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変革は「認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ」を踏んでのみ成功する:その2

  • 投稿カテゴリー:Change Management
  • 投稿の最終変更日:2021年1月10日
  • Reading time:4 mins read

「認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ」、世の中の変革がいかにこの手順を飛ばしてやっているか、そして散々な結果に終わっているか、枚挙にいとまがありません。ほとんどが「変革=チェンジ」をマネージする方法を知らないでやっているからです。

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前回、変革は以下のステップを踏まなければ実現できませんと紹介しました。

認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ
Awareness ➡ Comparison ➡ Acceptance ➡ Ownership

実は、海外では「チェンジ・コミットメント・カーブ」として、以下のように紹介されている事が多いです。

認知 ➡ 理解 ➡ 支持 ➡ コミットメント
Awareness ➡ Understanding ➡ Acceptance ➡ Commitment

認知 ➡ 理解 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ
Awareness ➡ Understanding ➡ Acceptance ➡ Ownership

私が2番目の「理解」を「比較」としたのは、「理解する」では弱いと思うからです。
変革を理解する。文章で書いてしまえば簡単ですが、人間は利己的・打算的で、その取り巻く環境も千差万別、きれい事だけ・理論だけは動きません。「理解」するだけで次のステップに移れる・崇高な理念だけで動ける方々ももちろんいるでしょうが、そうでない人もたくさんいます。
個々人がその時、その置かれた環境の下、様々な思惑で、変化によってもたらされる「メリット」と「デメリット」を比較します。トータルでメリットがあると意識的・無意識に判断すれば、「変革」=「メリット」と捉え、次の段階に進めます。

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よくある間違いは、改革の意義や目的を従業員に「認知」させる事なく、また従業員に「メリット」を説明する事なく、「新しいフォーマットにしましたので次回から使ってください」「来週から新しいシステムに切り替わりますので、今週中に各自インストールしてマニュアルを読んでおいて下さい」「来月から組織が変わります」とだけ伝えて、支持やオーナーシップ、変更、変革を強要する事です。

国の施策の失敗もこのようなケースが多いですね。今月(2020年9月)のニュースの見出しをちょっと拾っただけでも、

  • マイナンバーカード 普及率は全国2割弱
  • 布マスク約8000万枚の配布 希望施設は約5%に留まる
  • 感染者情報集約する国のシステム 都内で導入は1割
  • 日本政府のITはなぜこうもだめだめなのか

これら全て、「認知 ➡ 比較 ➡ 支持 ➡ オーナーシップ」のステップを全部すっ飛ばしている事はお分かりになるかと思いますが、全て散々たる結果になっています。
行政の場合は色々な思惑から「形」を導入する事が目的になっている事も多いので、そもそも認知させてはまずい事もあるかもしれませんが。

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会社に話を戻すと、単純な業務、手順が決まっている通常業務であれば、上司が部下に「いいからやれっ!」と一方的に指示しても、部下はぶつぶつ言いながらも今まで通りにできます。
指示する側もされる側もお互いに何をすべきか良く分かっていますから、指揮官と兵隊のようなスタイルでも機械的に仕事は回ります。

しかし、組織改革の様に、現状会社の中にない新しい仕組みを取り入れる事になると話が違います。通常業務の延長線上で、上司が部下に「いいからやれっ!」では上手く行かないのです。
部下の「何でやるの?」という目的を「認知」して、「何のメリットがあるの?」という疑問を解消させないといけません。

「何でやるの?」「何のメリットがあるの?」がなく仕組みを導入しても、使う側には余計な手間としか映らない業務が発生するだけ、結局使われない仕組みを入れただけ、本来想定する効果は達成できない結果に陥ります。

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「支持」は、自分の業務等に当てはめて、「ふむふむ私はこういう感じで動けばいいかな、なるほどこれなら前より良いかも」と変革を自分の中に落としていく段階です。巷に言われる「腹落ち感」というのもこの辺りの状態です。

ただし腹落ちしてすっきりするだけでも十分ではありません。
何度も繰り返しになりますが、通常業務を行う上では腹落ちして納得すれば十分かもしれません。

しかし、変革をもたらすためには、更に次のステップの「オーナーシップ」、自分が変革の一部、当事者であると感じる事が必要です。この段階は、自分事として、自らが率先して参加する意欲がある段階です。

フランス革命等の歴史上の革命は、変革の最たる例ですが、革命に参加する市民一人ひとりに変革の「オーナーシップ」があった事は容易に想像できますね。

「支持」から「オーナーシップ」への移行が一番ハードルが高いです。
なぜなら「オーナーシップ」は他人が強要出来ないからです。いくら上から「いいからやれっ!」「自分事としてやるように!」と言われても、「自分事でやる事」は自分が決める事であり、他人に押し付けられてできる事ではないからです。
他人が出来る事は各個人にポジティブな影響を与える事、そのために支援・コーチする事です。

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企業の変革には経営トップのオーナーシップ、コミットメントが不可欠です。
トップに変革に対するオーナーシップがなければ組織の変革は成功しません。トップにその意識がない場合は、まずトップを支援・コーチしなければなりません。
さらにはトップから、マネジメントレベル、担当者レベルの末端まで対応していく事が必要になります。

チェンジマネジメントでは、トップ、経営層、関連部署のマネージャー、担当者など、ステークホルダーを洗い出し、変革の受容度や予測される反応などを理解します。そして、それぞれのレベルに対応するエンゲージメント、コミュニケーションのプランを計画します。

プロジェクトマネジメントの構成要素にもステークホルダー・マネジメント、コミュニケーション・マネジメントがありますが、概してプロジェクトマネジメントが技術的側面を扱う一方で、チェンジマネジメントは人的側面を扱うため、重なる部分と、異なる部分があります。

このステークホルダーのエンゲージメントやコミュニケーション・プラン等の、チェンジマネジメント・ツールについてはまた追って紹介していきます。

 

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