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変革は「認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ」を踏んでのみ成功する

  • 投稿カテゴリー:Change Management
  • 投稿の最終変更日:2021年1月10日
  • Reading time:4 mins read

変革は、まずなぜ変革が必要かを「認知」して、変革のメリット・デメリットを「比較」し、メリットを確認した上で「やってもいい」から、「やりたい」という参加欲求までつながらないと成功しません。

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トップダウンで「全然社員がついてこない。。。」というお悩みの経営者もいるでしょうし、「変わらなければならないのに上層部にその気がない。。。」というボトムアップの改革に苦慮している社員の方もいるでしょう。

例えばボトムアップのケースをあげると、、、
Aさん、社内人事の荒波に揉まれながらも大きなミスをする事なく、ピラミッドを一段一段登ってきて何とか部長までたどり着きました。Aさんこれで会社人生やり遂げた感いっぱいです。部長職も無難にこなし定年まであと3年。
「退職金までもう3年、後は波風立てずに無事に勤めるだけだな~」

一方、同じ部署の熱血B課長、「A部長は、何を提案しても口ではいいねっていうけど全然動こうとしない。このままではこの部署はだめだ!」といつも不満げです。

さて、「定年まであと3年、変革は待ったなしだが、穏便にやり過ごして退職金をもらえれば万々歳」というA部長の考えは悪い事でしょうか?

窓際に座っているだけで1,000万、2,000万円の年収が保証されるような大企業の退職間際の方をWindows1000とかWindows2000と呼ぶらしいですが(笑)、なぜ座っているだけで給与がもらえるのかというと、会社が何もしなくても定年までの給与と多額の退職金を保証しているからです。
A部長にも「おとなしく無難にやり過ごす」強烈な金銭的インセンティブがあります。
あなたも、もしA部長の立場にいて3年間波風立てずやり過ごす事で退職金を含めて会社がウン千万円保証してくれたら、自分は絶対そうしないと言い切れますか?私はそう言い切れる自信が全くありません(笑)。
いくらB課長が「A部長、このままではダメです!」と言っても仕方ありません。悪いのはA部長ではなく、そのようなインセンティブを与えている会社の方かもしれません。

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実は、このA部長、「確かにB課長の言う通り今改革を断行しなければこの部署はおろか会社自体も先行き危ないかもな」と心の中ではうすうす感じているかもしれません。しかし、A部長にとっては、「定年まで無難にこなして退職金」のインセンティブの方が改革に手を出すより強いのです。

「定年まで波風立てず退職金」>「改革を促進する」

なのです。これを「インセンティブの不等式」と呼びます(by あきと)。
一方で、B課長は定年までまだ15年もあり、今変わらないと退職する前に会社がつぶれてしまうかもしれないという雇用や収入面での危機感があります。
しかし、残念ながら、A部長が権限を持つ限り、またA部長のインセンティブが変わらない限り、改革を実現する事はできません。
A部長のインセンティブの不等式が

「改革を促進する」>「定年まで波風立てず退職金」

に変わらないとだめなのです。
ではB課長はどうしたらいいでしょう。

人事制度が「定年までの3年間に会社が認める改革を成し遂げなければ退職金を半額に減額する」だったら、A部長の「定年まで波風立てず全うする」価値をかなり低くする事ができそうです。
不等号の向きを変える事ができそう!A部長の仕事ぶりは全然違うものになるでしょう!
しかし、B課長が会社の人事制度をここまで劇的に変えるのは難しいです。B課長の目指す改革より難しいかもしれません。
他に方法はないでしょうか?
「A部長、この改革を成功させれば更に役員まで昇り詰められるかもしれませんよ!」と耳打ちするのはどうでしょう?
「改革を促進する」に「更なる役員としての期間と報酬の上乗せ」のインセンティブをプラスします。

「改革を促進する」+「役員昇格」>「定年まで波風立てず退職金」

「役員昇格」は不等式を変えるインセンティブになり得ますが、B課長がA部長に直接言うには露骨過ぎるかもしれません。
「そういえばこないだ社長がこんな事を言っていましたけど、この改革はまさに社長が言っていた事にヒットしますよ!」は考えられますね。
社長でなくても、A部長より上の役員クラスから何とかサポートをもらうという事も考えられます。

また「改革が大きすぎるのであれば、小さい事から始められないか」、つまり「改革のリスク」を低減する方法も有り得ます。

「小さい改革を実行する」>「定年まで波風立てず退職金」

そもそも、B課長が今に至るまで、A部長の文句ばかり言い散らすのでなく、A部長をバックアップしてきて信頼を勝ち取っていたら事態は違っていたかもしれません。「B課長のために最後に一肌脱ぐか!」となるかもしれません。

「B課長のために一肌脱ぐ」>「定年まで波風立てず退職金」

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正しい事だろうが、間違っていようが、崇高だろうが、不純だろうが、「私のメリットは何?」がないと人は変わりません。そして「私のメリットは何?」が一人一人にないと組織は変わりません。
メリットは一つとは限りません。ほとんどの場合複数のメリット・デメリットが絡み合っています。トータルで不等号がどっちの方向を向くかです。

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実は、変革は次のステップを踏まなければ実現できません。

認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ

A部長が実は「改革を促進する」事が会社に必要であると分かっているなら、改革の意義を「認知」はしています。
しかし「比較」の段階で、「改革を促進する」メリットが他のデメリットと比較して、例えば「定年まで波風立てず退職金」よりも小さければ、A部長は改革を「支持」する段階に進みません。

会社では「正しい事」が正しいからという理由で全て実行される訳ではありません。
会社だけではありませんね、家庭でも社会でも世界中どこでも、私だってそうです(笑)。

色々な要素が複雑に絡まっているのです。それらをトータルで比較して、支持するか支持しないかを意識的・無意識に決めているのです。

変革を成功させるには、「支持」するだけでもだめで、「支持」レベルから更に「オーナーシップ」レベルまでもう一段昇らなければなりません。
「オーナーシップ」は直訳すれば「所有」ですが、「他人事としてではなく自分の事として、当事者意識を持って取り組む」という意味です。

支持レベルは「それ、いいんじゃない」とか「いいね!をぽちっとクリックする」レベルですが、これでは不十分です。

人の数だけ考え方、思いがあります。そして会社員の数だけ会社に対する考え方、思いがあります。
この多様な思いに向き合い、一人一人が「認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ」のステップを昇り、「やりたい!」という参加欲求レベル、変革を自分事として所有する=「オーナーシップ」レベルに達しなければ改革は実現しません。「認知」をすっ飛ばして「オーナーシップ」を達成する事はできません。
次回はこのステップについてもっと掘り下げて説明します。

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