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成長できない企業の経営計画=戦略・財務目標はあるが「企業文化」が欠落

  • 投稿カテゴリー:Change Management
  • 投稿の最終変更日:2021年1月15日
  • Reading time:5 mins read

これからのVUCA時代の経営計画には、事業戦略や成長戦略、財務指標の目標達成のために、企業文化の改革が必要になります。戦略を実施し目標を達成するために、どのような文化の組織を目指すのか、それをどうやって醸成するのかが求められます。

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前回、最近流行りのDX(デジタル・トランスフォーメーション)などシステム導入等のプロジェクトの失敗の多くが、下図の(1)~(3)の計画や管理にエネルギー、予算、労力、時間を注力して、(4)、(5)の要素にほとんど費やしていない事が原因であると説明しました。

システム開発を請け負う会社にとっては技術的側面である(1)~(3)だけで十分な場合もありますが、システムを発注・導入する側の会社では、これでは不十分です。
システムを導入する事で本来的に達成したい目的が成し遂げられているかどうか分からないからです。
(4)、(5)の人的側面の視点が抜け落ちているため失敗しているプロジェクトは、システム導入の例に限らず、業種・取り組みの種類を問わずたくさん存在します。

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会社のより大きなプロジェクトである中長期経営計画や、成長戦略、新規事業戦略でも同じ事が当てはまります。
中長期経営計画は、企業が中長期的な経営ビジョンを実現するために、3~5年後の達成すべき目標、その間にやるべき事を計画したものです。

日本の多くの会社の中長期計画では下記の様な項目が掲げられます。

  • 売上、利益、ROAやROEといった経営の財務指標上の数値目標
  • 外部環境、内部環境、リスク分析、業界におけるポジショニング、注力する領域、収益モデル
  • 社内の部署・分野ごとの目標、方針、戦略

「競争力強化」「組織横断の構造改革」「事業間のシナジー」という言葉がうたわれる中長期計画もあります。
更に言えば、その時代のバズワード、最近では「働き方改革」「SDGs(持続可能な開発目標)」「AI/IoTの活用」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」なんて言葉を、真剣に取り組むつもりはないが、計画内に散りばめて「ちょっとカッコよく見せる」、または、既存の取り組みに紐づけて「社会的責任を果たしている風に見せる」事も多くの会社で行われます。

このような時代のバスワードが中長期計画に単に並んでいるような会社は、3年後の次期中長期計画には、また今とは異なるその時代の流行りのバスワードが並んでいるかもしれません。そのような会社は先行きが心配です。
逆に、成長する会社の中長期計画はバズワードの記載があるにしても、単なる羅列ではなく、先駆的に取り組み、自分たちの言葉での具体的な落とし込みが反映されています。

残念な会社の中長期計画に関して更に言うと、部署毎に作成した目標を繋ぎ合わせて、全体計画として体裁を整える事もあります。中長期計画が本来ビジョン・ミッション達成のツールである事を考えると本末転倒です。
そして、多大な労力を掛けたものの「計画のための計画」「発表のための計画」に過ぎず、絵に描いた餅に終わる、結果評価も反省点は若干あるものの、全体的には及第点という甘い自己評価で終了。。。という事もあります。

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加えて、多くの中長期計画には、先に紹介したシステム導入の事例と同じ欠落があります。
技術的側面がほとんどで、人的側面にほとんど目が向けられていないのです。

以前紹介したように、予定調和型、高度成長型の時代は既に過ぎ去り、多くの既存のマーケットは飽和状態となり成長の余地はなくなりました(市場の飽和:英語ではMarket Saturationと言います)。残念ながら今までと同じようなやり方を繰り返す事で業績を伸ばせる時代ではなくなりました。

正解はだれも知らない、やってみなければ分からない、やりながら模索していかなければならない、VUCA(ブーカ:Volatility:不安定さ、Uncertainty:不確実さ、Complexity:複雑さ、Ambiguity:曖昧さの頭文字を取った言葉)の時代に既に突入しています。

VUCA時代では、従来型の縦型・ピラミッド型組織、承認プロセスのままでは、成長し目標を達成することは難しく、思考と行動の変化、組織・企業文化の改革が必要になります。

しかし、多くの中長期計画・経営計画は、経営の数字目標はあるのに、そして技術的側面・ハード面での戦略はあるのに、人的側面・ソフト面での取り組み、目標とする組織・文化・行動への言及、どういう企業文化をどうやって形成するのかを具体的に示していません。

人的側面で掲げているのは「働き方改革を実行する」とか「人事制度改革を行う」、「活力ある組織を目指す」とあまりに一般的な記載があるのみです。このような言葉が並ぶ中長期計画は逆に「具体的にはあまり考えていません」と言っているに等しいです。

「社員研修や教育を行う」事を掲げ実施している会社も多いです。もちろん研修や教育は必要です。しかし、目指すべき企業文化との明確なリンク・連動がなく、バラバラに単発的、散発的に行われているケースが多いです。

VUCA時代に成長する会社は、明確で強い意志が感じられるビジョン、ミッション、企業理念の下、強力で分かりやすい「行動指針」が存在し、会社が社員に期待する行動が明確です。
そのような会社は、第三者から見てもその素晴らしい企業文化の一端が垣間見られます。

残念な会社も、残念な会社なりの企業文化を垣間見る事はできますが(笑)。

残念な会社では、会社が社員に期待する行動が明確でありません。行動指針が存在していても、それは建前に過ぎず、社員が真に受けてその通りに行動する事を実は期待していない場合もあります。
建前では社員に「こうあってほしい」と表明するが、実際はそう望んでいない。何か問題が起きた際は「だからお前たちはだめなんだ!」と社員に押し付けます。
このような会社では、社員は委縮してしまい、心理的に安心して本音を語る事ができなくなります。現状路線から外れた余計なことは言わない、やらない、行動しないという選択をします。社員が「余計な事は言わない、やらない」ままで、事業目標を達成し、これからの時代を勝ち抜いていく事はできません。

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従来の中長期計画は、下図の上側のライン(導く力:Guide)のように、技術的視点で経営計画・事業戦略を作成、それをベースに各部署、分野で個別の施策を計画し実行する流れです。何度も繰り返しますが、高度成長期・大量生産消費時代では、組織構造の大きな変革を伴わなくても上側のラインに沿って組織・社員を導く事で目標が達成できました。
しかし、これからは、下図の下側のライン(推進する力:Drive)が必要です。
事業戦略を達成するためには、その目標を達成するに相応する企業文化を持つ組織に変わっていかなければなりません。
企業文化は、企業にとってなにが重要でなにが重要でないかの価値観から形成され、その組織の習慣を形成します。適切な企業文化では、個人に期待される行動、期待されない行動が明確になり、社員は心理的に安心して行動に移す事ができます。




あなたの会社の今の企業文化はどのようなものでしょうか?
どのような行動指針でしょうか?
社員一人一人は実際にどのような行動を取っている、または取っていないでしょうか?


あなたの会社が立てた中長期計画・経営計画を達成するに必要とされる組織・組織文化とはどのようなものでしょうか?
更にはあなたの会社のビジョン・ミッションを達成するに必要な組織・企業文化とはどのようなものでしょうか?
もし目標が達成されるならば、その時どのような企業文化が形成されているでしょうか?
その時、社員一人一人はどのように考え、どのような行動をとっているでしょうか?


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