる危険性も認識しなければなりません。デビッド・ロブソンは日本語を引用し「<strong>初心（shoshin）</strong>」の大切さを説いています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.a-output.com/leaders-darkside" target="_blank" rel="noopener">以前本サイト</a>では、道徳的価値観の低い人が権力を手に入れると、自信過剰になり、他人のアドバイスを受け入れなくなると共に、自己利益に走り、チームの正しい判断を妨害するようになると書きました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また<a href="https://www.a-output.com/minorities-need-morality" target="_blank" rel="noopener">別の記事では</a>、社会的弱者が力を手に入れた場合も、相違する意見を受け入れなくなり、主張の健全性を失っていくと書きました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介した知性や専門性という「力」を手に入れることにも同様の弊害があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、これらの罠への対応策は共通しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、その「力」を手に入れる前に準備しておかなければなりません。道徳心を強化しておかなければならないのです。これらの力が持つパワーはあまりにも強力であるため、準備することなくその力を手に入れてしまうと、力に翻弄されて対処できなくなるのです。力を手に入れてからでは時すでに遅しなのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">メディアでも、専門家のみならず、そのような力に惑わされた経営者、政治家、スポーツ選手、芸能人が犯した過ちに関するニュースが繰り返されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">必要なのは、道徳性であり、人間として誠実であることです。自分の限界を知り、自分の特性を知り、おごることなく自分が持つ知識や情報を塗り替えていく柔軟さと謙虚さです。社会や組織の階段を昇るほど、この道徳性、謙虚さ、正しい自己認識が求められてきます。そして、階段を登り始める前にこれらを準備しておかなければならないのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="pwcC5qqjkX"><a href="https://www.a-output.com/leaders-darkside">リーダーとリーダーシップ。権力のダークサイド</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;リーダーとリーダーシップ。権力のダークサイド&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/leaders-darkside/embed#?secret=0t2RaBOXCV#?secret=pwcC5qqjkX" data-secret="pwcC5qqjkX" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="HYdnpTOMvM"><a href="https://www.a-output.com/minorities-need-morality">マイノリティにも必要な道徳観 how to prevent moral hypocrisy</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;マイノリティにも必要な道徳観 how to prevent moral hypocrisy&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/minorities-need-morality/embed#?secret=dNYxVxymXR#?secret=HYdnpTOMvM" data-secret="HYdnpTOMvM" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="NnqEz16RFd"><a href="https://www.a-output.com/intelligence">知能（Intelligence）とは？知能に関する５つの理論</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;知能（Intelligence）とは？知能に関する５つの理論&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/intelligence/embed#?secret=MuAwqq5Pk6#?secret=NnqEz16RFd" data-secret="NnqEz16RFd" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
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		<title>人間よりも動物を優先する心理と、動物よりも人間を優先する心理</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 19 Dec 2025 21:47:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[メディア]]></category>
		<category><![CDATA[モラル]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
		<category><![CDATA[社会学]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>今回は、動物に関連する心理、つまり、人間よりも動物を優先する心理や、逆に動物よりも人間を優先する心理の両方について、その背景にあるものを見ていきます。また、その他さまざまな動物に関わる私たちのバイアスを紹介します。 ～  [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">今回は、動物に関連する心理、つまり、人間よりも動物を優先する心理や、逆に動物よりも人間を優先する心理の両方について、その背景にあるものを見ていきます。また、その他さまざまな動物に関わる私たちのバイアスを紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">クマが人里まで下りてきて危害を加えるというニュースが増えましたね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これに対して「今すぐクマを絶滅させるべき」というコメントした東京都の市議会議員がいましたが、そんな単純な発言をしてしまう議員の方がクマよりも危険なので、このような議員こそ絶滅してほしいですね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、「クマが可哀そう」「クマを殺すな」とSNSなどで声を上げる都会の人たちに対して、「だったら自分がここに来てクマを保護しなさいよ」とコメントした北海道福島町のお母さんがいましたが、これは痛快でした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの周りには、偏った単純な見方しかできない人があふれています。表面的な理解や感覚的な発言をするだけで、物事を深く考えてから話すことができません。本サイトではそのような内容の記事を幾度も書いてきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回は「動物」に絞って、動物に関連する心理、つまり、人間よりも動物を優先する心理や、逆に動物よりも人間を優先する心理の両方について、その背景にあるものはいったい何なのかを見ていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには、心理学、倫理学、社会学、進化生物学など複数の分野の視点が含まれます。なぜなら、</span><span style="color: #262626;">個人の感情や好みの問題だけでなく、文化、進化、法制度、道徳、経済、社会構造などさまざまな要因が同時に作用しているからです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">動物よりも人間を優先する心理</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">では初めに動物よりも人間を優先する心理の背景について見ていきましょう。これは人間の本能でもあるので、説明するのは簡単です。ただし、人間が地球上で最強の生物となった今、本能に任せた行動ばかりしていると、最終的に自分たちの首を絞めることになります。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．人間中心主義（Anthropocentrism）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">背景にある根本的な概念は、<strong>人間中心主義（Anthropocentrism）</strong>です。人間が地球上で最も価値があり、他の生命よりも優先されるべきという考え方であり、人間優先の倫理観です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">あからさまにそのように主張する人はほとんどいませんが、実際はとても多くの人たちに浸透しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間の安全、幸福、文化が最優先され、「<strong>自然や動物は人間の生活を支えるための資源や食料</strong>」と考えています。</span><span style="color: #262626;">人間は自然の一部ですが、そのような当たり前の事実すら忘れています。無意識のうちに「人間社会と自然は別」「人間の行動と環境は切り離されている」と思っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのため、動物や環境が変化しても、それを人間の行動への反応とは捉えません。代わりに「動物が変化した」「自然がおかしくなっている」と解釈します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマ問題では、冒頭の議員のように「人を守るためなら駆除どころか絶滅させることも正当」という主張と結びつきます。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．種差別（Speciesism / スピーシズム）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>種差別（Speciesism）</strong>とは「人間を他の動物より優先すること」に加えて「特定の動物を他の動物より高く価値付けすること」も意味します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり「人間 &gt; 動物」だけでなく、「犬 &gt; 豚」「猫 &gt; 鶏」というランク付けをします。なぜなら犬や猫は人間の仲間だからです。動物同士でも、人間から見たかわいさ、親しみやすさ、役割、文化的価値によって序列が異なるのです。種差別は人間中心主義の延長線上にある考え方です。</span><span style="color: #262626;">これについては後ほどより詳しく説明しましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．内集団バイアス（In-group bias）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">なぜ、人間は自分たちの仲間を守るのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人類の進化の中で、仲間を作り、グループを守ることで生存をつなげてきた進化心理学的な歴史があるからです。仲間ではないもの、グループを脅かすものは生存リスクとなりうるため、 本能的に排除欲求が働きます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">脳は外界を効率的に処理するため、対象を「自分たち」と 「それ以外」にグループ分けしています。外のグループには警戒しやすく、内のグループには寛容になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分が所属するグループを優先する思考を、<strong>内集団バイアス（In-group bias）</strong>と言いますが、これは人間と動物の間だけでなく、人間同士でも起きるバイアスです。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-29542 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-2.png" alt="" width="546" height="193" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-2.png 1016w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-2-300x106.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-2-768x271.png 768w" sizes="(max-width: 546px) 100vw, 546px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">人間よりも動物を優先する心理</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">次に、人間が動物やモノに感情移入して、それらを人間よりも優先してしまう心理を見ていきましょう。これらにも、多くの関連する概念が絡まっています。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．動物中心主義（Animal centrism, zoocentrism）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>動物中心主義</strong>は、人間よりも動物の権利を優先する価値観や考え方そのものです。極端な場合、人間の犠牲があっても動物の保護を優先すべきだという思考に至ります。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．擬人化（Anthropomorphism）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>擬人化</strong>とは、動物やモノに人間のような感情や特徴をあてはめることです。</span><span style="color: #262626;">たとえば、動物に「寒いわね」とか「きれいになりたいね」とか「わざとやったでしょ！」といった人間の概念や感情を投影します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">動物にも感情はあります。しかし、それは人間と同じではありません。それなのに、動物があたかも人間であるかのように考えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜ擬人化が起こるのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>私たちの脳はすでに頭の中にあるパターンと出来事を結び付けようとする</strong>からです。そのため、馴染みのない何かを理解しようとするとき、自身の内部モデルを投影するのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、馴染みのなさが擬人化を助長する側面もあります。</span><span style="color: #262626;">特に、野生動物に遭遇する機会が少ない人は、実体験に基づく知識不足を、映画やアニメ、子供の頃に見た物語、文化的な神話などで補おうとします。そのため、生態学的な理解ではなく「物語の中の動物像」が強化されます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">野生動物に囲まれて育った人たちは、動物に関する実践的な知識を持っているため、擬人化をあまり行わない傾向があります。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．愛着と絆（Attachment and bonding）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人間は、人間以外のものとも、感情的な関係を築くことができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">子どもたちは、ぬいぐるみやおもちゃと絆を深めます。大人はペットや植物に話しかけることで、感情的な幸福感を高めることができます。社会的なつながりは人間の深い欲求であり、動物はそれを満たすことができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ひょっとすると、私たちは、災害時にペットを助けるために、他の住民を置き去りにするかもしれません。それは見知らぬ他人よりも、共に過ごしたペットへの愛情と絆の方が強いからです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．かわいさバイアス（Cuteness bias）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>かわいさバイアス</strong>は、先ほど紹介した種差別（スピーシズム）と重なる考え方です。</span><span style="color: #262626;">動物中心主義は一言で表されるほど単純ではありません。人は見た目に影響されます。つまり「かわいい動物」に道徳的価値を感じるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">リスボン大学研究所（ISCTE）の研究チームの、学術誌「Animals」に掲載された論文があります。<sup>(1)</sup><br />研究者たちは、ポルトガルの成人509人に、1から7までの尺度を用いて、11の項目で動物を評価するよう依頼しました。その結果、<strong>道徳的な関心や保護の気持ちの違いは、他のどの要因よりも、その動物の「可愛らしさ」と関連している</strong>ことを発見しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、オーストラリアの研究者たちによって、人は、<strong>美しい動物を殺すことの方が醜い動物を殺すことより道徳的に間違っている</strong>と考えることが分かりました。</span><sup>(2)</sup></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜ、かわいい動物への優先順位が生まれるのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">かわいい動物は人間の赤ちゃんを連想させるというものがあります。</span><span style="color: #262626;">実際、大きな目や優しい顔立ちといった特徴を持つ動物は、愛情本能を刺激するという報告がいくつかあります。犬、猫、パンダ、コアラなど、赤ちゃん顔、丸さ、表情によって、より強い共感が引き起こされるのです。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-29540 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-1.png" alt="" width="515" height="162" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-1.png 921w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-1-300x94.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/12/animals-1-768x241.png 768w" sizes="(max-width: 515px) 100vw, 515px" /></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．共感（Empathy）と過剰共感（Hyper-empathy）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">今説明したように、私たちは、人間だけでなく、その他のかわいい動物に対しても共感することができます。しかし、行き過ぎた共感は、バランスを欠いた判断をもたらします。以前書いた記事『<strong><a href="https://www.a-output.com/empathy-compassion" target="_blank" rel="noopener">エンパシーとコンパッション</a></strong>』でも説明した通りです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜクマ被害を受けている地域の人たちではなく、クマの方に共感してしまうのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それには、<strong>ミスアロケーション・オブ・エンパシー（misallocation of empathy）</strong>も関係しています。共感の「配分ミス」です。苦しんでいる人たちよりも、動物に感情が集中して倫理的な優先順位がずれるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="BLykmIRBPQ"><a href="https://www.a-output.com/empathy-compassion">エンパシーとコンパッション：２つの本当の意味と、人はどちらを持つべきか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;エンパシーとコンパッション：２つの本当の意味と、人はどちらを持つべきか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/empathy-compassion/embed#?secret=wfleSGwnb1#?secret=BLykmIRBPQ" data-secret="BLykmIRBPQ" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">６．倫理的部分性（Moral Partiality）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">倫理学には「<strong>人間は近しい者ほど道徳的に優先する</strong>」という考えがあります。</span><span style="color: #262626;">アフリカの難民よりも日本の災害被害者が優先され、遠くの学校の事件よりも自分の子供が通う学校の事件を深刻に受け止めます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間から多くの共感を得ることができる動物は、近しい存在であると認められます。他の動物よりも内側のカテゴリーを与えられ、優先されるのです。</span><span style="color: #262626;">かわいい、醜いの違いだけでなく、宗教や神話などで文化的に神聖視される動物も優先されます。逆に不浄とされる動物は不当に低く扱われ、道徳感も抱きません。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">７．代償的道徳行動（Moral Compensation）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人間が動物を苦しめていること（工場式畜産、動物実験、生息地の開発）に気付き、その罪悪感を軽減するために動物保護を訴えることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分の行動と価値観を一致させるために動物中心の倫理観に走るのは、<strong><a href="https://www.a-output.com/cognitive-dissonance" target="_blank" rel="noopener">認知的不協和（cognitive-dissonance）</a></strong>を対処するためでもあります。<strong>人は、自分が問題の原因だと信じたくないため、自分の行動を変えるのではなく、自分の考え方を変えて、自分の中にある矛盾（認知的不協和）を解消しようとします</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多くの人が「私には問題はない」と思い込み、自己防衛を図り、自分のアイデンティティを守ります。責任を否定する方が、行動を変えるよりも簡単だからです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">８．人間への幻滅の反動</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人間社会に対する嫌悪感や不信感や不満の反動として、動物や自然保護に傾倒し、自己肯定感や倫理観を保とうとする心理もあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">動物は人間より無垢で純粋で、守るべき存在です。こうした認識は、動物が理想化され、人間が道徳的に格下げされるという、道徳的な歪みを生み出す可能性があります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">その他のバイアス</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">さて、ここまで、人間よりも動物を優先する心理と、動物よりも人間を優先する心理について書きました。しかし、それだけでは、最近のクマ被害の背景にある心理を説明し切れないことに気が付きました（汗）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマ問題に関しては、その他さまざまな心理が関わっています。少し長くなりますが、それらも紹介していきましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．理性的な動物ファラシー（Reasonable Animal fallacy）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">私たちの中には、無意識のうちに動物が人間と同じような理性を持っているという思い込みをしている人がいます。先ほど紹介した擬人化に通じる考え方です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「なぜクマは人間の生活圏に入って来るのだろう？」「どうしてクマは分からないのだろう？」「最近のクマは人間を甘く見ている」などは、クマが人間と同じような知性を持っていることを前提にした発言です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマは人間に対して悪意を持ち始めたわけではありません。町中に入ることを倫理的に間違っているとも考えていません。罪悪感も感じませんし、道徳的な判断も下しません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマは、山の餌が少なくなり、人里には餌があるから、餌に引き寄せられて、町中に出現しているのです。クマの本能や習慣に従って生き延びようとしているだけです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間の意図が分からないのは、人間と同じ知能を持っていないからです。</span><br /><span style="color: #262626;">まあ、クマが人間を理解しないように、人間もクマを十分に理解していないですよね。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．テリトリアリティ（territoriality：領域性）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">私たちは他国が自国の領土を侵害することにとても敏感です。</span><span style="color: #262626;">個人レベルでも、自分の家に他人がズカズカと入り込んでくれば、かなりの抵抗感を覚えます。同様に、動物が人間の居住地域に侵入してくると過敏に反応します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは資源や安全を確保しようとして、自分の場所を守り、他者の侵入を防ごうとする心理的、生物学的性質で、人間だけではなく、多くの動物に備わっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、人間が動物たちの生息地に侵入したり、開発によってその生活を完全に奪い去っても、何も思うことはありません。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．根本的な帰属の誤り（Fundamental Attribution Error）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">クマが町中に出てくるようになった背景には、過疎化が進み、里山が放置され、伝統的な土地の管理ができなくなった人間側の都合があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマは山に食べ物が少なくなった一方で、里山には人が少なくなり、街には餌があるから降りてきているのです。</span><span style="color: #262626;">ケーキやご馳走をあちこちに放置しておきながら、幼い子供に「食べちゃだめでしょ！」と怒鳴りつけるようなものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">どちらかと言えば、クマが変化したのではなく、人間側が変化したのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには、自分のことは棚に上げて他者を責める「<strong>根本的な帰属の誤り（Fundamental Attribution Error）</strong>」や「<strong>自己奉仕バイアス（Self-Serving Bias）</strong>」が影響しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<strong>根本的な帰属の誤り</strong>」は、自分が「行為者」になった場合と「観察者」になった場合で見方が違うバイアスです。私たちが行為者である場合は、外的要因に意識が向かう一方で、観察者である場合は、行為の当事者に注意が向くバイアスです。<br /></span><span style="color: #262626;">「<strong>自己奉仕バイアス</strong>」は、自分に都合のよいことは自分に帰属させ、都合の悪いことは他者に帰属させるバイアスです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらのバイアスによって、私たちは次のように捉えるのです。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">ここ数年おきている環境変化 → 自然の変化のせい</span></li>
<li><span style="color: #262626;">クマがより多く見られるようになった → クマのせい</span></li>
<li><span style="color: #262626;">クマが人を襲った → クマが狂暴になった</span></li>
<li><span style="color: #262626;">今年はドングリが実らなかった → たまたま不作の年だった</span></li>
</ul>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="QPP9npVfku"><a href="https://www.a-output.com/locus-of-control">ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/locus-of-control/embed#?secret=QkXiQs2vec#?secret=QPP9npVfku" data-secret="QPP9npVfku" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．利用可能性バイアス（Availability bias）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">先に説明した種差別（スピーシズム）をクマ問題に当てはめると、こう働きます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">都会にすむ人たちにとっては、クマは、ぷーさんであり、可愛い存在です。</span><br /><span style="color: #262626;">しかし、クマ被害を受けている地方の人たちにとっては、危険な害獣です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">同じクマでも<strong>場所や立場によって評価が変わるのは、個々が持つ実体験やイメージが異なるから</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">都会に住む人たちにとっては、クマは可愛い、守るべき「距離のある」存在です。リアルなクマは身近な存在ではなく、SNSや動画で見る愛くるしいクマ像が強化されています。「クマ」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、動物園で見たクマや、アニメのクマかもしれません。それによって、感情豊かとか、思慮深い、社交的、優しいといったイメージさえ持つかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、実被害を受けている方々には、身近な人たちが遭遇したり、畑を荒らされたり、外出時や通学時の不安など、「距離の近い」存在です。</span><span style="color: #262626;">「クマ」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、先日隣町の小学校に侵入してまだ見つからない特定の個体かもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">都会にいる人たちには「自分や家族が襲われたらどうしよう」「外を歩くのが怖い」といった、日常が奪われるストレスや恐怖をくみ取ることができません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このように<strong>意見が異なるのは、都市に住む人と地方との間の利用可能な情報にギャップがあるから</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">情報の利用可能性によって思考が制限されることを「<strong>利用可能性バイアス（Availability bias）</strong>」と言います。利用可能な経験や情報の違いによって、価値観や倫理軸が異なります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「クマによる被害は新しい現代社会の問題」という誤解も、利用可能性バイアスが関係しています。歴史的に、農村地域は野生動物の侵入に悩まされ続けてきました。今に始まったわけではありません。しかし、その経験が共有されていないため、利用可能でなくなっているのです。利用可能性の制限によって、因果関係も見えなくなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">利用可能性バイアスの他の身近な例として、どの世代も「自分の子供時代が健全な幼少期」と考えますね。「自分が子供のころは、、」とか「自分が若い時は、、」など、子供のころの自分の価値観や行動が「正常」と考え、それと異なる今の子どもや若者たちを批判的にとらえます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>自分の経験が絶対であり、自分の経験と違う経験を評価しない</strong>のです。これには自己奉仕バイアスも関与しています。つまり「今の若者たちは、、」という言葉は、時代を超えて、永遠に繰り返されるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="rRzxMFXHhI"><a href="https://www.a-output.com/covid19-bias">正常性バイアス、確証バイアス、突出バイアス、メディアバイアス。。コロナウイルスの様々なバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;正常性バイアス、確証バイアス、突出バイアス、メディアバイアス。。コロナウイルスの様々なバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/covid19-bias/embed#?secret=cUbPktekfM#?secret=rRzxMFXHhI" data-secret="rRzxMFXHhI" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．二極化（Polarization）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">クマ駆除派とクマ保護派の両極端な立場に固執する人たちがいるのは、<strong>１つの考え方しか受け入れられず、２つの相反する考え方の両方を受け入れ、その中間的なバランスの取れた判断ができない</strong>からです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマのみならず、私たちの意見は、両極端に分かれる傾向があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前書いた記事『<a href="https://www.a-output.com/polarization" target="_blank" rel="noopener"><strong>二極化などの極端な考え方、ソーシャルメディア、認知のゆがみの関係性</strong></a>』でも紹介したように、SNSなどが勧めてくる極端な情報を真に受けて、偏った考えを強化していく人も増えています。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="4eXJhIrM2c"><a href="https://www.a-output.com/polarization">二極化などの極端な考え方、ソーシャルメディア、認知のゆがみの関係性</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;二極化などの極端な考え方、ソーシャルメディア、認知のゆがみの関係性&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/polarization/embed#?secret=9AL8mIYcAB#?secret=4eXJhIrM2c" data-secret="4eXJhIrM2c" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">６．単純化（Oversimplification）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">意見の二極化は、問題の単純化でもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマ問題には、「周期性」「気候変動」「人口減少」「過疎化・高齢化」「里山の荒廃」「ハンターの減少」「体系的な対応の欠如」「クマの個体数の増加」「親をなくした小熊の存在」「生息地の開発」「伝承の断絶」「農地や畑の放置」「果樹の管理」「経済」「予算」「暮らしの変化」「働き方の変化」「アーバン化」などさまざまな要因が絡まっています。クマを殺せば解決する単純なものではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>もはや、私たちの社会的な問題に単純なものはありません</strong>。さまざまな要素が重なり合っています。しかし、<strong>人間は分かりやすい説明と単純な解決策を好みます。単純な答えは、たとえ効果がなくても、感情的な満足感を与えることができます</strong>。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="nzkv9A4jk4"><a href="https://www.a-output.com/complex-problem-wicked-problem">どんどん複雑化する私たちの問題：Complex Problem, Wicked Problem</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;どんどん複雑化する私たちの問題：Complex Problem, Wicked Problem&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/complex-problem-wicked-problem/embed#?secret=SZgzyy7ged#?secret=nzkv9A4jk4" data-secret="nzkv9A4jk4" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">７．政治のせい</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">私たちが抱える社会問題は、必ずしも政治がすべてを解決するものではありませんし、政治にすべての責任があるわけでもありません。しかし、<strong>私たちは何でも政治のせいにする傾向があります</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「守ってほしい」「早く捕獲しろ」「人を増やせ」「税金は上げるな」「政府は何をやっているんだ」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分たちで何とかしようと解決策を考える人は多くありません。政治の肩を持つつもりは毛頭ありませんが、それにしても、私たちはいつから何でも政治の責任にするようになったのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには、集団のストレスや不安、不満の矛先を特定の個人やグループに向けて責任を負わせて、自分の責任は回避する「<strong>スケープゴート心理（Scapegoating）</strong>」や<strong>権威主義</strong>、先ほどの根本的な帰属の誤りや</span><span style="color: #262626;">自己奉仕バイアスが関係しています。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="cO3RHLpRtP"><a href="https://www.a-output.com/blame-game">なぜ人はいつも問題を他人のせいにするか？「Blame Game」から抜け出そう！</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;なぜ人はいつも問題を他人のせいにするか？「Blame Game」から抜け出そう！&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/blame-game/embed#?secret=GkoB4bUvnF#?secret=cO3RHLpRtP" data-secret="cO3RHLpRtP" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="bUNt5WRskX"><a href="https://www.a-output.com/escape-from-freedom">変革の書籍紹介：Escape from Freedom 自由からの逃走</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;変革の書籍紹介：Escape from Freedom 自由からの逃走&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/escape-from-freedom/embed#?secret=JjKlD3q69L#?secret=bUNt5WRskX" data-secret="bUNt5WRskX" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5> </h5>
<h5><span style="color: #262626;">８．メディアの認知バイアス（media bias）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">メディアも、ここまで紹介してきたようなバイアスの強化に加担しています。</span><br /><span style="color: #262626;">メディアも人間の集合体なので致し方ありませんが、<strong>メディアが問題なのは、大量の人にメッセージが繰り返し届き、利用可能性バイアスを増強してしまう</strong>点です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">テレビのニュースでは、次のようにクマニュースが取り上げられます。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><span style="color: #262626;">「〇〇県〇〇町のスーパーにクマが侵入しました。」</span><br /><span style="color: #262626;">「〇〇県〇〇村で、クマが住民を襲いました。」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、クマの映像が流れます。</span><span style="color: #262626;">さらに「こんなところに出てくるとは」とか「怖いです」などのインタビューが続きます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人は「恐怖情報」を強く記憶します。連日のクマ襲撃報道によって恐怖感が増幅します。「クマは以前より攻撃的になった」という偏見さえ植え付けるかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、次のようなニュースを見ることはほとんどありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「この問題を多方面から考えてみましょう」「どうすれば根本的な解決につながるか模索しましょう」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜなら、複雑な検証は面倒で、労力と時間がかかり、短い放送枠に収まらないからです。限られた時間でインパクトを残すため、攻撃、危険、恐怖に焦点を当て、感情に訴える報道をするのです。</span><br /><span style="color: #262626;">メディアは、私たちの単純思考も増強しています。このような、感情に強く訴えかける顕著な情報に注意が引きつけられ、他の重要かもしれない情報を見落す認知バイアスを「<strong>突出バイアス（Salience bias）</strong>」と言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「クマが冬眠しなくなる」というニュースも見ましたが、正確には「一部のクマが冬眠しなくなる」でしょう。「冬眠の時期なのにまだ民家の横の柿の木に登って柿を食べている」ではなくて、「冬眠の時期になり山にはもう食べ物はないが、民家にはまだ柿がなっている」でしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">旧来のメディアだけでなく、代替的なソーシャルメディアも、クマのフェイク画像など、さらに信憑性の問題が深刻です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前、本サイトでは、「問題でなく、解決策を提示するメディア」である『<strong><a href="https://www.a-output.com/constructive-journalism" target="_blank" rel="noopener">コンストラクティブ・ジャーナリズム（建設的ジャーナリズム）</a></strong>』を紹介しましたが、そのようなメディアがもっと広がってほしいですね。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="coAWDoMLeb"><a href="https://www.a-output.com/constructive-journalism">コンストラクティブ・ジャーナリズム：解決志向、未来志向のメディア</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;コンストラクティブ・ジャーナリズム：解決志向、未来志向のメディア&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/constructive-journalism/embed#?secret=QVqdATf4E2#?secret=coAWDoMLeb" data-secret="coAWDoMLeb" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回は、人間と動物との関係、特にクマ問題に関する、さまざまな人間の心理を紹介しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">クマ問題に対する短期的対応として、町中にやってきて人間に危害を加えるクマの処分は避けられません。しかし、長期的には、人間とクマとの健全な距離やバランスを取り戻す必要があります。人間の安全を確保しつつ、クマの生態的なニーズも尊重し、両者の衝突を減らすための方策です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">海外の国々、例えば以前住んでいたアメリカで、私はよくキャンプに出掛けていましたが、クマと人間の距離感を維持する方策が明確です。ベアプルーフ（クマ対策済み）のゴミ箱の設置、キャンプ場などで食料を車外に放置しないなど、人間の食べ物の味を覚えさせないことが徹底されています。また、レンジャーがゴム弾や雷管音などで、人間は怖い存在と学習させます。これらの対策が浸透しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、海外に目を向けるまでもなく、日本の山間の村や農村には、科学ではなく、生活実体験によって積み重ねられたクマ回避の知恵、野生動物と共に暮らすため方法が存在していました。民俗学や地域史などの資料にそれが残っています。それらをもう一度利用可能にすることも大切でしょう。例えば、</span><span style="color: #262626;">次のようなものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">（1）音でクマに「人が来ている」と知らせる</span><br /><span style="color: #262626;">・山へ入るときに熊鈴を使う</span><br /><span style="color: #262626;">・作業中に歌う、笛を吹く</span><br /><span style="color: #262626;">・山菜採りの際に「ヨーホー」「ホイホイ」といったはやし声を出す</span></p>
<p><span style="color: #262626;">(2) 山入りの決まり</span><br /><span style="color: #262626;">・薄暗い朝夕に山へ入らない（ツキノワグマが活動的になる時間帯のため）</span><br /><span style="color: #262626;">・用事がある場合は複数で行く</span><br /><span style="color: #262626;">・子どもだけで山へ行かせない</span></p>
<p><span style="color: #262626;">(3) 食べ物の管理</span><br /><span style="color: #262626;">・生ゴミ・残飯は屋外に置かない</span><br /><span style="color: #262626;">・寝床の近くに食料袋を置かない</span><br /><span style="color: #262626;">・家の外に匂いの強い食べ物を放置するのは厳禁</span><br /><span style="color: #262626;">・魚や肉の処理は川や共同場で行い、家に匂いを残さない</span><br /><span style="color: #262626;">・果実・穀物は夜間屋外に置かない</span></p>
<p><span style="color: #262626;">(4) 耕作地の管理（耕作放棄地の処理）</span><br /><span style="color: #262626;">・薪や下草刈りで、人の匂いや気配を浸透させる</span></p>
<p><span style="color: #262626;">(5) クマとの接触回避</span><br /><span style="color: #262626;">・マタギ、猟師、山守などがクマの行動を観察して村に伝える</span><br /><span style="color: #262626;">・危険な個体がいれば対処</span><br /><span style="color: #262626;">・山で遭わない方角・時間帯を指南</span><br /><span style="color: #262626;">・クマの通り道（獣道）を避けて作業</span><br /><span style="color: #262626;">・風上を歩かず、風下側から山を利用する</span><br /><span style="color: #262626;">・沢沿い、見通しの悪い笹藪、クマザサの密生地に不用意に踏み入れない</span><br /><span style="color: #262626;">・子グマを見かけたり、声が聞こえたら、すぐに離れる</span><br /><span style="color: #262626;">・音が聞こえにくい沢の近くや、強風の日は、大きな声や音を出す</span><br /><span style="color: #262626;">・谷から尾根へ直登しない（クマの逃げ道を塞がない）</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Possidónio, C., Graça, J., Piazza, J., &amp; Prada, M., “<a style="color: #262626;" href="https://doi.org/10.3390/ani9080475" target="_blank" rel="noopener">Animal images database: Validation of 120 images for human-animal studies</a>”, Animals, 9(8), 475., 2019.(2) Klebl, C., Luo, Y., Tan, N. P. J., Ern, J. T. P., &amp; Bastian, B., “<a style="color: #262626;" href="https://doi.org/10.1016/j.jenvp.2021.101624" target="_blank" rel="noopener">Beauty of the Beast: Beauty as an important dimension in the moral standing of animals</a>”, Journal of Environmental Psychology, 75, 101624, 2021.</span></p>


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		<title>二極化などの極端な考え方、ソーシャルメディア、認知のゆがみの関係性</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 30 Nov 2025 11:57:44 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[帰属理論]]></category>
		<category><![CDATA[書籍紹介]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>認知のゆがみとは、現実を不正確に認識する、非合理的で偏った思考パターンです。物事を極端に捉えて正確でない解釈をするだけでなく、否定的に捉えて望ましくない結果を生み出します。元々、うつ病や不安症といった内向性障害に関連する [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><span style="color: #0f5459;"><strong>認知のゆがみとは、現実を不正確に認識する、非合理的で偏った思考パターンです。</strong></span><span style="color: #0f5459;"><strong>物事を極端に捉えて正確でない解釈をするだけでなく、否定的に捉えて望ましくない結果を生み出します。元々、うつ病や不安症といった内向性障害に関連する思考パターンを示したものでしたが、一般の人たちにも広がってきています。</strong></span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">世界の政治的、イデオロギー的な二極化、極端化（Polarization）がますます深刻になってきています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">専門家は、ソーシャルメディアがその一因だと指摘します。実際に、ソーシャルメディアの文脈での、政治、報道、そして有権者の反応に関する研究が数多くあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディアはこの10年ほどで政治的なコミュニケーションの方法を変えました。</span><br /><span style="color: #262626;">トランプ大統領など一部の政治家のみならず、多くの政治関係者が、コンテンツを通じたコミュニケーションで、二極化を助長しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たち一般人も、オンラインでの交流を通じて、過激なものの見方をする人が増えてきました。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの普段の会話や考え方における<strong>認知のゆがみ（Cognitive distortions）</strong>も深刻化してきています。<br /></span><span style="color: #262626;"><strong>認知のゆがみとは、現実を不正確に認識する、非合理的で偏った思考パターンです</strong>。<br />物事を極端に捉えて正確でない解釈をするだけでなく、否定的に捉えて望ましくない結果を生み出します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回は、二極化や両極化のような極端な考え方と、ソーシャルメディア、認知のゆがみの関係について見ていきます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="przoKkuQjr"><a href="https://www.a-output.com/cognitive-distortions">認知のゆがみ Cognitive distortions：役に立たない考え方とその直し方</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;認知のゆがみ Cognitive distortions：役に立たない考え方とその直し方&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/cognitive-distortions/embed#?secret=U1tyXQPNSp#?secret=przoKkuQjr" data-secret="przoKkuQjr" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ソーシャルメディアと極端な考え方</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディアには、私たちの認識や意見や行動に与える影響や、なぜ極端な考え方をするようになったのかを分析する上で重要な特徴があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">エコーチェンバー、フィルターバブル、スーパースプレッダーなどです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらの現象が、政治の二極化、誤った情報の拡散、そして社会の分断に重大な影響を及ぼしているという証拠が数多く存在します。</span><span style="color: #262626;">そのような問題を引き起こすメカニズムを１つずつ解説し、関連するその他の影響についても見ていきましょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．エコーチェンバー：Echo Chamber</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">エコーチェンバーとは、<strong>自分たちが支持する意見や信念のみが交換される社会的な場所</strong>のことを指します。</span><br /><span style="color: #262626;">「チェンバー」は、部屋など閉ざされた空間を意味する言葉です。つまり、エコーチェンバーは、自分たちの発した言葉がそこでこだまのように何度も返ってくる部屋、もしくはそれが増強されて反響する空間です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディア上では、そのような空間が容易に形成されます。<br /></span><span style="color: #262626;">なぜなら、同じ考えを持つ人やメディアを呼び寄せ合うように設計されたプラットフォームになっているからです。</span><br /><span style="color: #262626;">そこには、反対意見は届かず、届いたとしても跳ね返されます。そこは同調主義が支配する世界です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>ユーザーがみな同じような意見を交わすことで、エコーチェンバーの中では時間とともに、特定のアイデアのみが増強されていきます</strong>。そこにいる人たちの意見は、より極端になり固定化していきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、その空間の中にいる人たちに、自分たちの主張が世の中で広く受け入れられている、あるいは普遍的に受け入れられているという錯覚さえ引き起こします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その結果、異なる視点を探究することをせず、それ以外の意見を受け入れない空間を作り出し、社会との分断を深めるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．フィルターバブル：Filter Bubbles</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">フィルターバブルは、起業家であり作家である<a href="https://www.elipariser.org/" target="_blank" rel="noopener">イーライ・パリサー（Eli Pariser, 1980 -）</a>によって提唱された概念です。彼は「テクノロジーとメディアを民主主義に役立てること」を目指す活動家でもあります。フィルターバブルという言葉は、彼が2011年に書いた本のタイトルに使われています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">Facebook、Google、YouTube、Xなどのソーシャルメディアや検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーの過去の行動（クリック、検索、コンテンツの視聴など）を追跡し、ユーザーの嗜好に合わせて次に表示するコンテンツを決定します。なぜそのような仕組みになっていると言うと、その方が収益が上がるからです。この仕組みをパリサーはフィルターバブルと呼びます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この仕組みによって、<strong>ユーザーは自分の興味に合ったコンテンツだけが現れる「バブル」の中に閉じ込められ、バブルの外側の世界、つまり、それ以外の分野や多様な意見に触れる機会を失う</strong>のです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">フィルターバブルは多様な視点に触れる機会を制限し、孤立した「情報サイロ」の形成につながります。その結果、異なる見解を持つ人たちを理解し、共感することが難しくなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人間には<strong>確証バイアス</strong>という「自分の見解と一致するコンテンツを信頼する」バイアスがありますが、フィルターバブルはこのバイアスをさらに後押ししてしまう機能を持っているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">YouTubeでは、バブルの中にいるユーザーは、アルゴリズムによって同じような内容の動画を繰り返し見せられることになり、特定の思想に傾倒していきます。時が経つにつれて、ユーザーをさらに狭い情報の流れに押し込めて、偏見を強化していくのです。</span></p>
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	</div>
</div>

<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．スーパースプレッダー：Superspreaders</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">「スーパースプレッダー」とインターネットで検索すると、検索結果のほとんどが感染症に関するもので、「コロナウイルスなどの感染症を周囲に拡散させる力が強い感染源となる人」などと出てきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、ソーシャルネットワーク上では、<strong>スーパースプレッダーは、誤情報、陰謀論、分断、極端化を招くようなコンテンツを、プラットフォーム上で大量に発信し、急速かつ広範囲に拡散させる人</strong>を意味する言葉です。一言で言えば、有害な部類のインフルエンサーです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらの人の投稿内容は、単純かつセンセーショナルで、人の思考よりも感情に訴えるため、とても集客力が高く、かつ、フォロワーと交流することで視認性を高めるので、多くのフォロワーを抱えています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">スーパースプレッダーは、意図しようがしまいが、極端な意見やフェイクニュースまたは誤解を招く情報を拡散させ、エコーチェンバーやフィルターバブルを強化し、社会の分断に加担します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実はこの意味でも、スーパースプレッダーは「感染症を周囲に拡散させる力が強い感染源となる人」で正しいのかもしれませんね。</span></p>
<h5 style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></h5>
<h5><span style="color: #262626;">４．ソーシャルアンプリフィケーション：Social amplification (Social media amplification)</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>ソーシャルアンプリフィケーションは、コンテンツが急速かつ広範囲に拡散すること</strong>です。<br />「アンプリフィケーション」を日本語に直訳すると「増幅」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">感情的、衝撃的、またはセンセーショナルな内容のコンテンツほど、そうなる傾向があります。</span><br /><span style="color: #262626;">ウイルスのように拡散するため、<strong>バイラル化</strong>とか<strong>バイラル拡散（Viral Amplification）</strong>と呼ばれることもあります。</span><br /><span style="color: #262626;">情報が増幅することで、政治的分極化をエスカレートさせたり、社会の分断を増幅させる可能性があります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．社会的証明：Social Proof</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>社会的証明とは、特定の状況において、他人の意見や行動が正しいと思い込む心理</strong>を指します。<br />ソーシャルメディアでは、投稿が多くの人に「いいね！」されていたり、シェアされていたり、たくさんコメントされているのを見ると、実際にはそうでなくても、この投稿は信頼できる、または真実であると見なしてしまう可能性が高くなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">社会的証明という用語は、心理学者でありマーケティングの教授でもある<a href="https://www.influenceatwork.com/" target="_blank" rel="noopener">ロバート・チャルディーニ（Robert Cialdini, 1945 -）</a>が1984年に著したベストセラー『<strong>Influence: The Psychology of Persuasion（邦題）影響力の武器</strong>』の中で提唱した概念です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">大衆にとって、人気は正義です。人気は正当化につながります。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">人は他人の意見や行動を見て、自分の意見や行動を決めます。<br />「他の多くの人がやっているのだから、正しいのだろう」と考えます。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">社会的証明は、特定のアイデアを実際よりも正当であるように見せかけ、フィルターバブルを強化し、信念をさらに固定化し、分極化を助長します。</span></p>
<div id="rinkerid29265" class="yyi-rinker-contents  yyi-rinker-postid-29265 yyi-rinker-img-m yyi-rinker-catid-106 ">
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<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">６．レイジベイティング：Rage-Baiting</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人は理性の動物と言いますが、実際は、多くの人が理性で自分の感情を抑えることができず、感情に振り回されて行動しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">レイジベイティングとは、「怒りを餌にすること」、つまり、<strong>意図的に怒りを引き起こすような扇動的なコンテンツを作成して、多くの人たちから強い反応を集め、コメントやシェアを獲得し、コンテンツへのアクセス数を稼ぐ手法</strong>です。炎上マーケティングとか炎上商法とも言いますね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">怒りを誘発する投稿は拡散されやすくなります。SNSのアルゴリズムは、エンゲージメントが多いコンテンツを高く評価するため、レイジベイティングは効果的な収益化の手法になっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、レイジベイティングによって、コンテンツの作成者の懐は潤う一方で、社会はさらに分断していきます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">７．沈黙のスパイラル：Spiral of Silence</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>沈黙のスパイラル（沈黙の螺旋）とは、自分の意見が少数派である、あるいは受け入れられないと感じると、自分の意見を表明しにくくなることを示した概念</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディアにおいては、特定の意見が過度に増幅され、孤立や沈黙させられていると感じる場合に、この現象が起こり得ます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">特定の意見に対してエコーチェンバー内で絶えず増幅された極端な意見が固定化した人たちに対して、反対意見を持つ人は「あ、この人たちに何を言ってもだめだわ」と感じることがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それだけでなく、集団から孤立することを恐れるため、反対意見を言えなくなってしまうこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これが負のスパイラルとなって、反対意見はますます表明されにくくなっていき、これによって、開かれた健全な議論の余地は失われます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="lyqmIS2DrY"><a href="https://www.a-output.com/groupthink">「グループシンク：集団思考」の防止法</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「グループシンク：集団思考」の防止法&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/groupthink/embed#?secret=YzgVB590Cc#?secret=lyqmIS2DrY" data-secret="lyqmIS2DrY" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">ここまでのまとめ</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">さて、ソーシャルメディアのメカニズムが引き起こす問題について、ここまでまとめると次のようになります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">エコーチェンバーやフィルターバブルは、多様な視点に接する機会を制限し、既存の信念を強化し、さらなる極端な思考につながります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">スーパースプレッダーとソーシャルアンプリフィケーションは、ネットワーク上での情報（誤情報も含む）の拡散に大きな役割を果たし、極端な考え方を持つ人たちの集団形成を助けます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">社会的証明、レイジベイティング、そして沈黙のスパイラルは、いずれも私たちのコンテンツの扱い方や共有方法に影響を与え、固定観念を強化し、建設的な議論を妨げる要因になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらの現象には相互作用があります。つまり、これらがフィードバックループを形成し、集団をより孤立させ、感情的な反応を増幅させ、分断をさらに深めます。これらの影響を理解することは、政治的二極化や現代社会におけるソーシャルメディアがもたらす課題に対処する上で不可欠です。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">図：フィルターバブル</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-29282 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/echo-chamber.png" alt="" width="621" height="312" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/echo-chamber.png 1313w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/echo-chamber-300x151.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/echo-chamber-1024x514.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/echo-chamber-768x385.png 768w" sizes="(max-width: 621px) 100vw, 621px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">認知のゆがみ</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">このように、ソーシャルメディアによって極端な考え方に接する機会が増え、そのような考え方に傾倒していく人たちが増えるにつれて、私たちの認知が歪んできていると知っても、決して驚くことではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">二極化の背景にある思考パターンは、うつ病や不安症といった内向性障害に関連する思考パターンである<strong>認知のゆがみ</strong>と驚くほどの類似性を示しています。</span><br /><span style="color: #262626;">うつ病患者は、認知のゆがみ、つまり、不適応的な思考パターンに陥りやすく、自分自身、世界、そして未来について過度に否定的で不正確な考え方をする傾向があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">二極化は、<a href="https://www.a-output.com/cognitive-distortions" target="_blank" rel="noopener">以前紹介した認知のゆがみ</a>の１つである「<strong>白か黒かの両極端で考える認知のゆがみ：Absolutistic thinking</strong>」と関連します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この障害を持つ人は、自分自身や他人について、白黒はっきりした極端な視点で考える傾向があり、これは政治的、社会的二極化の心理的特徴と一致します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに、ソーシャルメディアなどによって、その他の認知のゆがみも悪化してきています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば「この政策を支持する人たちは無知で危険だ。国を滅ぼそうとしている」、これは認知のゆがみである「<strong>過度な一般化：Overgeneralisation</strong>」の例です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">過度な一般化とは、一つの否定的な情報をより大きなパターンに当てはめてしまう認知のゆがみです。個々のニュアンスや個人差を無視して、ある見解を、構成員全員に広く当てはめて一律的な解釈をします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、これは別の認知のゆがみである「<strong>誇張：Magnification, Catastrophizing</strong>」とも関連します。</span><span style="color: #262626;">１つの政策の良し悪しだけで、国が滅びることは考えにくく、また国を滅ぼそうとしているとも考えにくいですが、脅威を誇張して表現するのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">Kahanらによる「アイデンティティ保護のための認知（Identity-Protective Cognition）」に関する研究では、<strong>人は、客観的な事実よりも、自分の社会的アイデンティティを守りたいという欲求によって左右される</strong>ことが分かりました。<sup>(2)</sup><br />例えば、移民や動物被害といった社会問題について、自分の考えと反する立場の人たちを脅威と見なし、その人たちにより極端で悪いイメージを植え付けるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、<strong>人の特性を過度に一般化する人（例えば、保守派は○○だ、中国人はみな○○だなど、あるグループの人たちを同一視する人）は、より二極化した思考に陥る傾向がある</strong>ことが分かっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ある研究では、2016年と2020年のアメリカ大統領選挙に関する議論に参加したX（旧Twitter）ユーザーにおける、認知のゆがみを示す言語パターンの出現頻度を調べて比較しました。<sup>(3)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">調べたのは、2016年の1,558,934人のユーザーによる合計37,292,720件のツイート、2020年の3,005,657人のユーザーによる合計47,532,985件のツイートです。</span><br /><span style="color: #262626;">その結果、２度の選挙の間に、認知のゆがみに関連する言葉の使用が急増していることが分かりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、別の研究では、過去125年間の間に、英語、スペイン語、ドイツ語で出版された合計1,400万冊以上の書籍において、認知のゆがみを示す言葉の出現頻度を調査しました。<sup>(4)<br /></sup></span><span style="color: #262626;">なお、出版数の時代差を考慮するため、その年における出現頻度を出版総数で割ったもので比較しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この研究によると、20世紀の大半に渡って、認知のゆがみを示す言葉の出現頻度は横ばいであったものの、2000年以降、出現頻度が大きく伸び、世界恐慌や二度の世界大戦の水準を上回るほどの急増を見せていることが分かりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">下のグラブは、３か国語それぞれについて、一般的に認識されている12の認知のゆがみのタイプ毎の出現頻度を表したものですが、３言語すべてにおいて、2000年ごろから歴史的な水準をはるかに上回る急上昇を示すという特徴が確認されました。なお、唯一の例外は「should」ですが、これは文法上多用される言葉なので、認知のゆがみに関連付けられた「should」のみを特定するのが困難だったからです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><strong>図：1855年から2019年までの認知のゆがみ普及率（10年間の移動平均で平滑化したZスコアの中央値）、</strong><br /><strong>英語、スペイン語、ドイツ語、認知のひずみの種類別 <sup>(4)</sup></strong></p>
<p><a href="https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.2102061118"><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone wp-image-29273 size-full" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04.jpg" alt="" width="4167" height="1249" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04.jpg 4167w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04-300x90.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04-1024x307.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04-768x230.jpg 768w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04-1536x460.jpg 1536w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/pnas.2102061118fig04-2048x614.jpg 2048w" sizes="(max-width: 4167px) 100vw, 4167px" /></a></p>
<p> <span style="color: #000000;"><span style="font-size: 12px;">A：大げさ化（Catastrophizing）、B：両極端化（Dichotomous reasoning）、C：否定化（Disqualifying the positive）、D：感情的推論（emotional reasoning）、E：未来予想（fortune telling）、F：レッテル化と間違ったレッテル化（labeling and mislabeling）、G：過大化と過小化（magnification and minimization）、H：心のフィルター （mental filtering）、I：読心術（mindreading）、J：過度な一般化（overgeneralizing）、K：人への結び付け（personalizing）、L：べき論（should statements） </span></span></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし、これらの関連性に直接的な因果関係はなく、相関関係であることに注意は必要です。</span><br /><span style="color: #262626;">また、重要なのは、認知のゆがみは個人の認知スタイルであるのに対し、政治的、社会的二極化は個人と集団との関係性によって引き起こされる点です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それぞれ異なる個人的プロセスと集団的プロセスを指している可能性がありますが、分極化と認知のゆがみの関係は、近年の認知のゆがみの深刻化に対する懸念を浮き彫りにしています。</span><span style="color: #262626;">個人レベルにとどまらず、集団レベルのバイアスへと拡大し、政治的・社会的な分極化を助長している可能性があります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに：いくつかの対応策</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">これらの歪みを社会レベルで是正することは困難ですが、いくつかの戦略を複合的に講じることは可能です。最後に、それらの対応策を紹介しましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．認識を認知する</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、自分が持っている意見にどうやってたどり着いたのか、認識する必要があります。そのために、学校で<strong>メタ認知</strong>や<strong>クリティカルシンキング</strong>を教えて、自分がどう考えているかを客観的に捉えるのを助けたり、メディア・リテラシーのプログラムなどを提供するなどして、限られた証拠から大きな結論へと飛躍することに対して疑問を持つことを学ぶ機会提供が必要でしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、私たち誰もが持っている数々の<strong>認知バイアス</strong>や、<strong>推論の誤謬（ファラシー）</strong>を知ることで、恣意的な推論や過度な一般化を減らすことができます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="8GIlgTGQCr"><a href="https://www.a-output.com/logical-fallacy">ロジカル・ファラシー Logical Fallacy：私たちの論理の誤り</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ロジカル・ファラシー Logical Fallacy：私たちの論理の誤り&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/logical-fallacy/embed#?secret=FzJc2xrPTy#?secret=8GIlgTGQCr" data-secret="8GIlgTGQCr" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="tPDwVpyegv"><a href="https://www.a-output.com/metacognition">自分の考え方を知りコントロールすること：メタ認知と、その他の理論の比較</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;自分の考え方を知りコントロールすること：メタ認知と、その他の理論の比較&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/metacognition/embed#?secret=whuzZHRaha#?secret=tPDwVpyegv" data-secret="tPDwVpyegv" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．メディアやアルゴリズムの設計と規制</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディアは、私たちが持つ認知バイアスや認知のゆがみを利用したアルゴリズムで利益を上げています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">たばこやギャンブルなど、健康への悪影響があったり、依存性の高いサービスがすでに規制されているように、このようなアルゴリズムの使用をある程度制限したり、改善を促す必要があるでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">どのようなアルゴリズムを使っているのか利用者に情報を開示するなど、サービスの透明性を確保することも重要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、誤情報、フェイクニュースなど、情報の信ぴょう性をサービス提供者にAIなどを利用してチェックさせることや、ファクトチェック機能を付けることも有効でしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多様な視点を提示するメディアは、極端な意見を助長するエコーチェンバー効果を軽減します。それを可能にするアルゴリズム設定もできるはずです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ソーシャルメディア上で、利用者に対して「１つの見方に集中していませんか？」という注意喚起のメッセージを表示させたり、「たまには別の視点で考えてみませんか？」のメッセージと共に、そのようなポストを提示することもできるでしょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．対話と共感の促進</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人と人が直接建設的に話す機会が減ってきている中、対話の機会を増やしたり、そのような機会をもつことを促すことも効果的です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">集団間の対話、熟議民主主義の取り組み、あるいは横断的ネットワークといったプログラムは、参加者それぞれに敬意ある環境で、異なる見解を持つ人たちと出会う機会を提供します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その際に、対話の目的を参加者で共有することが重要です。異なる政治的または社会的集団に属する人たちが共通の目的に向かって取り組むとき、恣意的な推論や、極端な意見を抑えることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また拙速に結論を求めるのではなく、ゆっくりとした思考や深い分析を評価する環境づくりも大切です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">社会レベルでの認知のゆがみの修正には、思考を監視したり、変化を強要するのではなく、分極化につながるようなシステム、社会規範、動機に気づいてもらうことが重要です。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="WKvs6Ox4aw"><a href="https://www.a-output.com/debate">ディベートの問題点：勝つことではなく、相手を理解することを目指す議論</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ディベートの問題点：勝つことではなく、相手を理解することを目指す議論&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/debate/embed#?secret=EtEMyZKyE9#?secret=WKvs6Ox4aw" data-secret="WKvs6Ox4aw" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Matheus Schmitz, Keith Burghardt, Goran Muric, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://arxiv.org/abs/2209.08697v2" target="_blank" rel="noopener">Quantifying how hateful communities radicalize online users</a>&#8220;, IEEE/ACM International Conference on Advances in Social Networks Analysis and Mining (ASONAM), 2022.</span><br /><span style="color: #262626;">(2) <span style="font-weight: 400;">Dan M. Kahan, “<a href="http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.2973067" target="_blank" rel="noopener">Misconceptions, Misinformation, and the Logic of Identity-Protective Cognition</a>”, Cultural Cognition Project Working Paper Series No. 164, Yale Law School, Public Law Research Paper No. 605, Yale Law &amp; Economics Research Pa<span style="color: #262626;">per No. 575, 2017/5/24.<br />(3) Andy Edinger, Johan Bollen, Hernán A. Makse &amp; Matteo Serafino, &#8220;<a href="https://doi.org/10.1038/s44271-025-00289-4" target="_blank" rel="noopener">Cognitive distortions are associated with increasing political polarization&#8221;</a>, Commun Psychol 3, 105, 2025.<br />(4) Johan Bollen, Marijn ten Thij, Fritz Breithaupt, Alexander T. J. Barron, Lauren A. Rutter, Lorenzo Lorenzo-Luaces, Marten Scheffer, &#8220;<a href="https://doi.org/10.1073/pnas.2102061118" target="_blank" rel="noopener">Historical language records reveal a surge of cognitive distortions in recent decades</a>&#8220;, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 118 (30) e2102061118, 2021.</span></span></span></p>


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		<title>ディベートの問題点：勝つことではなく、相手を理解することを目指す議論</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 20 Nov 2025 12:25:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[コンフリクト]]></category>
		<category><![CDATA[交渉]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ディベート（討論）にはメリットがありますが、デメリットもあります。二者択一で考え、合意形成ではなく勝つことが目的になります。理解を深めるよりも、プレゼン力、雄弁さなど、スキルや印象に結果が左右されるライブパフォーマンスに [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">ディベート（討論）にはメリットがありますが、デメリットもあります。二者択一で考え、合意形成ではなく勝つことが目的になります。理解を深めるよりも、プレゼン力、雄弁さなど、スキルや印象に結果が左右されるライブパフォーマンスになります。必ずしも正しい方が勝つわけでもありません。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">世の中には白黒付けることが難しい問題がたくさんあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">観光地でのオーバーツーリズム対策として、観光客の人数を制限すれば地域のルールは守られますが、観光収入が減って地域経済に悪影響を与えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">最低賃金を引き上げれば、労働者の収入は改善しますが、人件費が上がることで、物の値段がさらに上がるかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">大型音楽フェスの開催規制をすれば、騒音やごみ問題が減り、周辺住民の生活環境は守られますが、フェスによる経済効果が失われ、音楽ファンはがっかりしてしまうかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ヨーロッパの多くの国々やシンガポール、ジャカルタなどのように、都市内への車の乗り入れを制限すれば、渋滞緩和や大気汚染は軽減されますが、利便性は失われてしまいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626; font-size: revert;">このように、賛成か反対か簡単に判断することができない問題が世の中にはたくさんあるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ディベート（討論） とは？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ディベート（討論） とは、あるテーマについて、賛成側と反対側に分かれて、論理的な根拠や証拠をもとに議論を行い、どちらの立場がより説得力があるかを競うものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば「小学生にスマートフォンを持たせるべきか」というテーマに対して、賛成、反対、それぞれの立場に分かれて、根拠やデータをもとに主張し合います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">賛成側は「スマホは緊急時の連絡手段になる」とか「持っていないと仲間外れになる」と主張するかもしれません。</span><br /><span style="color: #262626;">反対側は「勉強の妨げになる」とか「有害なサイトに誘導されたり、闇バイトなどの犯罪に巻き込まれる」と主張するかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">次に、相手側に対して論理的に反論したり、自分の主張を補強したりします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">賛成側は反対側に「うまく使えば、スマホは勉強の助けになる」と反論するかもしれません。</span><br /><span style="color: #262626;">反対側は賛成側に「みんなが持つことをやめれば仲間外れにならない」と主張するかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、最後にどちらの主張がより説得力があるか、聴衆や審査員が判断します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ディベートによって、私たちは、論理的思考、情報収集力、分析力、表現力、コミュニケーション能力、交渉力を磨くことができます。証拠を集めたり、</span><span style="color: #262626;">自分の考えをまとめたり、論理的に組み立てて説明する力を養ったり、批判的に考える力を高めることができます。また、他人と主張を交わすことで、多様な視点が明らかになったり、前提に間違いがないか検証することもできます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それらの点ではディベートは有効ですし、そのようなスキルを身につけるという目的で行われる限りはディベートは有益です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、テーマや論題そのものに白黒をつけることを目的とすると、有益でないどころか、有害となる可能性もあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実は、ディベートには、メリットとデメリットがあります。</span><br /><span style="color: #262626;">今回はディベートのデメリットにフォーカスして考えていきます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ディベートのデメリット</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">では、ディベートのデメリットを列挙していきましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．二者択一を求められる</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ディベートは、本質的に対立的です。</span><br /><span style="color: #262626;">あるテーマに対して「賛成」か「反対」か、相反する２つの立場のどちらかを取ることが迫られます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">批判的思考や表現力を養うことはできますが、同時に対立や二極化を引き起こすことがあります。参加者はお互いの共通点を探るのではなく、自分の立場に固執してしまうことがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">どちらか一方を選ばなければならないとき、私たちは反対意見の正当性や、議論の背景にあるニュアンスを無視してしまいがちです。理解を深めたり、妥協点を探ったり、創造的に考えることは阻害され、議論は探究的というより敵対的なものになりがちです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">政治、倫理、テクノロジー、環境などの現代社会が抱える問題は、複雑な要因や様々な立場が絡み合っていて、その解決策は白黒はっきりした単純なものにはなりません。しかし、そのような<strong>複雑な議論でさえも、両極端のどちらかで考えてしまう</strong>のです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="ZqaGu9gLQq"><a href="https://www.a-output.com/complex-problem-wicked-problem">どんどん複雑化する私たちの問題：Complex Problem, Wicked Problem</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;どんどん複雑化する私たちの問題：Complex Problem, Wicked Problem&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/complex-problem-wicked-problem/embed#?secret=kJvDUlOHei#?secret=ZqaGu9gLQq" data-secret="ZqaGu9gLQq" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">中絶に賛成ですか？反対ですか？</span></li>
<li><span style="color: #262626;">銃規制に賛成ですか？反対ですか？</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">これらはアメリカで長く繰り返される政治的かつ社会を二分するテーマです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">何が何でも中絶に反対という保守派の人たちがいます。しかし、状況によっては中絶を認める人たちもいます。銃規制に関しても、単純に規制に賛成か反対かではなく、本来はどのような規制にするかがより重要でしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「賛成」か「反対」では、人が置かれた立場や状況の違いから生じる微妙なニュアンスをくみ取ることはできません。<br /></span><span style="color: #262626;">現実は、はるかに複雑です。多くの場合、<strong>答えはそのどちらかではなく、その間のどこかにある</strong>のです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．議論に勝つことが目的になっている</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ディベートは「どちらが優れているか」を競うものです。</span><br /><span style="color: #262626;">相手のことをもっと理解するよりも「勝つ」ことが優先されます。</span><br /><span style="color: #262626;">相手の主張に「確かにそうですね」と同意したり、「もっと詳しく聞かせてもらえますか」とお願いするのではなく、反論のネタ探しや、相手のロジックを覆すことに必死になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">始める前から、対立的な姿勢を取ることもあり、本来の問題解決は後回しになります。</span><br /><span style="color: #262626;">勝つために極端な意見や偏った主張を展開することもあり、バランスの取れた議論は難しくなります。ひどい場合は、個人攻撃につながることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、どちらが正しく、どちらが間違っているかにフォーカスすると、視野が狭まります。<strong>トンネル効果によって、その他の選択肢が見えにくくなり、建設的な議論は妨げられます</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ヴァージニア軍事大学のエミリー・リリー教授（Emily Lilly）による2012年の研究では、<strong>討論に参加する生徒に特定の立場を割り当てると、生徒が自分の考えに基づいて結論を導き出す能力が著しく阻害される</strong>ことが判明しました。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">討論を第三者の立場で観るだけでも、どちらかの立場を知らずに支持するようになり、その証拠だけを恣意的に選び、対立する証拠は無視するようになることさえあります。これには<strong>確証バイアス（confirmation bias）</strong>が影響しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、討論は無益なだけでなく、有害になることもあるのです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．真実よりもその場の説得力が重要になる</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ディベートでは「相手よりいかに説得力のある主張をするか」が決め手になります。</span><span style="color: #262626;">意見そのものよりも、説得力、組み立て方、プレゼンの仕方、雄弁さ、自信があるように見せることが重要です。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">つまり、スキルの差によって結果が左右されます。必ずしも正しい方が勝つわけではありません。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">また、ディベートには、時間の制限があることが多いので、複雑なテーマをじっくり掘り下げている余裕はありません。<br />正確さや深い洞察よりもその場での説得力が優先されます。多方面からの物事の理解や熟慮された分析よりも、単純化された分かりやすいスローガン的な主張や、それらしく聞こえる印象の良い発言が評価されることもあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらには、<strong>ディベートはライブパフォーマンス</strong>であるため、内容よりもその人の見た目や人気やイメージに影響されます。</span><br /><span style="color: #262626;">ディベートスキルの高い人は、膨大な量の知識を頭の中に蓄え、他者と対決しながら、それらを素早く言葉にまとめ上げることができます。</span><span style="color: #262626;">誤った情報さえそれらしく主張したり、相手を説得するために事実を操作できる人もいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、物事を深く掘り下げられる鋭い洞察を持っている人でも、<strong>印象がよくないとか、話すのが遅いというだけで負けてしまうこともある</strong>のです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．感情や価値観の対立を生みやすい</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ディベートは、個人的な攻撃や感情的な言い争いにつながることがあります。</span><br /><span style="color: #262626;">相手を尊重せず、感情が論理を凌駕し、場を支配してしまうこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">司会者や、ファシリテーターも、両者の共通点を見出して歩み寄りを探るのではなく、参加者にプレッシャーを与えたり、問い詰めるスタイルで、合意よりも対立を扇動することがあります。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-29074 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/debate.png" alt="" width="591" height="166" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/debate.png 1120w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/debate-300x84.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/debate-1024x288.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/debate-768x216.png 768w" sizes="(max-width: 591px) 100vw, 591px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">勝つことではなく、理解することを目指す議論</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">良い議論をするためには、対話や協調の姿勢を持ち、建設的な意見交換を目指すことが重要です。</span><br /><span style="color: #262626;">私たちが行うべきなのは、<strong>相手に勝つことではなく、相手を理解することを目指す議論</strong>です。相手を打ち負かすことではなく、非敵対的議論または協働的対話と呼べるような「<strong>探究型のディスカッション（inquiry-based discussion）</strong>」です。</span><br /><span style="color: #262626;">なぜなら、<strong>すべては理解すること、そして理解したことを認めることから始まる</strong>からです。</span></p>
<blockquote>
<p><span style="color: #262626;">ゴールは相手に勝つことではなく、相手を理解することである。</span><br /><span style="color: #262626;">     ～ 高宮あきと</span><br /><span style="color: #262626;">The goal is not to win, but to understand.</span><br /><span style="color: #262626;">     ～ Akito Takamiya</span></p>
</blockquote>
<p><span style="color: #262626;">集団理解を深め、新たな洞察を生むの</span><span style="color: #262626;">です。そうすることで、当初は誰も想像していなかった新たな視点にたどり着くこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そ</span><span style="color: #262626;">のような議論の進め方を以下に記します。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．目的を定める。相手に勝つことではなくお互いを理解する</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">「一方が正しく、一方が間違っている」というディベートの罠にはまるのを避けましょう。</span><br /><span style="color: #262626;">そのために、<strong>議論の目的を相互理解を深めることにする</strong>べきです。はじめに、そのことを参加者全員の共通認識にしましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">相互理解とは、相手に自分の意見を受け入れるように説得することではなく、なぜ違いがあるのかを知ることです。違いの背景を知り、それを受け入れることです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参加者の誰かが防御するような発言をしていたら、勝ち負けの議論に陥っていると思ってください。<strong>相互理解の結果、勝者や敗者が生まれることはありません</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ファシリテーターがいる場合は、「私たちの目標は、どちらが優れているかを決めることではなく、互いに学び合うことです」と最初に目的を明確に示すのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">公共政策学教授の<a href="https://polisci.osu.edu/people/neblo.1" target="_blank" rel="noopener">マイケル・A・ネブロ（Michael A. Neblo）</a>らの論文は、<strong>参加者が勝利ではなく理解に焦点を当てると、意思決定はより情報に基づいた公平なものになる</strong>ことを示しています。<sup>(2)</sup></span><br /><span style="color: #262626;">ネブロらは、他者の意見に耳を傾けながら自らの立場を修正する態度を持って議論することを目指す<strong><a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Deliberative_democracy" target="_blank" rel="noopener">熟議民主主義（Deliberative democracy）</a></strong>を支持しています。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．反論ではなく、質問をする</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">学校では、手を挙げて自分の意見を積極的に発言できる生徒が評価されます。</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>私たちの社会では、聞くことよりも話すことの方が高く評価される</strong>からです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">　話す　＝　積極的、エネルギーに満ちている、自分が主張できる、ポジティブ</span><br /><span style="color: #262626;">　聞く　＝　消極的、自分の意思がない、流されている、ネガティブ</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ずっと静かに聞いていて「よく静かに聞いていましたね」と先生から褒められることはありません。<br />相手の話を聞く技術は、学校でも家庭でも職場でも教えられません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、人気、声の大きさ、見た目などの議論とは関係のない要因が、評価に深く影響します。自信があり口が立つ学生は討論で優位に立つ傾向があり、物静かだが他人の意見をよく聞く生徒は討論で不利になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>ディベートのスキルが高い人は、様々な点で社会的に評価されやすい</strong>のです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、<strong>共に理解を深めるためには、説得するのではなく、質問することが求められます</strong>。相手の話をよく聞いてそれを知ることが求められます。</span><span style="color: #262626;">効果的な質問は、「なぜそんなに間違っているのですか？」ではなく「なぜそう考えたのですか？」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは人の話を聞くのが不得意です。つまり、不得意なことをしなければなりません。それを克服するためには常に意識していなければなりません。参加者に他の視点を要約してもらうルールとすることも効果的です。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．ルールを定める</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">目的と共に、対話のガイドラインやルール、プラットフォームを定めます。</span><span style="color: #262626;">議論そもそもの組み立て方に問題がある場合、第一ボタンを掛け違えたまま他のボタンをかけ続けてしまうように、最後まで掛け違えたまま進み、修正できません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば次のようなルールを設定します。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">初めに、参加者全員が順番に自分の考えをみんなと共有する。また、その前提を述べる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">自信がなくても不確実でも、参加者が安心して共有できる心理的安全性を確保する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">すぐに反論しようとするのではなく、一呼吸おいて相手の話をよく聞き、相手を理解するための質問をする</span></li>
<li><span style="color: #262626;">攻撃して相手を防御させるのではなく、理由を尋ねる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">相手の意図について勝手な憶測をしない</span></li>
<li><span style="color: #262626;">相手の性格や特性ではなく、推論と証拠に焦点を当てる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">可能な限り、複数の立場からの知見、様々な角度からの見方を組み合わせる</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">以前、そのようなガイドラインの例として、アメリカのセント・ジョンズ・カレッジ（St John’s College）が採用している討議の作法を紹介しました。ここではその詳細は割愛しますが、ご興味があれば、<a href="https://www.a-output.com/people-dont-listen" target="_blank" rel="noopener">こちらのリンク</a>から、そのガイドラインをご参照ください。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="XEhq4BG9My"><a href="https://www.a-output.com/people-dont-listen">なぜ人は他人の言う事を聞けないのか？ ～ 「聞く」環境を整える</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;なぜ人は他人の言う事を聞けないのか？ ～ 「聞く」環境を整える&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/people-dont-listen/embed#?secret=bDGUJRkR4Q#?secret=XEhq4BG9My" data-secret="XEhq4BG9My" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．グループを「賛成派」「反対派」の２つに分けない</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">「どちらが正しいか」という議論になるのを避けるためには、<strong>そもそも「どちら」という立場を作らないこと</strong>、つまり、<strong>グループを２つに分けないこと</strong>です。対立する関係を作ることで、勝つように動機づけられた推論や、防御的な態度を引き起こすのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、多数派の主張に対して、意図的に反論をするような役割を与えられる人を「<strong>悪魔の代弁者（devil’s advocate）</strong>」と言いますが、本当は違う意見を持っているのに、無理矢理あることを支持する立場で主張させようとしても、的確な批判ができない場合があり、期待するほど機能しません。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．「はい」や「いいえ」で答えられない質問を問う</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">勝ち負けを目的にしない対話を導くには、「賛成」や「反対」、「はい」や「いいえ」で答えるテーマや質問を選ばないことです。</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>ディベートがよい結果をもたらさない大きな要因の一つは、テーマが安易かつ軽率に設定されてしまうこと</strong>です。答えが限られている場合、議論は浅薄になり、誤解を招くことがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、「AIは社会にとって良いのか悪いのか」と問うのではなく、次のように問いかけるとどうなるでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「AIは私たちの幸福にどのような点で役立ち、どのような点で害を及ぼすのか。そして、これらの影響をどのようにバランスさせることができるのか？」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このような問いかけは、参加を分断させるのではなく、共に探求することを促します。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">６．多くのことは文脈次第であることを理解し、一般論ではなく具体的な文脈を示す</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>真実は「文脈」次第です</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、同じ主張でも、ある文脈では正しくて、別の文脈では間違っています。</span><br /><span style="color: #262626;">どちらの主張も、部分的に正しく、部分的に間違っています。</span><br /><span style="color: #262626;">どちらの主張も、真実の一部は捉えていますが、全体を捉えていないことがあります。</span><br /><span style="color: #262626;">ある文脈においては、どちらの主張も間違っていることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>真実の多くは「条件付き」です</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">条件によって、正しくもなり、間違うこともあります。</span><br /><span style="color: #262626;">ある点ではプラスになっても、別の点ではマイナス効果になることもあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば「グローバリゼーションは世界にとって良いか悪いか」という質問は文脈が漠然としています。どの国のどの人の立場か、環境にとってか、経済にとってか、人間の幸せにとってか、文脈によって答えは正反対になることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">同様の漠然すぎる質問に「再生可能エネルギーは地球を救うか」や「リモートワークをより普及させるべきか」などがあります。これらの質問は物事を過度に単純に捉えすぎています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>文脈を絞らないと、議論はすれ違ったり、かみ合わずに拡散したり、無駄に対立を煽るだけ</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「どのような状況で、それが成り立つのか？」を問うのです。</span><span style="color: #262626;">条件が変われば、結論も変わるからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、「パソコン業務主体のIT技術者にはリモートワークは快適さと生産性をもたらすが、現場から離れられない製造や農業の現場では、どうすれば同様の自由さや快適さをもたらすことができるのか」などのように文脈を明確にするのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">繰り返しますが、ある主張はある条件では正しいかもしれませんが、条件が違えば正しくなくなるのです。そのことを知ってください。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">７．共通点を見出す合意形成型対話</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">お互いの意見が異なる点を探究する前に、たとえ小さなことでも、同意できる点を見つけるのも効果的です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、</span><br /><span style="color: #262626;">「私たちは皆、テクノロジーが私たちの生活を形作っていることに同意しています。」</span><br /><span style="color: #262626;">「私たちはプライバシーとつながりの両方が重要であることに同意しています。」</span><br /><span style="color: #262626;">「それでは、、、」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">こうすることで、相互尊重と協力の基盤が築かれます。</span><br /><span style="color: #262626;">これを<strong>マッピングすることも有効</strong>です。意見が重なる部分、異なる部分、そして不確実性が残る部分を図示して、視覚的に整理するのです。それによって、問題を争いではなく、システムとして捉えることができます。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">８. 振り返る時間を設ける</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、様々なバイアスに支配されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">討論の参加者は自分自身がバイアスに侵されていないか、認識がゆがんでいないか、自分の思考のプロセスを時々振り返る必要があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">特にグループの場合は、個人の場合よりも警戒すべきバイアスが増えます。</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>誤ったコンセンサス</strong>（false consensus）、<strong>誤った二分法</strong>（false dichotomy）、<strong>集団思考</strong>（groupthink）、<strong>集団二極化</strong>（ group polarization）、<strong>集団のコミットメントのエスカレーション</strong>（group escalation of commitment）などのバイアスです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="v2qOeIdKMI"><a href="https://www.a-output.com/cognitive-distortions">認知のゆがみ Cognitive distortions：役に立たない考え方とその直し方</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;認知のゆがみ Cognitive distortions：役に立たない考え方とその直し方&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/cognitive-distortions/embed#?secret=1fPwXmWdmy#?secret=v2qOeIdKMI" data-secret="v2qOeIdKMI" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="Bm12DRx3TS"><a href="https://www.a-output.com/groupthink">「グループシンク：集団思考」の防止法</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「グループシンク：集団思考」の防止法&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/groupthink/embed#?secret=KSoBzBSvzC#?secret=Bm12DRx3TS" data-secret="Bm12DRx3TS" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><span style="color: #262626;">また、私たちには、話しのうまい人を、そうではない人よりも正しいと考えてしまう<strong>ハロー効果</strong>があります。ディベートは多くの場合「雄弁さの大会」になり、話し手の熱量に惑わされます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>私たちは雄弁に話す方法を教えるのではなく、雄弁さに惑わされないことを教える必要があります</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コミュニケーションと討議によって民主主義を刷新できるかを研究する<a href="https://de.wikipedia.org/wiki/Andr%C3%A9_B%C3%A4chtiger" target="_blank" rel="noopener">アンドレ・ベヒティガー（Andre Bächtiger）</a>らは、『オックスフォード討議民主主義ハンドブック』の中で、<strong>討議は、十分な平等さとお互いへの敬意の条件下で行われるべきであり、参加者が競争するのではなく、内省し、多様な視点を考慮するように促されたときに最も効果的になる</strong>と主張しています。<sup>(3)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">探究における認知が規範的民主主義理論に与える影響を研究する<a href="https://miguelegler.info/" target="_blank" rel="noopener">ミゲル・エグラー（Miguel Egler）</a>は、<strong>単に討論を重ねるだけでは、ディベートの構造に埋め込まれた暗黙のバイアス（implicit biase）を克服できず、真実やより良い意思決定が保証されるわけではない</strong>と主張します。<sup>(4)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">むしろ、特定の状況下では、討議が特定のバイアスを増大させることがあることを示しています。議論を重ねても真実に近づくことなく、むしろ、討議によって、アイデンティティや既存のバイアスを強化することがあるからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのため、参加者の多様性、発言の平等性、情報の質や提示の仕方、手続きの公平性といった条件を整えることが重要で、討論の最中にも、これらが維持されているか、特定のパターンに陥っていないかを立ち止まって確認する必要があるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="tIu5ktBDYj"><a href="https://www.a-output.com/irrationality">本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;本当に合理性は必要か、望ましい結果をもたらすのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/irrationality/embed#?secret=SrWKnVHYWO#?secret=tIu5ktBDYj" data-secret="tIu5ktBDYj" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h5><span style="color: #262626;">９．意見の相違を創造性へと変える</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">あらゆる視点を取り入れることで、私たちは意見の相違を創造性へと変えることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">協力的で柔軟さがあり、敵対的でない環境で意見を交換する場合、人は意見を建設的に修正できます。そこには</span><span style="color: #262626;">「勝者」も「敗者」もいません。学びと成長があるだけです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">何を学んだか。</span><br /><span style="color: #262626;">理解がどのように変化したか。</span><br /><span style="color: #262626;">そして、どのような新たな疑問が浮かび上がったか。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.a-output.com/worldcafe" target="_blank" rel="noopener">以前紹介した<strong>ワールド・カフェ</strong>の原則</a>もそうでした。以下がその原則です。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;">文脈（目的やテーマ、前提）を明確にする</span></li>
<li><span style="color: #262626;">おもてなしの場、誰もがリラックスして安心して参加できる場を提供する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">核心的な「問い」を探求する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">全員の「貢献」を促す</span></li>
<li><span style="color: #262626;">多様な見方や考えを結びつける</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「聞く」ことに集中し、そこに共通するパターンや本質を見つける</span></li>
<li><span style="color: #262626;">みんなで新しい「発見」をする</span></li>
</ol>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="TKQUjQ9h0e"><a href="https://www.a-output.com/worldcafe">カフェでおしゃべりを深化させるように問題を解決しよう：ワールド・カフェ</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;カフェでおしゃべりを深化させるように問題を解決しよう：ワールド・カフェ&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/worldcafe/embed#?secret=gQi8VqVyqc#?secret=TKQUjQ9h0e" data-secret="TKQUjQ9h0e" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ふぅ！<br />以上、ちょっと長くなりましたが、勝つことではなく、理解することを目指す議論の方法を説明しました。繰り返しになりますが、私たちに必要なのは、説得することではなく、相手を理解すること、知識を共有し共創することを志向する対話です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし、すべてのことで合意を目指すのは不可能です。決定を強制することなく、意見の不一致や未解決の疑問点は特定して残してもよいのです。より柔軟に物事を認識し、柔軟に対応しましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、常に自分にはバイアスがあることを意識しましょう。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="BFDPdajb6z"><a href="https://www.a-output.com/why-do-we-think-i-am-always-right">私たちはなぜいつも自分が正しいと考えるのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;私たちはなぜいつも自分が正しいと考えるのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/why-do-we-think-i-am-always-right/embed#?secret=hlfW5hlzzB#?secret=BFDPdajb6z" data-secret="BFDPdajb6z" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p>参考文献<br />(1) Emily L. Lilly, &#8220;<a href="https://files.eric.ed.gov/fulltext/EJ977172.pdf" target="_blank" rel="noopener">Assigned Positions for In-Class Debates Influence Student Opinions</a>&#8220;, International Journal of Teaching and Learning in Higher Education, Volume 24, Number 1, 1-5, 2012.<br />(2) Michael A. Neblo, Kevin M. Esterling, Ryan P. Kennedy, David M.J. Lazer, Anand E. Sokhey, “<a href="https://polisci.osu.edu/sites/polisci.osu.edu/files/_who%20wants%20to%20deliberate-and%20why_.pdf" target="_blank" rel="noopener">Who wants to deliberate—and why?</a>”, American Political Science Review, Vol. 104, No. 3, 2010/8.<br />(3) Andre Bächtiger, John S. Dryzek, Jane Mansbridge, Mark D. Warren, “<a href="https://doi.org/10.1093/oxfordhb/9780198747369.001.0001" target="_blank" rel="noopener">The Oxford Handbook of Deliberative Democracy</a>”, Oxford Academic, 2018/10/9., accessed 2025/11/15.<br /><span style="color: #262626;">(4) Miguel Egler, “<a href="https://doi.org/10.1017/epi.2022.46" target="_blank" rel="noopener">Can We Talk It Out?</a>”, Episteme, Volume 21, Issue 3, pp. 837 &#8211; 855, 2024/9.</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="YXxVBInsrP"><a href="https://www.a-output.com/detachment">デタッチメント：Detachment 感情的に距離を置く方法</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;デタッチメント：Detachment 感情的に距離を置く方法&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/detachment/embed#?secret=mjh1yFy7Dh#?secret=YXxVBInsrP" data-secret="YXxVBInsrP" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="8H5nNsyuBI"><a href="https://www.a-output.com/conflict">コンフリクト（意見の対立）の５つのタイプ：コンフリクトは「解決」でなく「転換」する</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;コンフリクト（意見の対立）の５つのタイプ：コンフリクトは「解決」でなく「転換」する&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/conflict/embed#?secret=VzelKZ4ImR#?secret=8H5nNsyuBI" data-secret="8H5nNsyuBI" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
</div></figure>



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			</item>
		<item>
		<title>コントロールの錯覚の良い点と悪い点：Illusion of control</title>
		<link>https://www.a-output.com/illusion-of-control?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=illusion-of-control</link>
					<comments>https://www.a-output.com/illusion-of-control#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 08 Nov 2025 22:11:51 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[バランス]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<category><![CDATA[自己認識]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
		<category><![CDATA[認知心理学]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>習慣や誤った思い込みに基づく無意識の行動が、私たちの世界観を形作っています。人は必ずしも合理的に情報を処理するのではなく、過去の経験や物事の提示のされ方によって心理的な影響を受けます。コントロールできないことも、コントロ [&#8230;]</p>
The post <a href="https://www.a-output.com/illusion-of-control">コントロールの錯覚の良い点と悪い点：Illusion of control</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">習慣や誤った思い込みに基づく無意識の行動が、私たちの世界観を形作っています。人は必ずしも合理的に情報を処理するのではなく、過去の経験や物事の提示のされ方によって心理的な影響を受けます。コントロールできないことも、コントロールできると錯覚するのです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">みなさんにはこのような経験はありませんか？</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">大学受験や採用面接の日は「ラッキーシャツ」を着たり「勝負パンツ」を履く</span></li>
<li><span style="color: #262626;">大事なスポーツの試合では、競技場に必ず右足から入る</span></li>
<li><span style="color: #262626;">エレベーターで早く扉が閉まったり、歩行者用横断歩道で信号がはやく青に変わるように、何度もボタンを押す<br /></span></li>
<li><span style="color: #262626;">サイコロを振る時、高い目を出したいときは強く、低い目を出したいときは弱く振る</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">すこし考えれば、このような行動が、自分の望む結果につながるものではないことが分かります。</span><br /><span style="color: #262626;">しかし、私たちはこれとさほど変わらないことを日常的に繰り返しています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚 The Illusion of Control</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介する<strong><a href="https://psychology.fas.harvard.edu/people/ellen-langer" target="_blank" rel="noopener">エレン・ランガー（Ellen Langer, 1947 -）</a></strong>は、アメリカの社会心理学者であり、マインドフルネス、意思決定、コントロールの知覚、健康心理学を専門とした研究者です。彼女はハーバード大学で終身在職権を得た最初の女性の心理学教授でもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼女が1975年、専門誌に「<strong>コントロールの錯覚（The Illusion of Control）</strong>」<sup>(1)</sup> を発表した当時、米国の心理学は<a href="https://www.a-output.com/civil_law_common_law" target="_blank" rel="noopener">行動主義（behaviorism）</a>と確率的意思決定モデル（probabilistic models of decision-making）に支配されていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ランガーは、彼女のキャリアを通して、<strong>習慣や誤った思い込みに基づく無意識の行動が、私たちの世界観をいかに形作っているかを研究し、人間は必ずしも合理的に情報を処理するのではなく、文脈や社会的手がかりによって心理的な影響を受ける</strong>ことを示し、当時主流だったそれらの考え方に異議を唱えました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人は、明らかに自分が結果に影響を及ぼすことができないような状況でも、あたかも結果をコントロールできるかのように振舞うことがあります。また、</span><span style="color: #262626;">望んだ結果が起きると、実際は何が起きるか自分では影響を及ぼせない場合でも、それをコントロールしていたのは自分だと信じる傾向があります。<br /></span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼女が論文で発表したコントロールの錯覚（コントロールの幻想）とは、「物事をコントロールする自分の能力を過大評価すること」や「コントロールできないことに対して、コントロールできると錯覚して行動すること」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">日本には「運も実力のうち」という言葉があります。</span><br /><span style="color: #262626;">その言葉が示す通り、「運」と「実力」との間に何らかの関係が存在することを信じる人は多いかもしれません。しかし、両者がどのくらい結びついているかを説明することはできません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実力やスキルが必要とされる課題では、行動と結果の間に因果関係があり、結果をコントロールすることができます。一方で、運による出来事の結果は偶然です。成功するかどうかは制御不能です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ランガーは論文で、人は、偶然の出来事にあたかも何らかの影響を及ぼすことができるかのように行動することを示す、600人以上の参加者を対象とした６つの実験を報告しています。それは次のような実験です。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験１</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">参加者は、高い数字を引いた方が勝つカードゲームを行いました。対戦相手は、自信があり有能な相手と、緊張し不安な相手のいずれかでした。実験の結果、ゲームの勝敗は完全にランダムであるにもかかわらず、参加者は、弱そうに見える相手と対戦した時の方が、勝利に自信を高めたことが分かりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは、「実力」の論理を、ランダムな事象にまで広げて当てはめたコントロールの錯覚の一例です。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験２</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">参加者は、自分で宝くじを選ぶか、自動的に割り当てられたくじを受け取るか、どちらかを選びました。当選確率は同じですが、自分でくじを選んだ人の方が、手に入れたくじを高く評価し、購入後交換してもよいと言われても、交換したがらないことが分かりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは、「自分が選択する」ことによって、ランダムな結果をコントロールできると感じた、コントロールの錯覚例です。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験３</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">参加者は、馴染みのあるくじか、あまり見たことのないくじのどちらを引くかを選びました。馴染みのあるくじを引いた人の方が、そのくじの価値をより高く評価し、当選確率が高いと考えました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「馴染みがある」ことで、結果をよりコントロールできると感じたのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験４</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">このカードゲームの実験では、自分でカードをめくる参加者もいれば、代理人にめくらせる参加者もいました。また、事前にゲームの予行練習をした参加者もいれば、しなかった参加者もいました。結果は、自分でカードをめくった参加者と、練習を行った参加者は、より勝つ可能性が高いと感じました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、能動的、主体的な関与によって、受動的に関わるよりもランダムな事象をよりコントロールできると思ったのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験５</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">実験５は競馬です。競馬場で、馬券を買う前後に、自分が選ぶ馬が勝つことにどのくらい自信があるか質問をしました。その結果、馬券を購入した後の方が、購入前よりも自信が高まることが分かりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人は何かにコミットすると、その可能性が高まると錯覚するのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">実験６</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">最後も宝くじです。参加者は２つの異なる方法で宝くじを受け取りました。</span><br /><span style="color: #262626;">１つのグループは一度にすべての数字を受け取りました。もう１つのグループは３日間、１日１つの数字を受け取りました。結果、２番目のグループの方が、自分の宝くじの当選確率に対する自信が高まったのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人は、長い時間出来事に関わることによって、たとえその結果が偶然によるものであっても、よりコントロールできると感じるようになるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚は悪いことなのか？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ランガーの研究は、不確実な状況での人の考え方を知るのに役立ちます。人が確率を誤って評価するのは、統計を知らないからではありません。認知の仕組みや文脈によって、課題の性質（実力 vs. 運）を誤って解釈するためです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、<strong>コントロール不能な課題に、選択、馴染みやすさ、直接的関与などのコントロール可能な手がかりが結び付けられると、人は、誤って「スキル思考」を適用してしまい、運に左右される出来事を、あたかもコントロールできるかのように扱ってしまう</strong>のです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">では、なぜ人は偶然の出来事を自分のコントロール下にあるかのように行動する必要があるのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、これらの錯覚は悪いことなのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実は、そうとも限りません。</span><br /><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚は、単純にネガティブなものともポジティブなものとも言い切れない、心理的な諸刃の剣です。そのメリットとデメリットの両方を紐解き、バランスを取る方法を考えてみましょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">健全なコントロールの錯覚：錯覚のポジティブな側面（メリット）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚は、特に感情面とモチベーションの面で私たちを助けてくれます。その例を紹介しましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">１．自信とモチベーションを高める</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自分がコントロールできると信じることで、私たちは前に進むことができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、努力すれば成功できると強く信じる起業家は、たとえそれに偶然の要素が絡んでいるとしても、成功するまで粘り強く努力し続けることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この感覚は、主体性、レジリエンス、そして達成感を得るために不可欠です。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">２．不確実な状況における不安を軽減できる</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">コントロールの感覚を持つことで、プレッシャー下でも冷静さを保つことができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、病気と闘う患者は、たとえ完治が約束されていなくても、その可能性があると信じれば、希望を保つことができます。また、未知の領域に事業を展開するような仕事でも、コントロールの感覚があれば、冷静に業務を進めることができます。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">３．努力と責任感を促す</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自分の行動次第だと考える人は、運を天に任せて何もしないのではなく、できるだけのことはしようと努力したり、責任感を強く持つ傾向があります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">４．幸福感をもたらす</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">適度なコントロールの錯覚は、楽観主義と自尊心を高めます。自分が世界に影響を与えることができると信じる人は、より充実感を感じ、無力感を感じにくくなります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">不健全なコントロールの錯覚：錯覚のネガティブな側面（デメリット）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">しかし、錯覚が強すぎたり、現実から乖離しすぎると、誤った判断や現実逃避につながる可能性があります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">１．過信とリスクテイク</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自分のコントロール感を過大評価すると、リスクや警告のサインを無視してしまいます。ギャンブルで負け続けていても、絶対に巻き返せると信じれば、賭け続けるかもしれません。</span><br /><span style="color: #262626;">何回失敗しても次こそは成功できると信じ続けることは、偶然が支配する局面ではデメリットになります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">２．現実の否定</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">コントロールできないものをコントロールできると信じることは、生産性のない思考やメンタルの問題につながることがあります。例えば、ある人は、交際相手との関係を修復できると信じて、有害な関係を持ち続けるかもしれません。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">３．コントロールできない結果を自分のせいにする</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自分のコントロール感を強く持つ人は、物事がうまくいかないと、たとえそれがコントロール不能なことであっても、自分のせいだと感じてしまい、不必要な罪悪感や羞恥心を持つことがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、子どもが、自分の力ではコントロールできない親からの理不尽な要求を満たせず、自分を責めることなどがあります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">４．マイクロマネジメントとストレス</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">成功や失敗には、運が関わっています。完全にはコントロールできないのに、必要以上の時間と労力をかけたり、細部までコントロールしようとして、前に進めないだけでなく、それを他人に押し付けて、他人に必要のないプレッシャーをかけてしまうことがあります。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-28924 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/control.png" alt="" width="645" height="189" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/control.png 1234w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/control-300x88.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/control-1024x300.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/11/control-768x225.png 768w" sizes="(max-width: 645px) 100vw, 645px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">バランスを取る</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">以上説明したように、「健全なコントロールの錯覚」には、現実的な楽観主義、影響を与えられるものへの集中、柔軟な思考、モチベーションの維持、感情の安定などが含まれます。</span><br /><span style="color: #262626;">一方で、「不健全なコントロール錯覚」には、自信過剰、硬直した考え方、フラストレーション、誤った決断などが含まれます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>適度なコントロールの錯覚は、私たちに力を与えてくれます。</strong></span><br /><span style="color: #262626;"><strong>過度のコントロールの錯覚は、私たちを惑わせてしまいます。</strong></span><br /><span style="color: #262626;"><strong>重要なのは、その違いを知ることです。</strong></span></p>
<p><span style="color: #262626;">では次にどのようにしてそのバランスを取ることができるのか見ていきましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">１．「影響」と「コントロール」を区別する</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、努力、準備、態度を変えたりして、周囲の人たちに影響を与えることはできます。しかし、すべての結果をコントロールすることはできません。その事実を認めるのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">２．結果を振り返る</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">結果が出た後、じっくりと振り返ってみましょう。</span><br /><span style="color: #262626;">「コントロールできたのは何だったのか？ 運や他の要素によるものは何だったのか？」</span><br /><span style="color: #262626;">こうすることで、現実的な認識を育むことができます。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">３．楽観主義を戦略的に活用する</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自信は、現実面でのリスクを見失わない限り、有用です。楽観主義を意図的にうまく利用しましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">４．不確実性を受け入れる</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">逆説的ですが、コントロールできないことを受け入れることは、私たちを弱くするのではなく、穏やかかつ賢くします。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">５．適応力を保つ</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">適度な自信と柔軟性は、過信と硬直性に勝ります。現実が変化したときに進路を修正できることで、コントロールの幻想を健全なレベルに保つことができます。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">コントロールできていると感じることは、たとえ実際にはそうでなくても、私たちの思考、意思決定、そして生き方を大きく左右します。<br /></span></strong><strong><span style="color: #262626;">それは心理的な罠であると同時に、人間の強さの源でもあります。過度の幻想は誤りにつながりますが、小さな希望に満ちた幻想は、努力、粘り強さ、そして変革を駆り立てる力となるのです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚から、マインドレス、マインドフルへ</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">コントロールの錯覚を論文で発表したエレン・ランガーは、実は「マインドフルネスの母」とも言われるほど、心と体（mind and body）の研究で有名です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ここで、ランガーが1970年代初期に研究したコントロールの錯覚の概念が、その後、1980年代以降のより包括的なマインドフルネス理論へとどのように発展したかを辿ってみましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、ランガーが意味するマインドフルネスとは、スピリチュアルや仏教から派生して使われる、いわゆるマインドフルとは異なります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼女が使うマインドフルネスは「<strong>好奇心や柔軟性を保ちながら状況を認識し、さまざまな視点にオープンで、自分の前提に疑問を持ち、新しいことに気づくことができる</strong>」という、積極的、能動的に「<strong>意識している</strong>」状態、意識的な認知と思考です。</span><br /><span style="color: #262626;">心を空っぽにしたり、思考を停止した「自動操縦」で行動するのではなく、意識的に状況を把握し、より明確かつ柔軟に考えることです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">繰り返しますが、コントロールの錯覚は「人はしばしば、以前習得したスキルやパターンを、それが当てはまらない状況（偶然の出来事）にでさえ、ほとんど無意識に適用してしまう」ということでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ランガーは<strong>「錯覚」は単にコントロールに関することだけではなく、認知が硬直していて、状況の違いに気づかない「マインドレスネス」の状態でもあり、コントロールの錯覚は、より広範な現象の１つに過ぎない</strong>ことに気づきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実は、人は人生の大半を「自動操縦」で生きているのです。コントロールの錯覚が時々起きるのではなく、世界との関わり方そのものがほとんどマインドレスなのです。</span></p>
<p>ランガー自身の著書<span style="color: #262626;">『Mindfulness（邦訳）マインドフルネス』（1989年）の中で、彼女はこの２つを明確に結び付けています。</span></p>
<blockquote>
<p><span style="color: #262626;">私たちが錯覚と呼ぶものの多くは、マインドレスネス、つまり過去に作られたカテゴリーや区別に頼ることから生じている。マインドフルネスとは、新しいことに気づき、錯覚が定着するのを防ぐプロセスである</span><span style="color: #262626;">。<br />     ～ エレン・ランガー<br /></span><span style="color: #262626;">Much of what we call illusion results from mindlessness — from relying on categories and distinctions made in the past. Mindfulness is the process of noticing new things, thereby preventing these illusions from taking hold.<br />     ～ Ellen Langer<br /></span></p>
</blockquote>
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	<div class="yyi-rinker-box">
		<div class="yyi-rinker-image"></div>
		<div class="yyi-rinker-info">
			<div class="yyi-rinker-title">
								Mindfulness (25th anniversary edition) [ Ellen J. Langer ]							</div>

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											</div>
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					</div>
	</div>
	</div>
<p><strong><span style="color: #262626;">私たちは目新しいものの考え方や文脈の変化に気がつきにくいのです。</span></strong><br /><strong><span style="color: #262626;">ものの見方や、解釈の枠組みが固定されてしまっているからです。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">今までのやり方や考え方やルールやカテゴリーを深く考えずに当てはめて、何度も同じ間違いを繰り返して、根本的な原因にたどり着かず、フラストレーションを抱えているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これを踏まえ、ランガーの後期の研究では、コントロールではなく、「意識」という観点から錯覚を再構築し、マインドフルネスを次のように定義しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">マインドフルネス</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">新しいものの見方や考え方に積極的に気づく認知プロセス</span></li>
<li><span style="color: #262626;">文脈の変化への敏感さ</span></li>
<li><span style="color: #262626;">多様な視点にオープンであること</span></li>
<li><span style="color: #262626;">不確実さを認識すること</span></li>
<li><span style="color: #262626;">自分がどう解釈しているかに気づくこと</span></li>
<li><span style="color: #262626;">自分の考え方の枠組みや期待を固定しないこと</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">マインドフルであることは、錯覚に気が付いていること、固定観念から脱却できることであり、私たちに柔軟性、創造性、そして幸福感をもたらします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">逆に、マインドレスは、現実への見方が硬直化していて、古い考え方やルールから抜け出せず、新しいものの見方や新しい発想に気づかないことです。</span><span style="color: #262626;">ランガーのマインドフルネス理論は、錯覚はマインドレスネス、つまり古い認知の枠組みを吟味せずに適用してしまうことの症状だとしています。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">私たちは、錯覚を完全に排除するのではなく、マインドフルを通して、錯覚が脳の構築物であることに気づき、それを定着するのを防ぎ、悪い罠にはまらないようにしつつ、良い点は利用するのです。自分自身の認知構造への気づきは、錯覚を防ぎ、柔軟性、健康、そして真の関与を促進します。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">下のYoutubeで、ランガー自身がコントロールの錯覚や、マインドレスネス、マインドフルネスについて説明しています。ご興味がありましたら、ご覧ください。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/UoapzkeWnko?si=FJzoqCPJ9xLxLSCq" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">エレン・ランガーの研究は、心理学をはじめ、様々な分野に大きな影響を与えました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">認知心理学と社会心理学の分野では、</span><span style="color: #262626;">認知バイアス、ヒューリスティックス、そして自信過剰に関する研究のきっかけとなり、行動経済学の大家である<a href="https://www.a-output.com/adversarial-collaboration" target="_blank" rel="noopener">ダニエル・カーネマン</a>や<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Amos_Tversky" target="_blank" rel="noopener">エイモス・トベルスキー</a>といった研究者によってさらに発展しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.a-output.com/social-cognitive-theory-and-self-efficacy" target="_blank" rel="noopener">以前紹介した</a>、アルバート・バンデューラの自己効力感などに関する研究にも影響を与えています。<br />バンデューラは、1989年「<strong>真実に基づく判断は自己制限的になり得るが、自分の能力に関する楽観的な自己評価は、それが過度にかけ離れていない限り、有利になり得る</strong>」と書いています。<sup>(2)(4)</sup><br />また、</span><span style="color: #262626;">1997年には「誤差の範囲が狭く、失敗が大きな代償や損害をもたらす可能性のある活動においては、正確な効力感の評価が、個人の幸福を実現する」とも書いています。<sup>(3)(4)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">組織心理学や経営心理学の分野においては、経営者や投資家が、複雑な市場や組織の成果に対するコントロールを過大評価しているという考えは、ランガーの理論に直接由来します。彼女の研究は、マイクロマネジメント、過剰な計画、そして過信がビジネスリーダーに根強く残る理由を説明しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">最後に、エレン・ランガー自身<span style="font-size: revert;">の有名な研究に1979年に行われた「<strong>反時計回り</strong></span><span style="font-size: revert;"><strong>実験（Counterclockwise Study）</strong>」があります。<br />これは、</span>高齢の男性たちを20年前の生活環境を再現した施設に１週間滞在させ、「あたかも今が1959年であるかのように振る舞う」ように指示した実験で、参加者は、20年前の自分として生活し、当時の出来事や音楽、映画などについて語り合いました。結果として、参加者たちは、記憶力の向上、柔軟性の改善、実際に外見的に若く見えるなど、身体的・認知的な若返り効果を示しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><span style="font-size: revert;">これは、コントロール、年齢、健康に関する信念が、生物学的および心理学的結果に影響を与える可能性があることを示唆しています。</span></span></p>
<p><span style="color: #262626;">このように、コントロール錯覚は、知覚がどのように現実を形作るかという、より広範なテーマへと発展したのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="v4jzO1hHIr"><a href="https://www.a-output.com/social-cognitive-theory-and-self-efficacy">社会的認知理論と自己効力感(Self-efficacy)：組織の視点から</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;社会的認知理論と自己効力感(Self-efficacy)：組織の視点から&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/social-cognitive-theory-and-self-efficacy/embed#?secret=uUonYtOO4g#?secret=v4jzO1hHIr" data-secret="v4jzO1hHIr" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Ellen J. Langer, “The Illusion of Control”, Journal of Personality and Social Psychology, Vol. 32, No. 2, 311-328, 1975.<br />(2) Albert Bandura A, &#8220;<a href="https://doi.org/10.1037/0003-066X.44.9.1175" target="_blank" rel="noopener">Human agency in social cognitive theory</a>&#8220;, The American Psychologist, 44 (9): 1175–1184, 1989/9.<br />(3) Albert Bandura A, &#8220;<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Self-Efficacy_(book)" target="_blank" rel="noopener">Self-efficacy: The exercise of control</a>&#8220;, New York: W.H. Freeman and Company, 1997<br />(4) &#8220;<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Illusion_of_control" target="_blank" rel="noopener">Illusion of control</a>&#8220;, Wikipedia</span></p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="2IRZEhquOT"><a href="https://www.a-output.com/locus-of-control">ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/locus-of-control/embed#?secret=piFxJ1wr8y#?secret=2IRZEhquOT" data-secret="2IRZEhquOT" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
</div></figure>



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		<item>
		<title>小さな実験 Tiny Experiments：目標にとらわれた世界で自由に生きる方法</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 05 Jul 2025 00:41:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アジャイル]]></category>
		<category><![CDATA[インテグリティ]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[個人の変革]]></category>
		<category><![CDATA[変革モデル]]></category>
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		<category><![CDATA[認知心理学]]></category>
		<category><![CDATA[認知科学]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>私たちは皆、人生を最大限に生きたいと願っています。しかし、目の前に妖精が現れ、魔法でそれを実現してくれることはありません。たとえ実用的な成果を生み出さなくても、結果にとらわれず、好奇心に導かれ、心惹かれるものに飛び込んで [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">私たちは皆、人生を最大限に生きたいと願っています。しかし、目の前に妖精が現れ、魔法でそれを実現してくれることはありません。たとえ実用的な成果を生み出さなくても、結果にとらわれず、好奇心に導かれ、心惹かれるものに飛び込んで、小さな実験を繰り返すことで、その魔法が見つかるのです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>はじめに</h4>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://anne-laure.net/" target="_blank" rel="noopener">アンヌ＝ロール・ル・クンフ（Anne-Laure Le Cunff）</a>は大学卒業後、誰もが憧れるキャリアを突き進んでいました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">グーグル本社での夢のような仕事、スキルとマッチしたチャレンジングな業務、高い給料、素晴らしい福利厚生、面白い同僚たち、様々な国への出張。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">グーグルでは、すべてのプロジェクトに明確な目標があり、すべてがデータによって判断され、昇格に必要なスキルも誤解の余地がないほどはっきり示されていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ル・クンフは、そこでデジタルヘルス事業に携わります。</span><br /><span style="color: #262626;">与えられた以外のプロジェクトにも積極的に関わり、必要であればプライベートの用事をキャンセルしてでも仕事を優先しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">転機となったのは、医師が彼女の腕に血栓を発見し、それが肺に転移する可能性があると診断した時です。彼女はすぐに手術を受けず、プロジェクトチームに迷惑をかけない日にちまで先延ばししました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">手術は無事に終わり、すぐに業務に戻ります。<br /></span><span style="color: #262626;">しかし、彼女の中で何かが変わっていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">若い頃、彼女は好奇心に導かれて様々なことを試し、学び、成長してきました。しかし、グーグルでは今後身に付けるべきスキルやたどり着くべき目的地、そこまでの道のりがまっすぐに定められていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">仕事は素晴らしいものでしたが、彼女の深い意味や価値観とずれが生じてきていました。</span><br /><span style="color: #262626;">「なぜ私は外面的にはとても成功しているのに、心の中はこんなにも平らなのだろうか？」</span><br /><span style="color: #262626;">「これが私の望む人生なのだろうか？」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アンヌ＝ロール・ル・クンフは、悩んだ末に27才にして誰もが憧れた会社を去る決断をし、ヨーロッパに戻ります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そこでヘルスケアのスタートアップを立ち上げますが、また同じことの繰り返しです。</span><br /><span style="color: #262626;">数えきれないほどのピッチトークをし、目が回るくらい忙しい日々を過ごし、結局事業を軌道に乗せることができずに会社を閉じることになります。</span><span style="color: #262626;">彼女は疲れ、燃え尽き、完全に道を見失っていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その後しばらく、何の制約も締め切りもない生活に戻ると、働き始めてから長く失われていた感覚が少しずつ戻ってきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「好奇心」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼女は目的地が定まった決められた道を進むのではなく、好奇心に任せて行動し、かつての自分を取り戻していきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">文章を書き、日記をつけ、心の仕組みについて考えるようになりました。学習への興味が芽生え、脳科学を勉強するために学校に戻ります。単なる癒しではなく、学びを他人と共有したいと思い、ブログを書き始め、自分のホームページを立ち上げます。そして、それが小さなビジネスになります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">目標にとらわれた世界で自由に生きる方法</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介する書籍は、2025年3月に出版された『<strong>Tiny Experiments: How to Live Freely in a Goal-Obsessed World（邦訳）小さな実験：目標にとらわれた世界で自由に生きる方法</strong>』です。なお、現時点では日本語版はありません。</span></p>
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	</div>
</div>

<p><span style="color: #262626;">本のタイトルから、この本は、彼女のように、生産性至上主義、上昇志向の強い人、目標にとらわれた人たちを対象に、自由に生きるためのアドバイスをしているように見受けられるかもしれせまん。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、彼女のように毎日忙しい人がふと立ち止まって人生のあり方を見つめなおすようなケースでなくても、さまざまな人たちにさまざまな場面で参考になる書籍です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば次のようなケースです。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">何か新しいことを始めたいが、どうしたらよいかわからず先に進めない人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">目標を設定しても、なかなか実行に移せない人、長続きしない人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">目標を設定したが、その目標にピンとこない人、心と体がついてこない人、充実感が感じられない人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">どんな目標を立てればよいのか分からない人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">出世の階段を昇ることに疲れた人、</span><span style="color: #262626;">会社の仕事に意味を見出せなくなった人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">計画通りに物事が進まなくて悩んでいる人</span></li>
<li><span style="color: #262626;">人生や仕事の谷間に陥った人</span></li>
</ul>
<p><p class="responsive-video-wrap clr"><iframe title="A neuroscientist&#039;s guide to changing your life" width="1200" height="675" src="https://www.youtube.com/embed/RsH3XcX50S0?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">小さな実験 Tiny Experiment</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、ある時、ダイエットを始めようと一念発起します。英語の勉強を毎日続けようと決心します。朝のランニングを始めようとします。しかし、その決意は長続きせず、イライラし、あきらめ、落ち込み、自分に失望します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">脳は、脳科学者が「<strong>知覚行動サイクル</strong>」と呼ぶサイクルを通して機能します。</span><br /><span style="color: #262626;">私たちは身の回りの情報を知覚し、予測を立て、その予測に基づいて行動を起こします。そしてその結果を用いて将来の予測精度を高め、行動の効率性や確度を徐々に高めていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このサイクルを反復することで、私たちに「<strong>スクリプト</strong>」が形成されます。スクリプトとは、無意識のうちに私たちを導く内面化されたルーティンです。このルーティンに基づいて、意思決定と実行をより少ないエネルギーで無意識かつ高速にできるようになります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方でこのスクリプトから外れた、全く新しい行動を取ることは難しくなります。<br />私たちの脳は効率性を重視して作られているため、ある行動を最適化する一方で、好奇心を押し殺し、新奇なもの、不確実なものを避けるようにもなるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">好奇心が抑圧されるのは、個人的な要因だけでなく、社会的な要因もあります。<br />社会は、ある特定の行動を効率的に行える人を高く評価します。決められた役割を果たし、特定の結果を達成できる人が優秀と見なされます。一般に、好奇心があるだけの人や、それゆえにその人が持つ新しいアイデアを生む力は評価されません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、私たちは個人的な面からも社会的な面からも、ある行動の効率性を得ると共に、新しい行動の可能性を失っていくのです。今までの習慣と異なる新しい行動を始めることは、様々な意味で大量のエネルギーを必要とし、ハードルが高いのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">だからこそ、私たちは意図的に探索のための時間を作る必要があります。たとえ実用的な成果を生み出さなくても、心惹かれるものに飛び込んでみたり、興味を引かれたランダムなトピックを探求してみるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ル・クンフは、体に染みついた習慣に捉われず、好奇心に自分を導かせて、何でも一度やってみればいいと言います。これを<strong>小さな実験（Tiny Experiment）</strong>と言います。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-26603 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/07/tiny-experiment.png" alt="" width="237" height="158" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/07/tiny-experiment.png 414w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/07/tiny-experiment-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 237px) 100vw, 237px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">PACT</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><strong>小さな実験とは、自分自身と行う、小さくてリスクや不安の少ない「約束」です。<br /></strong>何かを達成するためのものではなく、何かを検証するために自分自身と交わす約束です。<br />本書では、小さな実験を行う具体的なステップとして「<strong>PACT</strong>」を提唱しています。PACTは、次の４つの言葉の頭文字を取ったものです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">1. Purposeful：目的</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">「なぜ自分はこれをやりたいのか？」自分自身に問いかけましょう。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">実験は、誰かからのプレッシャーによるものではありません。社会や周囲からの期待に応えるものではなく、自分自身の純粋な好奇心、興味による実験です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">目的は、「達成度」でも「数値目標」でもありません。「○○までに□キロやせる」ではありません。<strong>結果よりもプロセスが大事</strong>です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">例えば、「寝る前のストレッチが、睡眠の向上に役立つか試してみたい」とか「スマホから１日１時間完全に離れることがどう役立つか試してみたい」など、ちょっとした目的でよいのです。</span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">2. Actionable：実行可能</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">抽象的なものではなく、<strong>すぐに実践可能なもの、日常生活に組み込めるもの</strong>で、できるだけシンプルにしましょう。始める前に「大変だ」と感じたら、大きすぎです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「もっとマインドフルネスになる」は実行可能ではありません。<strong>動詞を使ってください</strong>。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">例えば、「毎朝５分間頭に浮かんだことを書いてみる」とか「寝る前に５分間ストレッチする」などです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">繰り返しますが、自分自身の好奇心、価値観、興味と合致していることが大切です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">完璧さを求めないこと。<strong>進歩は、小さく不完全な一歩から始まることが多い</strong>のです。<strong>不完全とは、ずさんさではなく、戦略的な緩さ</strong>です。準備を周到にしないでください。完璧主義者は開始を遅らせます。<br /></span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">3. Continuous：継続可能</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">「私は○○を□□の期間行う」という約束を自分とします。続けられるか不安になるほど長い時間を設定する必要はありません。「次の１週間、週３回、朝起きたら外に出て深呼吸する」でもよいです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">一度きりの結果にこだわるのではなく、<strong>繰り返しと持続性を重視</strong>しましょう。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「意志の力で燃え尽きることなく、継続してできることは何だろう？」と考えてみましょう。</span><span style="color: #262626;"> </span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">4. Trackable：結果の振り返り</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">実験の結果を振り返ることができるようにしましょう。軽い振り返りで十分です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">PACTは実験です。実験から得るのは合格・不合格という結果ではありません。<strong>「成功したか？」ではなく「何を発見したか？」か</strong>です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">PACTはSMARTやKPIのような目標管理でもありません。、目標未達成という結果はあり得ず、そのため、罪悪感や自己批判もあり得ません。どうだったかをただ振り返るのです。</span></li>
<li>振り返る際は、外的なシグナル（状況、リソース）と、内的なシグナル（やる気、感情）に耳を傾けましょう。</li>
<li><strong>実験から何らかの学びを得るはずです。それを明らかにしましょう</strong>。「特になにもなかった」も新たな発見です。成果でなく、学びを祝福し、それを次のPACTのループに生かすのです。</li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">例えば次のような感じです。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><span style="color: #262626;">P：朝の集中力を高める</span><br /><span style="color: #262626;">A：毎朝１分間だけ意識して、今日意図的にやってみる１つのことを決める</span><br /><span style="color: #262626;">C：それを7日間続ける</span><br /><span style="color: #262626;">T：何か変化があったか書き留めてみる</span></p>
<p><span style="color: #262626;">何かに興味が湧いたら、それを遊び心のある小さな実験に変えてみましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">決して計画を大きくしてはいけません。<br /><strong>人は計画を立てている時、自分は何でもできると思いがちですが、自分の能力を過大評価し、必要な時間や労力を過小評価します</strong>。実行可能だと確信できるほど小さく、短い期間にすることが大切です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">小さな実験を行い、それを振り返ることで、抽象的な好奇心が実践的な発見へと変わります。<br />既存概念を取り除き、変化した価値観に沿って意思決定を行うことができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>成功とは、何か新しいことを学ぶこと</strong>です。真の目的は、固定された計画からではなく、継続的な探求と内省を通して生まれるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">小さな実験の結果を振り返る際に有効なのが、「<strong>プラス / マイナス / ネクスト（Plus/Minus/Next）」</strong>です。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">プラスとは「何がうまくいったか」で、</span></li>
<li><span style="color: #262626;">マイナスとは「何がうまくいかなかったか」で、</span></li>
<li><span style="color: #262626;">ネクストとは「では次にどうするか」です。</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">繰り返しになりますが、大きな変化は必要ありません。ただ好奇心を持って日々の生活や仕事にあてはめるのです。それが小さな実験の目的です。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">PACTとアジャイル</span></h4>
<p>PACTは、システム開発やソフトウェア開発等で利用される<a title="昭和型経営をアジャイル型経営へ変える手段：チェンジマネジメント" href="https://www.a-output.com/mgmt003" target="_blank" rel="noopener">アジャイル</a>に似ています。</p>
<p><strong>アジャイル開発</strong>は、当初は予測できない仕様の変更が将来起きるという前提で、初めから詳細に設計せず、最小限の仕様で開始する開発手法です。小単位かつ短期間で作業をおこない、そこで得た新たな発見を次の反復のインプットにして改良を繰り返していきます。</p>
<p>PACTは、「<strong>アジャイル型の人生開発</strong>」とも言えます。<br />学習が成長の原動力となる<a href="https://www.a-output.com/mindset" target="_blank" rel="noopener">成長マインドセット</a>とも共通します。</p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="SD9zNmm52h"><a href="https://www.a-output.com/mindset">変革の書籍紹介：マインドセット(Mindset) 成長型と硬直型の２種類の人たち</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;変革の書籍紹介：マインドセット(Mindset) 成長型と硬直型の２種類の人たち&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/mindset/embed#?secret=Ea8Sps67fm#?secret=SD9zNmm52h" data-secret="SD9zNmm52h" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">PACT ➡ ACT ➡ REACT ➡ IMPACT</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">本書では、「<strong>PACT → ACT → REACT → IMPACT</strong>」というループも提唱しています。PACTが小さな実験ループだとすれば、このループはそれよりも少し大きな成長のループです。</span></p>
<p style="padding-left: 40px;"><span style="color: #262626;">PACT：小さな不完全な行動を設定する</span><br /><span style="color: #262626;">ACT：たとえ雑然としていても、試してみる</span><br /><span style="color: #262626;">REACT：Plus/Minus/Next などのツールを使って振り返る</span><br /><span style="color: #262626;">IMPACT ：調整して繰り返す</span></p>
<p>このモデルは、<a title="なぜ個人と組織は自己防御するのか ～ defensive behavior ～ 組織編" href="https://www.a-output.com/defensive-behavior-organization" target="_blank" rel="noopener">以前本サイトで紹介したダブルループ・ラーニング</a>に似ています。</p>
<p><strong>ダブルループ学習（double-loop learning）</strong>とは、システム思考の草分け的存在であるクリス・アージリス（Chris Argyris, 1923 – 2013）が提唱した理論で、同じやり方を繰り返し続ける（シングルループ）だけでなく、時々そのループの前提を見直して、必要に応じてそのループに変化を与えるプロセスを追加することです（ダブルループ）。</p>
<p><span style="color: #262626;">ダブルループ学習は、前提を批判的に見るモデルである一方で、「PACT → ACT → REACT → IMPACT」は批判的というよりは、好奇心や創造性を成長のループにつなげていきます。<br />しかし、共に内省、メタ思考、気づき、学びを促進し、反復を改善と成長につながる点で共通しています。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="9kE6f45csL"><a href="https://www.a-output.com/metacognition">自分の考え方を知りコントロールすること：メタ認知と、その他の理論の比較</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;自分の考え方を知りコントロールすること：メタ認知と、その他の理論の比較&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/metacognition/embed#?secret=Wx1KktQQNK#?secret=9kE6f45csL" data-secret="9kE6f45csL" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">好奇心とインテグリティ</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">本サイトの<a title="インテグリティを備えたリーダーと組織の例：リーバイスとアメリカ空軍" href="https://www.a-output.com/organizations-integrity" target="_blank" rel="noopener">前回</a>、<a title="インテグリティ：日本人と相容れない価値観をどうやって企業に浸透させるのか？" href="https://www.a-output.com/integrity" target="_blank" rel="noopener">前々回</a>の記事で、インテグリティ（誠実さ）を紹介しました。<br />折角なので、</span><span style="color: #262626;">好奇心とインテグリティの関係も考えてみましょう。これらは共存するのでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">インテグリティ（誠実さ）と好奇心は、一見相反するもののように思えるかもしれません。<br />１つは自分の信念や価値観に根ざし、もう１つは未知の世界を探求することです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、この２つは共存可能で、共存するとむしろ、力強い内面の調和が生まれます。<br />前回紹介したリーバイス社前CEOのチップ・バーグ（Chip Bergh）も、インテグリティを貫きながら、イノベーションを導きました。原則にぶれがないことと、自由な発想は相容れるのです。</span></p>
<p>インテグリティは、<span style="color: #262626;">道徳観に基づいた好奇心をもたらします。</span><span style="color: #262626;">好奇心が、他人の幸福や社会の健全性を損なうことに使われないことを保証します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">インテグリティは</span><span style="color: #262626;">静的なものではなく、真実、自分、他人に対する理解を進化させます。</span><span style="color: #262626;">好奇心は、自分の思い込みを疑い、深く耳を傾け、自分にとっての誠実さの意味を時間をかけて洗練させていく力となります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、<strong>好奇心を通してインテグリティは深化する</strong>のです。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">誠実さを欠いた好奇心は、無謀になったり、操作的になったりする可能性があります。<br /></span></strong><span style="color: #262626;"><strong>好奇心を欠いた誠実さは、独断的になったり、閉鎖的になったりする可能性があります。</strong></span></p>
<p><span style="color: #262626;">バランスが取れていれば、自分の信念に忠実でありながら、新しいアイデアや経験を探求することができます。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">好奇心はランタンであり、新しい道や可能性を照らします。<br />誠実さはコンパスであり、道に迷ったり、自分を裏切る方向に進んでしまうのを防ぎます。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">インテグリティとは気難しい、厳しいだけの資質ではありません。軸がしっかりしているからこそ、行っていることに意義を感じると共に、それを楽しむことができるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="d4fWFZatRn"><a href="https://www.a-output.com/organizations-integrity">インテグリティを備えたリーダーと組織の例：リーバイスとアメリカ空軍</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;インテグリティを備えたリーダーと組織の例：リーバイスとアメリカ空軍&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/organizations-integrity/embed#?secret=WWp5D6rxQo#?secret=d4fWFZatRn" data-secret="d4fWFZatRn" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="zTrbHbBTdy"><a href="https://www.a-output.com/integrity">インテグリティ：日本人と相容れない価値観をどうやって企業に浸透させるのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;インテグリティ：日本人と相容れない価値観をどうやって企業に浸透させるのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/integrity/embed#?secret=WzNmYn5UmV#?secret=zTrbHbBTdy" data-secret="zTrbHbBTdy" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ル・カンフは、すべての道はどこかに通じていることを知ることが大切だと述べます。</span><br /><span style="color: #262626;"><strong>「正しい」選択を探すのではなく、好奇心を持って進むなら、どんな道も正しい</strong>のです。<br />小さな実験によって、あなたは前進するのです。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">何があなたを生き生きさせますか？</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは皆、人生を最大限に生きたいと願っています。</span><br /><span style="color: #262626;">しかし、目の前に妖精が現れ、魔法でそれを実現してくれることはありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">魔法は自分で見つけなければなりません。しかし、一筋縄では見つかりません。</span><br /><span style="color: #262626;">試行錯誤のプロセスです。思考をめぐらし、固定観念を疑い、快適な現状から抜け出すことが必要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ビーカーに入れる物質や量、環境の変化によって科学実験の結果が変わるように、かつて発見した方程式も、状況、ものの見方、価値観の変化によって変わる可能性があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">最後に、以下に列挙する原則は、著者が書籍で紹介したアイデアのいくつかをまとめたものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">不確実性や不明瞭さを欠陥ではなく機能として捉え、内なる不安や心配を歓迎すべき情報として捉え、過去の栄光よりも今が大事だという生き方をしましょう。20歳でも70歳でも、好奇心が導くままに、どんな方向にも進んでいけます。成功とは、何が自分を最も生き生きとさせてくれるのかを発見する、生涯にわたる実験なのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">１．ゴールラインを忘れましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">個人の、そして仕事での成長を求める中で、私たちはゴールを限定し、直線的で狭い道のりに自分を縛り付けてしまいます。今想定しているゴールより幅広い可能性に心を開いてください。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">２．自分の脚本を忘れましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">幼少期からの長い経験に基づいて内面化されたパターンが、私たちの行動を縛っています。その「脚本」に基づいて限定された情熱を追求するのではなく、明白でない道にも関心を寄せるのです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">３．迷いは実験によって晴らしましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">自信は行動を通して築かれます。迷った時は、個人的な小さな実験をしてみましょう。小さな実験の繰り返しから何かを学ぶことができます。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">４．先延ばしと仲良くなりましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">人はよく先延ばしします。先延ばしは克服すべき敵ではなく、目標（頭）と、感情（心）、スキル（手）が合致していないことを示すシグナルです。なぜ先延ばしするのか好奇心を持って観察し、原因を特定しましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">５．不完全さを受け入れましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">一度に多くのことを成し遂げることはできません。</span><br /><span style="color: #262626;">計画を完全にすることや完璧なタイミングを待つのではなく、その時にできることを優先します。情報が十分でなくても、ひとまずできることをやってみましょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">６．成長のループを回しましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">成長したいなら、行動の振り返りが必要です。自分の思考と行動を振り返ることで、自分の思考や感情に気づくだけでなく、それらをコントロールすることができます。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">７．混乱を楽しみましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">人生の歌が突然変わる時があります。慌てたり、戸惑うのではなく、リラックスして耳を傾けましょう。好奇心と機敏さを保てば、混乱は良い変化の源となるでしょう。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">８．一緒に探求する仲間を探しましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">スキルと知識を他の人と共有することで、集団的な好奇心を育みましょう。成功だけでなく、失敗も共有しましょう。他人とつながることで、視野が広がり、影響力が増すだけでなく、セーフティネットが生まれ、変化への適応力も高まります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">９．過去の栄光を手放しましょう</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">成功体験にいつまでもしがみつくのではなく、今この瞬間に生まれる創造力に目を向けましょう。冒険心を持って、曲がりくねった人生の道を進んでいきましょう。後世に残る自分ではなく、今あなたが生み出せる影響にエネルギーを注ぎましょう。</span></p>
<blockquote>
<p><span style="color: #262626;">遊び心を持って好奇心を受け入れれば、小さなトラブルは避けられないが、最終的には大きく成長できる。</span><br /><span style="color: #262626;">     ～ アンヌ＝ロール・ル・クンフ</span></p>
<p><span style="color: #262626;">The playful embrace of curiosity inevitably leads to mishaps, but ultimately helps you grow.</span><br /><span style="color: #262626;">     ～ anne-laure le cunff</span></p>
</blockquote>
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			</item>
		<item>
		<title>コンストラクティブ・ジャーナリズム：問題ではなく、ありたい姿に焦点をあてるメディア</title>
		<link>https://www.a-output.com/constructive-journalism-2?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=constructive-journalism-2</link>
					<comments>https://www.a-output.com/constructive-journalism-2#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 04 Jan 2025 12:18:12 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[パーパス・ドリブン]]></category>
		<category><![CDATA[ポジティブ心理学]]></category>
		<category><![CDATA[メディア]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[社会学]]></category>
		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>従来のジャーナリズムが否定的な前提で人と接したり、問題にフォーカスして物事を捉える一方で、コンストラクティブ・ジャーナリズムは、ソリューションにフォーカスし、民主的な会話を促したり、問題への解決策を提示し、社会をポジティ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">従来のジャーナリズムが否定的な前提で人と接したり、問題にフォーカスして物事を捉える一方で、コンストラクティブ・ジャーナリズムは、ソリューションにフォーカスし、民主的な会話を促したり、問題への解決策を提示し、社会をポジティブな方向へ導いて行こうとします。その実例をいくつか紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">解決志向のメディア</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">最近、２回に渡って、ソリューション・フォーカスを紹介しました（<a title="問題トークと解決トーク：Problem Talk vs Solution Talk" href="https://www.a-output.com/problem-talk-and-solution-talk" target="_blank" rel="noopener">こちらの記事</a>と<a title="自分のありたい姿を中心に据える：ソリューション・フォーカス" href="https://www.a-output.com/solution-focus" target="_blank" rel="noopener">こちらの記事</a>です）。</span><br />
<span style="color: #262626;"><strong>ソリューション・フォーカス</strong>は、私たちが抱える問題やその原因ではなく、解決策やありたい未来の姿にフォーカスをあてる心理療法を発端とし、カウンセリング、コーチング、リーダー育成、組織変革など幅広く応用される変革の取り組み手法です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前本サイトで紹介した「<strong>コンストラクティブ・ジャーナリズム（建設的なジャーナリズム：Constructive Journalism）</strong>」は、そのソリューション・フォーカスのメディア版とも言えるものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">従来のジャーナリズムが否定的な前提で人と接したり、問題となっている側面を強調して物事を捉えたり、時に社会の対立を煽ることさえある一方で、コンストラクティブ・ジャーナリズムは、ソリューションにフォーカスし、民主的な会話を促したり、問題への解決策を提示し、社会をポジティブな方向へ導いて行こうとするものです。</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="GhWFUfunCt"><p><a href="https://www.a-output.com/constructive-journalism">コンストラクティブ・ジャーナリズム：解決志向、未来志向のメディア</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;コンストラクティブ・ジャーナリズム：解決志向、未来志向のメディア&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/constructive-journalism/embed#?secret=mQl6TWZnku#?secret=GhWFUfunCt" data-secret="GhWFUfunCt" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>メディアに対する不信感</h4>
<p><span style="color: #262626;">昨今、既存のメディアに対する不信感が増しています。</span><br />
<span style="color: #262626;">日本でも、ジャニーズの性被害や、兵庫県斎藤元彦知事の再選、環境問題の取り扱いなどに関して、メディアに対する不信感が露わになりました。その結果、多くの人たちが従来のメディア以外のソースに情報を求めるようになってきています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">従来メディアは、信憑性のないSNSなどの情報を非難するのですが、都合の悪い出来事は隠ぺいする自分たちの体質は棚に上げて、何を言っているのだろうと思います。<br />
</span><span style="color: #262626;">ニュースメディアは、事実を伝えずメディアが事実だと伝えたいものを私たちに伝えることがあります。あるいは、意図的であるかないかにかかわらず、事実に何らかのフィルターをかけて私たちに伝えることもあります。そして、私たちは、事実ではなく、事実であると伝えられたことに基づいて物事を判断し、意思決定を行っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、様々な問題を提起して、誰に責任があるのかを追及し、批判するという物事の取り扱い方は、メディアだけでなく、私たちの考え方のデフォルトになっています。これは日本国内にとどまらず、世界共通の問題です。人はポジティブなことよりネガティブなことに関心があり、ネガティブなことに引き付けられる<strong>ネガティブバイアス（Negativity bias）</strong>があるためです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実はこの記事を投稿した数日後に、東京で40日に雨が降りました（2025年１月６日夜です）。</span><br />
<span style="color: #262626;">それまで長いこと空気がカラッカラに乾いていたので、久しぶりに潤った空気とみずみずしさを取り戻した草木を楽しんだのですが、帰宅時間に降ったこともあって、あるテレビ局のニュース番組は「迷惑だ」とか「帰宅時に困る」などの街角のインタビューばかり取り上げていました。40日ぶりの恵みの雨を喜んだ人たちもだいぶ多いと思われる中で、なぜこんなネガティブニュース迷惑扱いするんだろっ？？て不思議だったので追記しておきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">問題やネガティブなニュースも報道される必要はもちろんあります。しかし、解決策やその背景にある微妙なニュアンス、ポジティブな側面も合わせて報道される必要があるでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">現実の世界は白黒つけられないことがほとんどです。ある面から見れば白にもなり、違う面からみれば黒にもなります。実際はその中間の灰色でもなく、白黒入り交ざっているのです。闇のように見える世界の中にも光があります。その実際を伝えるためには、物事のニュアンスを知る必要があります。</span><span style="color: #262626;">速報や調査報道だけで表面的に終わらせることはできません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コンストラクティブ・ジャーナリズムは、メディア文化そのものを根本から変えようとする取り組みです。<br />
今回は、その世界各国の具体的事例をいくつか紹介しましょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">デンマークのデジタルメディア：ゼットランド（Zetland）<sup>(1)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><strong><a href="https://www.zetland.dk/" target="_blank" rel="noopener">ゼットランド（Zetland）</a></strong>は、2012年に設立されたコペンハーゲンに本社を置くデンマークのメディア企業です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ゼットランドは他とは違うニュースメディアです。</span><span style="color: #262626;">そのミッションは「善の力（a force of good）でデジタルジャーナリズムに献身する」ことです。世界にフィルターをかけて視聴者に伝えるのではなく、世界を理解する勇気を与え、その欲求を満たすために存在しており、情報提供者へのインタビューから読者のコメントを管理するところまで、あらゆる側面でコンストラクティブ・ジャーナリズムを体現しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その特徴は、絶え間なく流れる膨大なニュースから、毎日数件に限定して記事をサブスクリプション会員に公開していることです。そして、そのほとんどが長く、内容が濃い詳細な特集記事です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">かつてニュース全盛期には、その他の媒体が限られていたため、テレビ局や新聞社の主な目的は可能な限り早く多くの情報を人々に届けることでした。しかし、今では、スマホを持っていれば、誰でも、いつでもどんなニュースにでも接することができます。一方で、そのニュースの正確性や質には大きなばらつきが生じるようになりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ゼットランドは、何が重要で何がそうでないかを読者に示し、読者は、少ないが良質な情報を得るために彼らにお金を払います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼らにとって重要なのは、スピードや量ではなく、その出来事の背景であり、文脈であり、明瞭さです。そして、インタビューの出発点となるのは好奇心です。<br />
批判的であることは大切です。しかし、それが常に正しいわけではありません。視野を狭くすることもあります。また、人は批判的に対応されると、防御の体制を取り、心を閉ざし本当のことを話さなくなります。</span><span style="color: #262626;">一方で、人に対する好奇心があり、人とオープンにつながることができれば、物事の別の見方、別の会話が生まれるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ノルウェーのテレビ番組：Einig?（同意する？）</span><span style="color: #262626;"><sup>(2)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">政治家にとって、従来型のテレビ討論に参加することは、試合に出場するようなものです。目的はその試合に勝つことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">目的が勝つことであれば、政治家は視聴者にとって真に重要な政治問題について提起したり、痛みをもたらすような問題の解決策を提示する動機は持ちません。対戦相手の弱点を付き、相手の話に口を挟み、批判することに集中します。また自分自身については、得点を稼ぐことに集中し、失点を防ぐために、自分に都合の悪い議題は早々に切り替えようとします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その結果、議論が口論に発展することもあります。そして、声が大きく態度がでかいというだけで、討論に勝つこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、視聴者たち、とくに若い人たちはこの古いスタイルの討論会にうんざりしています。番組を通して、何かが生産されることはなく、何かを学ぶこともないからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.nrk.no/" target="_blank" rel="noopener">ノルウェーの国営放送局NRK</a>は、2019年に「<a href="https://tv.nrk.no/serie/einig" target="_blank" rel="noopener"><strong>Einig?（ノルウェー語で、同意する？）</strong></a>」という一味違う政治討論番組を提供しました。この番組では、参加者は互いの信用を落とし合うのではなく、つながりや同意点を見つけます。参加者は、互いに耳を傾け、口を挟まず、相手を理解しようとしなければなりません。つまり番組は討論会のあり方そのものや文化を変えようとしました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参加者には事前に質問は与えられず、代わりにスタジオのスクリーンから読み上げられる事柄について話し合います。つまり、誰も事前に準備することなく番組に臨むのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">長年政治討論に携わってきた番組編集者のグロ・エンゲン（Gro Engen）は、「従来の討論会を通して、実はカメラがオフになってコーヒーを飲んでいるときの方が、参加者たちはお互いに礼儀正しく、本音で話していることに気づいていました。私たちは、そのような雰囲気を再現したかったのです」と述べています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのため、この番組は、討論の雰囲気やドラマ性を排除するため、従来のような討論会のセットではなく、NRKのガレージで収録され、参加者はお互いに近い距離で向き合って話し合うようにセッティングされました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">政治家たちは、安全な場所が与えられれば、落ち着いて好奇心を持って議論に参加することができます。相手の言葉尻を捕らえようとするのではなく、相手の意図を咀嚼しようとします。点数稼ぎをするのではなく、より多くの情報と詳細な分析を視聴者に提供することができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに、番組では、ホストをスタジオから排除し、参加者たちに自分の言動に責任を持たせるという実験も行いました。参加者たちは、与えられた質問に受動的に答えるのではなく、自ら建設的な話し合いの場を生み出し、新しい種類の議論を導くことが求められたのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そうすると何が起きたでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロンドンタイムズ紙によると、このアプローチは、政治的立場を問わず、相手に対する寛大さ、そして合意形成につながったのです。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-23637 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/01/conventional-journalism.png" alt="" width="573" height="386" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/01/conventional-journalism.png 783w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/01/conventional-journalism-300x202.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/01/conventional-journalism-768x517.png 768w" sizes="(max-width: 573px) 100vw, 573px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">デンマークのテレビ局：TV2 Fyn</span><span style="color: #262626;"><sup>(3)(4)(5)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">2019年、デンマークの国営メディアTV2の系列局であり、デンマークで３番目に広いフュン島をカバーする地方テレビ局「<strong><a href="https://www.tv2fyn.dk/" target="_blank" rel="noopener">TV2/Fyn</a></strong>」の編集長のエスベン・シーラップ（Esben Seerup）は、同局を２年以内に、デンマークで最も建設的なメディアハウスにすると宣言しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実際は、その直後にコロナが発生したため、２年の予定は延長され、３年以上にわたって取り組みが続けられました。その結果、ジャーナリストの考え方に変化をもたらし、コンストラクティブ・ジャーナリズムが彼らの日常業務の自然な一部となりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それを示すデータがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このプロジェクトの当初から<a href="https://www.sdu.dk/da/om-sdu/institutter-centre/c_journalistik" target="_blank" rel="noopener">南デンマーク大学ジャーナリズムセンター（the Center for Journalism at the University of Southern Denmark）</a>のモルテン・スコフスゴー教授（Morten Skovsgaard）がその測定のために参加していました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼は、コンストラクティブ・ジャーナリズムに取り組むというアイデアを編集スタッフがどのように受け取ったのか、そしてプロジェクト中にどの程度の従業員が新しい価値観を取り入れ、それによって彼らの志向にどのような変化があったのかを測定しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体的には、2019年６月のプロジェクト開始時に最初の測定を実施し、2021年９月に中間測定を実施、2023年12月末に最後の測定を実施しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2019年の時点では、同局がデジタルプラットフォーム上で扱うコンテンツのうち、建設的な内容が占める割合は19.4%でした。しかし、2023年２月の調査では、それが28.1%まで伸び、大きな進展が示されました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2019年の時点では、フュン県民の41%はTV2/Fynを最も信頼できるニュースが提供される場所だと考えていました。この数字は、2022年には60.1%まで上昇しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、「私は最も重要な社会問題について理解している」という質問に対しては、2019年時点ではフュン県民の68.4%が同意または完全に同意していましたが、2023年までにこの数字は77%に上昇し、顕著な改善を示しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに、建設的なジャーナリズムは良いと考える局の従業員の割合は、2019年７月の66％から、2023年１月には81.5％に増加しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">当初このプロジェクトに最も大きな抵抗を示したジャーナリスト（特に、権力者を批判することに重点を置く、いわゆる「監視者」タイプのジャーナリスト）に焦点を当ててみても、2019年の最初の測定から2023年の最終測定までに、コンストラクティブ・ジャーナリズムは非常に良い、または良いアイデアであると信じる割合は、56%から65.8%まで増加しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、プロジェクトの期間中、コンストラクティブ・ジャーナリズムが悪い、または非常に悪いと考えるジャーナリストはいなかったことも注目に値します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">期間中、コンストラクティブ・ジャーナリズムに好意的ではなかった従業員が組織を去り、好意的な新しいジャーナリストが加入するなど、スタッフ構成の変化がデータに影響した可能性は否定できません。しかし、これらの数字は、ある程度コンストラクティブ・ジャーナリズムがその目的を達成したことを示しています。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">二極化する人たちをつなげる</span><span style="color: #262626;">ドイツの</span><span style="color: #262626;">メディア：ZEIT ONLINE</span><span style="color: #262626;"><sup>(6)(7)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">世界の多くの場所で、社会の分断、コミュニティの二極化が進んでいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<a href="https://www.zeit.de/serie/deutschland-spricht" target="_blank" rel="noopener"><strong>Deustchland Spricht（Germany Speaks）</strong></a>」は、評判の高いドイツのニュースウェブサイト<strong><a href="https://www.zeit.de/index" target="_blank" rel="noopener">Zeit Online</a></strong>によって、「社会がお互いに話し合うことを忘れているこの時代に、どうすれば会話を再開できるのか？」という重要な質問への答えとして始められました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このプログラムでは、政治的にまったく異なる考え方を持ち、通常では決してひざを突き合わせて話し合うことがないような人たちを集め、お互いに敬意を持って１対１の会話に参加してもらいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体的には、ウェブサイト上に設定されたいくつかの政治的な質問に「はい/いいえ」で答え、個人情報を登録します。例えば、ドイツはウクライナに巡航ミサイルを供給すべきか？ドナルド・トランプは民主主義に対する脅威か？ドイツは公正な国か？などの質問です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その後、アルゴリズムが、お互い近くに住んでいて、かつ回答が正反対の人たちををペアにします。双方に連絡して、双方が直接会って話し合うことに同意したら、お互いに直接連絡をとり、面会の予定を立てます。最近の新しい取り組みでは、初めてその中の何人かをベルリンに招き、編集チームのとテーブルトークを開催する予定です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2017年以来、ドイツでは約13万人がこのような会話に登録し、その多くがすでに数回の話し合いに参加しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ZEIT ONLINE特別プロジェクト編集者のフィリップ・フェイグル（Philip Faigle）はこう言います。<br />
「最初の目標は人々を結び付けて会話させることです。今日のジャーナリズムは、情報を発信するだけでなく、読者が政治的な議論をできるようにすることも目的としています。私たちはそのためのスペースを作り、提供するのです。」</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">リンク紹介</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回は、コンストラクティブ・ジャーナリズムを体現するメディアのいくつかを紹介しました。</span><br />
<span style="color: #262626;">もちろん、今回紹介した以外にも、そのようなメディアが世界中に数多く存在します。その取り組みを知るために有益なリンクをいくつか紹介しましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong><a style="color: #262626;" href="https://constructiveinstitute.org/" target="_blank" rel="noopener">コンストラクティブ・インスティテュート（Constructive Institute）</a></strong>は、世界的なコンストラクティブ・ジャーナリズムの運動の中心となっており、</span><span style="color: #262626;">デンマークのオーフス大学（Aarhus University）</span><span style="color: #262626;">に拠点があります。その使命は、世界のニュース文化を変えること、ジャーナリズムが民主主義を助けることです。解決策をより重視し、バランスのとれた、社会とつながる報道を重視することで、ジャーナリズムの劣化と闘っています。<br />
</span><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" href="https://constructiveinstitute.org/how/" target="_blank" rel="noopener">こちらのリンク</a>にベストプラクティスが紹介されています。今回紹介した事例もここから引用したものです。</span></p>
<p><a href="https://www.solutionsjournalism.org/" target="_blank" rel="noopener"><strong>ソリューション・ジャーナリズム・ネットワーク (The Solutions Journalism Network)</strong> </a>は、ソリューション・ジャーナリズムの実践を推進することに特化した非営利団体です。ソリューションジャーナリズムは、問題だけでなく、それらの問題に対する信頼できる対応に焦点を当てた報道スタイルです。個人、組織、コミュニティが複雑な社会問題にどのように取り組んでいるのかについて、バランスの取れた証拠に基づいた報道を提供することを目的としています。<br />
彼らの<a href="https://storytracker.solutionsjournalism.org/" target="_blank" rel="noopener">Solutions Story Tracker®</a>では、98か国9,400人のジャーナリストと、2,100の報道機関が作成した16,700もの記事がデータベース化されています。</p>
<p><strong><a href="https://constructivejournalism.institute/en/" target="_blank" rel="noopener">Hellenic Institute of Constructive Journalism (H.I.CO.JO.)</a> </strong>は、コンストラクティブ・ジャーナリズムをギリシャ国内外に紹介し、普及させることを目的としたギリシャの非営利団体です。<span style="color: #262626;"><a href="https://constructivejournalism.institute/en/constructive-practices-writings/" target="_blank" rel="noopener">こちらのリンク</a>に、各国のメディアがリスト化されています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">このように広がりを見せるコンストラクティブ・ジャーナリズムですが、一方で取り組みがすでに終了したプロジェクトやプログラムもいくつか存在します。例えば、今回紹介したノルウェーのテレビ番組：Einig?（同意する？）は、2019年だけで終了しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">各プログラムが終了する理由はそれぞれでしょうが、コンストラクティブ・ジャーナリズムが普及する上での共通する難しさも</span><span style="color: #262626;">あるでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">まず、既存のニュースメディアにとって、商業的な成果を上げることは必須です。<br />
しかし、先にも述べたように、大衆は、コンストラクティブ・ジャーナリズムが提供する長く詳細なレポートよりも、センセーショナルで、短く、ビジュアルに訴える素材や、より対立的で過激なコンテンツに引き付けられます。また、真面目な話題よりもバラエティーやエンターテインメントに引き寄せられます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのようなメディア環境では、高い注目を集めて維持するのが難しい場合もあり、従来の収益プラットフォームに乗せるよりは、今回紹介したゼットランド（Zetland）のように、サブスク型にして、微妙な議論に対する関心が高い限られた人たちだけにデジタルのプラットフォームで届ける方が適している可能性があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">短命で終わったノルウェーのテレビ番組：Einig?（同意する？）は、プライムタイムに放映されました。推測に過ぎませんが、その点で設定に無理があったのかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、徹底した調査のためには、それなりの</span><span style="color: #262626;">資金と人的リソースが必要です。大衆受けする</span><span style="color: #262626;">コンテンツと同じような広告収入やスポンサーシップを獲得できる可能性は低く、高い視聴率の獲得を前提にし、製作にコストがかかるモデルは成り立たないでしょう。今回紹介したドイツのZEIT ONLINEは、視聴者がよりプロセスに関与するモデルを採用しており、少ないリソースで運営できるプラットフォームを構築しています。</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="joz3pCzX0V"><p><a href="https://www.a-output.com/problem-talk-and-solution-talk">問題トークと解決トーク：Problem Talk vs Solution Talk</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;問題トークと解決トーク：Problem Talk vs Solution Talk&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/problem-talk-and-solution-talk/embed#?secret=iD3r8MCb4u#?secret=joz3pCzX0V" data-secret="joz3pCzX0V" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="taVvZghzwK"><p><a href="https://www.a-output.com/solution-focus">自分のありたい姿を中心に据える：ソリューション・フォーカス</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;自分のありたい姿を中心に据える：ソリューション・フォーカス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/solution-focus/embed#?secret=kFLpP7Oo9N#?secret=taVvZghzwK" data-secret="taVvZghzwK" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br />
<span style="color: #262626;">(1) Lea Korsgaard, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/how/contributions/how-to-start-up-a-digital-media-with-a-constructive-news-culture/" target="_blank" rel="noopener">How To Develop Digital News Media With a Constructive News Culture</a>&#8220;, Constructive Institute<br />
(2) Gro Engen, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/how/contributions/how-to-host-a-civil-and-curious-political-debate-show/" target="_blank" rel="noopener">How To Host A Civil And Curious Political Debate Show&#8221;</a>, Constructive Institute<br />
(3) Esben Seerup, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/how/contributions/how-to-build-a-constructive-newsroom/" target="_blank" rel="noopener">How To Build a Constructive Newsroom</a>&#8220;, Constructive Institute<br />
(4) Kristina Lund Jørgensen, Jakob Risbro, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/how/contributions/tv2-fyn-denmarks-most-constructive-media-house/" target="_blank" rel="noopener">TV2 Fyn: “Denmark’s most constructive media house”?</a>&#8220;, Constructive Institute<br />
(5) Esben Seerup, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/news/blog-together-we-make-funen-better-why-tv-2-fyn-will-become-denmarks-most-constructive-media-house/" target="_blank" rel="noopener">Together we make Funen better: Why “TV 2/Fyn” will become Denmark’s most constructive media house</a>&#8220;, Constructive Institute<br />
(6) Philip Faigle, &#8220;<a href="https://constructiveinstitute.org/how/contributions/how-to-connect-people-in-polarized-communities/" target="_blank" rel="noopener">How To Connect People in Polarized Communities?</a>&#8220;, Constructive Institute<br />
(7) Sara Cooper , Philip Faigle, Sebastian Horn, &#8220;<a href="https://www.zeit.de/2024-12/deutschland-spricht-debatte-neuwahl-bundestagswahl-fragen-diskussion" target="_blank" rel="noopener">The questions that matter now</a>&#8220;, ZEIT ONLINE, 2024/12/4.</span></p>The post <a href="https://www.a-output.com/constructive-journalism-2">コンストラクティブ・ジャーナリズム：問題ではなく、ありたい姿に焦点をあてるメディア</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>気候変動を認めているのに行動に移さない理由 Psychology of Climate Change</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 07 Sep 2024 12:18:41 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[公共財]]></category>
		<category><![CDATA[変化への恐怖]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
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		<category><![CDATA[認知バイアス]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>科学的裏付けが増える中、さすがに気候変動と人間の活動の因果関係を否定する人たちは少なくなってきました。しかし、一歩踏み込んで気候変動を食い止めるための行動を起こす人たちはごくわずかです。今回は問題を認識しているにもかかわ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">科学的裏付けが増える中、さすがに気候変動と人間の活動の因果関係を否定する人たちは少なくなってきました。しかし、一歩踏み込んで気候変動を食い止めるための行動を起こす人たちはごくわずかです。今回は問題を認識しているにもかかわらず行動を起こさない心理や障壁を紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">異常気象に関するニュースをよく目にするようになりました。異常気象はもはや異常ではなく、私たちの新しい日常になりつつあります。</span><span style="color: #262626;">異常気象の多くは地球温暖化が原因です。世界で最も高度な専門知識を持つ科学者の間では、地球温暖化のほとんどが人間の活動に起因するという意見で100％一致しています。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、異常気象は、地球が異常なのではなく、人間の膨大なエネルギー使用や資源搾取が異常で、私たちのライフスタイルや消費と生産のパターンが引き起こしていることが明らかになっています。つまり、私たちの行動が環境問題を起こしているのです。問題を解決するためにはその行動を変えなければなりません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">科学的裏付けが増える中、さすがに気候変動と人間の活動の因果関係を否定する人たちは少なくなってきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、一歩踏み込んで気候変動を食い止めるための行動を起こす人たちはごくわずかです。大多数の人たちが気候について懸念していると主張する一方で、多くの人たちが問題への効果的な取り組みから距離を置いています。メディアも異常気象について散々報道するわりには、どう行動すべきかという点に関しては恐ろしく静かです。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-22351 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2024/09/extreme-weather.png" alt="" width="614" height="261" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2024/09/extreme-weather.png 1243w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2024/09/extreme-weather-300x127.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2024/09/extreme-weather-1024x435.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2024/09/extreme-weather-768x326.png 768w" sizes="(max-width: 614px) 100vw, 614px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">気候心理学（Climate psychology）と否認の心理学（Psychology of climate change denial）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">気候変動とその結果生じる心理的プロセスの理解を深めることを目的とした比較的新しい心理学の分野に<strong><a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Climate_psychology" target="_blank" rel="noopener">気候心理学（Climate psychology）</a></strong>があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">気候心理学は、人間心理の仕組みに基づいて、気候変動に対応するための効果的な方法を促し、個人、コミュニティ、政治の各レベルで変化をおこせるように、活動家、科学者、政策立案者を支援するものでもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">特に最近は、気候変動の脅威が増す中で、適切な行動を取ろうとしない人たちの心理にも焦点を当てます。この研究領域は特に、<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Psychology_of_climate_change_denial" target="_blank" rel="noopener"><strong>気候変動否認の心理学（Psychology of climate change denial）</strong></a>とも言われます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">先にも述べたように、気候変動に関する研究が進み、科学的コンセンサスが形成されるにしたがって、かつてのような「人間の活動は気候変動に影響を与えていない」と主張する、いわゆる「ハード系」の温暖化否定論者は少数派です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、より多くの研究者の関心を集めているのが「ソフト系」もしくは「暗黙」の否定者です。</span><br /><span style="color: #262626;">「ソフト系」もしくは「暗黙」の否定者とは、気候変動に関する科学的なコンセンサスを知識レベルでは受け入れているものの、受け入れたことを行動に移さない人たちです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「ソフト系」の否定者には、環境問題に全力で取り組みますと企業広告ではうたいながら、実際には大量の化石燃料を使い続ける企業も含まれるでしょう。このような「口だけ環境企業」の存在は、周囲に「あ、口だけでいいんだ」という考えを波及させてしまうため、特に危険です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのような人や企業は、いわば黙示的に気候変動を否定しているのであり、問題解決の障壁になっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">気候変動否認の心理学も、従前のハード系の否定者の心理から、ソフト系の否定者の心理をめぐる研究や議論が増えています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜ、私たちは気候変動を認識していながら、その解決のための行動を取ることができないか、そこには、単なる情報不足では済まされない、私たち人間の心理やその他の障壁</span><span style="color: #262626;">が深く影響しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.a-output.com/psychology-in-climate-change" target="_blank" rel="noopener">以前本サイトでは</a>、環境問題の解決を妨げる心理的、構造的障害を紹介しました。今回は、前回紹介した記事と重複する部分があるものの、少し違った視点から、なぜ環境問題が人間の活動にあると認識されていながら、私たちの多くはほとんど行動を変えないのか、その原因を探っていきたいと思います。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="7cwhUAiLjP"><a href="https://www.a-output.com/psychology-in-climate-change">異常気象が問題ではなく、変わらない私たちの考え方や行動様式が問題</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;異常気象が問題ではなく、変わらない私たちの考え方や行動様式が問題&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/psychology-in-climate-change/embed#?secret=1cPHcSxsJS#?secret=7cwhUAiLjP" data-secret="7cwhUAiLjP" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">気候変動を見て見ぬふりをするわけ</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">気候変動を否認する心理を理解するためには、私たちの思考、動機、行動に影響を与える無意識または認識されていない感情やプロセスを理解しなければなりません。さらには、心理学や認知的または行動的アプローチに留まらず、哲学や宗教や人類学や社会学など広く人文科学の領域を跨いだ、知ることと行動することへの抵抗を調査する、より深く広いアプローチが必要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この問題は、あらゆる点で、一個人に限定された独立した心理的プロセスではなく、社会的および生態学的文脈の中に深く組み込まれているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「環境に優しい行動」とは、私たちが環境への悪影響を最小限に抑えるために意識的に選択する行動です。「環境に優しい行動に対する障壁」とは、そのような行動を取ることを妨げる様々な要因です。</span><br /><span style="color: #262626;">一般的に、これらの障壁は<strong>心理的</strong>、<strong>社会的/文化的</strong>、<strong>経済的</strong>、<strong>構造的</strong>という大きなカテゴリーに分けることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">１．<strong>心理的障壁</strong>は私たちの内面からくる障壁で、個人の知識、個人的信念、考え、感情が行動に影響します。</span><br /><span style="color: #262626;">２．<strong>社会的/文化的障壁</strong>は、周囲の環境から受ける影響です。</span><br /><span style="color: #262626;">３．<strong>経済的障壁</strong>は、持続可能な行動（新しいテクノロジー、電気自動車など）を取るためのお金の余裕がないなど、経済上の障壁です。</span><br /><span style="color: #262626;">４．<strong>構造的障壁</strong>は外的なもので、一個人ではコントロールできません。たとえば、政府の施策、公共交通機関やシェアライドなどが十分でなく、日々の生活を自家用車の利用に依存せざるを得ないなど、社会の構造上の仕組みからくる障壁です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらの障壁をそれぞれ詳細に見ていきましょう。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">１．環境行動を妨げる心理的障壁</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">最初に心理的障壁を見ていきましょう。<br />ビクトリア大学の<a href="https://www.uvic.ca/socialsciences/intd/hdcc/people/profiles/gifford-robert.php" target="_blank" rel="noopener"><strong>ロバート・ギフォード教授（Robert Gifford）</strong></a>は、<strong>「<a href="https://www.dragonsofinaction.com/" target="_blank" rel="noopener">行動を起こさないドラゴン（dragons of inaction）</a></strong>」という表現を使って、環境問題の対応を妨げる様々な心理的障壁を特定しました。障壁は合計36種類にも及び、次の７つの大きなカテゴリーに分けて説明しています。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(1) 問題に対する限られた認識能力 Limited Cognition</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">私たちは自分が思っているほど合理的ではありません。<strong>たとえ長期的には自らの身を滅ぼすことになろうとも、短期的な快楽を選択します</strong>。脳がそのように出来ているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">気候変動について考える場合も同じです。長期的には環境問題解決には寄与するが、つらく面倒な行動よりも、長期的には破壊につながるが、楽しくて楽な行動を選択するのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの脳は不快感や矛盾を避けるようにも出来ています。そのため、厳しく難しい問題に真正面から向き合って自分自身をつらくするよりも、問題に気が付いていないふりをしたり、まださほど重大ではないと自分に言い聞かせて、不快感から逃れようとします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">気候変動が、多くの人たちにとってまだ他人事なのは、大きな被害が自分の身に直接降りかかっていないことも原因です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの脳が、環境問題を離れた場所や遠い未来の問題だと捉えていて、身近なものだと認識せず、まだまだ大丈夫、すぐに注意を向ける必要はないと、優先度を低く捉えていたり、大きな関心を持って問題に接していないのです。人間は将来的なリスクを軽視する傾向があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>深刻な影響が自分に降りかかるまでは自分事にはならない</strong>のです。問題の先送りは私たちの得意技です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">環境問題が目に見えないことも要因の１つです。例えば排出される温室効果ガスに色が付いていて、はっきりと目に見えるものであったなら、私たちの捉え方は全く異なるものになっていたでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">環境問題に関しては、以前から多くの警鐘が鳴らされています。しかし、自分の身には何も起きません。そのため、警鐘に慣れてしまったことも問題の１つです。「慣れ」で言えば、異常気象に慣れてしまうことも問題です。暑い夏にもそのうち慣れてしまって、これなら何とか耐えられそうだと、行動に移さないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">気候変動の重大な点は、その症状がさらに進行してから何かしようとしても、時すでに遅しとなっている可能性が高いことです。</span><br /><span style="color: #262626;">幸か不幸か日本は地震国であり、例えば、南海トラフ地震に対しては、自分が生きているうちにいつか来ると、ある程度の警戒感を持っている人たちは少なからず存在します。気候変動に対しても、同様もしくはそれ以上の切迫感が必要です。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(2) 環境に配慮した態度や行動を妨げるイデオロギー Ideologies</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">イデオロギーは世界観、価値観です。それは長い時を経て社会に浸透し、私たちの思考を深いところで支配しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その１つが消費主義です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">消費主義は私たちの内面に深く浸透し、欲求を駆り立て、思考や行動を支配しています。残念ながら<strong>持続可能な社会は、現代社会に浸透している消費主義とは相容れません</strong>。しかし、消費活動はすでに私たちの生活の基盤となり、アイデンティティの一部になっているので、その価値観に反する気候変動問題を受け入れることは容易ではないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、ある人たちは人間の能力や無限の可能性を過剰なまでに信じています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのため、素晴らしい技術が次々と開発され、いつかイノベーションが環境問題をすべて解決するので、自分は何もする必要はないと信じます。しかし、その技術信仰の根拠を客観的に示すデータは何もありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに言えば、人間は、現状が良かろうが悪かろうが、それが維持されることを望みます。<br /><strong>現状維持バイアス</strong>、<a href="https://www.a-output.com/a-theory-of-system-justification" target="_blank" rel="noopener"><strong>システム正当化</strong></a>のバイアスです。例えおしりに火がまわろうが、現状を変えることの方が面倒くさく、多少やけどしようとも、そのままの状態で居続けるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="1Cxk1Nd7to"><a href="https://www.a-output.com/a-theory-of-system-justification">システム正当化理論：A theory of system justification</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;システム正当化理論：A theory of system justification&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/a-theory-of-system-justification/embed#?secret=oOmWSY55ZK#?secret=1Cxk1Nd7to" data-secret="1Cxk1Nd7to" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">(3) 他人との比較 Comparisons With Other People</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">人間はとても社会的な動物です。私たちは行動の多くを、他人の行動と比較して決定しています。特に日本のような国では、周囲の誰もおこなっていない行動を実行して目立ったり、浮いてしまうことを恐れるため、最初の一歩を踏み出す社会心理的ハードルが高く、その障壁のために、意欲があっても行動に移せない人たちも多いです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(4) サンクコスト Sunk Costs</span></h6>
<p><span style="color: #262626;"><strong>サンクコスト</strong>は、すでに費やした、戻ってこないお金や労力のことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、個人が貢献できる環境負荷低減行動として、車を利用せず公共交通機関を利用することのインパクトは大きいです。しかし、車を所有していない人たちにとっては簡単な選択肢でも、すでに車を所有している人にとっては、取ることが難しい選択肢です。なぜなら車を購入するためにすでに多くのお金を費やしたので、それを無駄にしたくないと思うからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、私は車を所有していません。車を所有しないという選択肢を取っています。<br />しかし、妻が職場で車がないと言うと、「あーそうなんだ。。。」と、同僚から同情の目を向けられることがあるそうです（笑）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これには先ほど紹介した他人との比較も関係しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">みんなが当たり前に持っているものを自分が持っていないと抵抗感があり、みんなが当たり前に持っているものを他人が持っていないとこの人は何かおかしいとか可哀そうと考えるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらには<strong>私たちはいったん自分が手に入れたものに大きな価値を植え付けます</strong>。<br />それは物に限らず、考え方や関係性や生活に対しても同じです。自分が苦労して手に入れた特権やライフスタイルを、みすみす手放したくはないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例え、高い目標を掲げて一生懸命取り組んできたことが、ある時、実は地球環境に良くないと分かったとしても、やめることはできません。長い年月をかけて積み上げた努力をやすやすと無為にすることができないからです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(5) 専門家や当局に対する不信感 Discredence</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">国際機関や各国の政策立案者は、気候に優しい行動を奨励するための多くのプログラムを作り実施してきました。しかし、これらのプログラムのほとんどには強制力がなく、個人が自主的に参加するかしないかを判断するだけです。違反した場合に制裁が伴うものでもありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">政策立案者に対して強い不信感を持っている場合、市民は、そのプログラムを受け入れないどころか、逆に抵抗する確率が高くなります。例えそのプログラムが良いものであったとしてもです。もちろん、政府の施策に不備があったり、公平でない場合は、抵抗する確率はさらに高くなります。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(6) 行動を変えるリスク Perceived risks</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">温室効果ガスの排出を削減したり、環境関連の行動を改善したりするための一歩として行動を変えることには、様々なリスクが伴います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">行動を変えてうまくいくのか？想定される成果が出るのか？予期せぬ事態が生じることはないのか？持続可能なのか？周りの人たちから変な目で見られることはないのか？などです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(7) 行動の限界性 Limited behavior</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">最後に、いくら行動を変えたとしても、それがあまりにもたいへんであったり、意味が感じられなければ、すぐ元の行動に逆戻りしてしまうという、行動定着に関する限界性があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">環境問題に対応する行動による成果は、すぐには現れません。その成果が現れるのは何十年も先です。<br />目に見える成果がないため、定着しないのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">２．環境行動を妨げる社会的および文化的障壁</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">気候変動に対する私たちの反応には、心理的な内的要因の他に、社会文化的な外的要因（価値観、信念、規範など）が影響しています。つまり、個人が環境行動を取りたいと思っていても、それ以外の要因によって取ることができないケースがあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">先ほど紹介した「イデオロギー」や「他人との比較」とも重なりますが、それぞれの社会には、何をすべきか、何をすべきでないかに関するルール（規範）があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">問題なのは、<strong>環境に配慮した私たちが取るべき新しい行動が、既存の社会規範に反していたり、相容れない場合がある</strong>ことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">たとえば、現代社会は、大量消費主義、グローバル化され規制緩和された経済活動が根幹をなしています。そして、それが気候変動の原動力になっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">大量消費主義は私たちの生活に様々な便利を与える一方で、地球環境を蝕み続けます。気候変動に対処する行動を取ることは、消費主義や資本主義の否定、権威批判、社会批判、大衆に対する背信と受け取られる可能性があります。<br />つまり、<strong>気候変動を阻止する行動を取ることは、現代社会の批判であり、現代社会に浸透している価値観の否定になる</strong>のです。</span><br /><span style="color: #262626;">という私自身も、多くの人たちにとって耳の痛いことばかり書く、大衆の裏切者です（笑）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たち日本人が装う「無関心」によって、他人と違う行動を取ることに対する不安や、周囲から非難される恐れを避けることができます。周囲に同調する機能を果たしています。<strong>環境問題解決のための行動は、日本人の価値観と共鳴しない</strong>のです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域によって異なる世界観が重要な役割を果たします。他の先進国の多様な文化的背景を持つ人たちは、日本人とは異なる視点と優先順位と独立性を持っているため、同じ環境問題に対してより自由に反応する可能性があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、アメリカでは概して、左派は環境問題に関心があり、右派は環境問題を軽視する傾向がありますが、環境そのものに対する意見と言うよりは、政治的イデオロギーが、環境問題に対する個人の意見を大きく左右しています。</span></p>
<p><p class="responsive-video-wrap clr"><iframe title="UQx DENIAL101x 1.3.5.1 From the experts: Psychology of denial" width="1200" height="675" src="https://www.youtube.com/embed/qLF6S7vlZDA?start=69&#038;feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">３．環境行動を妨げる経済的障害</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">電気自動車やエコ家電に買い替えるのにはお金が必要です。</span><br /><span style="color: #262626;">持続可能なエネルギー源に切り替えるために、ソーラーパネルを取り付けるのにもお金がかかります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">様々な政府の補助金はあるものの、環境負荷の低い行動を取りたくても、そのための経済的余裕がない場合があります。私たちは生きていかなくてはなりません。生活が成り立たなくなってまで、環境のために何かをすることはさすがにできません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、環境に優しい行動は、概してお金のかからない行動でもあります。車の代わりに自転車や徒歩を利用すれば、環境負荷低減に貢献できるのみでなく、お金も節約できるし、健康面でもメリットがあります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">４．環境行動を妨げる構造的障壁</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">環境行動は、単なる孤立した心理的プロセスではなく、社会的規範によって妨げられる心理社会的現象だけでもなく、構造的な問題でもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの社会の仕組みそのものが大量のエネルギー消費を前提にしているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">環境に配慮した行動を取りたいと思っても、社会の仕組みがそうなっていないため、実現が難しいのです。</span><br /><span style="color: #262626;">例えば、公共交通が脆弱な地方で生活を維持するためには車を利用せざるを得ません。最寄りのスーパーマーケットが10キロ先にある人たちに、毎日自転車や徒歩で買い物に行けとは言えません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、逆から見れば、地方に住む人たちの多くは車を所有しているので、既にあるそのリソースをうまく利用可能にすれば、様々な問題の解決につなげることができます。</span><span style="color: #262626;"><strong>無いものを嘆くのではなく、すでにあるものを利用する</strong>のです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="qfai02xGW1"><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=B7cloPxA2u#?secret=qfai02xGW1" data-secret="qfai02xGW1" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回、気候変動を認識しているのに、問題解決の行動を起こさない理由、行動を妨げる様々な障害を紹介しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多くの人が気候変動対策に取り組まないのは、「みんなが自己の利益ばかり考えていて、自然、環境を気にかけていないからだ」とよく言われます。もちろん、それも原因ではありますが、上で説明したように、問題を気にかけていて、気候変動対策に取り組む意欲があっても、社会的な制約や、構造的な制約によって、行動できない場合も少なくありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>このような障壁は、より多くの人たちが気候変動対策を支援し、自ら体現し、構造的変化を促すことで取り除くことができます</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">行動の変化には消費者個人だけでなく、政府、企業、業界のイニシアティブが必要です。<br />政府主導の変化は、国民の支持がある場合に受け入れられやすくなります。国民の支持は、その施策のコストとメリットの単純な比較だけでなく、それが公平に分配されるかどうか、公正な意思決定のプロセスが遵守されているかにも左右されます。。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多くの人たちが気候変動を自分事として捉え、問題に対処する行動を取っていることを伝えることが重要です。<br />そして、個人と団体の役割分担と責任を明確にすることが必要です。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Krista F Myers, Peter T Doran,John Cook, John E Kotcher, Teresa A Myers, “<a style="color: #262626;" href="https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/ac2774" target="_blank" rel="noopener">Consensus revisited: quantifying scientific agreement on climate change and climate expertise among Earth scientists 10 years later</a>“, Environmental Research Letters Vol.16 No. 10, 104030, 2021/10/20.<br />(2) Robert Gifford, “<a style="color: #262626;" href="https://doi.org/10.1037/a0023566" target="_blank" rel="noopener">The Dragons of Inaction : Psychological Barriers That Limit Climate Change Mitigation and Adaptation</a>”, American Psychologist, 66(4), 290–302, 2011.</span><br /><span style="color: #262626;">(3) Linda Steg, “<a style="color: #262626;" href="https://doi.org/10.1146/annurev-psych-032720-042905" target="_blank" rel="noopener">Psychology of Climate Change</a>”, Annual Review of Psychology, 2023. 74:391 &#8211; 421, 2022/9.</span></p>


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		<title>自分のことを理解できない理由。誰もがレンズを通して自分を見る</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 30 Aug 2024 12:37:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[個人の変革]]></category>
		<category><![CDATA[哲学]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<category><![CDATA[精神分析]]></category>
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		<category><![CDATA[行動経済学]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>私たちは、自分自身の映画の主役であり、人生の主人公です。誰もが自分のレンズを通して世界を見ています。しかし、そのレンズは真実を歪めるものです。私たちは、一生を通して、自分自身と過ごします。誰よりもはるかに長い時間を自分と [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">私たちは、自分自身の映画の主役であり、人生の主人公です。誰もが自分のレンズを通して世界を見ています。しかし、そのレンズは真実を歪めるものです。私たちは、一生を通して、自分自身と過ごします。誰よりもはるかに長い時間を自分と付き合って人生を送ります。それなのに、私たちは自分自身をよく理解できていません。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">スポーツ映画やアクション映画を観るとき、良くも悪くも、私たちは無意識のうちに主人公の味方になっていますね。</span><br /><span style="color: #262626;">ストーリーの展開や見せ方が、見ている人たちを主人公に感情移入させ、主人公やその仲間たちを応援するように作られているからです。それ以外の登場人物やライバルや敵を応援することはあまりありません。主人公を妨害する悪者たちには敵意を抱くことさえあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">映画は主人公にスポットライトを当て続けます。主人公のレンズを通して、その考え方や経験、状況に対する反応を描いていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ひょっとしたら画面からは憎々しく見える悪者たちも、本当は悪い人たちではなく、何からの正当な理由や避けられない事情があって主人公を妨害しているだけかもしれません。しかし、映画を見ている時、私たちはそのような疑問を抱くこともありません。そのような見方は提示されないからです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">誰もが自分のレンズを通して見ている</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">同様に、私たち１人１人も自分のレンズを通して世の中を見ています。</span><br /><span style="color: #262626;">自分自身に大きなスポットライトを当て、自分を中心とした世界を構築します。</span><span style="color: #262626;">私たちは、自分自身の映画の主役であり、人生の主人公です。主人公のレンズを通して、周囲の状況を見て、行動しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、そのレンズは真実を歪めるものです。そのレンズのために、周りの世界も自分自身も正確に見ることができません。私たちは他人が自分を見るようには自分自身を見ていません。その結果、他人から見る自分と、自分が持つ自分に対するイメージが大きく異なることがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人に対しては、あれはだめだ、それはよくないと言いながら、自分自身はおくびれることもなく、まったく同じような行動を平気で取ったりします。周囲の人たちのほとんどが、言動の矛盾に気が付いているのに、自分自身がまったく気が付いていないこともあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、一生、最初から最後まで自分自身と過ごします。誰よりもはるかに長い時間を自分と付き合って人生を送ります。それなのに、私たちは自分自身をよく理解できていません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜ私たちは他人が見るように自分自身を見ることができないのでしょうか？</span><br /><span style="color: #262626;">今回はその理由を見ていきたいと思います。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">自分を正しく理解できない理由</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">自分が自分を正確に理解できないのには理由があります。次に紹介するような要因が重なり合っているからです。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">１．実際に自分では自分が見えないから</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">なぜ私たちは自分自身のことがよく見えないのでしょうか？<br /></span><span style="color: #262626;">実は答えはとても簡単です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実際に自分の目には自分の姿が見えないからです。私たちの目には周囲の人たちの姿や行動はよく見えます。しかし、鏡でも使わない限り、自分自身の姿や行動を見ることはできません。たとえ鏡を使っても見える姿はとても限定的です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">よく、自己理解を深めるためには、自己内省の機会を作ることが大切と言われます。自己内省は大切ですが、限界もあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分を客観的に評価することよりも、他人を客観的に評価することの方が簡単です。他人はよく見えるからです。<br />ということは、自分自身を知るためには、他人から自分に対する率直な意見を求めるのが手っ取り早く正確です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">組織の中には、360度フィードバックを導入しているところもありますが、適切に行えば、多くの人たちにさまざまな角度から見てもらって、的を得たフィードバックを受けることができます。</span><br /><span style="color: #262626;">上司、部下、同僚など様々な立場にいるできるだけ多くの人たちにフィードバックしてもらうほど、より効果と精度が上がります。そして、他人が自分をどう見ているか定期的がフィードバックを得ることは、自己認識を高めるのにも役立ちます。フィードバックは、具体的でタイムリー、かつ、性格ではなく行動に焦点を当てる場合がより効果的です。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="um56HB8Sjn"><a href="https://www.a-output.com/bounded-rationality">意思決定の仕組み：私たちのアテンションの限界と、組織の弊害</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;意思決定の仕組み：私たちのアテンションの限界と、組織の弊害&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/bounded-rationality/embed#?secret=AU8zy0ZPFF#?secret=um56HB8Sjn" data-secret="um56HB8Sjn" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">２．他人の失敗はそいつのせい。自分の失敗は別の何かのせい</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">私たちは世界を冷静な目で見ていると考えています。自分自身に対しても同じように明晰に見ていると信じています。しかし、実際はそうではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちには他人の欠点がはっきりと見えます。そして、他人の問題や失敗をその人の性格や資質に帰属させる傾向にあります。</span><span style="color: #262626;">「君がぎこちないから、チームがまとまらなかった」、「君がボールから目を離したから、ボールを取り損ねた」、「君がちゃんと説明しなかったから、みんな間違った解釈をした」などです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、自分が失敗したときは、自分のせいにはせずに、周囲の状況や他の何かのせいにします。</span><span style="color: #262626;">「仲間に恵まれなかったから、チームがまとまらなかった」、「太陽が目に入ったから、ボールを取り損ねた」、「時間がなかったから、みんなにちゃんと説明できず、間違った解釈につながった」などです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これを<strong>行為者・観察者バイアス</strong>と言います。他人のことははっきり見えるが、自分自身はよく見えないことに起因するバイアスです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、私たちは、他人のことはよく見えるため、他人の失敗に対しては他人を責め、逆に自分のことはよく見えないため、自分の失敗を自分以外の状況要因に帰属させる傾向があるのです。</span><br /><span style="color: #262626;">自分のことを正しく知るためには、誰にでもこのバイアスがあることを理解しておく必要があります。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="h5Radz6lNV"><a href="https://www.a-output.com/locus-of-control">ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ローカス・オブ・コントロールと、間違った帰属をもたらすバイアス&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/locus-of-control/embed#?secret=I5bhfZ7KLw#?secret=h5Radz6lNV" data-secret="h5Radz6lNV" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">３．自分がいつも正しいと思い込もうとする</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">私たちは本能として、自分を守ろうとする機能や、自分が正しいと思い込もうとする機能を持っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>確証バイアス</strong>もそのひとつです。</span><br /><span style="color: #262626;">確証バイアスは、自分の既存の信念を裏付ける情報を求め、それに反する情報を軽視するバイアスです。つまり、私たちは、自分に都合の良いように物事を選択したり、現実を歪めて解釈して見る傾向があり、自分は他人より優れていて、賢くて、正しいと信じます。例えば、90パーセントの人たちが、自分の知性とコミュニケーション能力が「平均以上」だと信じているのはこのためです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">確証バイアスは自己評価を歪め、自分自身を正しく理解することを困難にします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分自身をより正確に理解するためには、自分の欠点、弱み、間違いを正直に認め、他人が正しければそれを認める必要があります。しかし、多くの人たちはこれが出来ません。</span><span style="color: #262626;">自分の欠点、弱み、間違いを正直に認め、人より劣っていると認めることが、とても不快で困難なプロセスだからです。<br />特に国や社会や組織の「えらい人たち」ほどこれができません。むしろ、自分の弱みや間違いを他人に見せることがまったく出来なくなっていて、虚栄を張っている人たちがほとんどです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.a-output.com/why-do-we-think-i-am-always-right" target="_blank" rel="noopener">以前も書きましたが</a>、<strong>確証バイアスは、さまざまな領域で社会に破壊的な影響を与える、人類が持つ最も危険な認知バイアス</strong>です。世の中の多くの争いも確証バイアスが原因の１つで、その結果、数えきれないほどの人命が奪われてさえいます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="mLhvQXszYr"><a href="https://www.a-output.com/why-do-we-think-i-am-always-right">私たちはなぜいつも自分が正しいと考えるのか？</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;私たちはなぜいつも自分が正しいと考えるのか？&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/why-do-we-think-i-am-always-right/embed#?secret=1dwwFQ6x3l#?secret=mLhvQXszYr" data-secret="mLhvQXszYr" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">４．文化的背景や社会からの期待に縛られるから</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">文化的背景や社会からの期待も、自分自身を理解することを困難にします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たち自身を深く知るためには、自分が生まれ育ってきた環境や文化、周囲の人たちや社会や歴史を理解しなければなりません。知らぬ間にこれらから大きな影響や制約さえ受けており、それらが、自分を深いところで形作っているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分は社会の一部であり、社会は自分の一部でもあります。<br />自分では自分がよく見えないと書きましたが、自分が所属する文化についてもよく見えていません。それが他の文化とどう違うか気づいていません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">残念ながら、自分の体から抜け出して自分を外から見ることはできませんが、自分がいる社会を抜け出して外から見ることはできます。海外に行くなどして、自分が生まれ育った環境から離れて見ることができます。外から見てみれば、自分がいた社会について、思わぬほど多くを知ることができるでしょう。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="5lgwvkZxof"><a href="https://www.a-output.com/how-to-create-and-abandon-social-norms">ソーシャルノーム（社会規範）の生み出し方と壊し方</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ソーシャルノーム（社会規範）の生み出し方と壊し方&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/how-to-create-and-abandon-social-norms/embed#?secret=R5kKawav0C#?secret=5lgwvkZxof" data-secret="5lgwvkZxof" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">５．知ることができる自分には限界があるから</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">皆さんは自分の行動は自分が決めていると思っているでしょう。しかし、<strong>自分の自由意思によって決めている行動はごく僅か</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自分で考えて決めていると思い込んでいる行動でさえも、そのほとんどはその他の数多くの要因によって決められていて、自分の意思が及ぼす影響はごくわずかです。私たちの体の中で起きている活動の多くは自分ではコントロールできないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">意思は、自分の一部ではあるものの、全体ではありません。それは、内燃機関が車の一部ではあるが、車全体ではないのと同じです。</span><br /><span style="color: #262626;">どの部分も、全体ではありません。いかなる部分も、その他全てをコントロールできず、しかし、完全に独立しているものでもなく、むしろ相互に影響し合っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">先ほども書きましたが、内省、つまり自分の考え、感情、行動の原因を振り返って深く考えることは、自己認識を高めると広く考えられています。しかし、内省が必ず自己認識を高めるとは限りません。むしろ、内省する人は自己認識が低く、仕事の満足度と幸福度が低いと報告している研究さえあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、生理的現象や無意識の考え、感情、動機の多くにアクセスできません。<br />意識が及ばない領域で決められているものが多いため、内省によってこれらのことを理解しようとすると、むしろ間違った解釈をしたり、答えを自分に都合の良いようにでっち上げることさえあります。とても多くの人が「自分に都合の良い内省」を行っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">たとえば、ある従業員に対して大激怒したマネージャーは、色々考えた結果、その従業員には能力がないと結論づけるかもしれません。大激怒の本当の理由は、単に自分の虫の居所が良くなかっただけなのにです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">内省の問題点は、それがまったく効果がないということではなく、ほとんどの人が間違っておこなっていることにあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、なぜあなたが従業員Aより従業員Bを高く評価するのか上司から尋ねられたとします。<br />色々考えてみて、従業員Bの良い点を口に出すことができるかもしれません。しかし、</span><span style="color: #262626;">その本当の理由は「よく分からない」ことがよくあります。つまり、「理由は自分ではよく分からない」が正解であることがあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜから、私たちは、無意識の考えや感情や動機の多くにアクセスできないからです。私たちは自分では理由が分からず、ある考えを持ったり、行動を取ることがあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、<strong>これらの無意識の作用に理由づけしようと無理に考え過ぎると、思考が答えを後付けしたり、もっともらしい答えを間違って導き出したり、でっち上げる可能性がある</strong>のです。<br />結局のところ、「なぜ」という自問は、驚くほど効果のない自己認識の質問にもなり得るのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちが自分に張り付けるラベルやレッテルも、自分を表しているものではなく、むしろそのラベルに振り回されることがあります。つまり、私たちは自分を「知る」ことによって、実は、別人になってしまうことがあるのです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="yid2Xa74vf"><a href="https://www.a-output.com/determined">書籍紹介：Determined 行動は過去によって決められる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;書籍紹介：Determined 行動は過去によって決められる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/determined/embed#?secret=29M91LgqI9#?secret=yid2Xa74vf" data-secret="yid2Xa74vf" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<h6><span style="color: #262626;">６．自分は変化し続けるから</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">たとえば、あなたが日本以外のある国に住んでいるとします。<br />そこで、羊やヤギと一緒に農場で暮らし、政治や国際問題について考える必要はまったくない生活を送っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">日々の暮らしがすべてで、政治や国際問題はその生活に何の影響も与えていません。この意味では、完全で充実した人生を送っています。「自分が誰であるか」についてはあまり考えないかもしれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、ある時すべてが大きく変わる瞬間が訪れます。<br />突然ドアをノックされ、役人から国のために戦うよう招へいされます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この瞬間から、あまり関心のなかった国家が自分の生活を大きく動かす存在になります。そして、国民としての何らかのアイデンティティが芽生えます。</span><span style="color: #262626;">何者でもなかった自分が、突然、自分のアイデンティティの「真実」を受けるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この「真実」を受け入れることで、人はそれまでの自分ではない自分に変わります。昨日までは、夜明けから夕暮れまで動物の世話をするとても幸せな農夫でした。しかし、一日にして、まったく異なる自分に変わってしまったのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは極端な例かもしれませんが、似たようなことは私たちの中で頻繁に起きています。つまり、人は絶えず変化し続けるのであり、自分が本当に何者であるかを知ることはないのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「自分探し」という言葉があります。<br />個人的にはあまり好きではない言葉です。なぜなら、</span><span style="color: #262626;">自分を探す必要はないと思っているからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>大事なのは自分を探すことではなく、自分を知ること</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回書いたように、<strong>自分を知ることには限界があります。それでもなお、自分をよりよく知るのです</strong>。<br />自分探しをする前に、なぜ自分を探そうとしているのかを知ってください。外で探そうとするのではなく、内を見るのです。自分自身を支える何らかの芯や軸があるはずです。それはとても細く見えるかもしれません。しかし、その存在に気づけば、それを少しずつ肉付けしていくこともできます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">本当の自己認識は「自分が考える自己認識」よりももっと深いところにあります。<br />観察者として自分を見るのです。自分を客観視できれば、思考や感情の裏側にある、より深い自分を感じることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、大事なのは、<strong>自分を含めて人間がどう機能しているのか、どうやって様々な感情が生まれたり、考えが生まれるのか、その仕組みを知ること</strong>です。</span></p>
<p><strong><span style="color: #262626;">車の仕組みを知らないのに、どうやって故障を直すか、どうやったらもっと速く走らせることができるか考えても解決できません。同じように、多くの人たちは、自分の仕組みを知らないのに、自分を無理矢理変えようとして失敗しています。</span></strong></p>
<p><span style="color: #262626;">自分がどう機能しているかを理解していないことが、様々な問題の発端になっているのです。<br /></span><span style="color: #262626;">重要なのは、自分という人間の仕組みを知ること、自分がどう機能しているのかを知ることです。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="BPsw8CrdJn"><a href="https://www.a-output.com/power-of-now">書籍紹介：Power of Now 「今にいる」ことの力</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;書籍紹介：Power of Now 「今にいる」ことの力&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/power-of-now/embed#?secret=3P1KoBfoN6#?secret=BPsw8CrdJn" data-secret="BPsw8CrdJn" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>


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