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書籍紹介:シリコンバレーの伝説ナバル・ラビカントの富と幸せのガイド

  • 投稿カテゴリー:マネジメント
  • 投稿の最終変更日:2022年9月19日
  • Reading time:5 mins read

今回は、シリコンバレーの伝説的な起業家であり投資家であるナバル・ラビカント(Naval Ravikant)の言葉をまとめた自己啓発的な書籍を紹介します。ナバルは他人のルールに従う必要はなく、自分にとって価値あるものを見つけ、正しい努力をする判断が大切で、その長期的な影響を知っている事が知恵だと述べます。

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シリコンバレーの伝説:ナバル・ラビカント

今回は、スタートアップ文化のアイコンであり、シリコンバレーの伝説的な投資家であるナバル・ラビカント(Naval Ravikant)の言葉をまとめた自己啓発的な書籍を紹介します。

ナバルは9歳の時に両親と共にインドからニューヨークに移り住んだ、貧しい移民の家庭で育ちました。小さいころから多くの本を読み、ダートマス大学でコンピューターサイエンスと経済学を学び、起業家として、そして、Uber、Twitter、FourSquare、OpenDNS、Yammerなど錚々たる企業を含む200社以上に設立初期の段階で投資したエンジェル投資家として、大成功を収めています。

本書「The Almanack of Naval Ravikant: A Guide to Wealth and Happiness ~ ナバル・ラビカントの年鑑:富と幸せのガイド」は、作家であり起業家であり投資家であるエリック・ジョルゲンソン(Eric Jorgenson)が、ナバルのツイッター、ポッドキャスト、インタビューなどから言葉を集めて書籍化したもので、全体的に平易で分かりやすい文章になっています。
ナバルのツイッター@navalは私もフォローしていますが、現時点で170万人のフォロワーがいます。

Navalのツイッター~ ~ ~ ~ ~

書籍は彼の人生哲学を紹介するような内容で、「富(Wealth)」を扱う前半と、「幸せ(Happiness)」を扱う後半の、大きく2部構成になっています。
特に前半はシリコンバレーのテック業界での経験が反映されていて、必ずしも全てが万人に当てはまるわけではありませんが、自らの人生に主体的に向き合い、自分の価値を見出し磨いていくことがより重要な世の中になっているく中、ITやスタートアップと無縁の仕事をしている人でも、参考になる内容が多いです。
この本、アマゾンでキンドル版を買っても314円で(本文執筆時)、書籍のホームページからは何と「ただ」でPDFやEPUBをダウンロードできます。最初から読み進めなければならないような本でもないので、とりあえずダウンロードしてスクロールして眺めてみるのもよいでしょう。
特に私にとって参考になる部分が多かった前半の「富(Wealth)」を中心に本書を紹介します。

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前半:富(Wealth)

ナバルによれば、富は「お金(Money)」ではなく「自分のためになる生産的な資産(Asset)」で、発明、ビジネスのアイデア、コンピュータープログラム、製品などが含まれます。これらの富は、自分が直接関与しなくても、自分が寝ている間でさえも、人々が購入しお金を払ってくれるものです。

富を得るためには努力が必要です。しかし、その努力は、正しい方法で、正しい方向に対して行われなければなりません。多くの人が富に繋がらない間違った努力をしています。しかし、世の中では「正しい努力」より「間違った努力」が評価されることが多く、間違った努力が多くの人に褒められる一方で、正しい努力はよく思われないことが多いのです。

「努力」よりも更に大事なのは「判断」です。判断とは努力を向ける方向を決めることです。多くの人は、判断にほとんど時間をかけず、努力にほとんどの時間を費やします。世の中では「間違った努力」が過大評価される一方で、「判断」の重要性は過小評価されます。
そして「知恵」とは、自分の判断や努力、行動の長期的な影響を知っていることです。

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この世の中には「お金」と「地位」の2つの大きなゲームが存在します。
「お金」はある程度は必要ですが、外的な問題を解決するために必要なだけで、お金そのものが人を幸せにすることはありません。
「地位」のゲームはポジション争いの「ゼロ・サム・ゲーム」、つまり、一方が勝ち、他方が負けるというゲームです。プレーすべきはお互いに「ゼロ」がなく、お互いが足し算や掛け算を目指すようなゲーム、つまり「サム・ゲーム」ですが、多くの人が「ゼロ・サム・ゲーム」をプレーし、他人を攻撃したり押し込めて、他人が成功しないようにします。

地位のゲーム、駆け引きを仕掛けてくる人を相手にしてはいけません。また、トレンドや他人を追いかけるのでもありません。

外的な問題を解決するためのお金が確保できたら、あとは自由にやりたいことをやるのです。
人は誰にでも才能があります。例えば、執拗な性格の人は物事を深く追究する才能があり、噂話をする人は人を知る才能があります。
それは教えてもらったり訓練して身に付ける性質のものではなく、自分が情熱と好奇心を持って、いくらでも時間をつぎ込み楽しんで追求し、とことんまで自ら学ぶ事ができるものです。

他人のルールに従う必要はありません。本当の意味で成功するユニークな人間に成長するためには、自分の道を切り開き、自分のやり方で努力し続けるのです。どこまでもお金や地位を求めるのではなく、倫理的に「富」を追い求め、永遠に学び続けるのです。自分自身に正直になり、競争のトラップから抜け出すのです。「自分が自分であること」を極めることに対して、自分以外の誰も太刀打ちできる人はいません。

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レバレッジ(てこの原理)を効かせることの重要性は多くの投資本や財務関連の書籍でも紹介されていますが、本書でも3つのレバレッジが紹介されています。また、著者のエリック・ジョルゲンソンは、彼のホームページで下記の5つのレバレッジを紹介しており、最小限の力やインプットで最大限の効果やアウトプットを生み出すための様々な視点を得る上で参考になります。

1.道具のレバレッジ
ソフトウェア、機械、ロボットなど

2.プロダクトのレバレッジ
会社紹介のメディアやオートメーションソフトウェアなど

3.人のレバレッジ
一緒に作業する人、請負者、コンサルタント、パートナー、協力者、コミュニティ、顧客など

4.お金のレバレッジ
現金、負債、資本(株式)など

5.束(まとまり)のレバレッジ
ベンダーやサプライヤーの集合、システムなど

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後半:幸せ(Happiness)

私の個人的な感想としては、後半の「幸せ」を書いた部分は、全体的に概念的かつ一般的で、具体的方法が欠けていて前半ほどは心に突き刺さりませんでした。また「自分が変えることのできない物事を受け入れるためには、死を受け入れることだ」などの一部の記述には、そこまで必要ないでしょ!と突っ込みたくなってしまいました。。。

以下、後半の概要です。

ナバルは、幸せとは欲望がないことだと考えています。持っていないもの、持つことができないものに対する憧れがない状態です。自分に欠けている外的なものに憧れると、それがないために不幸になります。
ナバルは、外的な何かを求めるのではなく、自分がコントロールできないことをコントロールしようとするのもやめ、全てを受け入れ、「こころの平和(Peace)」を得られれば幸せになれると述べています。
そして、幸せやこころの平和は、スキル(技術)であり、自分が取る選択肢であり、自分が幸せになれることを見つけ、それを習慣化することだと説明しています。

ある人が幸せだと思うことが、他の人にはそうでない場合もあります。自分が幸せになれる健康的な習慣を見つけましょう。また、短期的な満足や利益をもたらす行動の多くは、長期的には幸福感を損ないます。
幸せをゴールにしてそれが達成できなかった時に不幸になってしまうことは避け、自分が幸せで心穏やかでいられる健康的な状態を見つけましょう。

自分以外の人を大切にするようになると、人生の意味も変わってきます。自分自身のことだけを考えるのではなく、友人や家族を大切にし、自分がいなくなった後も、彼らが成功し続けられるようにしたいと思うようになるのです。

どのように考えるにせよ、自分の価値観に従って人生を送るべきです。倫理的で正直であることに妥協せず、人格も投資も長期的に築き上げるのです。

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最後に

幸せになるためには、自分自身を大切にする必要があります。富は重要ですが、それだけが幸せへの鍵ではありません。スキルや習慣など、自分にとって有益なものを身につける努力をして成長するのです。

ナバル自身もその実践は簡単ではなく長い時間と忍耐を要すると述べています。長期的なゲームを計画しましょう。他人に良く接し、価値あるスキルを身につけ、適切な判断をしましょう。短期的には大きな成果は得られないかもしれませんが、長期的にはそれに見合うだけの成果が得られるはずです。

自分にとって価値あるもの、やりがいのあるものを見つけ、それを持ち続けてください。それで得られる幸福感を味わってください。やがて、そこから他の全てがついてくるのです。

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