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	<title>アセットベースの開発 | あきと アウトプット</title>
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	<description>人と組織と社会の「変わる」をサポートします</description>
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	<title>アセットベースの開発 | あきと アウトプット</title>
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	<item>
		<title>アトランタの「場所に特化したコミュニティ再生」Place-based initiatives</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 10 May 2025 06:17:26 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[コミュニティ改革]]></category>
		<category><![CDATA[リーダーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[人間関係]]></category>
		<category><![CDATA[公共政策]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>コミュニティの再生には、住宅、インフラ、教育、雇用、生活、健康、安全など、様々な面での取り組みを集中し、それを持続させることが必要な場合があります。「Place-based initiatives」は、特定の場所に特化し [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">コミュニティの再生には、住宅、インフラ、教育、雇用、生活、健康、安全など、様々な面での取り組みを集中し、それを持続させることが必要な場合があります。「Place-based initiatives」は、特定の場所に特化したコミュニティ再開発で、その場所が抱える問題の根本的な解決を図ります。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">場所特化型の取り組み：Place-based initiatives</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回は、コミュニティ再開発のモデルである「<strong>Place-based initiatives</strong>」を紹介しましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">あまりにも久しぶりの、私の本業である、建設や不動産開発に近い内容の記事でもあります（汗）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<a href="https://www.urban.org/projects/place-based-initiatives" target="_blank" rel="noopener"><strong>Place-based initiatives</strong></a>」とは、場所ベース、つまり、特定の場所（近隣、地域など）のみを対象とし</span><span style="color: #262626;">、その場所に特化したコミュニティ再開発です。地理的にターゲットを絞って、その場所が抱える問題の解決を図ります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">おさまりの良い日本訳が思い浮かばないので、とりあえず「<strong>場所特化型の取り組み</strong>」とでも訳しておきましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アメリカ、イギリス、ヨーロッパ諸国、オーストラリアなど、欧米諸国で見られる取り組みですが、そのアプローチや対象はそれぞれの場所で少しづつ異なります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回は特にアメリカでの取り組みに絞って紹介します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アメリカでは、貧困などコミュニティが抱える深刻な問題の多くは、人種間の不平等によって、歴史的に特定の地域の住人がさまざまな機会から排除されていることに根ざしています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その問題は複雑かつ多様で、解決は簡単ではありません。問題を単純化した一面的な取り組みは成果を上げられないだけでなく、状況をさらに悪化させることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その問題解決には複数の関係者（行政、民間企業、非営利団体、慈善団体、住民）がさまざまな分野で長きにわたって協力する包括的なアプローチが必要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体的には、住宅、インフラ、教育、雇用、生活、健康、安全などへの投資を統合し、コミュニティに深く永続的な変化をもたらす必要があります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">資産に基づくコミュニティ開発（ABCD）との比較</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">このサイトでは度々「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Asset-based_community_development" target="_blank" rel="noopener">資産に基づくコミュニティ開発（アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント：Asset Based Community Development（ABCD）</a>」によるコミュニティ開発の事例を紹介してきました。その概要については、<a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development" target="_blank" rel="noopener">以前書いた記事</a>をご覧ください。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ABCDと比較して「場所特化型の取り組み（Place-based initiatives）」の特徴を表すと、次のようになります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">表：Place based initiativesとABCDの比較<br /><div id="tablepress-12-scroll-wrapper" class="tablepress-scroll-wrapper">

<table id="tablepress-12" class="tablepress tablepress-id-12 tablepress-responsive">
<thead>
<tr class="row-1">
	<td class="column-1"></td><th class="column-2">Place Based Initiatives<br />
地域特化型の取り組み</th><th class="column-3">Asset based Community Development<br />
資産に基づくコミュニティ開発</th>
</tr>
</thead>
<tbody class="row-striping row-hover">
<tr class="row-2">
	<td class="column-1">焦点</td><td class="column-2">特定の地域に焦点をあてる</td><td class="column-3">人が持つ能力やスキルに焦点をあてる</td>
</tr>
<tr class="row-3">
	<td class="column-1">出発点</td><td class="column-2">その場所が抱える問題から始める</td><td class="column-3">資産を明らかにすることから始める</td>
</tr>
<tr class="row-4">
	<td class="column-1">目標</td><td class="column-2">その場所で目的を達成する</td><td class="column-3">住民自らが資産を活用する</td>
</tr>
<tr class="row-5">
	<td class="column-1">主体</td><td class="column-2">外部機関が主導</td><td class="column-3">住民主導</td>
</tr>
<tr class="row-6">
	<td class="column-1">アプローチ</td><td class="column-2">複数の相互に関連する課題に同時に取り組む</td><td class="column-3">住民同士のつながりを作る</td>
</tr>
<tr class="row-7">
	<td class="column-1">外部の関与</td><td class="column-2">複数の外部機関が協調</td><td class="column-3">地域の住民のリーダーシップ</td>
</tr>
<tr class="row-8">
	<td class="column-1">成功の測定</td><td class="column-2">地域の指標（犯罪率や所得）</td><td class="column-3">コミュニティのつながり</td>
</tr>
</tbody>
</table>

</div><!-- #tablepress-12 from cache --></span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、「場所特化型の取り組み」は、特定の地域における問題解決の取り組みであり、多くの場合、官民が協力します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ABCDは、地域内にすでにある資産を特定し、それを活用して変化を促すことに重点を置いており、外部からの介入よりも地域のリーダーシップと参加を優先します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし、この２つのモデルは相反するものではありません。場所特化型の取り組みにおいても、特定の地区においてABCDを活用することができます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="5II8dfM1Wa"><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=68pbLfAWS1#?secret=5II8dfM1Wa" data-secret="5II8dfM1Wa" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">アトランタのイーストレイク再開発：East Lake Initiative<sup>(1)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">米国で最も規模が大きく、最も長く続く「場所特化型の取り組み」の成功例の１つである<strong>アトランタのイーストレイク再開発（East Lake Initiative）</strong>を紹介します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイク地区は、アトランタのダウンタウンから東に７キロ、市の最東端に位置しています。19世紀後半に、アトランタ住民の夏の別荘地として開発されました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">1904年には、アトランタで最初のゴルフコースであり、名門でもある<a href="https://www.eastlakegolfclub.com/" target="_blank" rel="noopener">イーストレイクゴルフクラブ</a>が作られます。</span><br /><span style="color: #262626;">地域は1920 年代にアトランタに併合されて融合が進み、1940年代を通じて成長しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、他の周辺地域と同様に、イーストレイクも20世紀半ばから白人住人が流出し黒人住民が流入していきます。<br />1960年には住民の90%以上が白人でしたが、1980年には90%以上が黒人になりました。その後、27年間にわたって新規の建築許可がゼロになり、地域への投資は完全に止まります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクゴルフクラブのオーナーは、地域からの撤退を視野に、第２コースを開発業者に売却します。</span><br /><span style="color: #262626;">その土地は、増加する低所得の黒人住民を収容するための大規模公営住宅の候補地として選ばれ、1970年にイーストレイク・メドウズが建てられます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アメリカの多くの公営住宅と同様に、住宅のクオリティは低く、トイレは水漏れし、アパートは下水で溢れ、照明はつかず、天井の一部は崩落しました。公営住宅の周辺には、公園、官庁、ショッピングセンターが計画されましたが、実現しませんでした。ずさんな管理とメンテナンスが追い打ちをかけ、イーストレイク・メドウズは急速に荒廃し、治安も悪化していきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">1990年代初頭、イーストレイク・メドウズはアトランタで最も危険な公営住宅の１つになりました。</span><br /><span style="color: #262626;">暴力、麻薬取引、犯罪が蔓延し、住民の失業率は90%を超え、小学校最終学年の標準読解テストの合格率はわずか13%でした。</span><br /><span style="color: #262626;">あまりに危険であるため、警察が住宅団地に入ることはほとんどなく、救急車も警察の護衛なしでは出動できませんでした。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">１人の慈善家のリーダーシップ</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">アトランタの発展に大きな貢献をした不動産王であり慈善家でもある<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Tom_Cousins" target="_blank" rel="noopener">トム・カズンズ（Tom Cousins, 1931-）</a>は、イーストレイクの実情に深く心を痛めていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼は、貧困、犯罪、劣悪な教育という悪循環が、イーストレイクという場所に結びついてしまっていると考えました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">カズンズは、イーストレイクを再生することを決意します。彼は、地域の変革が世代を跨ぐ貧困を打破できるという強い意志を持ち、リーダーシップを発揮し、長期にわたって資金を提供しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">1995年、カズンズは、非営利団体である<a href="https://www.eastlakefoundation.org/" target="_blank" rel="noopener">イーストレイク財団（East Lake Foundation）</a>を設立します。イーストレイク・ゴルフクラブを買い取り、コースを改修しクラブを名門として復活させ、収益を財団の活動支援に充てました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">財団は、再開発事業と資金提供を行います。米国住宅都市開発省、アトランタ住宅局、民間開発業者、その他民間企業、そして地域の関係者とも協力しました。イーストレイクの再開発はは単なる１団体の不動産開発ではなく、共通のビジョンの下で連携する複数の官民の団体・機関によるパートナーシップでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これらのパートナーシップの下、資金面では、慈善団体、政府補助、債権や株式による資金調達を活用し、1995年以降、イーストレイク地区に合計６億ドル以上の投資が行われました。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">イーストレイクの成功要因</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクの再開発の成功には、(1) 所得混合住宅、コミュニティ施設、商業施設等の建物の開発、(2) 幼児から大学までの教育の充実、(3) コミュニティ支援という３つの要因があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体的には、次のようなことを実現していきます。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(1) 「所得混合」住宅、商業施設の開発</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">まず、荒廃した公営住宅のイーストレイク・メドウズを解体（居住者には移転バウチャーと帰還権を付与）し、その跡地に、一般住宅と補助金付きの住宅が混合した、高品質な「<a href="https://buildhealthyplaces.org/sharing-knowledge/publications/community-close-ups/the-villages-of-east-lake-atlanta-georgia/" target="_blank" rel="noopener">イーストレイク・ビレッジ</a>」を建設しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これは、米国で初めて、異なる所得層向けの住宅を同じ建物内で提供する開発の１つでした。</span><br /><span style="color: #262626;">住宅は、一般住宅と補助金付きの低所得者向け住宅が外から区別できないように、かつ高いクオリティで設計されました。これによって、中間所得層の世帯が流入し、貧困の集中が解消されました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、商業施設開発の一環として、他の小売店の呼び水となるスーパーマーケットの誘致も行いました。</span></p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="alignnone size-full wp-image-25556" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/Place-based-initiative.png" alt="" width="1353" height="319" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/Place-based-initiative.png 1353w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/Place-based-initiative-300x71.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/Place-based-initiative-1024x241.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/Place-based-initiative-768x181.png 768w" sizes="(max-width: 1353px) 100vw, 1353px" /></p>
<h6><span style="color: #262626;">(2) 幼児から大学までの教育の充実</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">第２の柱は、ゆりかごから大学までの教育支援です。</span><br /><span style="color: #262626;">イーストレイクでは、教育を地域活性化とは切り離せない重要な要素として捉えました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">最も注目すべきは、財団がアトランタ初のチャータースクールである<a href="https://www.drewcharterschool.org/" target="_blank" rel="noopener">チャールズ・R・ドリュー・チャータースクール（Charles R. Drew Charter School）</a>の開校を支援し、州内でもトップクラスの質の高い教育を提供したことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これにより、手頃な価格の住宅地で、質の高い教育を求める中間所得層もイーストレイクに引き寄せられます。アメリカでは、質の高い学校が、子育て世代の住まい選びのとても重要な判断材料です。そのために住まいを移すこともよくあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">当初は小学校だけでしたが、連邦政府資金、地方債、財団が集めた寄付金を合わせて、幼少期の教育から高校、さらには大学準備プログラムも提供し、低所得者へのランチの補助金や、放課後の活動も充実させました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、財団所有の土地にYMCAが設立され、レクリエーション施設も建てられました。</span></p>
<h6><span style="color: #262626;">(3) コミュニティ支援</span></h6>
<p><span style="color: #262626;">３つ目の柱は、住民支援への取り組み、地域の健康増進です。その中心となっているのは、青少年と大人を対象とした様々な支援プログラムです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、履歴書の書き方、面接スキル、キャリア開発やコーチング、そして家計の管理支援を行いました。</span><span style="color: #262626;">コミュニティの集まりや、ホリデーシーズンのお祝い、新学期フェアなど、地域参加型のイベントも数多く開催します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">住民の健康保険加入を支援するとともに、健康診療所の設置、ウォーキングクラブや、ヘルシーな料理教室も開催します。</span><span style="color: #262626;">コミュニティガーデンと緑地も整備されました。イーストレイクを取り囲む地域で手頃な価格の住宅が失われつつある中、自らが創出した資源を低所得者層が利用できるよう保護しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">財団は、地域の</span><span style="color: #262626;">外に住む若者も利用できるプログラムも提供しています。</span><br /><span style="color: #262626;">例えば、幅広い年齢の若者たちに<a href="https://web.archive.org/web/20160307012457/http://www.eastlakefoundation.org/the-east-lake-story" target="_blank" rel="noopener">ゴルフのレッスン</a>を提供しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、イーストレイク・ゴルフクラブの法人会員には、財団への寄付が推奨されていて、このような財団の取り組みのための資金源になっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイク財団は、メディア、パートナーシップ、そしてストーリーテリングを通じて、この地域のイメージを「危険」というイメージから「活気に満ち、希望に満ち、家族に優しい」というイメージへと塗り替えたのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、流入してきた中間所得層の世帯の多くも、単にそこに住まいを購入したのではなく、多様性に富むコミュニティというビジョンに賛同し移り住んできたのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">コミュニティ再開発の落とし穴</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">これらの取り組みが成果を上げた結果、地域の安全性が劇的に向上し、犯罪率は90%以上減少しました。</span><br /><span style="color: #262626;">貧困レベル以下の世帯の割合は19%減少、学士号取得者の割合は22%増加、平均年収は約3万5000ドル増加しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、地域の魅力が増すにつれて、住宅価格が上がっていきます。地域の平均住宅価格は約17万5000ドルも上昇しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">住宅価格の上昇は住民の人種構成も変化させます。コミュニティの黒人人口が24%減少し、白人人口が20%増加したのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域に根ざした再活性化の取り組みには、相反する２つの落とし穴があります。</span><span style="color: #262626;"><sup>(2)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>１つ目の落とし穴は、現状を変えるには取り組みが小さすぎる、または偏っていること</strong>です。そのため、想定した成果を上げられないという落とし穴です。</span><br /><span style="color: #262626;">地域の住民は、取り組み前と何も変わらない貧困に苦しみます。約束は破られ、裏切られたという、政府や外部機関に対する不信感を増長させ、状況が以前より悪化さえするのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>もう１つの落とし穴は、その効果が大きすぎること</strong>です。</span><br /><span style="color: #262626;">再活性化の取り組みが成功すると、地域は見違えるほど改善されます。その結果、資金のある新しい住民が押し寄せます。地域は高級住宅地に変わり、多くの民間開発業者が参入し、価格をさらに吊り上げます。当初計画の恩恵を受けるはずだった低所得者が恩恵を受けないだけでなく、その地域から追い出されるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">これを英語で「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Gentrification" target="_blank" rel="noopener"><strong>ジェントリフィケーション（gentrification）</strong></a>」と言います。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="Xo9PnWvBLB"><a href="https://www.a-output.com/social-dominance-theory">社会的支配理論とは？ Social dominance theory</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;社会的支配理論とは？ Social dominance theory&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/social-dominance-theory/embed#?secret=tpU2tUwcKY#?secret=Xo9PnWvBLB" data-secret="Xo9PnWvBLB" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>ジェントリフィケーション：Gentrification</h4>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクも、元公営住宅居住者の帰還のための予算確保を義務付け、所得混合を明確に目指していたにもかかわらず、ジェントリフィケーションや立ち退きに対する批判を受けました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前の公営住宅のイーストレイク・メドウズに住んでいた世帯のうち、新しいイーストレイク・ビレッジに戻ったのは、わずか25%です。イーストレイク・メドウズの住民のほとんどは、移転バウチャーを受け取るか、他の公営住宅団地へ転居しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">厳しい見方をすれば、イーストレイクの事例は、コミュニティ開発（redevelopment）というよりも、コミュニティの置き換え（replacement）と捉えられます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">新しいイーストレイクで支援を受けている貧困層は、警察の手も及ばないイーストレイク・メドウズで暮らすことを余儀なくされた貧困の底辺にいた人たちではなく、少なくともフルタイムの仕事を持ち、犯罪歴がない条件を満たす貧困層だったのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクやその他の同様な再開発には様々な立場からの様々な見解があります。<br />ご興味がある方は、<a href="https://atlantastudies.org/2017/03/14/a-purposely-built-community-public-housing-redevelopment-and-resident-replacement-at-east-lake-meadows/?utm_source=chatgpt.com" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>や<a href="https://www.wabe.org/east-atlanta/" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>や<a href="https://saportareport.com/gentrification-eats-its-own/columnists/king-williams/?utm_source=chatgpt.com" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>や<a href="https://www.npr.org/sections/codeswitch/2015/09/23/435293852/an-atlanta-neighborhood-tries-to-redefine-gentrification?utm_source=chatgpt.com" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>のリンクをご覧ください。アトランタに生まれ、イーストレイク地区の変遷を自分の目で見てきた人たちの意見も知ることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それでもなお、多くの都市再開発の取り組みや周辺地域の取り組みと比較すると、イーストレイクは計画的に手頃な価格の住宅を維持しながら、新たな所得層を誘致することに成功しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">具体的には、財団は、第３期の住宅開発で108戸のアパートを追加しましたが、そのうちの70戸は、地域中央所得の50～60%の所得世帯が借りられる価格帯に設定しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">別の民間企業によるアパート複合施設でも、全ユニット数の10～20%は手頃な価格に抑えるように制限しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">財団が再開発を始めた30年前は、いかに中所得者を地域に呼び込むかを考えなければなりませんでしたが、逆に今は、いかに低所得者を呼び込み、目的に反した開発を防ぐかを考えなければならないのです。当初は考えもしていなかったことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>財団が開発をコントロールできるのは、広大な土地を保有しているからです。そして何よりも、「公平性、包括性、卓越性」というぶれない目的を強く持ち続けているからです</strong>。市場を見ながら、目的を達成するために、時に加速し、時に制限するのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクは、混合所得者向け住宅を、コミュニティ全体の変革のためのプラットフォームとして活用し、「<strong>場所特化型の取り組み</strong>」としてのみでなく「<strong>目的を達成するためのコミュニティ</strong>」の全国的なモデルとなりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>イーストレイクが成功した最も重要な点は、強力なリーダーシップの下、強い目的意識を持ち続けたことです</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクの成功は、2009年、このモデルを他の都市に展開する支援を行う非営利団体「<strong><a href="https://purposebuiltcommunities.org/" target="_blank" rel="noopener">Purpose Built Communities：目的を達成するためのコミュニティ</a></strong>」につながります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">イーストレイクのモデルを他の地域にも応用できると信じたトム・カズンズが、その取り組みに共感した著名な投資家であり慈善家である<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Warren_Buffett" target="_blank" rel="noopener">ウォーレン・バフェット（Warren Buffett, 1930-）</a>と、<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Julian_Robertson" target="_blank" rel="noopener">ジュリアン・ロバートソン（Julian Robertson, 1932-）</a></span><span style="color: #262626;">と共に設立した団体です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのモデルに基づいた取り組みは、現在、全米14州、27以上の地域に広がっています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p>参考文献<br /><span style="color: #262626;">(1) Brett Theodos, “<a href="https://www.urban.org/research/publication/atlantas-east-lake-initiative" target="_blank" rel="noopener">Atlanta’s East Lake Initiative : A Long-Term Impact Evaluation of a Comprehensive Community Initiative</a>”, Urban Institute, 2022/1.<br />(2) Brett Theodos, “<a href="https://www.urban.org/research/publication/examining-assumptions-behind-place-based-programs" target="_blank" rel="noopener">Examining the Assumptions behind Place-Based Programs</a>”, Urban Institute, 2021/6.<br />(3) James M. Ferris, Elwood Hopkins, “<a href="https://scholarworks.gvsu.edu/tfr/vol7/iss4/10/" target="_blank" rel="noopener">Place-Based Initiatives: Lessons from Five Decades of Experimentation and Experience</a>”, The Foundation Review 7, no. 4, 97–109, 2015.<br /></span></p>


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		<title>カナダ、エドモントン市の「豊かなコミュニティ：Abundant Community」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 03 May 2025 01:25:54 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[コミュニティ改革]]></category>
		<category><![CDATA[チーム]]></category>
		<category><![CDATA[公共政策]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[組織論]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>コミュニティの取り組みは地域の人たちが主導しなければなりません。市民主導であるものの、行政が、耳を傾け、背後から支援することが、成功の鍵です。複雑にするのではなく、シンプルにすることです。大切なのは活動よりもつながりです [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">コミュニティの取り組みは地域の人たちが主導しなければなりません。市民主導であるものの、行政が、耳を傾け、背後から支援することが、成功の鍵です。複雑にするのではなく、シンプルにすることです。大切なのは活動よりもつながりです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" title="アセットベースのコミュニティ作り：エクアドルの女性たちの事例" href="https://www.a-output.com/the-jambi-kiwa-story" target="_blank" rel="noopener">前回</a>、エクアドルの先住民の女性たちによる「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Asset-based_community_development" target="_blank" rel="noopener"><strong>アセットベースのコミュニティ開発（Asset-Based Community Development：ABCD）</strong></a>」の事例を紹介しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">アセットベースのコミュニティ開発（ABCD）は、その地域にすでにあるアセット（資産）を生かしたコミュニティ開発で、地域住民のリーダーシップのもと、地域にある強みを生かして、人と人をつなげていくコミュニティ開発です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、ここで言う「<strong>アセット（資産）</strong>」とは、日本人が一般的にイメージするような金銭的価値のある財産に限りません。<br />ここでの「アセット（資産）」は、「地域にあるものすべて」「地域の人たちがもっているものすべて」を指します。地域の人たち、関係、つながり、団体、施設、自然、スペース、もの、人、スキル、経験、歴史、物語など、地域にある「すべて」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回も、前回に引き続きアセットベースのコミュニティ開発の事例を紹介しましょう。今回取り上げるのは、カナダでの取り組み事例です。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="iUelgnIJ3Z"><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=SVfj1RPR36#?secret=iUelgnIJ3Z" data-secret="iUelgnIJ3Z" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">エドモントン市の「豊かなコミュニティ」<sup>(1)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介するのは、カナダのアルバータ州の州都であり、州で２番目に大きな都市であるエドモントン市（Edmonton）の住民と市が協力したアセットベースのコミュニティ開発の事例です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">どの地域にも、多かれ少なかれ、同じ興味や共通の関心を持つ住民たちをつなげる集まりがありますね。<br />町内会や、地元のスポーツクラブ、ヨガサークル、子供たちや学校を介した集まり、その他の近所の集まりなどです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、こうしたことは一夜にして起こるものではありません。人を集めるには、ボランティアや地域住民の積極的な声掛けや、継続的な努力が必要なことがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">エドモントン市のハイランド地区に25年間住む<a href="https://www.abundantcommunity.com/author/howardlawrence/" target="_blank" rel="noopener">ハワード・ローレンス（Howard Lawrence）</a>は、このような、地域の人たちをつなげる人物を「<strong>コネクター</strong>」と呼びます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ローレンスは<a href="https://www.highlandscommunity.ca/league/abundant-communities/" target="_blank" rel="noopener">ハイランド・コミュニティ・リーグ</a>の元副会長で、地域コンサルタントであり、コミュニティの積極的なボランティアです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼は、共通の活動や関心事を通じて近隣住民同士がより強いつながりを築くことで、地域社会が向上することを信じています。そして、近隣地域にこうした「コネクター」を育成するためのプログラムである「<strong><a href="https://www.abundantcommunity.com/abundant-community-edmonton/" target="_blank" rel="noopener">豊かなコミュニティ：アバンダント・コミュニティ・エドモントン（Abundant Community Edmonton：ACE）</a></strong>」を立ち上げ、主導しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのアイデアは至ってシンプルです。</span><br /><span style="color: #262626;">ローレンスの言葉を借りれば「<strong>つながりの文化を築く</strong>」ことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このアイデアの原点は、アセットベースのコミュニティ開発（ABCD）の先駆者であり中心人物である<a style="color: #262626;" href="https://johnmcknight.org/" target="_blank" rel="noopener">ジョン・マックナイト（John McKnight）</a>と<a style="color: #262626;" href="https://www.peterblock.com/" target="_blank" rel="noopener">ピーター・ブロック（Peter Block）</a>の２人が2010年に出版した書籍「<strong>The Abundant Community</strong>（邦訳）豊かなコミュニティ：家族と近隣の力を呼び覚ます」にあります。</span></p>
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	</div>
</div>

<p><span style="color: #262626;">ローレンスは彼らに会いにアメリカのシアトルを訪れ、本の内容を自身の地域でどのように実践できるか話し合いました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ハワードは、地域住民の多くは、自分が持つスキルや知識を生かして、地域に貢献したいと思っていると考えていました。<br /></span><span style="color: #262626;">お互いの資産を生かし、共通の活動や関心事を通して、近隣住民間のつながりを深めることで、地域社会に対する帰属意識や貢献意識が高まり、地域の安全や活性化など、共通の利益のために協力する気運が高まると信じていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼は「<strong>豊かなコミュニティ・エドモントン（以下、ACE）</strong>」構想の概要、目的、可能性、プロセスをまとめた文書を作成し、エドモントン市当局に連絡を取り、パイロットプロジェクトへの支援を求めます。そして、その提案に賛同した</span><span style="color: #262626;">市は15,000ドルの助成金を提供します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ローレンスは2013年、パイロット・プロジェクトに着手します。その場所として、ローレンス自身が住むハイランドを選びました。最初は小さく始め、２年目にはさらに７つの地区に拡大する計画でした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この取り組みを通して、市民、地域・地区のリーダー、市当局者のつながりが生まれ、パートナーシップが強化されました。2013年から始まった取り組みは、５年後の2018年時点でエドモントンの260の住宅地区のうち106の地区に広がりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">エドモントン市は、この活動に専念する職員も用意しました。スタッフと市民は、ACEの経験、ツール、リソースを共有し、カナダのみならず、他国の地域コミュニティが同様の取り組みを開始することを奨励し、支援しました。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">「豊かなコミュニティ」におけるそれぞれの役割 </span><span style="color: #262626;"><sup>(2)(3)(4)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ACEの取り組みを地域で成功させるために、カギとなる人たちがいます。その人たちの役割を紹介しましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．住民の役割</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">取り組みの主体となる住民側には、地域のつながりを育むために必要な次の４つの役割が求められます。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">(1) 地域リーダー（Neighbourhood Leadership）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">その４つの役割の１つが<strong>地域リーダー</strong>です。<br />地域リーダーは、住んでいる地域内のつながりを強化したいと考えている人なら誰でもなれます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一般的に、エドモントンでは、「コミュニティリーグ」がコミュニティ構築のリーダーシップを発揮します。地域を先導するとともに、他の地域のリーダーとも交流し、経験を共有します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Edmonton_Federation_of_Community_Leagues" target="_blank" rel="noopener">エドモントンのコミュニティリーグ</a>は、100年以上前に地域社会の活動を支援するために設立されたもので、市内のすべての住宅地に存在し、地域を活発で住みやすい場所にすることを使命としています。日本の町内会のようなものでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コミュニティリーグの理事会は、地域を代表してリーグの日常的な運営を行うボランティアで構成されています。ACEのフレームワークは、このリーグの仕事や責務を増やすことではなく、むしろ、地域リーダー（コミュニティリーグ理事会など）が、地区コネクターを通じてコミュニティリーグの活動を地区に広げ、新たなボランティアを掘り起こしたり、地域の資産を活性化させることで、コミュニティリーグの活動を支援します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし、ACEのフレームワークの確立には、コミュニティリーグ以外の住民のコミットメントも不可欠です。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">(2) サポートチーム（Support Team）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>サポートチーム</strong>には、地域リーダーのイニシアチブの下、取り組みに早くから賛同した人たちが含まれます。彼らは、地域リーダーに代わり、住んでいる地域でのコミュニティ構築について直接話し合い、必要なリソースのニーズが満たされるように、地域コネクター（次で説明）に対して細やかなサポートをします。また、その結果を地域リーダーに報告します。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">(3) 地域コネクター（Neighbourhood Connectors）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>地域コネクター</strong>は、その地域に住み、地域リーダーと協力し、サポートチームの支援と指導を受けながら活動します。地区コネクター（次で説明）を発掘し、支援する役割を担います。</span><br /><span style="color: #262626;">地域コネクターを担ってくれる適当な人材が見つからない場合、一部の地域では、１年間など期間を限って有給のパートタイムが地域コネクターになることもありますが、ボランティアであれ有給であれ、役割は同じです。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">(4) 地区コネクター（Block Connectors）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">１つの地域はいくつかの地区に分けられます。おおよそ１つの地区に20世帯が含まれるような分け方です。マンションやアパートの場合は、１フロアが１地区を割り当てられることもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>地区コネクター</strong>は、近隣の住民と直接交流を深める人たちです。</span><br /><span style="color: #262626;">彼らは地区内で交流会を企画・開催する（必ずしも主導するわけではありません）だけでなく、地区内の住民の話を聞いたり、地区の一人ひとりがどのような能力や経験を持っているのかを知ります。</span><br /><span style="color: #262626;">そして、地域リーダーと地域コネクターが、その情報を利用し、住民自身が住民主導でつながるのを支援します。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">図：地域リーダー、サポートチーム、地域コネクター、地区コネクターの関係</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone size-full wp-image-25397" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/abundant-community.png" alt="" width="1477" height="689" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/abundant-community.png 1477w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/abundant-community-300x140.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/abundant-community-1024x478.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/05/abundant-community-768x358.png 768w" sizes="(max-width: 1477px) 100vw, 1477px" /></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、それぞれの役割については、エドモントン市が発行している「<a href="https://www.edmonton.ca/sites/default/files/public-files/documents/ACE-ResourceGuideNeighbourhoodLeadership.pdf" target="_blank" rel="noopener">地域リーダー・地域コネクター：リソースブック</a></span><span style="color: #262626;"><sup>(2)(3)</sup></span><span style="color: #262626;">」、「<a href="https://www.edmonton.ca/public-files/assets/document?path=PDF/ACE-BlockConnectorsResourceGuide.pdf" target="_blank" rel="noopener">地区コネクター：リソースブック</a><sup>(4)</sup>」に詳細が分かりやすく記載されています。</span><span style="color: #262626;">毎月どのような作業が何時間くらい発生するのかまで、具体的に示されています。英語ですが、関心のある方はご覧ください。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、地域コネクターや地区コネクターが、地域の人たちを最初に訪ねる際に会話をする助けとなる「<a href="https://www.edmonton.ca/public-files/assets/document?path=PDF/ACE-ConnectorCard.pdf" target="_blank" rel="noopener">コネクターカード</a>」もダウンロードできます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">下のYoutubeは、この「豊かなコミュニティ・エドモントン（Abundant Community Edmonton：ACE）」の取り組みや、「地域コネクター」や「地区コネクター」の実際の活動を紹介したとても良いビデオです。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/yP510mlXNjg?si=i78K7npVtir7IjNZ" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～</p>
<h5><span style="color: #262626;">２．市の役割</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">次に市の役割について紹介しましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">エドモントン市は、ACEの取り組みが持続可能な形で成長していくように管理面と組織面で支援します。具体的には、市内の近隣地区で活動する「<strong>地域リソースコーディネーター（Neighbourhood Resource Coordinators）</strong>」、「<strong>再活性化コーディネーター（Revitalization Coordinators）</strong>」、そして「<strong>ACEチーム（ACE Team）</strong>」を直接雇用します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼らは、市民や団体と協力して、地域と資産に基づいた、つながりがあり活気のある強いコミュニティの構築を支援します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「地域リソースコーディネーター」と「再活性化コーディネーター」は、地域と資産に根ざしたコミュニティ開発の専門家です。計画の策定や能力強化を支援します。コミュニティのリーダーを直接支援し、ACEチームへリソースや情報を提供します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「ACEチーム」は、市民側の「地域コネクター」と協力し、地区レベルの関係を強化し、コミュニティの隠れた資産を発見し、市民が活動を広げられるように支援します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また市は、地域コネクターと地区コネクターが、経験、アイデア、質問、励ましなどを共有するためのセッションを定期的に開催します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">市は、住民が自分たちの地域のことを一番よく知っていると考えています。 </span><br /><span style="color: #262626;">ACEは市民主導であり、地域ごとに異なる形で実現しています。市職員は市民と協力し、市民が意思決定を主導するのを支援するのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">「豊かなコミュニティ」がエドモントン市にもたらしたもの</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">エドモントン市の複数の部署がACEと連携します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、再開発プロジェクトとACEとの連携です。</span><br /><span style="color: #262626;">これらの再開発プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーやエンジニアが、地域資源コーディネーターや再活性化コーディネーター、市民と協力して、社会的なつながりを生み出す計画を模索していきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">もう１つの例は、ACEと緊急支援との連携です。<br />大規模災害が発生した場合、行政の支援がすぐに行き渡ることは期待できません。災害発生後しばらくは、近隣住民同士が助け合うことが不可欠です。ACEチームは、関係を強化して備えることにも積極的に取り組んでいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、この「アバンダント・コミュニティ・エドモントン（ACE）」のプログラムは、今では「<a href="https://www.edmonton.ca/residential_neighbourhoods/neighbourhoods/keep-neighbouring" target="_blank" rel="noopener">キープ・ネイバーリング（Keep Neighbouring）</a>」と呼ばれるより広範なプログラムに統合されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">当初のACEプログラムは、地域コネクターや地区コネクターといった役割、草の根レベルの関与を通じてつながりを作ることを重視していましたが、現在の「キープ・ネイバーリング」は、地域のイベントや開発計画のためのリソースを提供することで、コミュニティのつながりを維持することを支援しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、住民が地域レベルで気候変動対策に協力することを奨励する「<a style="color: #262626;" href="https://www.edmonton.ca/sites/default/files/public-files/N4C-StarterGuide-PrintAtHome.pdf?utm_source=chatgpt.com" target="_blank" rel="noopener">Neighbouring for Climate</a>」など、他のプログラムとも連携しています。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>教訓と提言</h4>
<p><span style="color: #262626;">以下は「ACE：豊かなコミュニティ」を通して、エドモントン市内の様々な地域でACEを長年実施してきた経験から得た教訓と提言を箇条書きにしたものです。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">取り組みは市民主導でなければなりません。ただし、そのプロセスは１つではなく様々です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">市民主導であるものの、効果的な行政の後押しが、成功の鍵になります。市の役割は、耳を傾け、学び、そして背後から支援することです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地区の「コネクター」たちが、近隣地域でのつながりを築くことは、リーダーシップが必要なことと同じくらい重要です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">住民はみな忙しい生活を送っており、活動に参加することに躊躇する人たちがほとんどです。しかし、誰かから誘われたり、招かれたりすると、やる気や動機が高まり、第一歩を踏み出しやすくなります。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">大切なのは活動よりもつながりです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">まだ、つながりが構築されていない地区では、地区のリーダーシップを発掘し、励まし、支援することが必要です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地区、地域、行政、あらゆるレベルで、人を支援できるリーダーシップが必要です。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地区のリーダーシップの育成に投資しましょう。リーダーシップは、特定の社会問題や、個人的嗜好に基づいた排他的な関係ではなく、地域全体に基づいたものでなければなりません。近所の人たちはただシンプルに良き隣人たちでありたいだけなのです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">必要であれば、初期の段階では、専門家を雇用し、取り組みの推進を支援してもらうことが必要です。ただし、専門家が取り組みの主体になってはいけません。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">誰もが何らかのスキル、能力、経験を持っています。それを発見する方法を知ることで、より豊かなつながりを築くことができます。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">当初、ABCDの実践者たちは、いわゆる「問題を抱えた地域」で活動していました。しかし、エドモントンでは、ABCDの原則は、そのような問題地域に限らず、どの地域でも機能することを学びました。地域に限らず、誰もがつながりを持ち、資産に焦点を当てることで恩恵を受けるからです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">複雑にするのではなく、シンプルにすることが重要です。ビジョンは繋がりと思いやりのある隣人たちの関係づくり、ミッションは地区のリーダーシップ、価値観はすべての人を受け入れること、そして、その人たちが持つ資産を共有して、地区の人たちをつなげることです。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">まずは地区の交流会を開催しましょう！人間関係こそがABCDの基盤です。大げさなイベントは必要ありません。シンプルに、土曜の朝にゆるく集まって、コーヒーを飲むだけでも良いのです。</span></li>
</ul>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">カナダに限らず、日本でも、過去30年間で、私たちがお互いにつながる方法は大きく変化しました。地域社会への参加という経験が着実に減ってきていることも明らかです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自治体は従来から、道路、公園、公共施設といった物理的なインフラ整備や、「イベント」の開催に重きを置いてきましたが、市が市民と同じ目線で、地域のつながりに対する投資と支援が重要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">必要なのは「起爆剤」ではなく、時にあまりにも地味に見える、当たり前な、日常的なつながりです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域社会で生活し、働き、集まり、楽しむ住民を支援し、帰属意識とつながりを育むことで、より幸せで健康的なコミュニティの形成につながるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Heather Keam, Debra Jakubec, “<a style="color: #262626;" href="https://www.tamarackcommunity.ca/hubfs/Resources/Case%20Studies/Becoming%20an%20ABCD%20City%20by%20Heather%20Keam%20and%20Debra%20Jakubec.pdf?hsCtaTracking=142f949a-22aa-4ed5-bb90-6b2adf49f6ff%7Ca601aacb-6c01-4c94-9539-65ff0ffe9579" target="_blank" rel="noopener">Case Study | Becoming An Asset-Based Community Development City</a>”, Tamarack Institute, 2019.<br />(2) “<a href="https://www.edmonton.ca/public-files/assets/document?path=PDF/ACE-ResourceGuide.pdf" target="_blank" rel="noopener">Resource Guide for Neighbourhood Leadership &amp; Neighbourhood Connectors</a>”, Abundant Community Edmonton, the City of Edmonton<br />(3) “<a href="https://www.edmonton.ca/public-files/assets/document?path=PDF/ACE-ResourceGuide.pdf" target="_blank" rel="noopener">Resource Guide for Neighbourhood Leadership &amp; Neighbourhood Connectors, Edition 2</a>”, Abundant Community Edmonton, the City of Edmonton<br />(4)</span> “<a href="https://www.edmonton.ca/public-files/assets/document?path=PDF/ACE-BlockConnectorsResourceGuide.pdf" target="_blank" rel="noopener">Resource Guide for Block Connectors, Edition 3</a>”, Abundant Community Edmonton, the City of Edmonton, 2021/1.</p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="0vRrBru2rj"><a href="https://www.a-output.com/abcd-hulbert-street">アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/abcd-hulbert-street/embed#?secret=noxki13QJD#?secret=0vRrBru2rj" data-secret="0vRrBru2rj" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
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		<item>
		<title>アセットベースのコミュニティ作り：エクアドルの女性たちの事例</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 26 Apr 2025 03:25:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[コミュニティ改革]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジ・オーナーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[リーダーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[公共政策]]></category>
		<category><![CDATA[変革の事例]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[途上国支援]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>アセットベースのコミュニティ開発は、「地域が抱える問題」や「地域にないもの」に焦点を当てるのではなく、「地域にすでにあるもの」に焦点を当てます。今回は、南米エクアドルの先住民の女性たちが、地域の資源と、埋もれかけていた知 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">アセットベースのコミュニティ開発は、「地域が抱える問題」や「地域にないもの」に焦点を当てるのではなく、「地域にすでにあるもの」に焦点を当てます。今回は、南米エクアドルの先住民の女性たちが、地域の資源と、埋もれかけていた知識を利用することで、地域社会を変えていった事例を紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">そこにあるものから始まるコミュニティ開発：ABCD</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">本サイトでは、<a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development" target="_blank" rel="noopener">今まで幾度か</a><strong>アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Asset-based_community_development" target="_blank" rel="noopener">ABCD : Asset Based Community Development</a>）</strong>によるコミュニティ開発の事例を紹介してきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>ABCD（資産に基づくコミュニティ開発）</strong>とは、コミュニティの中にすでにあるリソース（資産）や強みを特定し、それを活用することで持続可能な開発を推進するアプローチです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、つい「コミュニティが抱える問題」「他の人たちは持っているのに、自分たちにはないもの」「地域に足りないもの」に焦点を当て、その穴を埋めて問題を解決しようとしがちです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、そのような解決策は一時的には効果を見せるものの、長期的には逆効果になります。持続可能な問題解決のためには、「自分たちが持っているもの」「コミュニティにすでにあるもの」に焦点を当てなければなりません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、コミュニティ開発のもう１つの問題は、外部の支援者が活動の中心となることです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域が抱えている弱みや問題を解決しようと外部の人間が主体となり援助することで、援助に依存する自立できないコミュニティを作り上げます。また、外部の支援者が地域の問題を定義したり、自分自身の価値観をコミュニティに押し付けることがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ABCDは、そのコミュニティにいる人たちの力を重視します。</span><br /><span style="color: #262626;">地域主導でリーダーシップを育み、すでにそこにあるものを利用して、課題を定義し、対処することを促します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以下が、ABCDの原則です。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">弱みではなく、強みから始める</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「欠点」や「ないもの」ではなく、そこに「あるもの」に焦点を当てる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地域の誰にでも、貢献できることがある</span></li>
<li><span style="color: #262626;">コミュニティを築くのは関係性である</span></li>
<li><span style="color: #262626;">コミュニティの人たちは推進者であり、支援の受益者ではない</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">今回は、その事例として、南米エクアドルのジャンビ・キワ（Jambi Kiwa）の物語を紹介しましょう。この協同組合の活動は、すでにそこにある資産を幅広く利用した、地域主導型のコミュニティ開発の好例です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">チンボラソ山岳地帯の数十の小さな農村に住む数百世帯の先住民の生活を改善する取り組みの物語であり、また、伝統的な文化、知識、慣習を取り戻し、今日のエクアドルにおいて先住民であることの意味を再定義する物語でもあります。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="0DNbIMsEcP"><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=sQMPsQAK7D#?secret=0DNbIMsEcP" data-secret="0DNbIMsEcP" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ロサの物語<sup>(1)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">私の名前はロサ・グアマン（Rosa Guamán）、５人の子供がいます。<br />リクトという町で生まれました。11歳になるまで家族と暮らしましたが、家庭の事情で家を出なければなりませんでした。仕事を求めて海岸の町へ移り、その後８年間、そこで家事労働者として収入を得ました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、自分のアイデンティティと使命について考え始め、19歳でリクトに戻ることにしました。すると、すぐにリクトの家事労働者の扱いが、海岸で私が受けていた扱いとは全く違うことに気づきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">リクトでは、家事労働者、そして女性全般に対する扱いはひどいものでした。リクトの先住民女性のほとんどは読み書きができません。学校には先住民の女子は一人もおらず、小学校を卒業した女性はほとんどいませんでした。自尊心が低く、自分になんの価値も感じていませんでした。</span><br /><span style="color: #262626;">家庭内では女性の言葉はほとんど尊重されず、社会全体ではさらにひどいものでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「あの女に何があるっていうの？ただのインディオでしょ」といった声もよく耳にしました。リクトからリオバンバまでの公共バスでは、女性は後部座席にしか座れませんでした。さらに悪いことに、メスティーソ（白人と先住民との混血）が乗り込むと、女性は立っていなければなりませんでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">民族の女性たちは、伝統的に豊富な知識を持っていました。<br />しかし、スペインの征服により、状況は変わりました。<br />植民地時代は、チンボラソ州の先住民文化の一部を成していた親族関係や協力関係の多くを破壊し、1960年代まで、先住民コミュニティはほとんどなくなっていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">女性たちは、部族の知識と資源を使って家族を養う代わりに、NGOから寄付された物資に頼るようになりました。横のつながりは途切れ、縦の支配があるだけでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">自然が豊かな国に住みながら、自給自足ができないのは屈辱的でした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私はこの状況に苛立ち、このような不正義と闘う仲間たちを探し始めました。多くの女性が関心を示しましたが、皆、家族を養う必要があったため、過激な行動はとれません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし1974年、エストゥアルド・ガジェゴス神父がリクトに教区司祭として来ると、私たちに教会の活動を通して、仕事を見つけ、生活を変え始めるよう促します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">当初、彼の教えを受け入れることはできませんでした。なぜなら、先住民である私たちにとって、教会は最もひどい差別者で、宗教を利用して農民や先住民を搾取していたからです。</span><br /><span style="color: #262626;">私たちは社会的に低い階級とみなされ、教会のベンチに座ることも許されず、常に床にひざまずかなければなりませんでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、ガジェゴス神父は教会のベンチを同じ色に塗り、一列に並べて誰もが平等に座れるようにすることで、私たちの信頼を勝ち取り始めました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちは、女性向けに識字教室を開き、次に編み物教室を開き、伝統工芸にも取り組み始めました。活動は口コミで広がり、ますます多くの女性が参加していきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">女性組織は成長し、州レベルのキリスト教農村女性ネットワークへと発展します。</span><br /><span style="color: #262626;">私たちは単に技術を学ぶだけでなく、自分たちの物語の主人公になっていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして1999年には、薬用植物と香料植物の栽培、加工、販売をおこなうジャンビ・キワという協同組合の設立につながります。</span><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワ（Jambi Kiwa）は、先住民族の言葉で「治癒する植物」を意味します。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-25272 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/04/Jambi-Kiwa-1.jpg" alt="" width="718" height="473" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/04/Jambi-Kiwa-1.jpg 1033w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/04/Jambi-Kiwa-1-300x197.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/04/Jambi-Kiwa-1-1024x674.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2025/04/Jambi-Kiwa-1-768x506.jpg 768w" sizes="(max-width: 718px) 100vw, 718px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワの物語</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ロサたちは、すでに忘れかけられている伝統的な薬用植物の栽培を復活させることが、先住民の女性たちに収入をもたらすだけでなく、地域全体を良くする機会になり得ると気付きます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、女性たちに土地の準備と新しい作物の栽培に時間と労力を割くように説得するのは難しいため、まず、野生の薬用植物を集めることから始めました。集めた植物を、市場に並べることで、地元の植物の薬効を改めて知ってもらうのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロサたちは、その後１年間、女性たちを集め、薬用植物を採集して教会に持ち帰りました。国連からの少額の助成金のおかげで、女性たちから集めた植物を買い取って販売することができました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2001年4月、ジャンビ・キワは、国営の紅茶会社に乾燥粉砕したハーブを供給するという、初の大きな契約を獲得します。信頼できる買い手が見つかり、当初は毎週5～10キロ程度だった収穫が、毎週末100キロの植物が教会に持ち込まれるようになりました。協会の屋根裏部屋が乾燥した植物でいっぱいになるにつれて、女性たちは自信を深めていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">年配者にお金を払って、伝統薬やシャンプー、石鹸の作り方を教えてもらう講座を開くようになると、参加者の女性たちは「ああ、うちのおばあちゃんもこんなことやってたわ」と思い出します。彼女たちは埋もれていた知識を再発見していきます。商品は多角化し、</span><span style="color: #262626;">エクアドルのみならず、カナダ、イタリア、アメリカでの販売が実現しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、他の生産者とも連携し、薬用植物生産者全国ネットワークを設立します。<br />このネットワークは最終的にエクアドルの沿岸部、山岳部、アマゾン川流域の８つの州で構成されるようになります。</span><br /><span style="color: #262626;">彼らは相互訪問を通して、互いに学び合い、関心のあるテーマに関する研修会を開き、顧客を招き、販売を広げることにも成功します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、様々な外部団体との関係を構築していきます。それらの中には、ジャンビ・キワの初期の成功に惹かれ、声をかけてきた団体もありました。また、ジャンビ・キワのメンバーから、活動の支援をお願いした団体もありました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、組織やネットワークが拡大するにつれて難しさも浮き彫りになります。<br />ロサは、メンバー間でビジョンを維持するための苦労を次のように語っています。</span></p>
<blockquote>
<p><span style="color: #262626;">ある時、生産者のグループがジャンビ・キワのメンバーになりたいと言いに来た時のことを思い出します。彼らは毎月の収益がどれくらいになるのか知りたがっていました。私はこう言いました。</span><br /><span style="color: #262626;">「私たちの利益は、単に経済的、金銭的な儲けではありません。学び、訓練し、地域社会全体の多様性を向上させ、より良い食生活を送ることです。」<br /></span><span style="color: #262626;">このビジョンに賛同してくれる人を見つけること、それが重要でした。</span></p>
</blockquote>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、その社会的なビジョンで支持を集めました。新たなパートナーシップには、アンデス医学学校の拡張資金も含まれていました。これにより、伝統療法士や助産師へのさらなる研修の提供や、学校での薬用植物園プロジェクトの実施が可能になりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、ジャンビ・キワは幅広いボランティアにとって魅力的な活動の場となりました。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワが活用した「すでにある資産」</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワで最も印象的なのは、そこにすでにある資産・資本を利用して、設立され、成長したという点です。この段階的な発展は、コミュニティに足りないものを外から持ってくるのではなく、既にそこにあるものから始めて広げるという、ABCDの開発プロセスと合致しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼らの活動は、地域開発、世帯収入の増加、そしてそこにいる人たちのアイデンティティの強化に貢献しました。<br />では、ジャンビ・キワが、</span><span style="color: #262626;">どんな地元の資産、資本が活用したのか、カテゴリー別に見ていきましょう。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．自然資本（Natural Capital）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">自然資本は、ジャンビ・キワが活用した最も分かりやすい資産です。具体的には、土地、気候、そしてシエラ山脈に生育する在来植物などです。女性たちは、これらの地域に既にある自然資本を活用しました。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．人的資本（Human Capital）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人的資本とは、人が持つさまざまなスキル、知識、経験、健康、時間を指します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワの取り組みの過程で、先住民の知識の価値が内外に認識されるようになりました。</span><br /><span style="color: #262626;">具体的には、薬用植物や芳香植物の識別、栽培、収穫、加工、利用に関する先住民族の知識です。</span><br /><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、それらを活用し、さらに強化しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">最初の数年間は、市場や小さなグループ内で植物の効果について話し合うことで、失われつつあった知識を再発見しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">やがて、ジャンビ・キワはアンデス医学学校を設立し、このプロセスを制度化します。<br />学校では、長老たちが講師となり、薬用植物や芳香植物の利用に関する知識を伝えます。お年寄りたちは先祖の知識を受け継ぐ貴重な地元の資産でした。<br />また、研修を受けた人たちが、さらに地域社会の他の人たちを指導することで、新たな人的資本が創出されていきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワのメンバーたちは、土木建設のスキルも持っていました。<br />そのスキルを活用し、各メンバーは毎年10日間の労働という形で、インフラ整備など協同組合に貴重な現物貢献をおこないました。外部から資金を求める前に自らの資産を動員する考えは、ジャンビ・キワの文化に深く根付いています。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．金融資本と物的資本（Financial and Physical Capital）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、毎週土曜日、農産物を収穫し、市場まで運んで販売します。その収益の10%が貸付基金に積み立てられ、メンバーはそれを種子、フェンス、灌漑用チューブ、その他の農業資材の購入に使用でき、さらなる生産性の向上に役立ちました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワは、組合員が労働力を提供し、資産を協同組合に還元するという取り組みのおかげで、数十万ドルの資金を活用し、設備、車両、建物、土地を増やすことができました。これらの物的資産は、将来的に追加の金融資本を生み出すための資産へと変化しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、そのベースにあったのは、組合員たちの能力、そして献身的な姿勢という人的資産です。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．社会資本（Social Capital）</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビキワでは、２種類の社会資本を見ることができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">１つ目は、信頼関係、相互関係に基づく社会資本であり、地域レベルのグループや親族などです。これは、絆型社会資本とも呼ばれます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">２つ目は、橋渡し型社会資本であり、地域の人たちが、地域外の人たちと持つ関係を指します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">絆型社会資本は、地域の人たちが共通の目的に向けて、意志と資源を結集することを可能にします。ジャンビ・キワという協同組合にそれを結集することで、集荷、加工、販売を共同で行うことが可能になりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">一方、橋渡し型社会資本は、取り組みに外部資産を動員したり、より広範な政策に影響を与えたりする手段を提供します。</span><span style="color: #262626;">これらの外部団体や国際的団体からの協力により、資金と物的資本が増強されました。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">コミュニティに「足りないもの」にフォーカスすると、どうしても外部からの支援に頼り続ける形になります。外部からの支援に頼り続ける限り自立できません。いつまでも外部の支援に頼り続けます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域社会に「足りないもの」を探すのではなく、地域社会に「すでにある」地域資源を活用した方が、取り組みが持続する可能性が高くなります。</span><span style="color: #262626;">今回紹介したエクアドルの協同組合ジャンビ・キワは、コミュニティ主導の開発の顕著な例です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、<strong>自立したコミュニティ開発のためには、リーダーの存在が不可欠です。リーダーとは最初の一歩を踏み出す人です。</strong></span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロサは徐々に、メスティーソたちが先住民を搾取するシステムの中で生まれてきたことに気づき始めました。これは何世紀にもわたって続いてきたのです。そして、これを変えるためには、全員が団結する必要があることに気づき、行動に移しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ジャンビ・キワの取り組みは、一貫して、意志のある先住民族の女性リーダーたちによって推進されてきました。リーダーシップは内部で育まれ、その他の女性たちも自信を高めました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロサは、エクアドルの農園制度の下で生まれ育った最後の世代です。特別な教育を受けたわけではありません。しかし、強い意志がありました。女性として、このような大きな社会問題に立ち向かうのは困難でしたが、周囲には、彼女が変化を起こそうとしていることを知り、それを後押しする人たちがいました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>リーダーだけでなく、それを後押しする人たちがいて、変化は実現します。</strong></span></p>
<p><span style="color: #262626;">事業開始以来、ジャンビ・キワは、世界的な金融危機、暴動、窃盗、通貨切り替え、噴火、干ばつ、不満を抱く生産者など、数多くの問題に直面しました。ジャンビ・キワの女性たちは、これらの問題を共有してきました。<br />会員たちは当事者です。この事業が自分たちのものであり、自分たちが守るべき存在であることを理解していたため、さまざまな困難を前向きに乗り越えることができました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ロサは、貧しい人たちが自らを助け、自分たちの存在を信じ、経済的・社会的状況を改善できると信じ続け、それを成し遂げたことを誇りに思っています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) Gord Cunningham, &#8220;<a href="https://coady.stfx.ca/wp-content/uploads/pdfs/JAMBIenglishfin1(1).pdf" target="_blank" rel="noopener">The Jambi Kiwa Story: Mobilizing Assets for Community Development</a>&#8220;, Coady International Institute, 2005</span></p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="lEbpkxczar"><a href="https://www.a-output.com/ghana-beyond-aid">ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）：援助からの脱却</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）：援助からの脱却&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/ghana-beyond-aid/embed#?secret=RRUWIRuXaW#?secret=lEbpkxczar" data-secret="lEbpkxczar" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
</div></figure>



<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="OTp7JdQP9x"><a href="https://www.a-output.com/okere-city">オケレ・シティ（Okere City）：ウガンダのコミュニティ・ベースド・オーガニゼーション（CBO）</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;オケレ・シティ（Okere City）：ウガンダのコミュニティ・ベースド・オーガニゼーション（CBO）&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/okere-city/embed#?secret=2ujywqN3ls#?secret=OTp7JdQP9x" data-secret="OTp7JdQP9x" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
</div></figure>



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		<title>変化の心理学のフレームワーク：Psychology of Change</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 09 Jan 2023 02:16:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[ステークホルダー]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジマネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[変革の事例]]></category>
		<category><![CDATA[変革モデル]]></category>
		<category><![CDATA[心理学]]></category>
		<category><![CDATA[組織改革]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>「知っている」と「実際にやる」は全く異なります。「知っている」を「実際にやる」に変えるためには、人が適応するための心理的な仕組みを理解する必要があります。製造業の品質改善手法を応用して医療の質・安全性を高めるユニークな取 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">「知っている」と「実際にやる」は全く異なります。「知っている」を「実際にやる」に変えるためには、人が適応するための心理的な仕組みを理解する必要があります。製造業の品質改善手法を応用して医療の質・安全性を高めるユニークな取り組みを行ってきたアメリカのNPO団体IHIがまとめた「変化の心理学のフレームワーク」を紹介します。これらの教訓はどんな組織変革にも適用できます。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに （IHI : Institute of Healthcare improvement）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" title="変革の書籍紹介：インフルエンサー：行動変化を生み出す影響力" href="https://www.a-output.com/influencer" target="_blank" rel="noopener">以前</a>本サイトで、アメリカのNPO団体である<a style="color: #262626;" href="https://www.ihi.org/" target="_blank" rel="noopener">IHI</a>（Institute of Healthcare improvement：「ヘルスケア改善協会」や「医療の質改善研究所」などと訳されています）の取り組みを紹介しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">IHIの発足は、1987年にアメリカでおこなわれた「ヘルスケアの質向上に関する国家実証プロジェクト」に端を発します。このプログラムは、のちにIHIのCEOとなるドナルド・バーウィック医学博士（Donald Berwick）を筆頭に、医療システムの再設計に先見性のある人たちが関わったもので、医療上のミス、無駄、遅れ、高額な医療費などの問題に対して、製造業の品質改善手法を応用して改善を図るものでした。</span><br />
<span style="color: #262626;">取り組みでは、AT&amp;T、コーニング、フォード、ヒューレット・パッカード、IBM、ゼロックスなど、当時のアメリカを代表する企業から品質管理手法に関する支援を受けました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参加した医療機関の多くが大きな成果を上げました。初期の成功例には驚くべきものがあります。イギリスのレスター王立病院は、40日かかっていた神経学的検査をわずか１日に短縮し、それに伴って管理コストも40％削減しました。他の病院では、いくつかの処置で入院期間をほぼ半分に短縮し、救急治療室の待ち時間を70％短縮し、健康診断にかかる時間を67％削減しました。ある病院では、手術後の感染症を半減させました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">IHIはそのプログラムを引き継いで1991年に設立され、今では世界中に影響力を持つ組織へと成長しています。<sup>(1)</sup></span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">改善の科学：Improvement science</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">IHIは、様々な組織と協力して、医療サービスの質、安全性、価値の向上に取り組むユニークなアプローチを進めてきました。このアプローチを<a style="color: #262626;" href="https://www.ihi.org/about/Pages/ScienceofImprovement.aspx" target="_blank" rel="noopener"><strong>改善の科学（Improvement science）</strong></a>と呼んでいます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">改善の科学（Improvement science）は、日本の製造業や経営にも大きな影響を与えたW・エドワーズ・デミング（W. Edwards Deming）が提唱した「マネジメントの原則を守ることで、組織は品質を高め、同時にコストを削減することができる」という考えをベースにしており、IHIの方法論はデミングの「<strong>深遠なる知識のシステム（System Of Profound Knowledge® ：SoPK）</strong>」とも重なります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">実務上特に大事なのは<strong>PDSA（Plan-Do-Study-Act）<sup>(*)</sup></strong>のサイクルを回すことです。</span><br />
<span style="color: #262626;">IHIでは、まず明確な改善目標と測定計画を立てて、短期間で改善につながると思われる小規模で試験的な変化の取り組みをすぐに開始します。こうした小規模な取り組みが洗練され、うまく実施されるようになると、そこから得られた学びを利用して、取り組みの範囲を広げ変化の規模を拡大し始めます。<br />
IHIの専門家は、パートナーと一緒に試験的に変化を取り入れ、学びながら改善し、持続的な変化に向けた最善の道筋を探っていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なお、<a style="color: #262626;" href="https://www.ihi.org/education/IHIOpenSchool/resources/Pages/BobLloydWhiteboard.aspx" target="_blank" rel="noopener">IHIのホームページ</a>では、改善の科学の手法を紹介したビデオやツールキットが無料で提供されています（英語ですが）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">(*) 日本ではPDCA（Plan-Do-Check-Act）サイクルが一般的に知られていますが、デミングはPDCAではなく、PDSA（Plan-Do-Study-Act）という言葉を好んで使っています。</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="uMdKaL7T0h"><p><a href="https://www.a-output.com/system-of-profound-knowledge">デミングのマネジメント論：深遠なる知識のシステムSystem of Profound Knowledge</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;デミングのマネジメント論：深遠なる知識のシステムSystem of Profound Knowledge&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/system-of-profound-knowledge/embed#?secret=QiXiBC7iD4#?secret=uMdKaL7T0h" data-secret="uMdKaL7T0h" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">変化の心理学のフレームワーク：IHI Psychology of Change Framework<sup>(2)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">改善の科学（Improvement science）は、医療従事者に、変化のシステムを理解し、望ましい結果を得るために必要な、エビデンスに基づく最善の診療の情報、その実施戦略を決めるための理論的枠組み、技術的なスキルを提供してきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、世界中の医療改善担当者は、変化を実現することに、いまだに苦労しています。</span><br />
<span style="color: #262626;">それは「何を」「どうやって」という技術的な側面は整備されてきたものの、実際にそれを行動に移して改善を進め、その効果を維持していくために必要な「誰が」「なぜ」といった人的側面の対応が十分でなかったためです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" href="https://www.a-output.com/mgmt003" target="_blank" rel="noopener">本サイトでも度々紹介してきた</a>ように、人が変化に適応するためには、<strong>技術的側面</strong>と<strong>人的側面</strong>の両面での手当が必要です。産業を問わず、多くの組織で改善や変革の取り組みがうまくいかないのは、人的側面の配慮が欠如しているからです。技術的な問題は医師などの専門家が解決できます。しかし、人的側面は数多くの利害関係者が共同しなければ対処することができません。多くの医療関係者が、医療の質の向上を最新技術を導入することと誤解しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、血圧を下げるために薬を投与するのは技術的なアプローチだけで済みますが、患者さんにライフスタイルや食生活を変えるよう呼びかけるのは適応的、人的なアプローチが必要です。<strong>適応的な変化（adaptive change）</strong>は、新しいスキル、行動、信念を取り入れようとする人たちの心理に大きく依存します。ライフスタイルや食生活の「何を」「どうやって」変えるべきかは多くの人がすでに理解しています。しかしそれができないのは、「なぜ」それをするのかという強い動機が欠けているからです。</span><br />
<span style="color: #262626;">「知っている」と「実際にやる」は全く異なります。「知っている」を「実際にやる」に変えるためには、人が変化を受け入れ適応するための心理的な仕組みを理解する必要があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">IHIの「<strong>変化の心理学のフレームワーク：Psychology of Change Framework</strong>」<sup>(2)</sup>は、変化の根底にある心理を理解し、その力を利用して、変革の取り組みによって直接的・間接的に影響を受ける人たちと共に持続的な成果を達成したいと考えるリーダーのためのガイドです。そして、ここに書かれていることは医療従事者のみならず、その他すべての産業のリーダーにも通じるものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">変化の心理学のフレームワークによると、以下の３つの変化が必要です。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;"><strong>【自己】</strong>：思考と感情を変え、自らの意志によって、個人が主体的に行動を変えること</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>【人と人との関係】</strong>：人が共に考え、感じ、行動することで集合的な主体性が高まること</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>【システム】</strong>：共通の目的を達成するために必要な主体性と協力を生み出すことを支援する、組織内・組織横断的な構造、プロセス、条件などのシステムレベルの変化</span></li>
</ol>
<p><span style="color: #262626;">そして、これら３つの変化を以下の相互に影響しあう５つのエリアで実現します。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;"><strong>内発的動機を引き出す</strong>：Unleash Intrinsic Motivation</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>人を主体とした変革の仕組みを共に設計する</strong>：Co-Design People-Driven Change</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>誠実で正直な関係で共に取り組み共に生み出す</strong>：Co-Produce in Authentic Relationship</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>力を分散させる</strong>：Distribute Power</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>行動によって変化に適応する</strong>：Adapt in Action</span></li>
</ol>
<p><span style="color: #262626;">これらの変化の心理学のフレームワークの５つのエリアをそれぞれ見ていきましょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">１．内発的動機を引き出す：Unleash Intrinsic Motivation</span></h5>
<p><span style="color: #262626;"><strong>内発的動機</strong>とは、楽しさ、喜び、やりがいを感じるからこそ、自分がやりたいと思い、活動に取り組むことです。一方で、お金や名誉を得る、懲罰を回避するなど、外部から何かを得る理由で生まれる行動の動機付けを<strong>外発的動機</strong>と言います。</span><br />
<span style="color: #262626;">仕事の意味、仕事へのプライド、人と人の相互関係や信頼関係の構築、人や社会への貢献の意識づけ、それらが体現されたストーリーの共有などにより内発的動機を高めることで、個人と集団の行動へのコミットメントが強まります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">社会・組織心理学者のリチャード・ハックマン（Richard Hackman）と経済学者のグレッグ・オールドハム（Greg Oldham）は、人の内発的動機を生み出しコミットメントを持続させることができるように、改善活動に関わるタスクを設計することを重要視しており、そのためにタスクに組み込むべき設計基準を５つ挙げています。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;"><strong>行動の同一性</strong>：その行動を最初から最後まで完遂することができる</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>行動の重要性</strong>：その行動は違いを生み出し、より大きな目標に貢献する</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>スキルの多様性</strong>：多くのスキルを必要とし、退屈な単純作業や繰り返し作業ではない</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>自律性</strong>：行動者には自分の行動を選択する自由がある</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>フィードバック</strong>：自分の行動の結果を知ることができ、今後の改善の見極めに使用できる</span></li>
</ol>
<p><span style="color: #262626;">これらの基準を最大限に満たすような行動を設計できると、人は「仕事の意義」「結果に対する責任」「実際の結果を知る」という３つの心理状態を経験することになります。これらの心理状態が人としての成果と仕事における成果を推進し、内発的動機の高さ、質の高い仕事ぶり、仕事への高い満足度、欠勤や離職率の低さにつながるのです。<sup>(3)</sup></span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="PhvGCqITIR"><p><a href="https://www.a-output.com/intrinsic-motivation">外発的動機と内発的動機　－　自己の価値観と目的に向き合い、内発的動機に導かれる</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;外発的動機と内発的動機　－　自己の価値観と目的に向き合い、内発的動機に導かれる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/intrinsic-motivation/embed#?secret=TlfITUoySI#?secret=PhvGCqITIR" data-secret="PhvGCqITIR" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．人を主体とした変革の仕組みを共に設計する：Co-Design People-Driven Change</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">変化の影響を受ける人たちは、自分たちにとって意味があり実行可能な方法で変化が仕組化されることに最大の関心を持ち、そしてそのプロセスに自ら参加したいと思っています。</span><br />
<span style="color: #262626;">IHIの変化の心理学のフレームワークは、新しい仕組みをごく少数の人たちで決めてそれを一方的に押し付けてやらせるのではなく、人主導の変化を共同設計することで、すべてのステークホルダーがアイデア出しのプロセスに参加できるようにします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、メリーランド州の取り組み事例では、高齢者ケアの改善チームに、自らが高齢者であるメンバーが参加して共同設計しています。つまり、患者さんから始めて問題に取り組むのであって、その逆ではないのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">仕組みを共に作る上で重要なのは「私たち」という言葉であり、私たちは何を達成しようとしているのか？という問いです。「私たち」には、内部および外部の利害関係者（ステークホルダー）、つまり改善の影響を直接および間接的に受ける人たちが含まれます。これらのステークホルダーが協力しあうことで、改善すべき問題を解決し、解決した状態を維持することができます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．誠実で正直な関係で共に取り組み共に生み出す：Co-Produce in Authentic Relationship</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">人々が互いに問いかけ、耳を傾け、理解し、関係にコミットするとき、共に変化を生み出すことができます。</span><br />
<span style="color: #262626;">共に何かに取り組み、成果を生み出すためには、人と人の誠実で正直な真の関係が大切です。そのような関係は、お互いを支援し合うために、問いかけ、耳を傾け、見守り、コミットすることで育まれ、そのためには、相手に対する真の好奇心、謙虚さ、弱さを見せる勇気、聞く力が必要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">真の関係を持って共に作業を行うことは、それぞれのメンバーが本当の自分や考えを表現することができ、自分と相手の違いを認め、相互に行動を約束できるような関係を作ることを意味します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このような人間関係を築くには、従来の取引型の関係構築よりも時間がかかります。<strong>取引型の関係（transactional relationship）</strong>とは、サービスを提供する人と受ける人といった関係であり、指示する・指示される、巻き込む・巻き込まれるという関係です。</span><span style="color: #262626;">真の関係性を構築するには時間がかかりますが、いったん構築されると、むしろ物事を前に進めるための時間は短くなります。また、従来の取引型の関係では得られない結果が得られるようになります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">英国のシンクタンクである<a href="https://neweconomics.org/" target="_blank" rel="noopener">New Economics Foundation</a>は、共に取り組み生み出すためのアプローチを次のように説明しています。<sup>(4)</sup></span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">人を負担や重荷と考えるのでなく、目的を実現することに貢献する資産（アセット）として扱う</span></li>
<li><span style="color: #262626;">成長と発展のための機会を提供する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">利害関係者のエモーショナル・インテリジェンス（自分と他者の感情を認める能力、感情知能：EQ）を高める</span></li>
<li><span style="color: #262626;">サービスの提供者と受諾者、生産者と消費者といった区別を最小化する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">関係するすべての人に、真の責任、リーダーシップ、権限を与える</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">例えば、2012年、サウスカロライナ州のコロンビアでは、全米でも最も高いレベルにあった糖尿病を減らす取り組みで、医療従事者と地域住民が協力することに成功しました。この取り組みに携わったある病院のシニアリーダーは次のように言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「私たちは、地域住民に対して『あなたたちはこうすべきだ』と言う代わりに『あなたたちから学びたい。あなたたちはどうしたいのか、私たちはどう協力できるのか』と聞きました」<sup>(5)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、地域住民も同じように、医療提供者に「何をしてくれますか？」と聞くのではなく「このようにしてもらえませんか？」と話す方向にシフトしたのです。お互いがお互いの関係の捉え方を変えたのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">４．力を分散させる：Distribute Power</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">「力を分散させる」とは、多くの人たちが、境界や上下関係を超えて、共通の目的を達成するための条件を作り上げるために協力し、各人が相互依存的な役割を果たすことを意味します。力が適切にメンバー間で共有されているとき、人は自らが持つユニークな資産（アセット）を使って、変化をもたらすことに貢献できます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">トップが権限を保持するのではなく、チームメンバー全員が権限と責任を共有する分散型のリーダーシップ構造を構築するために協力し合います。例えば、医師、看護師、管理者の３者がリーダーシップを共有し、権限を分散させて、それぞれが持つ強み（アセット）を生かして主導し、特定の課題に共同して取り組むのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのためには、分散型リーダーシップ構造全体の役割を明らかにすることが重要です。医療機関の多くは階層組織になっていますが、階層構造であっても、リーダーはその構造を維持しながらも、権力を分散し、メンバーの主体性を活性化する、より自由で柔軟性のあるアジャイルなネットワークを構築することができます。</span><span style="color: #262626;">この仕組みを<strong>デュアル・オペレーティング・システム（Dual Operating System）</strong>と言います。<sup>(6)</sup></span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．行動によって変化に適応する：Adapt in Action</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">行動は、人が勇気を示した結果であり、各人が持つ力を行使した結果です。行動することは、人が効果的に学習し、反復するための動機付けとなります。<br />
</span><span style="color: #262626;">失敗してもかまいません。大切なのは、失敗を分析し、そこから学ぶことです。データは、取り組むべき傾向やパターンを明らかにする手がかりとなります。つまり大事なのは、PDSA（Plan-Do-Study-Act）のサイクルを回すことです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">旧来、医療は医師を中心としたものでした。そして、残念ながら、多くの病院では、患者は顧客としてではなく、一方的に試験され、結果を押しつけられるように扱われてきました。そして、プロセスが複雑になってしまっているのにもかかわらず、同時に多くの管理されていないプロセスもあり、問題を引き起こしていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">多くの医療機関で重要なのは、ケアをプロセスとして捉えることです。<br />
</span><span style="color: #262626;"><span style="font-size: revert;">IHIの変化の心理学のフレームワークは、チームのコンプライアンスではなくコミットメントです。メンバーは「しなければならない」からするのではなく「することを選択する」のです。それが人に力を与え、スキルや喜びや満足度を引き上げます。<br />
</span><span style="font-size: revert;">チームメンバー１人ひとりの潜在能力が最大限に発揮されるように、考え方や行動を進化させる環境を整えるためには「人の主体性を活性化する」ことが必要です。私たち１人ひとりの中に、そしてすべての人の中に、システムをより良いものにするために必要な要素がすでにあります。人の価値に焦点を当て、勇気と力の核心に触れることで、これまでのやり方を変える機会がもたらされます。</span></span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして、IHIの変化の心理学のフレームワークは、医療分野にとどまらず、広く応用することができます。「ヘルスケア」という言葉を取り除けば、これらの教訓はどんな組織にも適用できるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">IHIの「変化の心理学のフレームワーク：Psychology of Change Framework」の概要は<a style="color: #262626;" href="https://www.ihi.org/resources/Pages/IHIWhitePapers/IHI-Psychology-of-Change-Framework.aspx" target="_blank" rel="noopener">白書を読む</a>他にも、下記のYoutubeなどでも知ることができます。英語で3時間40分ありますが、ご興味のある方はどうぞご覧ください。。。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/rhF59oGOq-A" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br />
<span style="color: #262626;">(1) A. Blanton Godfrey, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.qualitydigest.com/sep96/health.html" target="_blank" rel="noopener">Quality Management</a>&#8220;, Quality Digest.</span><br />
<span style="color: #262626;">(2) Hilton K, Anderson A., &#8220;IHI Psychology of Change Framework to Advance and Sustain Improvement&#8221;, IHI White Paper. Boston, Massachusetts: Institute for Healthcare Improvement; 2018. (Available at <a style="color: #262626;" href="https://www.ihi.org/" target="_blank" rel="noopener">ihi.org</a>)</span><br />
<span style="color: #262626;">(3) Richard Hackman, Greg Oldham, “<a style="color: #262626;" href="https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0030507376900167" target="_blank" rel="noopener">Motivation through the design of work: Test of a theory</a>”, Organizational Behavior and Human Performance, 16(2), pp250-279, 1976.</span><br />
<span style="color: #262626;">(4) Lucie Stephens, Josh Ryan-Collins and David Boyle, ”Co-Production: A Manifesto for Growing the Core Economy”, New Economics Foundation, 2008.</span><br />
<span style="color: #262626;">(5) Hilton K, Wageman R., &#8220;Leadership in volunteer multistakeholder groups tackling complex problems.&#8221;,  In: Peus C, Braun S, Schyns B (eds). Leadership Lessons from Compelling Contexts (Monographs in Leadership and Management). Emerald Group Publishing Limited; 2016.</span><br />
<span style="color: #262626;">(6) John P. Kotter, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://hbr.org/search?term=R1211B" target="_blank" rel="noopener">Accelerate!</a>&#8220;, Harvard Business Review, 2012/11.</span></p>The post <a href="https://www.a-output.com/psychology-of-change">変化の心理学のフレームワーク：Psychology of Change</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>集団からのポジティブな逸脱：Positive Deviance</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 24 Sep 2022 13:12:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[人が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジマネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[組織改革]]></category>
		<category><![CDATA[集団思考]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>「出る杭は打たれる」と言われるように「逸脱者」はたとえそれが肯定的であっても、良く思われなかったりします。そこに変革の原石があるのにです。必要なのは「ポジティブな逸脱者」を無視したり抑え込むのではなく、その行動のどこが自 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">「出る杭は打たれる」と言われるように「逸脱者」はたとえそれが肯定的であっても、良く思われなかったりします。そこに変革の原石があるのにです。必要なのは「ポジティブな逸脱者」を無視したり抑え込むのではなく、その行動のどこが自分たちの行動と違うのかを理解しようとすることです。そこから、真の変化を生み出す鍵が見つかるのです。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">はじめに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">みなさんは「同調（conformity）」や「逸脱（deviance）」という言葉を聞いてどんなイメージを持つでしょうか？</span><br />
<span style="color: #262626;">ネガティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか？</span><br />
<span style="color: #262626;">従来の研究もこれらを否定的に取り扱うものがほとんどでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、同調にも、逸脱にも、それ自体には良い意味も悪い意味もありません。両方とも、その言葉が使われる文脈によって、適切な意味にも不適切な意味にもなります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>同調（conformity）と逸脱（deviance）</h4>
<p><span style="color: #262626;">「同調（conformity）」は集団や多数派に合わせてうまくやっていくことです。「逸脱（deviance）」はその逆で、集団のルールや多数派に合わせない行動をとることです。</span><br />
<span style="color: #262626;">例えば、法律や規則、社会のルールを遵守することは良い意味での同調で、法律を犯して犯罪に手を染めるのは悪い意味での逸脱です。</span><br />
<span style="color: #262626;">しかし、機能しなくなった古いルールに縛られて誰も変わることができず、みんなが同じ行動を取り続けるのは悪い意味での同調でしょう。一方で、そのような環境で古いルールに従わず、グループの人たちと異なる勇気ある一歩を踏み出すのは良い意味での逸脱です。</span><br />
<span style="color: #262626;">さらには、集団の理念を信じることなく、ただ集団に行動を合わせることは、良い同調ではないでしょう。研究者たちは、このような望ましくない適合を「コンプライアンス（compliance）」と呼びます。一方で、人が行動の同調だけでなく信念でも本心から適合するときに起きるのは、私的受容（private acceptance）と呼ばれます。私的受容は、通常は集団にとって良いことですが、常にそうとは限りません。例えば、「メンバーにいつも正直であってほしい」という理念を持つ集団の適合者が、あらゆる状況において正直であるためには、集団に同調するだけでなく、時に逸脱する行動をとる必要があるからです。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、全ては文脈次第なのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>良い意味での逸脱、積極的な逸脱者、ポジティブな逸脱者（Positive Deviance）</h4>
<p><span style="color: #262626;">現在、社会や組織では「良い意味での積極的な逸脱者（Positive Deviance）」が求められています。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">会社の成長と発展のために、既存の慣習や規範に同調せず挑戦していく</span></li>
<li><span style="color: #262626;">上司に反対されても積極的に行動する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">集団のメンバーに嫌味を言われても、理念に通じる新しい行動をとる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">周囲の人たちからやめた方がいいと言われても、社会に役立つ新しい行動をとる</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">これらのメンバーの行動は、「逸脱（Deviance）」していると同時に「肯定的（Positive）」な行動でもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">社会学者のルイス・A・コーザー（Lewis A. Coser）は、何と今から60年も前の1962年にこう述べています。<sup>(2)(3)</sup></span></p>
<blockquote><p><span style="color: #262626;">イノベーション（革新性）に価値を置かない集団では、革新的な行動は、真の不適合者と見なされる。（中略）その結果、提起された問題をめぐってグループ内で対立が起こるかもしれない。もしそうなれば、イノベーター（変革者）は個人の不適合を集団の対立に変え、それを特異なものから集団的なレベルにまで高めたことになる。イノベーターの行動は、昨日までのルーチンに固執するあまり、グループが今日の課題に対応できなくなる可能性を減らす役割を果たすかもしれない。</span></p></blockquote>
<p><span style="color: #262626;">このような同調圧力に抵抗し、逸脱を望む文脈は、実は今に限らず、私たち人類が成長し発展する過程で古くから求められてきたのかも知れません。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">アプリシエイティブ・インクワイアリー（Appreciative inquiry）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">「積極的な逸脱者（Positive Deviance）」に着目するモデルの１つに、アプリシエイティブ・インクワイアリー（Appreciative inquiry）があります。</span><span style="color: #262626;">アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学（Case Western Reserve University）の組織行動学部で開発されたもので、1987年にデビッド・クーパーライダー（David Cooperrider）とスレーシュ・スリバストヴァ（Suresh Srivastva）によって発表されました。<sup>(4)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちが問う質問には、私たちの注意を特定の方向に集中させる傾向があります。それは「何が問題か？」「何が悪いのか？」「何が足りないのか？」「何を修正する必要があるか？」といった質問です。これらの質問は、私たちが持つ欠陥に焦点を当てる「不足モデル」「修正モデル」「問題解決モデル」の考えに基づいています。</span><br />
<span style="color: #262626;">アプリシエイティブ・インクワイアリーは、「何が問題なのか」を問う代わりに、「何がうまくいくのか？」「何が機能するか？」と問いかけます。</span><br />
<span style="color: #262626;">クーパーライダーらは、「問題解決モデル」の多用が社会を良い方向に変化させるのを妨げていると感じ、必要なのは、組織のあり方について新しいアイデアを生み出すのに役立つ新しい見方だと考えたのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">図：「問題解決モデル」と「アプリシエイティブ・インクワイアリー」の対比<br />
,adapted from &#8220;Appreciative inquiry in organizational life&#8221;<span style="color: #262626;"><sup>(4)</sup></span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-13202 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/09/Appreciative-Inquiry.png" alt="" width="497" height="219" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/09/Appreciative-Inquiry.png 1090w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/09/Appreciative-Inquiry-300x132.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/09/Appreciative-Inquiry-1024x451.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/09/Appreciative-Inquiry-768x338.png 768w" sizes="(max-width: 497px) 100vw, 497px" /></p>
<p><span style="color: #262626;">このモデルは組織開発のみでなく、その後アメリカの海外援助機関USAIDに取り入れられ、1990年代からコミュニティ開発の分野でも広く国際NGOなどによって利用されています。<sup>(5)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前本サイトで<a title="アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる" href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development" target="_blank" rel="noopener">ABCD（Asset Based Community Development：アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント）</a>を紹介しました。ABCDは、外部からの支援に頼らず、コミュニティに既にある隠れたアセットを活用するモデルです。このアプリシエイティブ・インクワイアリーもABCDと同様に、集団の弱みではなく、集団にもともと存在する生かされていない強みにフォーカスするモデルと言えます。</span><br />
<span style="color: #262626;">（強いて言えば、「アプリシエイティブ・インクワイアリー」という名前が難し過ぎるのが難点でしょうか。。。汗）</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="QeYMvReJHg"><p><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=bwN2RaUJ0o#?secret=QeYMvReJHg" data-secret="QeYMvReJHg" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>ポジティブな逸脱者 &#8211; ベトナムの事例</h4>
<p><span style="color: #262626;">1919年から活動するNGOである「<a href="https://www.savethechildren.net/" target="_blank" rel="noopener">セーブ・ザ・チルドレン（Save the Children）</a>」によるベトナムでの有名で分かりやすい「ポジティブな逸脱者（Positive Deviance）」の採用成功例を紹介しましょう。<sup>(6)</sup></span><br />
<span style="color: #262626;">従来のコミュニティー開発のやり方は、外部から専門家や必要なリソースを持ち込み問題の解決を図るものでした。しかし、彼らは、コミュニティの中に子どもたちの栄養失調の解決策を見出したのです。<br />
彼らはベトナム北部タインホア省のいくつかの村で、とても貧しく、近隣の住民に比べても十分な食べ物がないにもかかわらず、栄養失調を免れている子どもたちを持つ家庭を見つけます。</span><span style="color: #262626;">その家庭のお母さんたちは、毎日近くの田んぼに出て、小さなエビやカニを採ってきて、サツマイモの菜っ葉と一緒に子どもたちの食事に混ぜていたのです。食事は1日３〜４回でした。<br />
その頃の村の常識では、これらの食材は幼い子供には食べさせてはいけないもので、食事も</span><span style="color: #262626;">１日２回だけでした。つまり、これらの家庭の子どもたちの育て方は村の常識から逸脱していたのです。</span><br />
<span style="color: #262626;">この調査結果を踏まえ、彼らはすべての母親に貝と菜っ葉を頻繁に与えるプログラムを開始します。そして、新しい習慣を取り入れた母親たちは、子どもたちがどんどん健康になっていくのを目の当たりにします。２年後には、なんとプロジェクトに参加した子どもたちの80％が栄養不良から脱却したのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">それ以来、「セーブ・ザ・チルドレン」はこのモデルをベトナムのその他の地域の村にも展開しました。ただし、ある村では、主要な食べ物は同じ貝類や青菜でしたが、別の村ではピーナッツやゴマ、干し魚でした。大切なのは、食べ物の種類ではなく、その土地にある食材だということ</span><span style="color: #262626;">でした。</span><br />
<span style="color: #262626;">この取り組みにより、栄養失調の問題を解決するためには、多額の資金や外部資源を必要とせず、村の人々が自分たちの行動を改め、積極的な逸脱者（Positive Deviance）を見習うことが必要なのだ、ということが明らかになったのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>ビジネスや企業組織で求められるポジティブな逸脱者</h4>
<p><span style="color: #262626;">翻って、ビジネスや企業活動においては、栄養失調のような深刻な問題に悩まされることはありません。しかし、組織のメンバーの行動に疲弊したり悩まされることは多くあります。そして、その問題を解決するために莫大な時間と資金を費やすことも少なくありません。しかし、これに対処する多くの企業の変革活動は、従来型の「問題解決型」がベースになっています。つまり、組織の問題と欠点に焦点を当て、外部の専門家に依存し、他社の成功モデル（ベストプラクティス）を導入したり、それをベンチマークに設定して、問題の解決を計ろうとするのです。<br />
しかし、多くの場合、組織は外部からの解決策という異物に拒否反応を示し、期待されるパフォーマンスの向上は達成されません。あるいは、効果が短期的で、束の間の成功感を味わった後に元の状態に戻るか、事態が以前よりさらに悪化することさえあります。</span></p>
<p style="text-align: center;">表：従来の改革モデルとポジティブな逸脱モデルの比較<br />
adopted from &#8220;Your Company’s Secret Change Agents&#8221;<span style="color: #262626;"><sup>(7)</sup></span></p>
<p>
<table id="tablepress-7" class="tablepress tablepress-id-7 tablepress-responsive">
<thead>
<tr class="row-1">
	<th class="column-1">旧来型の改革モデル</th><th class="column-2">ポジティブな逸脱モデル</th>
</tr>
</thead>
<tbody class="row-striping row-hover">
<tr class="row-2">
	<td class="column-1">先導者としてのリーダーシップ</td><td class="column-2">「問い」を促すファシリテーター</td>
</tr>
<tr class="row-3">
	<td class="column-1">リーダーが変革案を決めけん引するトップダウン型の変革</td><td class="column-2">コミュニティのメンバーがオーナーシップの主体となる変革</td>
</tr>
<tr class="row-4">
	<td class="column-1">外部の専門家が問題を定義、ベストプラクティスを適用し、解決策が決定される</td><td class="column-2">コミュニティ自らが内部に既にある解決策や成功事例を見つけ、それを広める</td>
</tr>
<tr class="row-5">
	<td class="column-1">問題、欠点を分析し解決のベースにする</td><td class="column-2">コミュニティに既にあるリソースを活用する</td>
</tr>
<tr class="row-6">
	<td class="column-1">「理論」から新しい行動を導く</td><td class="column-2">「学び」から新しい考え方を導く</td>
</tr>
<tr class="row-7">
	<td class="column-1">外部の専門家への依存、外部の成功事例の移植に拒否反応を示す</td><td class="column-2">内部の人に学び、隠れた知恵を掘り起こし、成功事例を再現・拡大する</td>
</tr>
<tr class="row-8">
	<td class="column-1">既存の指標を使って問題を定義し解決策を特定する</td><td class="column-2">新しい発見から可能性を特定し、それが問題解決につながる</td>
</tr>
<tr class="row-9">
	<td class="column-1">慣習的に問題に携わる主唱者が主体となる</td><td class="column-2">問題に直接関係する人たち以外にもネットワークが広がる</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>最後に</h4>
<p><span style="color: #262626;">必要なのは、組織内で望ましいレベルのパフォーマンスを発揮している「ポジティブな逸脱者」を探し出すことです。それは、今までの変革の取り組みの主体である人たちとはかけ離れた、組織や社会の周辺にいる人たちの場合もあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このことは、以前本サイトの記事「<a title="変革の書籍紹介：インフルエンサー：行動変化を生み出す影響力" href="https://www.a-output.com/influencer" target="_blank" rel="noopener">インフルエンサー</a>」で紹介した「優れた例外事例から学ぶこと」にも通じます。インフルエンサーは、</span>98%の事例で、98%の人たちが、98%のケースで成功するようなことでさえも、残りの2％の事例、2%の人たち、2%のケースに集中します。これを突き当てられれば飛躍的な改善に繋がるからです。</p>
<p><span style="color: #262626;">日本では「出る杭は打たれる」と言われるように「逸脱者」はたとえそれがポジティブであっても、良く思われなかったり、煙たがられたり、軽く扱われたりします。そこに変革の原石があるのにです。必要なのは、「ポジティブな逸脱者」を無視したり抑え込もうとするのではなく、その行動のどこが自分たちの行動と違うのかを理解しようとすることです。そこから、真の変化を生み出す鍵が見つかるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p>参考文献<br />
(1) Charles Pavitt, “<a href="https://www.uky.edu/~drlane/teams/pavitt/ch6.htm" target="_blank" rel="noopener">Small Group Communication: A Theoretical Approach (Third Edition), Chapter 6 Conformity and Deviance</a>”<br />
(2) Willem Mertens, Jan Recker, Thomas Kohlborn, Tyge-F. Kummer, &#8220;<a href="https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01639625.2016.1174519" target="_blank" rel="noopener">A Framework for the Study of Positive Deviance in Organizations</a>&#8220;, Deviant Behavior, Issue11, Volume 37, Pages 1288-1307, 2016/5.<br />
(3) Lewis A. Coser, “Some Functions of Deviant Behavior and Normative Flexibility”, American Journal of Sociology, 68(2): 172-181., 1962.<br />
(4) David L. Cooperrider and Suresh Srivastva,&#8221;<a href="https://www.researchgate.net/publication/265225217_Appreciative_Inquiry_in_Organizational_Life" target="_blank" rel="noopener">Appreciative inquiry in organizational life</a>&#8220;, Research in organization change and development, Vol.1, pages 129-169.,1987.<br />
(5) Diana Whitney, Amanda Trosten-Bloom, &#8220;The Power of Appreciative Inquiry: A Practical Guide to Positive Change (Second Edition)&#8221;, Berrett-Koehler Publishers, Inc.  2010.<br />
(6) Jerry Sternin, Robert Choo, &#8220;<a href="https://hbr.org/2000/01/the-power-of-positive-deviancy" target="_blank" rel="noopener">The Power of Positive Deviancy</a>&#8220;, Harvard Business Review, January–February, 2000.<br />
(7) Richard T. Pascale, Jerry Sternin, &#8220;<a href="https://hbr.org/2005/05/your-companys-secret-change-agents" target="_blank" rel="noopener">Your Company’s Secret Change Agents</a>&#8220;, Harvard Business Review, May, 2005.</p>The post <a href="https://www.a-output.com/positive-deviance">集団からのポジティブな逸脱：Positive Deviance</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>オケレ・シティ（Okere City）：ウガンダのコミュニティ・ベースド・オーガニゼーション（CBO）</title>
		<link>https://www.a-output.com/okere-city?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=okere-city</link>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 15 May 2022 09:53:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[コミュニティ改革]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジ・オーナーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[リーダーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[変革の名言]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[途上国支援]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>オジョークは国際的な慈善団体やNGOのプロジェクトが失敗するのを目の当たりにしてきました。コミュニティの人たちが自分たちの将来について決定に関与できていなかったからです。オジョークは故郷の村で住民たちと自らリスクと責任を [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">オジョークは国際的な慈善団体やNGOのプロジェクトが失敗するのを目の当たりにしてきました。コミュニティの人たちが自分たちの将来について決定に関与できていなかったからです。オジョークは故郷の村で住民たちと自らリスクと責任を負い、信念を持って自らの手でコミュニティを開発するプロジェクトを始めます。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>はじめに<sup>(1)(2)(3)</sup></h4>
<p><span style="color: #262626;">オジョーク・オケロ（Ojok Okello）は、1986年、生後６か月の時、ウガンダ政府と反政府武装組織の国民抵抗軍（National Resistance Army）との内戦（<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Ugandan_Bush_War" target="_blank" rel="noopener">ウガンダ・ブッシュ戦争</a>）で父親を失いました。その後、母親はオジョークを連れて北ウガンダの故郷の村Okere Mom-Kokを離れました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">政局が安定し、成人となったオジョークはその30年後にようやく村を再び訪れます。オジョークは、親戚たちに会い、自分が寝泊まりできる小さな家を建てて、首都であるカンパラに仕事に戻るつもりでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、村は長年に渡る内戦から立ち直っておらず、荒廃していました。衛生的な飲み水は4キロ先から運ばなければならないため、村では身近な非衛生的な水を利用した感染症も問題になっていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オジョークが小さな家を建てると近くの子供たちが遊びにやってきます。</span><br />
<span style="color: #262626;">「学校には行っているの？」と聞くと「ううん」という答えが返ってきます。</span><br />
<span style="color: #262626;">親たちに聞いてみると、「村には学校がないから」という答えが返ってきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オジョークは家に保育園を設けました。児童は最初８人でしたが、瞬く間に多くの親たちが関心を示します。</span><br />
<span style="color: #262626;">オジョークと親たちは幼児教育センター（Early Childhood Development Center）を建設し、受け入れられる児童数を増やします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">親たちも教育を受けたい。地区の成人の72%が基本的な教育さえ受けていませんでした。そこで、成人教育センター（Adult Education Center）も設立します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">週に１回の買い物の機会しかなく不便だった村にはスーパーマーケットが建てられます。日常品の買い物が毎日身近な所で可能になるだけでなく、地元の商品を売買可能にすることで地域の経済を活性化し、また、みんなが集うスペースにもなりました</span><span style="color: #262626;">。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">こうして、4,000人のコミュニティで、そのメンバーによる自らのコミュニティの開発が広がっていきます。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/hfVerscskLc" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>慈善団体やNGOの失敗</h4>
<p><span style="color: #262626;">オジョークはロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (London School of Economics and Political Science)の開発マネジメントの修士課程を終えて、ウガンダ最大のマケレレ大学で農村開発のトレーニングを受けました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼には国際的な慈善団体やNGOで働いた経験がありますが、それらのプロジェクトが失敗するのを目の当たりにしてきました。プロジェクトが失敗したのは「コミュニティの人たちが自分たちの将来についての決定に関与していなかったからだ」と彼は言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">慈善団体やNGOは、住民たちを「支援の受け手」としか見ていませんでした。また、外部の専門家たちは住民たちを意思決定の場に入れず、自ら問題の解決策を作り上げるのに忙しくしていました。<br />
ある時、農業支援者がバナナの苗木を持ってきました。しかし、季節が違ったため植えられず、住民たちはその苗木で何もする事ができませんでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「なぜ住民の意見を聞かないのでしょうか？」</span><span style="color: #262626;">彼は言います。<br />
「プロジェクトを一部の先進国の人たちの言いなりにはしたくないんです。パートナー達とはビジネスの話をしたい。自分たちの運命と未来を決めるのは自分たちだ。」<br />
本当に必要なのは一方的な支援ではなく、信頼とコラボレーションでした。<br />
</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>オケレ・シティ（Okere City）</h4>
<p><span style="color: #262626;">オケレ・シティ（Okere City）プロジェクトは2019年1月にスタートしました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">200ヘクタールの敷地には、今では、学校、保健所、村の銀行、映画館、教会、ナイトクラブを兼ねたコミュニティホールがあります。電気は、この地域では珍しい太陽エネルギーで発電され、誰でも利用することができます。新しく井戸が掘られ、きれいな水が容易に利用できるようになり、多発していた感染症に苦しまされる事は減りました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オケレ・シティは、オトゥケ県地方自治局のCBO（Community Based Organization）として登録されています。その取り組みは、地域の実際のニーズによって推進され、コミュニティのメンバーが中心となって活動を行います。</span><span style="color: #262626;">オケレ・シティ・プロジェクトは、慈善事業ではなく、社会的企業として設立されており、自ら資金を調達できるようにし、利益を生み出して還元し、地域の持続可能な成長を目指します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、オケレでは2020年までの20年間で80%のシアの木が失われました。炭にして調理用の燃料にするため大量に伐採されたからです<sup>(4)</sup>。またその実であるシアナッツの９割は安い値段で仲買人に売られ、残りの１割は、地元で「ムーヤオ」と呼ばれる食用油に使われ、家庭で食べたり、地元のマーケットで売られたりしていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">女性ならご存じの方も多いかと思いますが、シアナッツから作られるシアバターは、肌や髪に良い美容成分を豊富に含み、天然・有機化粧品に利用されており、世界的に需要が高まっています。Global Market Insightsのデータによると、現在の世界のシアバター市場は11億2000万米ドルで、2025年には29億米ドルを超えると予想されています<sup>(4)</sup>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オジョークたちは、シアの木が貴重な資源であることに気が付きます。シアの木を守り、シアバターを生産すれば高い値段で売ることができるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのための最も重要な課題は、シアナッツが食用だけでなく、さまざまな用途に使えること、シアの木の価値を地元の人々に知ってもらうことでした。住民たちは、この木を消耗品としてではなく、大切にするようになります。現在、女性たちはシアバターオイルの販売から収入を得ています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>オケレ・シティ（Okere City）の成果</h4>
<p><span style="color: #262626;">以下、オケレ・シティの年次報告書</span><span style="color: #262626;"><sup>(5)(6)(7)</sup></span><span style="color: #262626;">からの情報を主に、2019年の設立から2021年までのプロジェクトの成果を紹介します。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">2019年<sup>(5)</sup></span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・シティ（Okere City）を設立。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">幼児教育センター（Early Childhood Development Center）を開始。40人の幼児（3～6歳）を受け入れますが、年末には120年に膨れ上がります。学校はコミュニティで運営し、保護者は学校建設に必要な労働力を提供したり材料の現物支給でサポートするほか、授業料を現金や穀物で払います。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">伐採により失われた緑を取り戻すため、10,000本のユーカリを植樹。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">スーパーマーケット＆ハブを設立。日常品の買い物を容易にしたほか、地元経済を活性化し、人々が集う場所にもなりました。2020年からのコロナウイルスのロックダウンの際は、現金が不足した人々に食品を信用販売（代金後払い）して助けました。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">オケレ投資貯蓄貸付組合（Investment Village Saving and Loan Association (VSLA)）を設立。コミュニティが資金を出し合って、融資が必要なメンバーに提供することで、事業を始める手助けをします。また、ビジネス開発トレーニングによって、ビジネスプランの作成、マーケティング、売上や収益性など金融リテラシーの向上を支援します。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">新たに削孔し、遠くまで水汲みに行かなくても衛生的な水が手に入るようになりました。</span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">2020年<sup>(6)</sup></span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・シアバターの開発、オケレ・シア協同組合の設立。地域住民（多くが女性）が集まり、シアの木の保護運動を展開し、シアナッツから作られるシアバターの販売により収益を上げ、それを活用できるようにすることを目的としています。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・ボクシングクラブの設立。若者たちに目標や夢を与え、努力し実現する場を提供したり、地域の人々が集う活気ある空間を提供しています。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">村の若者20人に木工と建具の実践的な研修プログラムを開始しました。これらの若者の中には、日中の時間を持て余しアルコールや薬物に走るものもいましたが、１年後、そのうち13人は、竹や地元で取れた材料を使って家や家具を作るサステイナブルな建築会社ケオケア（Keo Care）で大工として働くようになりました。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・コミュニティ・ヘルスセンターの設立。村の58％の世帯にHIV/AIDSの家族がおり、農村住民の85％以上が過去12ヶ月間に下痢、赤痢、ビルハルジアなどの水系伝染病に罹ったことがあります。これらの病気に</span><span style="color: #262626;">対する基礎的な医療提供を行います。突発的な病気のため支払いに対応できない場合は、次の収穫の売上でお金ができてから支払うことも可能です。</span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">2021年<sup>(7)</sup></span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・リーダーシップ・ラボの設立。オケレにおける新しいタイプのコミュニティのリーダーを育成するための活動であり、コンフリクトマネジメント（紛争管理）、地区開発モデルなども学びます。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・ビレッジ・バンク。オケレシティが運営するソーシャルビジネスの金融部門はオケレ・ビレッジ・バンクに発展し、2021年には、理髪店、農産物販売店、農場、携帯電話ショップ、VSLA活動、スーパーマーケットの6つのソーシャルビジネスに合計11,000米ドルを投資しました。この６つのビジネスは、2,000人の顧客に商品とサービスを提供し、また、10名の直接雇用を生み出してます。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">オケレ・シアバターは2020年から売上を大きく伸ばし、2021年の売上高は35,000ドル、毎月1,000ドルの純利益をあげています。オケレ・シア協同組合を通して120人のコミュニティメンバーが、付加価値の創出、マーケティング、コミュニケーションスキルなどのトレーニングを受けています。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">女性10人を６カ月間のファッション・デザイン研修に参加させる投資を行いました。トレーニング後、10人の女性たちは全員、オケレ・シティにあるRISE-UPファッション・ハブで働くことになりました。このファッションハブは現在、地元の学校の制服を生産しているほか、地元のコミュニティの人たちに販売する洋服も作っています。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">支援により女子寮が建てられました。建設にあたっては、環境破壊の懸念がありました。壁となるレンガを作るには薪が必要になるからです。貴重なシアの木が薪にされることのないよう、焼成せずにレンガ製作できる機械が提供されました。</span></li>
<li>さらに<span style="color: #262626;">オケレ・シティは観光プロジェクトも立ち上げ、オケレ・シティを旅行先として選んでもらえるような取り組みが始まりました。</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" href="https://www.okerecity.org/" target="_blank" rel="noopener">オケレ・シティのホームページ</a>や下のYoutube（ウガンダのテレビ番組の特集）で、オケレ・シティの様子や、住民たちの生き生きとした姿、その取り組みの詳細を知ることができますので、是非ご覧ください。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/ggz0YfTAB2s" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">最後に</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">オケレ・シティ・プロジェクトは最初から順風に進んだわけではありません。当初、住民たちはこれが本当に成功するのか疑っていました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オジョークの両親は村の出身でしたが、オジョーク自身はよそ者でした。彼は、慈善団体やNGOの失敗を通して、貧しいコミュニティに部外者が自分たちの意向を押し付けようとするとどうなるかを知っていました。プロジェクトの成功のためには、プロジェクトの設計段階から地元住民の主体的参加が不可欠であることを彼は知っていたのです。そのため、オジョークは一歩下がってみんなの意見を聞くことに注力しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オケレ・シティの住民たちにはプロジェクトへの強い信念とオーナーシップがあります。なぜなら、自分たち自身のプロジェクトだからです。そのため、主体的に活動でき、時にリスクを負ってでも自らのプロジェクトと人々に投資できるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">オジョークの願いは、アフリカ全体がオケレ・シティの成功から学ぶことです。多くの人がオジョークに「スケール」することを期待しますが、彼は、同じことを彼自身がアフリカの他の地域や国々で始めてもうまくいかないのを知っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">やる気のある人は誰でもこのプロジェクトから学び、自分の地域で発展させるための基礎を作ることができます。同様のプロジェクトを成功させるには、２つのレシピがあります。<br />
１つは、プロジェクトの成功のために、進んで付き添うビジョンの担い手が必要なことです。<br />
もう１つは、最も重要なことですが、実施者本人たちが地域社会に投資し、自分たちがプロジェクトの主要なステークホルダーであることを自覚することです。地域にいる自分たちが行動しない限り成功はないのです。</span></p>
<blockquote><p>「誰か」や「いつか」を待っていても、変化は訪れない。私たちが待っているのは、私たち自身だ。私たちこそが、探している変化なのだ。</p>
<p style="text-align: right;">～ バラク・オバマ</p>
<p>Change will not come if we wait for some other person or some other time. We are the ones we&#8217;ve been waiting for. We are the change that we seek.</p>
<p style="text-align: right;">～ Barack Obama</p>
</blockquote>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><span style="color: #262626;"><br />
(1) Caleb Okereke, &#8220;‘<a href="https://www.theguardian.com/global-development/2021/mar/03/its-radical-the-ugandan-city-built-on-solar-shea-butter-and-people-power" target="_blank" rel="noopener">It&#8217;s radical’: the Ugandan city built on solar, shea butter and people power</a>&#8220;, The Gurdian, 2021/3.<br />
(2) John Okot, &#8220;<a href="https://www.csmonitor.com/World/Africa/2021/0219/How-Ojok-Okello-is-rebuilding-the-hometown-he-never-knew" target="_blank" rel="noopener">How Ojok Okello is rebuilding the hometown he never knew</a>&#8220;, The Christian Science Monitor, 2021/2.<br />
(3) Bob Koigi, &#8220;<a href="https://www.fairplanet.org/story/transforming-a-war-torn-village-in-uganda-into-a-sustainable-city/" target="_blank" rel="noopener">Transforming a War-Torn Village in Uganda into a Sustainble City</a>&#8220;, FairPlanet, 2021/6.<br />
(4) Ojok Okello, &#8220;<a href="https://www.okerecity.org/post/research-report-shea-butter-in-okere-a-gift-from-nature" target="_blank" rel="noopener">Shea Butter in Okere &#8211; A Gift from Nature</a>&#8220;, Okere Community Development Project (Okere City), 2021/2.<br />
(5) &#8220;<a href="https://www.okerecity.org/_files/ugd/ddadba_dbf44381c7d745d1a1c159bc2e119dd1.pdf?index=true" target="_blank" rel="noopener">Annual Report 2019</a>&#8220;, Okere Community Development Project (Okere City)<br />
(6) &#8220;<a href="https://www.okerecity.org/_files/ugd/ddadba_3f87542d6da54011a8ff7d3d8dcc4089.pdf" target="_blank" rel="noopener">Annual Report 2020</a>&#8220;, Okere Community Development Project (Okere City)<br />
(7) &#8220;<a href="https://www.okerecity.org/_files/ugd/ddadba_3baccab5fadf4d0985c77c976ffe5eca.pdf" target="_blank" rel="noopener">Annual Report 2021</a>&#8220;, Okere Community Development Project (Okere City)</span></p>The post <a href="https://www.a-output.com/okere-city">オケレ・シティ（Okere City）：ウガンダのコミュニティ・ベースド・オーガニゼーション（CBO）</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）：援助からの脱却</title>
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					<comments>https://www.a-output.com/ghana-beyond-aid#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 06 May 2022 13:44:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジ・オーナーシップ]]></category>
		<category><![CDATA[ミッション・ビジョン]]></category>
		<category><![CDATA[レジリエンス]]></category>
		<category><![CDATA[公共政策]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
		<category><![CDATA[資本主義]]></category>
		<category><![CDATA[途上国支援]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>アフリカでは、新しい形のリーダーシップ、トランスフォーメーショナル・リーダーシップ（transformational leadership）の必要性が高まり、実際に生まれてきています。トランスフォーメーションは従来の考え [&#8230;]</p>
The post <a href="https://www.a-output.com/ghana-beyond-aid">ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）：援助からの脱却</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">アフリカでは、新しい形のリーダーシップ、トランスフォーメーショナル・リーダーシップ（transformational leadership）の必要性が高まり、実際に生まれてきています。トランスフォーメーションは従来の考え方を根本的に変え、これまでとは違うやり方で物事を進めるという強い決意から始まります。<br />
今回、援助（エイド）からの脱却を明確に打ち出すガーナの「ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）」を紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">主体的発展を妨げる援助（エイド）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">アフリカの国々は、1960年代以降、欧米先進国や国際機関の援助（エイド）に依存してきました。英国王立アフリカ協会（<a href="https://royalafricansociety.org/" target="_blank" rel="noopener">Royal African Society</a>）のリチャード・ドウデン（Richard Dowden）によると、2005年までの50年間の援助総額は1兆ドルにも上り、もしこれがアフリカに住む人たちに均等に分配されていれば5,000ドルになります<sup>(1)(2)</sup>。このような多額の援助がなされたにもかかわらず、統計的には大きな成果は上がっていません<sup>(3)(4)</sup>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">従来型の支援（エイド）には、以下のようないくつもの問題点があり、援助自体がアフリカの発展を妨げる原因の１つとも見なされています<sup>(1)(5)</sup>。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">必ずしも支援先の開発計画やニーズに沿ったものではない</span></li>
<li><span style="color: #262626;">ドナー（提供者）の利益になるように意図されている事があり、ひどい場合は、支援先ではなくドナーやその利害関係者のために予算が使われる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">国としての利益ではなく、特定の個人やグループの恩恵のために使われる事がある</span></li>
<li><span style="color: #262626;">ドナー間の連携がなく、支援に共通の目的や戦略の一貫性がない</span></li>
<li>支援先の自主性、主体性を阻害する</li>
<li><span style="color: #262626;">商品やサービスを無償で提供する事で国内産業の発展を阻害する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">政府も国民も常に誰かに助けを求めようとする「物乞い（begger）メンタリティ」から抜け出せなくなる</span></li>
</ul>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A9%EF%BC%9D%E3%82%A2%E3%83%89" target="_blank" rel="noopener">ナナ・アクフォ＝アド（Nana Addo Dankwa Akufo-Addo）</a>は、2017年、ガーナの第５代大統領に就任しました。彼は「ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）」という、従来型の援助に依存せず、自律的な発展を目指すビジョンを掲げます。</span><br />
<span style="color: #262626;">同年、首都アクラで行われたフランス・マクロン大統領との共同記者会見で、ナナ・アド大統領はこう述べました。<br />
「西側諸国が与えてくれる支援に基づいて、アフリカ大陸の政策を決定し続けることは、もはやできません。それはうまくいかないし、これまでもうまくいかなかったし、これからもうまくいかないからです。」</span><br />
<span style="color: #262626;">下のYoutubeがその時の映像ですが、マクロン大統領は、苦笑いを浮かべているように見えますね。<br />
ナナ・アド大統領はフォーブス（Forbes）社の2021年アフリカ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。</span></p>
<p class="responsive-video-wrap clr"><iframe title="Ghana’s president Nana Akufo-Addo Africa Beyond Aid Speech" width="1200" height="675" src="https://www.youtube.com/embed/MXCaRfveC-Q?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
<p><span style="color: #262626;">ただし、「ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）」は、援助を全面的に否定するものではありません。ガーナ自らが国のビジョンとゴールを明確にした上で、その方針に沿って、支援を含むリソースをもっと効率的・効果的に利用する新しいパートナーシップの構築を目指し、段階的に支援への依存から脱却するというアプローチです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以下、ガーナ政府発行の「<strong>ガーナ・ビヨンド・エイド憲章・戦略文書：Ghana Beyond Aid Charter and Strategy Document</strong>」<sup>(6)</sup>から、そのアプローチを紹介します。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）<sup>(6)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ガーナにはすでに多くの資源・資産があります。賢く献身的で勤勉な国民、若者たち、豊富な天然資源、平和と政治的安定などです。今まで欠けていたのは、支援を越えたところで自らの資源・資産を活用する主体的で明確なビジョン、それを追求するために必要な態度とマインドセット（考え方）、集団としての確固たる意志です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイドは、社会変革であり、ガーナ人相互のパートナーシップであり、新しい形のナショナリズムであり、国家レベルのトランスフォーメーションです。</span><br />
<span style="color: #262626;">資源を効率的かつ効果的に活用するための、これまでとは異なるマインドセットや態度や行動へのパラダイムシフトであり、次の２本の大きな柱があります。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイドは「政府・政党のアジェンダ」ではなく「国のアジェンダ」である</span></li>
<li><span style="color: #262626;">開発計画や多くのプロジェクトがリストアップされた戦略ではなく、ビジョン達成の環境を整える価値観、マインドセット、態度、行動の変化へのフォーカスである</span></li>
</ol>
<p><span style="color: #262626;">今までうまくいかなかったのは、結局のところ、政策、法律、規制を作成し実施する政府の人たち、あるいは公的資源を預かる人たちが持つべき共通の価値観やマインドセットがなく、計画する能力は既にあるものの、明確で共有されたゴールがないため、バラバラに機能し発展を妨げていたためです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">重要なのは、人々の声に耳を傾け、企業、労働者、そしてガーナ人１人１人にとって、どのような価値観や考え方が必要なのかを話し合う事です。国民みんなが正しく理解すれば、その実現に責任感とエンゲージメントを持って取り組み共に歩む事ができ、望む結果をもたらさないビジネスや妨げている習慣を変え、ビジョンの実現を可能にする政策を効果的に計画・実施し、着実に前進することができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">逆にこれなくしては、それ自体はどんなに素晴らしく見える計画や戦略であっても、ただの机上の演習か、的外れのものに終わってしまうでしょう。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイドのビジョン</span></h5>
<blockquote><p><span style="color: #262626;">援助が必要ないほど豊かで、経済的運命に責任を持ち、貿易や投資を通じて世界と競争できる、豊かで自信に満ちたガーナを築くこと。</span></p></blockquote>
<h5><span style="color: #262626;">ビジョンを達成するための５つのゴール：“W.I.S.E.R” Ghana</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;"><strong>W</strong>ealthy Ghana：富めるガーナ</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>I</strong>nclusive Ghana：インクルーシブ（社会的包摂）ガーナ</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>S</strong>ustainable Ghana：サステイナブルガーナ</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>E</strong>mpowered Ghana：エンパワメント（権限を与え潜在能力を引き出す）ガーナ</span></li>
<li><span style="color: #262626;"><strong>R</strong>esilient Ghana：レジリエント（回復力がありしなやかな）ガーナ</span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">５つのイニシアティブ</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">「ビヨンド・エイド」ビジョンを、すべてのガーナ人が受け入れることのできる、具体的で計測可能な目標に変換する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「ビヨンド・エイド」ビジョンを追求するために必要な価値観と態度を規定したガーナ憲章にコミットする</span></li>
<li><span style="color: #262626;">「ビヨンド・エイド」を推進するために必要な政策・制度改革に取り組む</span></li>
<li><span style="color: #262626;">ビジョンと改革に貢献し、それを受け入れるために、あらゆる階層のガーナ人を動員し、動機づける</span></li>
<li><span style="color: #262626;">政府と社会の主要なステークホルダーとの間で効果的なソーシャル・パートナーシップを形成し、「援助を超えたガーナ」を、政権を担っている政党のアジェンダとしてではなく、国家アジェンダとして継続的に訴求する</span></li>
</ul>
<h5><span style="color: #262626;">基本的価値観</span></h5>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">Patriotism：愛国心。党派的、部族的、地域的な利益よりも国益を優先する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Honesty：納税を含め、お互いと国家に対して誠実である</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Respect：互いを尊重し、法律、制度、自然環境を尊重する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Discipline, hard work：規律、勤勉、時間厳守、責任感、市民活動</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Volunteerism：ボランティア精神と地域社会の基本課題に取り組むため他者と協働する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Self-reliance：ガーナ発展の原動力として、自国資源を活用する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Wise and efficient use：ガーナの資源を賢明かつ効率的に使用し、国の財布を守る</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Transparency and Accountability：透明性と説明責任。いかなる形の腐敗も許さないガーナを実現する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Equal opportunities：性別、部族、地域、政治に関係なく、すべてのガーナ人に平等な機会を提供する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Strong support for private sector：民間部門の成長と雇用創出を強力に支援する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">Collaboration among Social Partners：経済および社会発展のためソーシャル・パートナー、特に労働者、企業、政府間で協力する</span></li>
</ul>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">具体的な施策</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">上記のビジョンや具体的なゴールを達成するため、自らの資源を効果的、創造的、効率的に活用する実際の施策として、<br />
①原材料の生産と輸出を中心とした経済から、製造業と高付加価値サービスを中心とした経済への転換と多様化により、ガーナ経済の方向性を変え、富を生み出し、包括性、持続性、エンパワーメント、レジリエンスを確保する新しい産業の開発へのフォーカスと、<br />
②それを支えるインフラ、教育、技能、科学技術への高度で効率的な投資が実施されています。<br />
特に若者の教育には力を入れており、2017年から高等教育の無償化も開始されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ビジョンの実現には、勤勉さ、起業精神、創造性、そして公職における腐敗との一貫した闘いが必要です。<br />
少数の人々の利己的な利益のために、繁栄する国家を皆で築く事はできません。また、依存の精神から脱却し、ガーナへの愛国心を燃料とした、自信に満ちた「やり抜く」精神を養成することも必要です。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">最後に</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ガーナ・ビヨンド・エイドに関する資料には、「self-resilient」「self-sustaining」「self-confident」「self-respect」「self-reliance」と言った言葉が並びます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ガーナ初代大統領クワメ・ンクルマ（Kwame Nkrumah）は、その政策的イデオロジーである「ンクルマイムズ（Nkrumaism）」で、新植民地主義（Neocolonialism：かつての宗主国が過去の植民地を発展よりも搾取のために利用し、富裕層と非富裕層の格差を是正するのではなく、むしろ増大させる）からの脱却とパン・アフリカ主義を説きましたが、ナナ・アド大統領も、クワメ・ンクルマのように、アフリカの課題の核心を語っています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">翻って日本においては、岸田政権が発足時に「新しい資本主義」を掲げましたが、いまだその全貌はよく分かりません。また<a style="color: #262626;" title="ウェルビーイング雑感：ポジティブとネガティブの両方を受け入れる" href="https://www.a-output.com/positive-and-negative" target="_blank" rel="noopener">以前書いた</a>ようにGDP成長率を指標にした経済的成長が持続可能でなく、私たちの生活の質の向上に必ずしも繋がらないのにも関わらず、量的緩和と国の借金を増やし続ける政策が続いています（2022年5月時点）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ガーナと日本ではもちろん社会情勢や経済状況が大きく異なるものの、「ガーナ・ビヨンド・エイド」は、今度の日本の「新しい資本主義」がどうあるべきか、あるいは公的資金に依存する日本の地方再生にも示唆があるかと思います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、「援助」に関しても、「善意」は必要であるものの、それだけでは不十分で、本当にそれが効果的に利用されているのか、良かれと思って行ったことがむしろ事態を悪化させていないか、私たちも意識する必要があります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br />
<span style="color: #262626;">(1) Julius Gatune, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0002716210378832" target="_blank" rel="noopener">Africa’s Development beyond Aid: Getting Out of the Box</a>&#8220;, The ANNALS of the American Academy of Political and Social Science, 632, 2010/11.</span><br />
<span style="color: #262626;">(2) Ian Taylor, &#8220;&#8216;<a style="color: #262626;" href="https://www.jstor.org/stable/3568889" target="_blank" rel="noopener">Advice Is Judged by Results, Not by Intentions&#8217;: Why Gordon Brown Is Wrong about Africa</a>&#8220;, International Affairs (Royal Institute of International Affairs 1944-) Oxford University Press, Vol. 81, No. 2, Sub-Saharan Africa, pp. 299-310, 2005/3.</span><br />
<span style="color: #262626;">(3) Reginald Nii Odoi, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.academia.edu/40479588/AN_AFRICA_BEYOND_AID_RETHINKING_AFRICAS_DEVELOPMENT" target="_blank" rel="noopener">An Africa Beyond Aid: Rethinking Africa&#8217;s Development</a>&#8220;, 2019.</span><br />
<span style="color: #262626;">(4) &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.tonyelumelufoundation.org/the-tef-circle/the-road-to-poverty-alleviation/africa-beyond-foreign-aid" target="_blank" rel="noopener">Playing The Long Game: An Africa Beyond Aid</a>&#8220;, The Tony Elumelu Foundation, 2021/5.</span><br />
<span style="color: #262626;">(5) William Easterly, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.cgdev.org/sites/default/files/3486_file_WP_65_1_0.pdf" target="_blank" rel="noopener">Reliving the ‘50s: the Big Push, Poverty Traps, and Takeoffs in Economic Development</a>&#8220;, Center for Global Development, Working Paper Number 65, 2005/8.</span><br />
<span style="color: #262626;">(6) &#8220;<a style="color: #262626;" href="http://osm.gov.gh/assets/downloads/ghana_beyond_aid_charter.pdf" target="_blank" rel="noopener">Ghana Beyond Aid Charter and Strategy Document</a>&#8220;, Office Of The Senior Minister, the Republic of Ghana, 2019/4.</span></p>The post <a href="https://www.a-output.com/ghana-beyond-aid">ガーナ・ビヨンド・エイド（Ghana Beyond Aid）：援助からの脱却</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 08 Feb 2022 12:54:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[変革の事例]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ABCDは、「ない」ものや「問題」に目を向けるのではなく、「ある」ものや「可能性」に光を当て、地域に既にあるアセット（資産）をベースにして、持続可能なコミュニティーを築き上げる方法です。シャニー・グラハムは、隣人たちとの [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">ABCDは、「ない」ものや「問題」に目を向けるのではなく、「ある」ものや「可能性」に光を当て、地域に既にあるアセット（資産）をベースにして、持続可能なコミュニティーを築き上げる方法です。シャニー・グラハムは、隣人たちとの繋がりを通して、家の前の「通り」を、住民が集い、毎年何千人もの人々が集まる「場所」へと変えて行きます。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>はじめに</h4>
<p><span style="color: #262626;">今回は<a style="color: #262626;" title="アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる" href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development" target="_blank" rel="noopener">以前紹介した</a>アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント（ABCD : Asset Based Community Development）の事例をさらに紹介します。</span><br />
<span style="color: #262626;">ABCDは、「ない」ものや「問題」に目を向けるのではなく、「ある」ものや「可能性」に光を当てるもので、地域に既にあるアセット（資産）をベースにして、持続可能なコミュニティーを築き上げるものです。</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="bOXAToxmkF"><p><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=WuHI2Z4xKz#?secret=bOXAToxmkF" data-secret="bOXAToxmkF" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>オーストラリア、サウス・フリーマントル、ハルバート・ストリートの事例<sup>(1)(2)(3)</sup></h4>
<p><span style="color: #262626;">多くの人が、住んでいる場所でコミュニティー意識を持ちたいと思っています。しかし、隣人とのつながりをゼロから築くのは簡単ではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">シャニー・グラハム（Shani Graham）はカナダ育ちで、父親は学校のカウンセラーをしており、母親は小さな農場を営んでいました。父親が学校に関わっていたこともあり、家族は大きなコミュニティーの一員のようでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">家族共々カナダを離れ、オーストラリアのサウス・フリーマントル、ハルバート・ストリート（Hulbert street）に移り住んだとき、新しい隣人たちとのつながりはなく、彼女は本当に寂しいと思いました。しかし、隣人たちに声をかけて話を聞いたところ、コミュニティーの人たちと交わりたいと切望しているのは自分だけではないことが分かります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼女は、自分たちのコミュニティーのために何かしようと決意しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ハルバート・ストリートの端には古く大きな水タンクがあります。<br />
シャニーは近所の子どもたちやその親たちに呼びかけて、みんなで集まって小さなモザイクの魚を作り、その水タンクにきれいに飾りつけました。<br />
そして、当日水タンクに集まってくれた人たちに、次の集まりにも参加してくれるように呼びかけました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">その次の集会にも子供や大人たちが集まりました。そこで、シャニーは「みんな、ハルバート・ストリートをどういう風にしたいと思う？」と問いかけます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">大人たちは、ガレージセール、午後の紅茶会、ストリート・ガーデニングなどと答え、子どもたちは、サッカーやクリケットをしたいと答えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そんな中、「スケートボードのランプを設置したい」と言う子供がいました。その時は、誰もが最もありえないと思いましたが、その最もありえないと思えた10歳の住民の提案が真っ先に実現しました。通りに面した２台分の駐車スペースにスケートボード用の小さなハーフパイプが作られたのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ストリートは人々が集う場所へと変わっていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">市有地を利用してゲリラガーデニングを始める人たちがでてきます。また、移動式のピザ釜やコーヒースタンドを共有して、椅子を持ち寄り映画鑑賞会を開いたり、本の交換所が設置されます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">更に、コミュニティーで「やぎ」を飼い始めます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そしてそのやぎがのびのびと庭から庭へと散歩できるように、家と家の間にあった垣根まで取り払うのです。<br />
今では、他の地域のコミュニティーのためにストリート・サステナビリティ・フィエスタを開催するにまで至り、毎年何千人もの人々がハルバート・ストリートに集まってきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">※下のTEDxPerthのYoutubeは残念ながら日本語の字幕はありませんが、英語の字幕は付ける事ができます。素晴らしいスピーチなので、英語が分かる方は是非ご覧下さい。また、取り組みの詳細は、「<a href="https://ecoburbia.com.au/" target="_blank" rel="noopener">ecoburbia</a>」と題された彼女たちのホームページでも見る事ができます。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/C1WSkXWSJac?start=000" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p><span style="color: #262626;">ハルバート・ストリートのコミュニティーでは、それぞれのメンバーが自分が持つスキルやリソースの情報を共有します。</span><span style="color: #262626;">つまり、何か困った事があったら、それが得意な人、必要な設備や道具を持っている人をみんな知っていて、その人に相談すればよいのです。</span><br />
<span style="color: #262626;">それによって、向かいの紳士が、素晴らしいオリーブオイルのレシピを知っている事や、近所のおじさんの家の裏に、見たこともなかった大きな野菜畑があるということまで知るのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">図：コミュニティーのスキルやアセットの共有例</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-9987 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill.png" alt="" width="601" height="203" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill.png 1800w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill-300x101.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill-1024x346.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill-768x259.png 768w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2022/02/postit-skill-1536x519.png 1536w" sizes="(max-width: 601px) 100vw, 601px" /></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">専門家に頼ったり、他の地域の「成功のレシピ」をコピペしない</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ある子どもはシャニーに「僕が大きくなったら、この通りに住んできたことを誇りに思うよ」と言います。<br />
また別の子は「学校にいる間も早く通りに戻って来たくてウズウズして、勉強に集中できなかった」と言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「誰もがつながっていたいと思っているのだから、それをどう実現するかはコミュニティー次第です」とシャニーは言います。<br />
多くの人が「コミュニティーに参加したい」と思いながら、いざとなると参加しないことはよくあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">意図的にコミュニティーを形成しようと人々が集まると、お互いの違い、対立点に目を向けてしまったり、声の大きい人や「専門家」が場をコントロールしがちです。そのような場は声の小さい人たちには決して居心地の良い場所ではなく、楽しい場所でもありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">シャニーは、共通の土台、なによりも心から楽しいと思えることを見つけるという点に焦点を当てます。周りの人たちと共通点があるとは思わない前提で、共通点がないことにがっかりするのではなく、共通点を見つけたら喜ぶのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかし、彼女は、ハルバート・ストリートの成功事例を別の場所で再現しようとすることには注意を促します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域開発に取り組もうとする多くの人たちは、他の地域での成功事例、つまり、「成功のレシピ」＝「ベストプラクティス」を探し求めていて、それが見つかると、それをその通りに再現しようとします。しかし、それではうまくいきません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ハルバート・ストリートの住民たちは、他人の真似をしたのではなく、自分たちがすでに持っているスキルや創造性を活かして、自分たちが心から楽しいと思ってやりたいことを実現させたのです。同じように、それぞれの地域が、それぞれ独自の強み・楽しみを見出す必要があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">シャニーは、とにかく住民が一緒にできること、一緒にしたいことから始めることを勧めています。<br />
ストリート・パーティーだろうが何だろうが、参加したくない人を巻き込む必要はありません。やりたくてムズムズするようなことを数名から始めるのです。<br />
そうすることで自分たちのアイデンティティを身につけ、自分自身で生活を変えることできるという自信を持って、影響の輪を広げることができるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>「間違ったもの」や「問題」に焦点を当てる取り組みの４つの害悪</h4>
<p><span style="color: #262626;">コーマック・ラッセル（Cormac Russell）は、シカゴのデポール大学（DePaul）の アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント・インスティチュート（<a href="https://resources.depaul.edu/abcd-institute/Pages/default.aspx" target="_blank" rel="noopener">Asset-Based Community Development (ABCD) Institute</a>）の教授で、ABCD Institute のヨーロッパのパートナーである<a href="https://www.nurturedevelopment.org/" target="_blank" rel="noopener">Nurture Development</a>のマネージング・ディレクターであり、世界中の国々で、ABCDやその他のコミュニティー主体のアプローチについて、地域のコミュニティー、国際機関、NGO、政府を指導してきました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼は言います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コミュニティー開発の最初のきっかけは、例えば、少年犯罪や破壊行為などに対する懸念かもしれません。<br />
しかし、「少年犯罪について何ができるか」は、問題に焦点を当てた否定的で誤ったテーマです。<br />
テーマはポジティブであるべきです。例えば、「青少年：私たちの地域の未来にとって重要な財産」という、成長と可能性を感じさせるポジティブなテーマです。<br />
何が悪いかではなく、何が強いかに焦点を当てましょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">人やその地域にそもそも備わっている能力を損なわない方法で助ける方法を考えなければなりません。<br />
そのためには、そこにいる人たちやコミュニティーの中にある強いものから始めるのが最善であり、間違っているものから始めるべきではありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そこにいる人々に焦点を当て、地域社会にすでに存在する能力から始めるのがよいという何千もの証拠があるにもかかわらず、政府や非政府のプログラムでは、人々の中にある間違ったもの、「貧困」、「過疎化」、「問題」、「ないもの」、「壊れたもの」、「病的なもの」に焦点を当て、それに執着する傾向があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">悲しいことに、この焦点のずれが、世界中の何百万人もの人々、特に貧しい人々や地域社会に大きな害を及ぼしています。<br />
コーマック・ラッセルは、その４つの害悪を挙げています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">１つ目は、助けようとする人たちを、その才能や可能性によってではなく、その人の欠点や問題によって定義してしまうことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">２つ目は、トップダウンで問題にお金で対処しようとすると、助けを必要としている人に行くはずのお金が、実際には、その人たちにサービスを提供する人たちに行くということです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">３つ目は、積極的な住民の力、つまり草の根レベルで行動し対応する力が、ますます増大するプロフェッショナルと専門知識、その意識の高い人たちの力の前に後退してしまうことです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして最後は、欠陥があると定義された地域全体、コミュニティー全体が、自分たちにとって何かが変わる唯一の方法は、「正しいプログラムと専門家、潤沢な資金を持った外部団体が自分たちを救うためにやってくること」だと信じ込んでしまうことです。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/a5xR4QB1ADw" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p>参考文献<br />
(1) Kari McGregor , &#8220;<a href="https://shift-magazine.net/2015/11/17/changemaker-profile-the-community-builder/" target="_blank" rel="noopener">Changemaker Profile: Shanti Graham</a>&#8220;, SHIFT, 2015/11/17<br />
(2) Graeme Stuart, &#8220;<a href="https://sustainingcommunity.wordpress.com/2013/10/24/community-in-a-street/" target="_blank" rel="noopener">Hulbert Street – building community in a street</a>&#8220;, Sustaining Community, 2013/10/24<br />
(3)  Emma Wynne, &#8220;<a href="https://www.abc.net.au/news/2018-03-08/how-to-build-community-spirit-know-your-neighbours/9519924" target="_blank" rel="noopener">Learning to get to know your neighbours and build a sense of community in your street</a>&#8220;, ABC Radio Perth, 2018/3/8<br />
(4) Rita Agdal, Inger Helen Midtgard, Cormac Russell, &#8220;<a href="https://www.abundantcommunity.com/asset-based-community-development-how-to-get-started/" target="_blank" rel="noopener">Asset Based Community Development: How to Get Started</a>&#8220;, Abundant Community, 2020/2/21</p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="tH63yn25Nt"><p><a href="https://www.a-output.com/abundant-community-edmonton">カナダ、エドモントン市の「豊かなコミュニティ：Abundant Community」</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;カナダ、エドモントン市の「豊かなコミュニティ：Abundant Community」&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/abundant-community-edmonton/embed#?secret=pcBYtCKHdC#?secret=tH63yn25Nt" data-secret="tH63yn25Nt" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="bOXAToxmkF"><p><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=WuHI2Z4xKz#?secret=bOXAToxmkF" data-secret="bOXAToxmkF" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>The post <a href="https://www.a-output.com/abcd-hulbert-street">アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>ギャングからイノベーターへ：アセットベースのコミュニティ改革</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 04 Dec 2021 06:58:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[システムチェンジ]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジマネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[書籍紹介]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>南アフリカ、ケープタウンの若者たちは、貧困、失業、犯罪、薬物の負のスパイラルから抜け出せずにいました。しかし、テクノロジーが彼らを変え、彼ら自身がコミュニティを変え、システムを変え、社会を変え、そして世界を変えて行きます [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><span style="color: #0f5459;"><strong>南アフリカ、ケープタウンの若者たちは、貧困、失業、犯罪、薬物の負のスパイラルから抜け出せずにいました。しかし、テクノロジーが彼らを変え、彼ら自身がコミュニティを変え、システムを変え、社会を変え、そして世界を変えて行きます。外部の人間ではなく、コミュニティに元々いる人の繋がりが社会のシステムを変えていくのです。</strong></span></p>
<p style="text-align: right;">上の写真：<a href="https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Khayelitsha_at_N2_road,_Cape_Town_(2015).jpg">Olga Ernst</a>, <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0">CC BY-SA 4.0</a>, via Wikimedia Commons</p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>南アフリカ、ケープタウン、ケープフラッツ</h4>
<p><span style="color: #262626;">南アフリカ、ケープタウンにあるケープフラッツ・タウンシップは、若者の貧困と失業が日常で、組織犯罪、薬物乱用、暴力がはびこり、若者の大半は学校を中退してギャンググループに入り、あるものは薬物のディーラーになり、あるものは薬物中毒になるような状況でした。早くして養うべき子供がいる若者さえいますが、生活を良くしたいと助けを求めることは弱さと否定され、若者たちは、自己破壊的な負のスパイラルに陥っていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そんな町で育ったマーロン・パーカー少年の夢は、将来シャツを着てネクタイを締める仕事に就く事でした。コミュニティでそのような姿の人を見かける事はほとんどありませんでした。マーロン少年は母親の家を担保に授業料を工面し、IT技術を勉強して、ケープ工科大学の講師になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">マーロンは、あるきっかけから、地域のギャングたちにコンピューターを教え始めます。当初、彼らがコンピューターについて知っていた事は、その「盗み方」だけでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">若者たちは、メールやソーシャルメディアなどから始め、テクノロジーを色々学ぶにつれて、のめり込んでいきます。更にインターネットを通じて、同じような境遇の若者が多くいる事、その解決にテクノロジーを利用できることを知っていきます。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>Rlabs</h4>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://rlabs.org" target="_blank" rel="noopener">RLabs</a>は、マーロンらによって、南アフリカ、ケープタウン、ブリッジタウン地区の社会経済的な問題を解決するためのコミュニティプロジェクトとして、2008年に設立されました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">スキルを身に付けた元ギャングたちは、同じように既存の教育の枠組みからはじかれた若者たちに教える立場になっていきます。</span><span style="color: #262626;">そこに外部の専門家はいません。コミュニティで教わったものが新しく来る若者を招き入れ教えていきます。</span><br /><span style="color: #262626;">学位も資格も年齢も関係ありません。社会から力を奪っていた彼らは、最初は教わる側、次に教える側、更には自ら新しい挑戦を掲げ、イノベーションを起こし、コミュニティの再生を先導する立場へと変わっていきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">彼らはモバイルカウンセリングのアプリである「</span><span style="color: #262626;">JamiiX」を開発します。このテキストベースのアプリでは、仲間たちから同調圧力を受けないように匿名機能を付けて、悩みを持つ若者たちが様々な場所にいるカウンセラーに気軽にいつでも連絡できるようにしました。これによって、より多くの若者をつなげることができ、また、裏で会話をつないで、進捗状況や行動の傾向を把握することができました。<br />「Uusi」は「JamiiX」から独立したプラットフォームで、コミュニティで成立するやり方で、若者と仕事の機会を結びつけ、若者がプロフィールを作成し採用担当者がアクセスできるようにしています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ギャングは、人の弱みを知り、つけ入る方法、侵入する方法を知り、戦略的に考える事ができます。ギャングたちは、以前は社会を悪くするために使っていたその知識を、良くするために使い始めたのです。</span><br /><span style="color: #262626;">そこに生まれ育った彼らこそが、最も豊富な経験を持ち、問題の敏感で複雑なところまで身をもって知る一番の専門家なのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">若者だけではありません。家族も関与していきます。学びに飢えた84歳のおばあさんは、コミュニティで最高齢のファシリテーターとなり、Google社からスピーカーとして招かれるほどになります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>Youth Café（ユース・カフェ）</h4>
<p><span style="color: #262626;">RLabsが、2014年初頭にケープタウン、ロックランズで政府と共同で立ち上げた「Youth Café（ユース・カフェ）」という面白いコンセプトのカフェがあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このカフェは、若者たちが、求人情報、自己啓発コースなどを見つけり、支援し合ったり、または単に気軽に立ち寄っておしゃべりできるポジティブで活気あるスペースです。このカフェでは、コミュニティで良いことをしたり、自己啓発ワークショップに参加したりすることで「Zlato」というデジタル通貨を受け取ることができます。若者たちは、そのデジタル通貨を、カフェや地元の商店で様々な商品の購入に使うことができます。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p>下記、Youth Café（ユース・カフェ）でコミュニティの若者に提供されるサービスや機会です。<br />（<a href="https://www.westerncape.gov.za/youth-cafe/youth-caf" target="_blank" rel="noopener">Western Cape Government ホームページ</a>より抜粋・要約）</p>
<ul>
<li>パソコン・インターネット使用</li>
<li>就労支援・トレーニング</li>
<li>コミュニティ開発・支援</li>
<li>自己啓発・リーダーシップ・メンタートレーニング</li>
<li>ウエルネス（健康）プログラム</li>
<li>起業トレーニング</li>
<li>コース（アプリ開発、ウエブデザイン、美容、ファーストエイド、ブログ、映像、芸術、ソーシャルメディア）</li>
<li>ソーシャルイノベーション</li>
<li>イベントマネージメント</li>
</ul>
<p style="text-align: center;">写真：Youth Café, <a href="https://www.westerncape.gov.za/youth-cafe/youth-caf" target="_blank" rel="noopener">Western Cape Government ホームページ</a>より<img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-8862 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/12/youth-hub.jpg" alt="" width="641" height="249" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/12/youth-hub.jpg 1140w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/12/youth-hub-300x116.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/12/youth-hub-1024x397.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/12/youth-hub-768x298.jpg 768w" sizes="(max-width: 641px) 100vw, 641px" /></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>そこにあるアセットを活かし、システムを変える</h4>
<p><span style="color: #262626;">マーロン・パーカーは、これを「<strong>Hope Economies（希望の経済）</strong>」と呼びます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コミュニティのメンバーに希望を与え、彼らのスキルと自信を高めることで、彼らが社会起業家となり、コミュニティにポジティブな変化をもたらすことができるのです。<br /></span><span style="color: #262626;">RLabsの現在の姿は、コミュニティの創造性と革新性を育み、若者がコミュニティの変革のリーダーとなり、自分自身や他の人々のための雇用機会を生み出すことを可能にする情報技術のハブです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以前このブログでも、「ないモノや問題」に焦点を当てるのでなく「あるモノと可能性」に焦点を当てるアセットベースのコミュニティ作り「<a title="アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる" href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development" target="_blank" rel="noopener">ABCD（Asset Based Community Development）</a>」を紹介しました。社会改革やコミュニティ再生には、外部に頼るのではなく、既にそこにある、あらゆるアセットを利用するというものです。ギャングはまさにコミュニティに埋もれたアセットでした。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、RLabsは、社会システムそのものに挑戦しています。コミュニティに当然かのようにあった常識、信念、ルール、役割、構造を、新しい形に置き換えていきます。</span><span style="color: #262626;">コミュニティのアセットを活かし繋げることで、社会のシステムを変えているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">RLabsは設立以来、大学や民間企業、支援機関などの協力も得て、大きなムーブメントとなり、「Making hope contagious（希望を伝染させる）」をモットーに、23カ国でそのモデルを再現し、1,000万人以上の人々に影響を与えています。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">最後に。日本の事例も紹介</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介したRlabsやYouth Caféは、ギャングが世の中を良くする立役者に変わっていく話ですが、この話で思い出されるのは永井陽右さんたちのソマリアでの活動です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">永井陽右さんは、2011年大学入学時から、日本国内では全く支援組織を見つけられなかった、紛争やテロで世界で最も危険な場所とされるソマリアに使命感を抱き、日本人学生とソマリア人の若者と共に、ケニアで難民として暮らすソマリア人の過激派やギャングの若者の更生と、コミュニティの変革を導く活動に取り組みます。<br />永井陽右さん達はテロリストやギャングを排除すべき存在とみなさず対等な立場で受け入れて、相手の話を聞き、問いかけ、対話を重ねる事で、その自発的な変化を促していきました。2017年には、<a href="https://accept-int.org/" target="_blank" rel="noopener">NPO法人アクセプト・インターナショナル</a>を立ち上げ、紛争解決支援を継続しています。<br /></span><span style="color: #262626;">下の書籍でその取り組みが紹介されていますが、日本で大人たちに相談しても「今は無理」「君では無理」「君が行っても邪魔なだけ」と諭されるだけの状況に業を煮やし、英語もまともに話せないのに自ら行動を起こし、試行錯誤しながら物事を切り開いていく様がとても素晴らしいです。</span></p>
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<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">今回紹介したRlabsやYouth Caféの要点は、ギャングの更生やテクノロジー、ABCDだけに</span><span style="color: #262626;">あるのではありません。今までの教育の概念を変えたという点にもあります。学ぶ人間が自律的にカリキュラムを作る、外部の専門家に頼らずコミュニティの若者が若者に教えるという仕組みです。そして、そのような教育という領域での社会システム改革は日本でも始まっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">山形県の天童中部小学校では、生徒自らが学ぶことを決めていく<a href="https://www.tendo-chubu.jp/category/tayori/" target="_blank" rel="noopener">マイプラン学習</a>という取り組みが始まっています。教室では生徒が自分で学習計画を立てて自分が勉強したいことを勉強します。そのため、同じ教室、同じ時間でも、生徒一人一人学んでいる事がばらばらです。分からない事は生徒同士で聞き合って解決していきます。教師は子供たちの学びをサポートするだけです。「教師が教え、生徒が教わる」という従来型の一方向の教育システムの在り方そのものを見直す取り組みです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの今までの社会改革の多くは、とにかく外部からの支援に頼ろうとします。しかし、外部からの支援はカンフル剤のようなもので、<strong>外部支援の効果は短期的なだけでなく、長期的に見ればむしろ逆効果になる</strong>ことは、日本の地域再生プロジェクトの多くでも見られる症状です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">私たちの従来からある社会の仕組み・システムの多くは、大きく変化する現状に既に適合しておらず、これから根本的に変わっていく必要があります。</span><span style="color: #262626;">人々が輝く社会を作って行くには、主人公である「そこにいる人たち」の内発的な動機と、既に存在する埋もれたあらゆるアセット、能力をいかに掘り起こしてつなげていくかという視点が必要になります。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p>参考文献<br />(1) Holly Powers, &#8220;<a href="https://usaidsouthernafrica.exposure.co/reconstructing-lives" target="_blank" rel="noopener">RECONSTRUCTING LIVES . . . Through Hope and Innovation</a>&#8220;, USAID/Southern Africa, 2016/2.<br />(2) Marlon Parker, &#8220;<a href="https://www.fastcompany.com/3044761/3-ways-technology-is-helping-youth-to-help-themselves" target="_blank" rel="noopener">3 Ways Technology Is Helping Youth To Help Themselves</a>&#8220;, Fast Company, 2015/7.<br />(3) Larry Claasen, &#8220;<a href="http://www.brainstormmag.co.za/innovation/14236-the-worldchanging-rlabs" target="_blank" rel="noopener">The world-changing RLabs&#8221;, Brainstorm Magazine</a>&#8220;, 2018/2.<br />(4) Cynthia Rayner, François Bonnici, &#8220;<a href="https://www.thesystemswork.org/" target="_blank" rel="noopener">The Systems Work of Social Change: How to Harness Connection, Context, and Power to Cultivate Deep and Enduring Change</a>&#8220;, Oxford University Press, 2021/10.<br />(5) François Bonnici, Warren Nilsson, Marlon Parker, &#8220;<a href="https://www.coursera.org/lecture/social-innovation/becoming-a-changemaker-introduction-to-social-innovation-OKdhZ" target="_blank" rel="noopener">Becoming a changemaker: Introduction to Social Innovation</a>&#8220;, University of Cape Town, Coursera</p>


<figure class="wp-block-embed is-type-wp-embed"><div class="wp-block-embed__wrapper">
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="6UUdowL7em"><a href="https://www.a-output.com/asset-based-community-development">アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/asset-based-community-development/embed#?secret=5N646r4HX0#?secret=6UUdowL7em" data-secret="6UUdowL7em" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
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		<title>アセットベースのコミュニティ作り：「ないモノや問題」でなく「あるモノと可能性」に焦点を当てる</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 14 Nov 2021 16:03:40 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会が変わる]]></category>
		<category><![CDATA[アセットベースの開発]]></category>
		<category><![CDATA[チェンジマネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[社会変革]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>私たちは、つい「自分たちが抱える問題」や「自分たちにないもの」に焦点を当て、人にそれを解決してもらおうと考えがちです。しかし、本当の問題解決のためには、「自分たちが持っているもの」に焦点を当てなければなりません。自律性な [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph"></p>


<p><strong><span style="color: #0f5459;">私たちは、つい「自分たちが抱える問題」や「自分たちにないもの」に焦点を当て、人にそれを解決してもらおうと考えがちです。しかし、本当の問題解決のためには、「自分たちが持っているもの」に焦点を当てなければなりません。自律性なくして持続可能な発展はありません。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">「ない」ものに目を向けるのではなく、「ある」ものに光を当てる</span></h4>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Asset-based_community_development" target="_blank" rel="noopener"><strong>アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント（ABCD : Asset Based Community Development）</strong></a>は、1980年後半、アメリカで人種間対立が深刻になっていた時期に、それを解決しようと始まった取り組みです。この取り組みはその後、世界中に広がり、今では関連する組織や団体も数多く、取り組みの資料や情報も膨大に存在します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ABCDは、地域にあるアセット（資産）をベースにして、持続可能なコミュニティを築き上げるものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ここで言う「<strong>アセット（資産）</strong>」とは、日本人が「アセット」と聞いて一般的にイメージする金銭的価値のある財産に限りません。「<strong>地域にあるものすべて</strong>」を指します。<br />地域の人たち、関係、つながり、団体、施設、場所、もの、産業、自然、歴史、物語、経験など、地域にある「すべて」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>社会変革の大きな問題は「外部の人たちが地域に乗り込んで、そこにいる人たちを助ける」という根本的に間違った考えにあります</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この考えのベースにあるのは、「必要なものが地域にない」とか「地域の人では問題は解決できない」といった前提を、内外の人間がすることです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ABCDは、この前提（出発地点）を覆します。問題やニーズ、「ないもの」に注目するのではなく、その地域にすでに「あるもの」、つまりアセット（資産）に注目します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>地域を真に変えることができるのは当事者である地域の人たちだけです</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">誰も他人を変えることはできません。それと同じように、地域を変えることができるのは、その地域の人たちであり、よそ者ではありません。変化をもたらすのに最も重要な資産は、そこにいる人たちであり、スキル、経験、関係、そして自分たちが住む場所をより良い場所にするためのコミュニティのエネルギーです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>変化を実現するために必要なのは、「ない」ものから「ある」ものに視点を変える、マインドセットの変化</strong>です。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">表：旧来型の社会改革モデルとアセットベース・モデルの対比</span><br /><span style="color: #262626;">,adapted from &#8220;Fundamentals of Asset-Based Community Development&#8221; <sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">
<table id="tablepress-3" class="tablepress tablepress-id-3 tablepress-responsive">
<thead>
<tr class="row-1">
	<th class="column-1" style="width:50%;">旧来型の社会改革モデル</th><th class="column-2" style="width:50%;">アセットベース・モデル</th>
</tr>
</thead>
<tbody class="row-striping row-hover">
<tr class="row-2">
	<td class="column-1">「必要なもの」「足りないもの」にフォーカスする</td><td class="column-2">「既にあるもの」にフォーカスする</td>
</tr>
<tr class="row-3">
	<td class="column-1">「問題」を見つけ、その問題を解決しようとする</td><td class="column-2">話し合い、既にあるもの、機会から築き上げる</td>
</tr>
<tr class="row-4">
	<td class="column-1">寄付・補助金・外部支援志向</td><td class="column-2">自己資金・自己投資志向</td>
</tr>
<tr class="row-5">
	<td class="column-1">専門家重視</td><td class="column-2">つながり重視</td>
</tr>
<tr class="row-6">
	<td class="column-1">個人にフォーカス</td><td class="column-2">コミュニティにフォーカス</td>
</tr>
<tr class="row-7">
	<td class="column-1">目標は、サービスや設備の提供・導入</td><td class="column-2">住民の関与を増やし、地域のアセットをつなげる</td>
</tr>
<tr class="row-8">
	<td class="column-1">権限のある人が中心</td><td class="column-2">住民が中心</td>
</tr>
<tr class="row-9">
	<td class="column-1">答えは問題対応にある</td><td class="column-2">答えは地域の人にある</td>
</tr>
<tr class="row-10">
	<td class="column-1">プロジェクト型で、終わった後は先細り</td><td class="column-2">雪だるま式に大きく広がり根付いていく</td>
</tr>
<tr class="row-11">
	<td class="column-1">地域の人は外部エージェントの「お客様」</td><td class="column-2">地域の人は変革の当事者</td>
</tr>
<tr class="row-12">
	<td class="column-1">地域の人が知らないうちに計画が作られる</td><td class="column-2">地域の人の話し合いからアイデアが生まれる</td>
</tr>
<tr class="row-13">
	<td class="column-1">どのようにして住民を巻き込むか？</td><td class="column-2">どのようにして住民同士をつなげていくか？</td>
</tr>
<tr class="row-14">
	<td class="column-1">他の地域と比較する</td><td class="column-2">自分たちが何を望むかを自問する</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">外部から与え続けることの問題点</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">例えば、貧しい国への従来型のチャリティー（慈善金、寄付）は、長期的な問題を解決するには有害だと言う意見があります。<sup>(2)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">寄付や緊急支援は、災害やその他の命に関わる緊急事態、目先の問題対応には効果的です。しかし、<strong>外部の人間が主体的に取り組みを行うことは、地域の発展のような長期的課題にはむしろ逆効果であることが多い</strong>のです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">医療と同じです。一時の痛みを軽減するために頭痛薬などの薬を取ることは</span><span style="color: #262626;">効果があります。しかし、そのような薬は問題の根本原因を取り除くものではありません。根本的な原因は解決されないため、永遠に薬を与え続けるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地域の長期的で持続可能な発展には、そこに住む人たちの自律的・主体的・自発的な参画と取り組みが必要です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">外部からの寄付や支援が常態化し、その支援に依存する構造が定着すると、寄付を受け取ること、誰かに助けてもらうことに慣れてしまいます。<br /></span><span style="color: #262626;">それが当り前となり、その「薬」が切れるとどうしようもなくなります。<br />自分でなんとかしようという意志も働かなくなります。時に、寄付は貧しい人たちを豊かにするのではなく、「依存症」にして、もっと貧しくするのです。<sup>(3)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">先進国の寄付する側も、支援アプローチとその前提となる思考が固定化されてしまっていて、貧しい人たちは恵まれない環境に生まれ育ち、無力で、何も持たず、何も知らず、かわいそうで、自分たちが彼らの世話し続けなければならないと考えます。<br />このことは、寄付される人たちの威厳、自主性を奪い取り、むしろ劣等感と依存性を植え付けます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>本当に必要なのは、貧しい人たちも可能性を持った人間であると信じること</strong>です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">貧しい人々に必要なのは、<strong>依存ではなく自身への尊厳</strong>です。<sup>(1)(4)<br /></sup>貧困を解決したいのであれば、支援する側が支援の内容を決めるのではなく、<strong>そこにいる人たちが自らの人生を描くのを支援する</strong>のです。<sup>(5)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">この問題は貧しい国々に限られるわけではありません。日本の地方再生もそうです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">地方が、交付金など国の補助金頼みになると、自律的に地域を発展させることよりも、いかに多くの補助金を手に入れ続けるか、いかに外部の支援に頼るかという思考に陥ります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そして外部依存の仕組みが定着してしまうと、自らの意志と努力で変えて行くことができなくなるだけでなく、外部支援を取り巻く地元の利権もそれに合わせて形成されてしまうため、変えるのはとても難しくなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">健康な身体を作りあげ維持するために、エナジードリンクを飲み続ける人はいませんね。同様に助成金というカンフル剤を打ち続けても健全な地域も育ちません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに言えば、ばらまき政策と言われるように、同様の仕組みは、日本のいたる所、分野、業界で見られます。そのため、日本の借金が比類ないほど膨らみ続ける一方で、一向に成果は乏しいままなのです。<br />この国の借金はいったい誰が返すのでしょうか？私たちの子どもですか？この仕組みは持続可能なのですか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">特に優秀で人徳のある外部人物の活躍により、地域が劇的に活性する例もなくはありません。<br />しかし、それも一種のカンフル剤であり、その人がいなくなると急激に衰えていきます。<br />取り組みを地域に根付かせるのは地域の人たちの役割です。地域の人たちが中心的にこうどうすることなく定着することはないのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>コミュニティ活動のためのポイント</h4>
<p><span style="color: #262626;">以下は、コミュニティ活動のための基本的なルールです。<sup>(6)</sup></span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">他の人ができることを、その人の代わりに行わない</span></li>
<li><span style="color: #262626;">外部の人間は一歩引いたところからサポートする</span></li>
<li><span style="color: #262626;">可能性に焦点を当て、問題を違う角度から再定義する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">公式なミーティングやイベントではなく、非公式で日常的な集まりを楽しむ</span></li>
<li><span style="color: #262626;">人がいない所に人を呼び込むのではなく、人がいるところから始め、人の話に耳を傾ける</span></li>
<li><span style="color: #262626;">人たちが気にかけていることから始める</span></li>
<li><span style="color: #262626;">目に見える変化をもたらす取り組みを手始めに行う</span></li>
<li><span style="color: #262626;">誰もが才能とリソースを持っており、誰もが何かに貢献できる</span></li>
<li><span style="color: #262626;">アジェンダ（やる事）を決める前に、そこにいる人を知る</span></li>
<li><span style="color: #262626;">取り組みの成果を祝いながら進める</span></li>
<li><span style="color: #262626;">良い話を共有する。多くの良い物語を一緒に作っていく</span></li>
<li><span style="color: #262626;">悪い点や不足しているものではなく、強みとリソースに焦点を当てる</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">以下は、ABCDの創設者たちが、ポジティブな発展を実現するために重要だとしていることです。<sup>(6)</sup></span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">地域の住民が持っている資産</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地域のボランティアの集まり</span></li>
<li><span style="color: #262626;">地域のコミュニティ形成を支援する地域の機関・団体</span></li>
<li><span style="color: #262626;">物理的な環境（オープンスペース、公園、遊び場、森林、埠頭などなど）</span></li>
<li><span style="color: #262626;">その土地の文化や伝統を伝える物語</span></li>
<li><span style="color: #262626;">上記の相互作用と交換・交流</span></li>
</ul>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">アメリカ、ヒルサイド・コートの事例</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ABCDの成功例の多くでは、コミュニティのメンバー自身が「コミュニティの開発者」です。変化の機会を見出し、持続可能な方法でその変化を達成するために努力する人たちです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">持続可能な資産ベースのコミュニティ開発の究極の目的は、地元のスキルを発掘し、地域の人たちの変革へのオーナーシップ（エンゲージメント）を促進することです。そのため、外部エージェントに依存すべきではありませんが、その貢献を否定するものではないことだけ付け加えておきます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">下のYoutubeは残念ながら英語の字幕しかありませんが、アメリカ、バージニア州、リッチモンドのヒルサイド・コート（Hillside Court）という地域で2011年から始まった取り組みの紹介です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この公営住宅が立ち並ぶ、端から端まで歩いていけるような小さな地域で、その年の最初の３週間で３つの殺人事件が起き、その後数週間のうちに２人の10代の若者が流れ弾に倒れました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ヒルサイドではなく「キルサイド」と呼ばれるほどで、人々は子供たちに不必要な外出を控えるようになりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのため、この地域の子供たちを守るために何ができるか、住民みんなを集め、話し合いの場が設けられました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この集会で、ウエンディ・マッケイグが「私はここに住んでいない外部の人間なので、できるのはサポートすることだけ。誰が子供たちを守る？」と問いかけたところ、ある女性が「私がやる！！」と声を上げます。さらに続いて５，６人と声が上がりました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ある女性は以前ニューヨークでチアリーダーのコーチをしていたので、チアリーダーのチームを作ることにしました。</span><br /><span style="color: #262626;">ある男性は、それなら男の子達の受け皿も必要だと、地域の支援を受けてフットボール（アメフト）チームを立ち上げました。</span><br /><span style="color: #262626;">別の女性は、料理が得意だからとクッキングチームを作りました。そしてクッキングチームは月に一度コミュニティに料理を振舞いました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>ポジティブなエネルギーは地域に伝染していきます</strong>。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">お年寄りたちも、自分たちも何かせねばとお年寄りチームを作ります。<br />その他家族支援チームやコンピューターラボなど、３年で９つの住民のグループが立ち上がります。<br />地域の空き住宅を利用して若者たちのリーダーシップ教育の場も生まれました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">さらに、チアチームがお年寄りチームに成果を披露するなど、それらのグループが交流し始め、ポジティブがうねりとなって、真のコミュニティーが形成されていきます。</span></p>
<p><iframe title="YouTube video player" src="https://www.youtube.com/embed/nMpNsj8-f-w" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">最後に</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">ヒルサイド・コートの事例で、アセット・ベースド・コミュニティ・デベロップメント（ABCD）の概要がイメージできたでしょうか？</span></p>
<p><span style="color: #262626;">ヒルサイド・コートでは、地域の中の人たちが、自身のスキルなど既にあるアセット（資産）を利用して自らのコミュニティを変えて行ったのです。外部の人間はそのサポートをしただけで、それ以上の支援を外部から受け取ったわけでもありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">厳しいようですが、外部依存型のコミュニティ再生モデルは、時に膨大なコストがかかる割には成果が限定的で、また持続可能でもありません。<br />今後ABCDのような地域のポジティブな側面に光を当てる自律型モデルが主体になっていくべきでしょう。今後もそのような事例等を紹介していきます。</span></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="BcBoiiwILG"><a href="https://www.a-output.com/abcd-hulbert-street">アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;アセットベースのコミュニティー作り：ストリートを人々が集う場所へと変える&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/abcd-hulbert-street/embed#?secret=3xRljyCZ3T#?secret=BcBoiiwILG" data-secret="BcBoiiwILG" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="ItSUVMqnTY"><a href="https://www.a-output.com/rlabs">ギャングからイノベーターへ：アセットベースのコミュニティ改革</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;ギャングからイノベーターへ：アセットベースのコミュニティ改革&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/rlabs/embed#?secret=xtsJ7S9AH8#?secret=ItSUVMqnTY" data-secret="ItSUVMqnTY" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="8JpHn5dJab"><a href="https://www.a-output.com/problem-talk-and-solution-talk">問題トークと解決トーク：Problem Talk vs Solution Talk</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;問題トークと解決トーク：Problem Talk vs Solution Talk&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/problem-talk-and-solution-talk/embed#?secret=I5yGMFkM5s#?secret=8JpHn5dJab" data-secret="8JpHn5dJab" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br /><span style="color: #262626;">(1) &#8220;<a style="color: #262626;" href="http://www.uniteforsight.org/community-development/abcd/module2" target="_blank" rel="noopener">Fundamentals of Asset-Based Community Development</a>&#8220;, Unite For Sight</span><br /><span style="color: #262626;">(2) ”<a style="color: #262626;" href="http://www.uniteforsight.org/community-development/abcd/module1#_ftn1" target="_blank" rel="noopener">Detriments of Traditional Charity</a>”, Unite For Sight</span><br /><span style="color: #262626;">(3) “<a style="color: #262626;" href="https://acumen.org/about/patient-capital/" target="_blank" rel="noopener">Acumen&#8217;s Patient Capital Model Is A New Approach To Solving Poverty</a>&#8220;, Acumen</span><br /><span style="color: #262626;">(4) Dambisa Moyo. “<a style="color: #262626;" href="https://www.wsj.com/articles/SB123758895999200083" target="_blank" rel="noopener">Why Foreign Aid Is Hurting Africa</a>” The Wall Street Journal, 2009/3.</span><br /><span style="color: #262626;">(5) Visscher, M. “The World Champ of Poverty Fighters” Ode Magazine, 2006/12.<br />(6) &#8220;<a href="https://www.hvl.no/globalassets/hvl-internett/dokument/20200211_abcd-booklet-f.pdf" target="_blank" rel="noopener">Asset Based Community Development &#8211; how to get started</a>&#8220;, the Western Norway University of Applied Sciences, 2019<br />(7) John Kretzmann, John P. McKnight, &#8220;<a href="https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ncr.4100850405" target="_blank" rel="noopener">Assets-Based Community Development</a>&#8220;, National Civic Review, Volume 85, Issue 4, Winter, 1996.<br />(8) John Kretzmann, John P. McKnight, &#8220;Building Communities From the Inside Out: A Path Toward Finding and Mobilizing a Community&#8217;s Assets&#8221;, ACTA Publications, 1993.<br /></span></p>


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