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変革の書籍紹介:マインドセット(mindset)

  • 投稿カテゴリー:Change Management
  • 投稿の最終変更日:2021年3月11日
  • Reading time:7 mins read

「マインドセット」は2つのタイプの人を紹介します。一つのタイプは、努力、学び、成長を続けられる「Growth mindset」を持つ人、もう一つは、自分の欠点を認め修正できない一方で、チャレンジを避け、自己防衛に躍起となる「Fixed mindset」を持つ人です。

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「マインドセット(mindset ~ Chaning the way you think to fulfil your potential)」は、アメリカの著名な心理学者でスタンフォード大学の教授(2004年~)であるキャロル・ドウェック(Dr Carol S. Dweck)による2006年の著書です。

書籍では、繰り返し「Growth mindset」を持つ人と「Fixed mindset」を持つ人を比較していきます。
「Growth mindset」を持つ人は、自分の素質は、努力、学び、他人からの助けによって、養い伸ばしていくものと考えるタイプの人です。
一方で「Fixed mindset」を持つ人は、才能は最初から決まっていると思うタイプの人で、自分の欠点を認め修正する事ができない一方で、チャレンジを避け、自分が優れていると証明する事、自己防衛に躍起となる人です。

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私は本書籍を英語版(2017年改訂版)で読みました。日本語版は読んでいませんが、日本語版のタイトルは「マインドセット「やればできる! 」の研究」です。
日本語版では「Growth mindset」を「しなやかマインドセット」、「Fixed mindset」を「硬直マインドセット」と紹介しています。
「Fixed mindset」が「硬直マインドセット」は良いと思いますが、「Growth mindset」が「しなやかマインドセット」と訳されているのは著者の意図とは少し違うだろうと違和感を覚えます。
また、書籍名副題の「やればできる! の研究」にも違和感が。。。
私は出版事情に明るくなく的外れかもしれませんが、日本では、目に留まりやすい、印象を与えやすいフレーズに訳す事情があるのかもしれません。
以降、敢えて日本語にはせず、「Growth mindset」「Fixed mindset」を英語のまま紹介していきます。

先に紹介したように、書籍は2つのタイプの人のそれぞれの特徴、考え方を繰り返し繰り返し比較しています。
Amazon.comやAmazon.co.jpのレビューにもあるように、事例は異なるものの基本的に同じような比較の繰り返しが多いという点は難ではあります。
ただし、書籍の最後に紹介されている「Fixed mindset」を「Growth mindset」に変える方法、これが面白く、本書の私のお気に入りの部分ですが、この部分は最後に紹介します。。。

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まず、本書で紹介されている「Growth mindset」と「Fixed mindset」の人の考え方や態度の対比を紹介します。

[Growth mindset]:Nothing venture, nothing gain(危険を冒さなければ、何も得られない)
[Fixed mindset]:Nothing venture, nothing lost(危険を冒さなければ、何も失う事もない)

[Growth mindset]:最初の試みで成功しなければ、何度も何度もやってみる
[Fixed mindset]:最初の試みで成功しなければ、能力がないという事

[Growth mindset]:失敗した時は、何が原因か考え、次の機会に備える
[Fixed mindset]:失敗した時は、他の誰かのせいとか、体調が悪かったと言い訳をする

[Growth mindset]:悪い点数を取った場合、もっと一生懸命頑張る
[Fixed mindset]
悪い点数を取った場合、寝る、食べる、飲む、ふてくされる、何もしない、叫ぶ、物を壊す、泣く、等々

[Growth mindset]学習者。自分を成長させる、学ぶ事に主眼を置く。才能は伸ばすもの
[Fixed mindset]:非学習者。努力は才能のない人間がする事。才能のある人が成功する。努力しなくても成し遂げられる人が優れている

[Growth mindset]批判から学ぶ。他人の成功から学ぶ
[Fixed mindset]:他人からの批判は自分への攻撃であり、否定的なフィードバックは無視する。他人の成功は脅威

[Growth mindset]他人との比較はあまり気にしない
[Fixed mindset]:自分が他人より優れている事、自分の能力を証明する事や見せびらかす事に躍起となる

[Growth mindset]:自分の能力を的確に評価できる
[Fixed mindset]:自分の能力を過大評価する

[Growth mindset]:過去にやったことがないチャレンジングな事に興味を示す
[Fixed mindset]:チャレンジを避け、過去に上手くできた事を繰り返す事に興味を示す

[Growth mindset]:あるパズルを成功すると、もっと難しいパズルにチャレンジしたくなる
[Fixed mindset]:難しいパズルには挑戦せず、できるパズルを繰り返す

[Growth mindset]:過去にやったことがない難しい事、長年取り組んできた事を達成した時にやったと思う
[Fixed mindset]:ミスなくこなせた時、他人には出来ない事ができる時にやったと思う

[Growth mindset]:情報は評価するのではなく、どう利用してより良い方向に持っていくか
[Fixed mindset]:情報を良い・悪いで評価する

[Growth mindset]:環境や社会の変化に合わせて、自分も変わっていかなければならない
[Fixed mindset]:自分のために、周りの環境や社会が変わるべきであり、自分は変わる必要がない

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実は、大企業のトップに君臨するような方にも「Fixed mindset」はいます。
Scott Paper社のAlbert Dunlop、Chrysler Motors社のLee Iacocca、AOL Time Warner社のSteve Case、Enron社のKenneth Lay、Jeffrey Skilling等々、会社を崩壊に招いた「Fixed mindset」のリーダー達を紹介しています。

「Fixed mindset」のリーダーは、自己の名声や名誉、エゴのため、自分が優れている事を証明するため、トップまで昇りつめた人であり、会社を長期的には成長できません。
「Fixed mindset」のリーダーは、部下を育てるのではなく、部下、特に能力が高い部下を封じ込めようとします。「Fixed mindset」のリーダーにとって、「Growth mindset」の人は障害になります。自分を脅かす存在だからであり、「Fixed mindset」のリーダーは、自分が会社の中で一番の存在である必要があるからです。
「Fixed mindset」の人は、「Fixed mindset」思考の人との付き合いを好みます。「Fixed mindset」のリーダーは部下を「Fixed mindset」に変えていったり、チームを「Fixed mindset」のメンバーで固めて行きます。

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私は本書を読むにつれて、この本を「Fixed Mindset」の人が読むとどう思うんだろうと気になりましたが、書籍はこの点にも言及しています。この本を読む「Fixed Mindset」の人は「成功に努力は必要だよ。失敗は成功のもと」と口先では言うものの、行動は伴わず、実際の行動は「Fixed Mindset」のままだそうです。

人間は基本的に「Growth mindset」で生まれてきます。生まれてから、歩き方や話し方、ありとあらゆる事を学んでいかないとならないからです。しかし成長がある段階に達すると、ある子供たちは「Fixed mindset」に変わっていきます。
例えば、結果をほめる事は「Fixed mindset」を助長させます。子供に「賢いね~」「すごいね~」「頭いいんだね~」と能力を強調する事も、自分は賢いんだという意識を助長する要因になり、IQを低下させる事にさえ繋がるそうです。
また、否定的な意味でステレオタイプに当てはめてしまう事、例えば「あなたは頭が良くないから~」「あなたは女性だから~」等は「Fixed mindset」を助長させてしまいます。
「Growth mindset」を育むためには、「頑張ったね」等、挑戦、努力の過程を褒めるのが良いそうです。

世の中には、完全に「Growth mindset」な人、完全に「Fixed mindset」な人はおらず、みんなその間のどこかに位置します。また、例えばあなたがどちらかというと「Growth mindset」でも、全ての事に「Growth mindset」を持って取り組めるわけではなく、苦手な事に対しては「Fixed mindset」であったりします。

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最後に、ではどうやって「Fixed mindset」を「Growth mindset」に変えられるのか、その4つのステップを紹介します。

Step 1 「Fixed mindset」を受け入れる
どんな人でも「Fixed mindset」と「Growth mindset」が混在しています。まずは、自分の「Fixed mindset」を素直に受け止める事です。

Step 2 何が「Fixed mindset」を引き起こしているか意識する
どういう時に「Fixed mindset」になるのか、新しく大きな挑戦に面している時か、得意な分野で他人に先を越された時か、良い・悪いを判断するのではなく、ただただその時のあなたを観察します。

Step 3 「Fixed mindset」の人格に名前を付ける
えっ?と思うかもしれませんが、そうです、あなたの「Fixed mindset」の人格に名前を付けます。

Step 4 「Fixed mindset」を旅に連れていく
「Fixed mindset」がどういう時に現れるか分かりました、名前も付きました。「Fixed mindset」を教育し、旅に連れて行ってください。「Growth mindset」への旅です。

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このStep3「Fixed mindset」に名前を付けるという所が最高です。
私は、私の「Fixed mindset」に「モーさん」と名付けました(笑)。牛には失礼ですが、なんとなく活動的でないイメージがあるので。書籍では「Growth mindset」に名前を付けなさいとは書いていませんが、折角なので「Growth mindset」にも「ポチ」と名付けました。ポチは犬です、深い理由はありません(笑)。ちなみに私は犬も含めペットは飼っていません。

私はどちらかというと自分を「Growth mindset」型の人間と思っていますが、書籍を読んでから意識してみると、時々モーさんが顔を出すのが分かります。どうしても嫌な時、苦手な事ってありますよね、と無理矢理共感を求めますが(笑)。
そんな時は、あ、これ苦手なんだな、モーさんが顔を出してきた。よし、ポチにモーさんを連れて行ってもらうか!と考える事ができるようになります。
名前を付け人格を与える事で「Fixed mindset」の部分を押し殺すのでなく、成長させる事ができるのです。

なお、書籍で紹介している実例では、「Fixed mindset」を、「Z(ズィー)」、「Duane(デュアン)」、「Dale Denton(デール・デントン)」、「SugerDaddy(シュガーダディー)」(笑)などと名付けています。

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