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	<title>海外契約・パートナリング | あきと アウトプット</title>
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	<description>人と組織と社会の「変わる」をサポートします</description>
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	<title>海外契約・パートナリング | あきと アウトプット</title>
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	<item>
		<title>協働的なプロジェクト契約約款NECの拡大と課題：香港の事例</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 05 Feb 2023 06:52:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[海外建設]]></category>
		<category><![CDATA[コラボラティブ契約]]></category>
		<category><![CDATA[海外契約・パートナリング]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>NECは従来の関係者の対立した関係を変え、協働的な関係を促す建設プロジェクトの契約約款でありフレームワークでもあります。香港では今ではほとんどの大型公共事業に導入されています。一方で、まだ取り組みが進まない部分もあり、そ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">NECは従来の関係者の対立した関係を変え、協働的な関係を促す建設プロジェクトの契約約款でありフレームワークでもあります。香港では今ではほとんどの大型公共事業に導入されています。一方で、まだ取り組みが進まない部分もあり、その香港での取り組みと課題を紹介します。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">NEC(New Engineering Contract)契約約款とは？</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">プロジェクトを遂行する上で、契約は、当事者たちの関係を形成する重要な役割を果たします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a href="https://www.neccontract.com/?srsltid=AfmBOopj5sxaLuXdAFKbKpqgYgOA0yl7q-IqZPUbJpiWPebsw4khYiTc" target="_blank" rel="noopener"><strong>NEC(New Engineering Contract)</strong></a>は、建設プロジェクトを管理するための新しく革新的な契約約款として<a href="https://ice.org.uk/" target="_blank" rel="noopener">ICE（イギリス土木学会）</a>によって1993年に第１版が誕生しました（新しいと言っても、もう30年</span><span style="color: #262626;">前ですが。なお、日本の電機メーカーのNECとは全く関係ありません）。NECはその後改定が重ねられ、現時点では2017年に発行されたNEC4が最新版です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" title="コラボラティブ契約（Collaborative Contracting)：プロジェクトの新しい契約の形" href="https://www.a-output.com/ipd001" target="_blank" rel="noopener">以前も紹介しました</a>が、NECの基本原理は「相互の信頼と協力の精神に基づき行動すること」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">契約当事者間で対立したり不平等な立場を強いられることが多い従来型のプロジェクトの仕組みと当事者の関係を新たなものに変え、対立を最小限に抑えて、リスクの公平な配分を促し、相互の信頼と協力を改善するものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">NECには大きく３つの原則があります。<br />
それは「明確でシンプルであること」、「柔軟で自由度があること」、「よいマネジメントを喚起するものであること」です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>「明確でシンプルである」</strong>ために、当事者がとるべき行動を明確にし、法律用語や難しい言い回しは最小限に抑え、分かりやすい普通の言葉で、誤解を生むような主観的な表現を避けるように書かれています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>「柔軟で自由度がある」</strong>ために、コアとなる約款に加えて、支払い条項やその他の条項に関する様々なオプションがあり、プロジェクトに合わせてそれらを組み合わせて、工事契約のみならずコンサルタント契約やサプライヤー契約など幅広く使用できるようになっています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><strong>「よいマネジメントを喚起するものである」</strong>ために、いかなる手順も合理的な決断から遠ざけるものであってはならず、すべての手順が全当事者に効果的であるように設計されます。先を見越して協働することで問題を予見してリスクを低減し、それぞれの機能と責任の分担を明確にすることで、当事者たちの責任感とモチベーションを高めます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">特徴的な仕組みの１つが、<strong>早期警告（Early warning）</strong>で、発注者側の管理者であるプロジェクトマネージャーと請負業者の双方に、プロジェクトの期間、コスト、品質に悪影響を及ぼす可能性のある事柄やリスクに気づいた場合、相手方に書面で通知することが義務付けられています。<br />
この早期警告メカニズムにより、リスクや不確実性を積極的に共同管理し、問題の回避とリスク低減に集中することができます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また請負者が支払いを受ける出来事（<strong>Compensation events</strong>）が明確になっている点も特徴的で、これによって当事者間に費用の面で争いが発生するのを防ぎます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">海外のプロジェクトにおいて日本企業が締結する契約のベースになることの多いFIDIC契約約款が、全体としては従来型の当事者間の関係性を踏襲しつつも、その義務や責任を明確にし、手順を厳格に規定しているのに対して、NEC約款は、早期警戒やプロジェクトプログラムの更新規定に見られるように、関係者の協業に重きを置き、契約の仕組みを通じて、積極的で協調的な共同リスク管理のアプローチを促します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">NECが早期警告の原則をもつ一方で、FIDICのアプローチでは、請負業者は、問題やリスクが発生した後に工期延伸や追加費用請求をすることになり、工事期間中に問題やリスクが発生しても、両当事者が必ずしも迅速に話し合い合理的な行動を取れるわけでもなく、結果的に難しい立場に置かれ、後々紛争まで発展してしまうこともあります。<br />
プロジェクト実行段階での変更事象のほとんどが、個々の関係者にとって実質的なリスクを伴うため、協調的な姿勢から自己中心的な姿勢へと関係者を誘導してしまうのです。<br />
NECでは、リスク管理と変更管理が早期警告システムによって結びつけられており、プロジェクトパートナーが不測の事態に陥っても安心できるような強力なシグナルを含んでいます。<sup>(1)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">NECのメリットを簡単にまとめると、次のようになります。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">従来型の契約形態に比べ、協業を促し、より一貫して自らの仕事の目的を達成することができる。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">コスト超過や遅延、完成したプロジェクトの問題などの使用者のリスクを軽減する。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">請負業者、下請け業者、サプライヤーのそれぞれが利益を達成する可能性が高い。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">利害関係者の関与によりプロジェクトマネジメントの機能が強化される。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">契約当事者に、相互信頼と協力関係を構築するためのパートナーリングのアプローチを奨励し、紛争を回避または軽減する。</span></li>
<li><span style="color: #262626;">従来型の契約の入札額に含まれる請負者のリスクプレミアム（リスク費用）を低減し、また公平なリスク配分を促進する。</span></li>
</ul>
<p><span style="color: #262626;">なお、NECの契約を利用したプロジェクトの成功には次の要素が必要になります。</span></p>
<ul>
<li><span style="color: #262626;">すべての当事者からの前向きで積極的な姿勢</span></li>
<li><span style="color: #262626;">トップマネジメントのコミットメント</span></li>
<li><span style="color: #262626;">対立ではなく協働する姿勢</span></li>
<li><span style="color: #262626;">プロジェクト実施中も変化していく姿勢</span></li>
<li><span style="color: #262626;">より良い方法の存在を信じる姿勢</span></li>
<li><span style="color: #262626;">文化、態度、行動の変化</span></li>
<li><span style="color: #262626;">問題に対して誰か他人を指さすのではなく、問題を共有する姿勢</span></li>
<li><span style="color: #262626;">共同して働くワン・チームの意識</span></li>
</ul>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">香港のNECの成功<sup>(2)(3)(4)</sup></span></h4>
<p><span style="color: #262626;">さて、このNECの契約約款ですが、イギリスで初めて導入された後、その他の国々にも広がり、香港でも使用されています。<br />
香港政府が導入したのは、NECが、協調的なパートナー関係を促し、プロジェクトチームが一丸となって困難に立ち向かうことで、プロジェクトの円滑な実施に資するパートナリングの精神を取り入れた契約形態であるという観点からです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2006年、香港政府の開発局（DEVB）はNEC3を試行することを決定し、公共事業におけるNECのパイロットプロジェクト第１号として<a style="color: #262626;" href="https://www.neccontract.com/projects/fuk-man-road-hong-kong" target="_blank" rel="noopener">福満路（Fuk Man Road）プロジェクト</a>が選ばれ、2009年に契約が締結されました。このプロジェクトは2012年に完成し、結果としてとても大きな成功をもたらしました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">パートナー精神と協力的な文化を持つプロジェクトチームを育成することができ、プロジェクトに携わるスタッフたちに高い満足度をもたらしました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、早期警告と、ターゲットコスト（目標工事費）オプションに組み込まれているペイン/ゲインシェア（<strong>損失と利益の共有：pain/gain share</strong>）の仕組みにより、問題解決が共同でかつ迅速に図られました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">このプロジェクトはコストと工期の大幅な削減を達成し、39ヶ月の当初計画を６ヶ月前倒しで完了し、目標工事費を５％下回ることができました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以降、香港政府はNECの適用を順次拡大しています。<br />
2017年には、すべての大規模公共工事契約（契約金額４億円ドル以上）に原則NECを採用することを求めるガイドラインを発行しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">2009年から2022年までに、NECを採用した公共工事契約は400件以上、総額2,500億ドルを超え、そのうち80件以上が決算をすでに終えています。ガイドラインの発行以降、全公共工事契約に占めるNEC契約の割合は増加傾向にあり、2017年の22％から2022年には47％に達しています。そして、2022度に着工された大型公共事業の90％以上がNEC方式を採用しています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">NECの工事契約管理の経験、アンケート調査、フォーカスグループインタビュー、ワークショップを通じてセクターや様々な関係者から得たフィードバックを集約すると、一般的にNEC形式は従来の契約形式と比べて、以下の３つの点で優位性があることが判明しました。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;"><strong>１．リスクマネジメントの強化</strong></span></h5>
<p><span style="color: #262626;">NECの早期警告メカニズムにより、発注者側と受注者側（請負業者）の双方が、プロジェクトに影響を与える可能性のあるリスクを早期に発見・提起し、施工上の困難や問題が生じた場合には、契約書に定められた手続きの枠組みやタイムフレームに従って、プロジェクトを円滑に進めるための最善策を話し合い合意することが奨励されています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<a style="color: #262626;" href="https://www.tung-chung.hk/" target="_blank" rel="noopener">Tung Chung New Town Extension &#8211; Major Infrastructure Works in Tung Chung East（東涌新区延伸－東涌東地区主要インフラ工事）</a>」を例にとると、当初、請負業者は中国本土で製造されたコンクリート製の排水管を、陸路で香港に輸送して使用する予定でした。<br />
しかし、COVID-19による国境をまたぐ輸送の制限によって、請負者は、排水管が予定通り納入されないだろうと想定しました。このような状況下で、NECの早期警告システムが効果を発揮し、請負者は速やかに発注者に問題点とその影響を通知しました。すぐに、両者が協調して積極的に話し合い、陸上輸送を海上輸送に変更することで速やかに合意し、工事を遅らせることなく予定通り香港に排水管を搬入することができました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、「<a style="color: #262626;" href="https://www.neccontract.com/projects/sheung-shui-and-fanling-water-supply-hong-kong#:~:text=The%20Hong%20Kong%20government%20is,laying%20over%203km%20of%20pipes." target="_blank" rel="noopener">Improvement of Water Supply to Sheung Shui and Fanling</a>（上水扇嶺水供給改善工事）」では、本敷設工事の一部が既存の地下設備、地質条件、交通問題などの影響を受けましたが、発注者の担当者と請負業者が一体となって、水道管の一部の位置や敷設方法の変更など、最適な解決策を講じました。<br />
その結果、プロジェクトに遅れはなく、予算もコントロールされ、Win-Winの関係を実現することができました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、香港の下水道部門では、広く農村部で下水道工事を実施していますが、NECを採用しリスクマネジメントを強化した結果、従来の契約形式と比較して、実際の工期が平均で約６％短縮されました。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">２．クレーム管理の最適化</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">NECは、工事段階で発生する予期せぬ、あるいは制御不能な困難な状況等において、請負者へ補償を行う仕組みを備えており、従来の契約形態と比較して、契約期間中に補償事象の大半を適切に処理することができます。<br />
これによって、賠償請求に関する紛争を調停、仲裁、あるいは訴訟に委ねる必要性が減り、従来の契約と比較して、NECの契約では平均で30％以上の工期短縮が可能となっています。</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．費用対効果の向上</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">NECの「ターゲットコスト」は、実際の工事費とターゲットコスト（目標工事費）との差額を契約当事者が負担する仕組みです（ペイン/ゲインシェア）。<br />
具体的には、実際の工事費が目標工事費を下回る場合、両契約当事者はその差額分を均等に享受します。逆に、実際の工事費が目標工事費を上回る場合、発注者は、目標工事費の５％を上限として、差額の半分を負担しなければなりません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「ターゲットコスト」は、複雑なプロジェクトやリスクレベルの高いプロジェクト、または契約スコープが明確に定義できないプロジェクトでの採用に適しています。</span><br />
<span style="color: #262626;">また、発注者側と受注者側が協力して最適な工法を策定し、プロジェクトの円滑な実施、予算超過回避、コスト縮減のインセンティブを与えるものでもあります。この仕組みにより、請負業者はより革新的で費用対効果の高い提案を積極的に行い、コストダウンや早期完成を目指すインセンティブが働きます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「<a href="https://www.dsd.gov.hk/EN/HTML/20515.html" target="_blank" rel="noopener">Happy Valley Underground Stormwater Storage Scheme：ハッピーバレー地下雨水貯留計画</a>」を例にとると、プロジェクトチームの総力を結集し、さまざまなコスト削減策を実施し、最終的には約５％の建設費削減を実現しました。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">以上、要約すると、NECの協調的パートナーリングの原則の下、プロジェクトチームが積極的に協力し、工事の問題や困難をタイムリーに解決することで、工事契約における時間やコスト超過のリスクを軽減するとともにプロジェクトの価値を高めることができるのです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">香港のNECの課題</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">このように、多くのメリットがあり、特に政府発注の大型プロジェクトで実績が増えてきているNECですが、中小規模や民間のプロジェクトではまだまだ従来型の契約約款が主流です。<br />
建設プロジェクトでは近年、契約的なパートナーシップの協力関係を促進していくことが重視されていて、NECがそれに寄与すると証明済みで、従来型の契約では解釈の相違や対立を生みやすいにもかかわらずです。<br />
</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なぜ香港でNECの更なる適用が進まないか原因を調査した研究があります</span><span style="color: #262626;"><sup>(5)</sup></span><span style="color: #262626;">。<br />
この調査は契約当事者たちの主観的な意見によるもので、客観的な評価に基づいたものではないことは強調しておかなければなりませんが、最も顕著なチャレンジとして「<strong>人は変わることを望まない</strong>」、「<strong>訓練を受けた実務者不足</strong>」、「<strong>判例と経験不足</strong>」の３点を挙げています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">本サイトでも何度も紹介しているように、人には<strong>現状維持バイアス</strong>があり、「明るいが不確かな未来よりも、不満や問題があっても確かな現状」を好みます。<br />
より良いが不確かな未来に足を進めるためには、新しいスキルと知識の習得が必要です。しかし、スキルと知識が不足していては、前に進むことが難しくなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;"> 建設産業の関係者の多くは、全体の文化として、他産業に比べて、ある程度保守的なマインドセットを持っています。</span><br />
<span style="color: #262626;">その１例が、発注者が「主人」で、受注者は「使用人」であるというマインドセットです。NECなどに見られるパートナーリングのアプローチは、お互いの体と頭に染みついたこの従来の概念と異なるものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">香港ではNECが民間のプロジェクトに利用されることはまだ限定的です。そもそも民間のデベロッパーは、請負者に対して大きな力を持っており、請負者から追加請求を受けることもなく、現状の関係性に満足しており、その交渉力を手放したくありません。<br />
パートナリングがうまくいけば生産性を高めたり、より多くの価値を生み出すことができますが、わざわざ新しい仕組みを取り入れる苦労をしてまてそこを目指さすよりも、発注者がすでに持っている優位性を確保しておきたいと思うのは不自然なことではありません。一方で、請負者もそのような関係の中で利益を確保するために、データを隠しておきたいと思うことも自然な動機付けでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この調査では、NECが進まない更なる理由として、発注者側から「ほとんどの請負者がオープンブックを受け入れない」点がチャレンジとして多く挙げられたと述べています。<strong>オープンブック</strong>とは、請負業者が発注者に対して、コスト情報を開示することです。NECのオプション契約の１つであるターゲットコスト（目標工事費）を可能にするためには、コスト情報の共有が前提となりますが、従来の関係や不信感や不公平感が完全に払しょくされない限り、コストを開示することに請負者の強い抵抗があるのは理解できます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コスト情報の開示のみでなく、NECではプロジェクトを通じてプログラムを更新し続ける必要がありますが、そのためのマンパワーが必要なことも課題です。コスト情報を開示することに抵抗があるだけでなく、開示という作業自体に追加の人材が必要になるのです。新しいスキルが全体として不足しており、この課題克服には、教育、評価、資格等の見直しといった長期的な施策も必要になってくるでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">また、請負者側からは「発注者が調達プロセスに関与するため、普段使っている下請け業者を使えない」ことも多く挙げられました。信頼のおける慣れ親しんだ業者を使うことはプロジェクトの成功と利益の確保に不可欠だからです。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4><span style="color: #262626;">さいごに</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">以上、香港におけるNEC導入の取り組みと現状、課題を紹介しました。</span></p>
<p>発注者、受注者、お互いにとって居心地の良いポジションから離れ、それぞれの優位性を手放すためには文化とマインドセットの変化が必要で、そのためには望まれる変化をもたらすための<strong>仕組づくり</strong>が必要です。</p>
<p>ごく簡単なプロジェクトでは従来型の契約でも問題はないかもしれませんが、昨今、プロジェクトの規模にかかわらず、プロジェクトはより複雑になり、要求も多岐にわたり、また全く想定していなかった事象が発生し、大きな変更や遅れを伴うことも珍しいことではなくなりました。</p>
<p>翻って、長きに渡り安定した社会環境や低金利の中、極めてリスクの少ない環境で仕事をおこなってきた日本企業の日本国内のプロジェクトにおいても、昨今の世界情勢不安の影響、物価高、材料不足、人不足などにより、当初描いていたようにプロジェクトを完工することが難しくなってきています<span style="color: #262626;">。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">欧米ではすでに浸透しているCM（コンストラクションマネジメント）等の取り組みがようやく少しづつ進む日本ですが、一方で現状のようなスピード感では、NECなどの契約的なパートナリングや、本サイトですでに紹介している<a style="color: #262626;" title="コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに" href="https://www.a-output.com/ipd002" target="_blank" rel="noopener">コラボラティブ契約</a>や<a style="color: #262626;" title="プロジェクトアライアンス Project Alliance：フィンランドの事例" href="https://www.a-output.com/project-alliance-in-finland" target="_blank" rel="noopener">プロジェクトアライアンス</a>の導入には何十年もかかってしまうようにも思われ、国外にも目を向け、生産性や変化のスピードを上げていかないと世界の流れから大きく取り残されてしまうのではないかと心配になってしまいます。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献</span><br />
<span style="color: #262626;">(1) Chu Hoi Tung, Shoeb Ahmed Memon, Arshad Ali Javed, <a href="https://www.researchgate.net/publication/346898007_Better_Management_Risk_and_Change_through_NEC_Contracts_in_Hong_Kong" target="_blank" rel="noopener">&#8220;Better Management (Risk and Change) through NEC Contracts in Hong Kong</a>&#8220;, The 8th International Conference on Construction Engineering and Project Management, Dec. 7-8, 2020, Hong Kong SAR, 2020/12.<br />
(2) &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.info.gov.hk/gia/general/202211/23/P2022112300348.htm" target="_blank" rel="noopener">Press Release LCQ19: Public works projects adopting &#8220;New Engineering Contract&#8221; form</a>&#8220;, The Government of the Hong Kong Special Administrative Region, 2022/11.<br />
(3) &#8220;<a href="https://www.neccontract.com/getmedia/18b80caf-e2f1-4f76-80af-82335ab14e39/HK-10-Year-Commemorative-Booklet.pdf?ext=.pdf" target="_blank" rel="noopener">10 Years in Hong Kong</a>&#8220;, NEC Hong Kong, 2019.<br />
(4) &#8220;<a href="https://necstorageprod.blob.core.windows.net/mediacontainer/nec/media/nec/my%20nec%20downloads/newsletters/nec-newsletter-68-f.pdf" target="_blank" rel="noopener">Hong Kong Special Issue</a>&#8220;, NEC User&#8217;s Group Newsletter, NEC Contracts, No.68, 2014/9.<br />
</span><span style="color: #262626;">(5) Chung Him Lau, Wadu Mesthrige Jayantha, Patrick T.I. Lan, Arshad Ali Javed, &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/ECAM-02-2018-0055/full/html" target="_blank" rel="noopener">The challenges of adopting new engineering contract: a Hong Kong study</a>&#8220;, Engineering, construction, and architectural management, Vol.26 (10), p.2389-2409, 2019/7.</span></p>The post <a href="https://www.a-output.com/nec-in-hong-kong">協働的なプロジェクト契約約款NECの拡大と課題：香港の事例</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>DXだけでは足りない建設業界の真の課題</title>
		<link>https://www.a-output.com/problems-of-construction-industry?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=problems-of-construction-industry</link>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 21 Jun 2021 01:46:08 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[海外建設]]></category>
		<category><![CDATA[アジャイル]]></category>
		<category><![CDATA[コラボラティブ契約]]></category>
		<category><![CDATA[コンサルタント]]></category>
		<category><![CDATA[デジタルトランスフォーメーション]]></category>
		<category><![CDATA[リーンコンストラクション]]></category>
		<category><![CDATA[建設イノベーション]]></category>
		<category><![CDATA[海外契約・パートナリング]]></category>
		<category><![CDATA[環境問題]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.a-output.com/?p=5454</guid>

					<description><![CDATA[<p>「DX」が建設業界でも飛び交っています。しかし「いわゆるDX」だけが建設業界が直面する課題ではありません。こびりついた慣習とプロセスを見つめ直さなければ、DXの本当の恩恵を享受する事はできず、骨折り損のくたびれ儲けで終わ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><strong><span style="color: #0f5459;">「DX」が建設業界でも飛び交っています。しかし「いわゆるDX」だけが建設業界が直面する課題ではありません。こびりついた慣習とプロセスを見つめ直さなければ、DXの本当の恩恵を享受する事はできず、骨折り損のくたびれ儲けで終わってしまいます。</span></strong></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4>合理化や環境負荷低減など他産業から取り残される建設業界</h4>
<p><span style="color: #262626;">二酸化炭素（CO2）削減を含めたSDGsへの関心は日本でも広がり、ニュースなどでも日常的なトピックとして取り上げられるようになってきました。<br />
ご存じでしょうか？建築と建設部門は世界の二酸化炭素（CO2）排出量の約4割を占め、社会に大きなインパクトを与えています。</span><span style="color: #262626;">国連の環境プログラム（United Nations Environment Programme）の2020年のレポートによると、下図のように、2019年、建築と建設部門は世界の最終エネルギー使用量の35％、二酸化炭素（CO2）排出量では38％を占めます。なお、右のグラフで10％を占める建設産業は、鉄鋼、セメント、ガラスなどの建築材料および製造によるもので建設産業の一部を示すものです。</span></p>
<p style="text-align: center;">図：建築と建設部門の最終エネルギーと排出の割合<sup>(1)</sup><a href="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction.png"><br />
<img fetchpriority="high" decoding="async" class="size-full wp-image-5458 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction.png" alt="" width="1501" height="808" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction.png 1501w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction-300x161.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction-1024x551.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/CO2-emission-building-and-construction-768x413.png 768w" sizes="(max-width: 1501px) 100vw, 1501px" /></a></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">一方で、以前の記事「<a title="マッキンゼーの建設レポート紹介：コロナ後の建設業ニューノーマル" href="https://www.a-output.com/mckinsey001" target="_blank" rel="noopener">マッキンゼーの建設レポート紹介：コロナ後の建設業ニューノーマル</a>」でも紹介したように、建設業の生産性は20年間で年間僅か1%しか向上していません。これは世界経済の生産性向上率2.8%のわずか3分の1です。作業員の生産性で言うと、20年間で他産業は30%生産性が向上しているのに対して、建設作業員の生産性向上はわずか7%で<sup>(2)</sup> 、あるエリアでは生産性が悪化しているとさえ指摘されており<sup>(3)</sup>　、建設業の生産性向上は多産業に大きく引き離されています。他産業では次々に新しいテクノロジーが登場し導入されてきましたが、建設業では現状維持志向が強く、イノベーションが採用される速度がとても遅いのです。<br />
この生産性の低迷は、ムダなコストやエネルギー消費、二酸化炭素（CO2）排出量が改善されていない事と背中合わせでもあります。<br />
</span><span style="color: #262626;">建設業界の古く、時に非合理的な慣習やビジネスモデル、プロセスは、もはや建設企業の業績や存続の問題のみでなく、環境や社会に大きな負のインパクトをもたらす要因でもあるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかしこの問題を逆から見れば、建設業界は自らを変化させていく事で、これからの環境負荷低減に大きく貢献できるポテンシャルを持っているとも言えます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>DXだけでは足りない建設業界の取り組み</h4>
<p><span style="color: #262626;">昨今、全産業を通じてDX（デジタルトランスフォーメーション）という言葉が、そして建設業界でも「建設DX」という言葉が飛び交っています。「建設DX」は建設の合理化に大きく貢献し得る取り組みです。<br />
しかしその一方で、建設のデジタル化は建設産業が対処すべき課題の全てではありません。デジタル技術導入の遅れは、建設産業が抱える問題の一つに過ぎず、その他多くの課題への手当を同時に行わなければ、建設DXは労多くして功少なし、その効力を得る事ができないどころか、現場に余計な手順と手間を生むだけの無駄なプロセスの追加に終わる、危険な可能性もあります。DXは単なるテクノロジーの導入や既存作業の置き換えのみでなく、プロセスの変革であり、企業文化の改革でもあるからです。<sup>(4)</sup></span></p>
<p><span style="color: #262626;">下表は、今後建設産業が取り組むべき主要な課題をまとめたものです。このうち技術面での取り組みの詳細は国土交通省の「<a href="https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000073.html" target="_blank" rel="noopener">インフラ分野のDX推進</a>」などを筆頭に、開発者や専門家の方々の多くの情報があり、私にそのノウハウがあるわけでもないので（笑）、ここで説明する事は特にせず、</span>その他の課題である「協業と仕組み」「文化」面での課題を取り上げます。今回はそのうち、「協業と仕組み」について見ていきましょう。</p>
<p>実は「協業と仕組み」と「文化」は表裏一体です。文化の改革がなければ、プロセス（仕組み）の変化や協業での成果を上げる事はできず、また、プロセスの変化や協業の取り組みによって新しい文化の醸成が進むという関係にあるからです。</p>
<p style="text-align: center;">図：建設産業が取り組むべき課題<a href="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/34372da5176908cf6030b05acfe41476-1.png"><img decoding="async" class="wp-image-5544 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/34372da5176908cf6030b05acfe41476-1.png" alt="" width="698" height="255" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/34372da5176908cf6030b05acfe41476-1.png 852w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/34372da5176908cf6030b05acfe41476-1-300x110.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/34372da5176908cf6030b05acfe41476-1-768x280.png 768w" sizes="(max-width: 698px) 100vw, 698px" /></a></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h4>「協業と仕組み」で実現すべき課題</h4>
<h5><span style="color: #262626;">１．計画・設計段階の協業</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">プロジェクトマネジメントでよく引用される下図のコスト影響曲線（cost influence curve）にあるように、プロジェクトライフサイクルにおいて、プロジェクト初期、計画段階での変更は、少ないコストでプロジェクト全体に大きなインパクトを与える事ができます。しかし、プロジェクトが進行するにつれて、プロジェクトを変更するには大きなコストが必要となり、影響を与えられる範囲もどんどん狭くなっていきます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">図：コスト影響曲線（cost influence curve）<a href="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve.png"><img decoding="async" class="wp-image-5471 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve.png" alt="" width="448" height="298" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve.png 1082w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve-300x200.png 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve-1024x681.png 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2021/06/cost-influence-curve-768x511.png 768w" sizes="(max-width: 448px) 100vw, 448px" /></a></span></p>
<p><span style="color: #262626;">建設プロジェクトの現状は、プロジェクト初期段階では設計コンサルタントが主体となって計画と設計を進め、プロジェクトの後半で活躍するプレイヤーである、建設会社、専門業者、サプライヤー等のインプットは限られています。</span><br />
<span style="color: #262626;">建設会社や専門業者が持っている多くの経験や知識を利用して、計画初期段階で貢献できる能力があっても、建設会社が関与し始める段階では計画が固まってしまっていて時すでに遅し、プロジェクトに関与する多くのステークホルダーが持つ能力が十分に活かされないプロセスになっているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">建築物のコストは、建設時のコストがライフサイクルの10～50%で、その後の運用時のコストやメンテナンスコストが40～80%を占めます。</span><span style="color: #262626;">計画初期の判断が、建設コストのみならず、その後数十年にも渡る建物の運用のコストや環境に大きな影響力を持つ事も考えると、これは大きな社会的ロスです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この課題に対応するには、できるだけ多くのステークホルダーをプロジェクト早期から関与させる仕組みを作ることです。建設会社を従来より早い段階で関与させる仕組みを英語で「<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Early_contractor_involvement" target="_blank" rel="noopener">Early Contractor Involvement</a>（ECI）」と言います。発注者（プロジェクトのオーナー）、設計コンサルタント、建設会社間のコラボレーションを通じて、設計と建設プロセスの統合を促進するため、建設会社が設計段階の早い段階で関与します。 ECIには様々なモデルがあり、建設会社が関与する段階や範囲によっても異なりますが、代表的な例としては、通常は入札前に行なわれる設計業務を、受注した建設会社が行うデザインビルド（設計施工）があります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h5>２．パートナリング・リスク共有型の契約</h5>
<p><span style="color: #262626;">従来型の建設工事契約の典型である総価請負契約（英語では、Lump Sum / Fixed Price 等と言われます）は、プロジェクトの最初にその対象となる範囲と金額を決める契約方式です。最初に金額が決まるので、プロジェクトを進める中で追加コストが発生するような予期せぬ問題が生じると、発注者は出来るだけ問題を建設会社に押し付けようとします。一方で仕事を請け負った建設会社側も追加コストの発生は避けたいので、追加コストを発注者に転嫁しようとし、それぞれ相反する思惑で動きます。<br />
この契約モデルの構造上の問題から、どちらかが何かを勝ち取ると、他方は負けて失うという「Win-Lose」の構図に陥り、契約当事者同士がリスクを押し付け合う対立的な関係になってしまうのです。<br />
下請企業やサプライヤーも同様に、それぞれが独自に同様の契約を結び、プロジェクトの全体最適化の意図は反映されません。元請企業にはスケジュール内にプロジェクトを終わらせる利益があるかもしれませんが、下請企業にとってはプロジェクトが遅れた方が利益が出るという事も往々にして生じます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">この構造は、コラボレーションの精神を育むものではありません。このプロジェクト全体と各当事者の相反する利害のすり合わせを図るのがパートナリングという仕組みであり、それを更に発展させたものがコラボラティブ契約です（米国ではIPD: Integrated Project Deliveryと言われます）。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約の特徴は、「３者以上の契約（オーナー、建設会社、設計会社）」、「契約参加者で目標コストを設定し、予備費や利益も共有する」、「会計を関係者間でオープンにする」、「全員一致の決定」、「ミスは当事者に責任を負わせず全当事者でカバーする」など、従来型の契約の下で仕事をしてきた人にはとっては信じられないほど画期的な契約方式です。この方式で、プロジェクトやチームへの貢献が参加者それぞれのメリットにもなる仕組み、「Win-Win」の関係を作り出しているのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">下記は、コラボラティブ契約（IPD）の３つの大きな特徴です。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;">会社の枠を超え、できるだけ早期に統合されたチームを作る</span></li>
<li><span style="color: #262626;">プロジェクト当事者間でリスクや損益を共有する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">効果的なツール・手法を当事者間で共有して運用する</span></li>
</ol>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">図：コラボラティブ契約（IPD）の３つの大きな特徴</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;"><a style="color: #262626;" href="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-970 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD.jpg" alt="コラボラティブ契約" width="454" height="235" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD.jpg 1263w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-300x155.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-1024x530.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-768x398.jpg 768w" sizes="(max-width: 454px) 100vw, 454px" /></a></span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約（IPD）に関しては、過去の記事「<a style="color: #262626;" title="コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに" href="https://www.a-output.com/ipd002" target="_blank" rel="noopener">コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに</a>」で紹介していますので、ご覧下さい。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">３．リーンコンストラクション</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">ここまで契約関係の問題を紹介しましたが、契約だけでなく建設工事そのものの進め方にも長年大きな変化はありません。それがベストだからというよりは、誰も疑問を呈さず、声も上げず、より良い手法の探求もされなかったので変化がなかったという方が正確でしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">そのような従来型の建設プロジェクトの進め方に一石を投じているのがリーンコンストラクションです。リーンコンストラクションは、トヨタ生産方式を代表とする製造業で証明されたリーン生産方式の製品開発と生産管理手法を建設産業に取り入れ展開させたものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">建設プロジェクトの従来の進め方は、プロジェクトのステークホルダーが縦に繋がっており、発注者（オーナー）、設計会社、元請会社、下請会社、サプライヤーの契約の流れに沿った指示・管理型の進め方であるのに対して、リーンコンストラクションは下請け、ワーカーも巻き込んだ参加型で、それぞれの参加者の自律性とパートナーシップに基づくプロジェクトの進め方を取り、合理化と価値を創出していくものです。</span><br />
<span style="color: #262626;">リーンコンストラクションのモデルには、ラストプランナー（Last Planner® System）やタクトタイムプランニングなどがありますが、これらは参加型のプロジェクトの運営を促進させるための仕組みでもあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">リーンコンストラクションに関しては、過去の記事「<a style="color: #262626;" title="リーンコンストラクション：トヨタに学ぶ" href="https://www.a-output.com/leanconstruction" target="_blank" rel="noopener">リーンコンストラクション：トヨタに学ぶ</a>」をご覧下さい。また、リーンコンストラクションについては今後も紹介していく予定です。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h5><span style="color: #262626;">４．脱サイロ・ベストプラクティスの共有</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">先ほど、建設工事そのものの進め方に長年大きな変化はないと述べました。<br />
その長く継続されてきた業務遂行のスタイルから、企業全体としても建設業界には縦型・階層主義型組織の企業が多く、各部門・部署間のサイロ化の傾向も強いです。<br />
国内市場の頭打ち、成長への圧力から、事業範囲や地域の拡大を図る企業もありますが、これらの新しい事業や地域でも、既存事業と有機的につなげるというよりは、更なるサイロ化で進める傾向があります。その結果、リソースやノウハウは共有されず、その効果的な利用は妨げられます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400; color: #262626;">基本的に、建設産業は大量生産ではなく一品生産型の産業です。しかし、それぞれの建設プロジェクトに特有の特徴はあるものの、建設のプロセス自体は、本質的にはプロジェクト毎に繰り返されます。したがって、あるプロジェクトから学んだ教訓は、多くの場合、後続のプロジェクトに活かす事ができます。そのためにはノウハウの継承が必要ですが、支店や部署レベルだけでなく、プロジェクトレベルでさえサイロ化してしまい、プロジェクトからプロジェクトへのベストプラクティスの伝達は限定的で、経験や知識を後続のプロジェクトの効率性や価値の向上に繋げられません。<br />
<span style="color: #262626;">プロジェクトの成果は個々のプロジェクトマネージャーのスキルに大きく依存し、その経験は、時と担当者と共に失われていきます。正式なプロセスは限られ、一貫したモニタリングやパフォーマンス評価のシステムもなく、非公式で属人的なプロセスが採用され、プロジェクトが独立した部署であるかのように実行されます。</span></span></p>
<p><span style="color: #262626;">大量生産型の製造業とは異なり、建設業は一品生産型ですが、それが、経験から学ぶことができない言い訳にはなりません。他の同様に変動性が高い産業では、デジタルイノベーション等を使用して生産性を向上させてきています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">建設産業では、標準的なソリューションのメリットが明確な場合でも、それらを拒否する傾向があります。標準化が進んでいないため、例えば、２人の設計者が全く同じ２つの異なるプロジェクトで、全然違うシステムを採用することは珍しくありません。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">５．バリューチェーンの見直しと再構築</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">サプライチェーンとよく混同されるバリューチェーンですが、まず言葉の定義をはっきり区別しておきましょう。<sup>(5)(6)</sup><br />
バリューチェーンは、エンドユーザーへの製品やサービス提供に対する価値を創造するプロセスです。バリューチェーン内で生み出される価値は、最終ユーザーが製品やサービスから得る利益であり、金額に反映されます。<br />
</span><span style="color: #262626;">一方で、サプライチェーンは、製品またはサービスを顧客に提供するまでに必要な生産およびプロセスの流れを表します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、サプライチェーンは生産者やサプライヤーのプロセスを統合し、または無駄を減らし改善するなど、企業目線で効率を向上させることに重点を置きます。対照的に、バリューチェーンは、顧客目線で、顧客が受け取る価値の創出に焦点を置いています。「バリュー」とは、生産者が考える製品や技術としての価値ではなく、顧客にとっての価値です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">建設は非常に細分化された産業で、一つのプロジェクトを実施するだけでも、大小様々な多くのプレーヤーが関与します。例えば、建設会社にとってのサプライチェーンの合理化は、必ずしもその他のプレイヤーにとっての合理化にはつながらず、顧客価値の創出につながるわけでもありません。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">バリューチェーンの考え方を通して、種々のプレイヤーがどのような顧客価値を創出しているかを把握するだけでなく、自社の組織内の種々のプロセスがはたして顧客価値をもたらしているのか判断する事ができます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<h5><span style="color: #262626;">６．アジャイル・オープンイノベーション</span></h5>
<p><span style="color: #262626;">先ほど紹介した顧客に対する価値を高め、又は新たに創造するためには、もはやこれまでのやり方や一企業の取り組みだけでは難しくなってきています。既存のバリューチェーン内での新しい取り組みや、新しいパートナーとの取り組みによる新しい価値の創出＝共創が必要になってきています。共創とは「企業が、様々なステークホルダーと協働して共に新たな価値を創造する」事です。オープンイノベーションも基本的には共創と同じ意味です。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">共創・オープンイノベーションを共に行うパートナーは、既存のバリューチェーン、サプライチェーン内のパートナーのみでなく、顧客、競合会社、異業種の会社、社会的団体、教育機関、地方自治体、起業家、投資家、社会活動家など様々考えられます。究極的にはインターネットを通じて世界中の人たちと共創できる可能性があります。今まで全く接点がなかったような人たちとの交流こそ、想像もしなかったようなアイデアを生み出すきっかけとなります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">他産業では、共創・オープンイノベーションの取り組みはどんどん進んできています。建設産業は、オーナーと設計者、元請け、下請け、サプライヤーの縦の関係、相反する利害関係、産業構造そのものが共創を受け入れにくくしています。その中で新しいアイデアを創出するためには、手始めとして、従来の建設業界にはないアジャイル開発手法と、それを可能にするアジャイル型のプロセスとチームを設立し波及を図る必要がある背景を、よく理解する事です。<sup>(4)</sup></span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<h4><span style="color: #262626;">最後に</span></h4>
<p><span style="color: #262626;">今回は、「DXだけでは足りない建設業界の真の課題」と題して、建設産業が取り組むべき課題のうち「協業と仕組み」の面での課題と取り組み方を紹介しました。次回は「文化」面での課題と取り組み方を紹介していきます。</span></p>
<div class="oceanwp-oembed-wrap clr">
<blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="Osz0loT6cQ"><p><a href="https://www.a-output.com/problems-of-construction-industry-2">DXだけでは足りない建設業界の真の課題：その２</a></p></blockquote>
<p><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;DXだけでは足りない建設業界の真の課題：その２&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/problems-of-construction-industry-2/embed#?secret=Osz0loT6cQ" data-secret="Osz0loT6cQ" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">参考文献<br />
</span><span style="color: #262626;">(1) &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://wedocs.unep.org/handle/20.500.11822/34572" target="_blank" rel="noopener">EXECUTIVE SUMMARY OF THE 2020 GLOBAL STATUS REPORT FOR BUILDINGS AND CONSTRUCTION, Towards a zero-emissions, efficient and resilient buildings and construction sector</a>&#8220;, United Nations Environment Programme, 2020</span><br />
<span style="color: #262626;">(2) Jose Luis Blanco, Mauricio Janauskas, Maria Joao Ribeirinho, &#8220;<a href="https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/beating-the-low-productivity-trap-how-to-transform-construction-operations" target="_blank" rel="noopener">Beating the low productivity trap: How to transform construction operations</a>&#8220;, McKinsey &amp; Company, 2016/7</span><br />
<span style="color: #262626;">(3) Rajat Agarwal, Shankar Chandrasekaran, Mukund Sridhar, &#8220;<a href="https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/imagining-constructions-digital-future" target="_blank" rel="noopener">Imagining construction’s digital future</a>&#8220;, McKinsey &amp; Company, 2016/6</span><br />
<span style="color: #262626;">(4) &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.a-output.com/dx002" target="_blank" rel="noopener">建設DXは、技術課題でなく経営課題</a>&#8220;, あきとアウトプット, 2020/12<br />
(5) &#8220;<a href="https://ec.europa.eu/docsroom/documents/20210/attachments/6/translations/en/renditions/native" target="_blank" rel="noopener">The European construction value chain: performance, challenges and role in the GVC Final Report</a>&#8220;, Ecorys in cooperation with WIIW and WIFO, 2016/8<br />
(6) &#8220;<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Value_chain" target="_blank" rel="noopener">Value chain</a>&#8220;, Wikipedia<br />
</span><span style="color: #262626;">(7) &#8220;<a style="color: #262626;" href="https://www.weforum.org/reports/shaping-the-future-of-construction-a-breakthrough-in-mindset-and-technology" target="_blank" rel="noopener">Shaping the Future of Construction A Breakthrough in Mindset and Technology</a>&#8220;, World Economic Forum, 201</span>6/05</p>The post <a href="https://www.a-output.com/problems-of-construction-industry">DXだけでは足りない建設業界の真の課題</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに</title>
		<link>https://www.a-output.com/ipd002?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=ipd002</link>
					<comments>https://www.a-output.com/ipd002#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 22 Sep 2020 05:45:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[海外建設]]></category>
		<category><![CDATA[コラボラティブ契約]]></category>
		<category><![CDATA[リーンコンストラクション]]></category>
		<category><![CDATA[海外契約・パートナリング]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.a-output.com/?p=965</guid>

					<description><![CDATA[<p>コラボラティブ契約は、「会計を関係者でオープンにする」「関係者の満場一致で決定する」「ミスした関係者に責任を負わせない」等、今までの契約の概念からは考えられない仕組みで、建設プロジェクトの「Win-Win」を可能にします [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0f5459" class="has-inline-color"><strong>コラボラティブ契約は、「会計を関係者でオープンにする」「関係者の満場一致で決定する」「ミスした関係者に責任を負わせない」等、今までの契約の概念からは考えられない仕組みで、建設プロジェクトの「Win-Win」を可能にします。</strong></mark></p>


<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;"><span style="text-decoration: underline;"><a title="コラボラティブ契約（Collaborative Contracting)：プロジェクトの新しい契約の形" href="https://www.a-output.com/ipd001" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前回</a></span>、建設工事において従来型の契約形態では契約当事者同士が対立する関係になる場合が多く、この問題を解決するため、パートナリングやコラボラティブ契約という仕組みがあるという事を紹介しました。</span><br /><span style="color: #262626;">今回はコラボラティブ契約について、特にアメリカで「Integrated Project Delivery（以下、IPDと略します）」と呼ばれるコラボラティブ契約の例を中心に、その概要を紹介します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">前回紹介した通り、コラボラティブ契約やIPDの基本原則は「相互の尊重と信頼：Mutual Respect and Trust」です。</span><br /><span style="color: #262626;">日本の建設業法でも同様に「信義に従って誠実にこれを履行するものとする」と謳われています。しかし日本では、この「信義に従って誠実に」が曖昧で、何をもって「信義に従って誠実」なのかが書かれておらず、実際は発注者側に有利に解釈され運用されます。</span><br /><span style="color: #262626;">海外工事で使われる事が多いFIDIC（「フィディック」と言います）等の国際契約約款は概して曖昧な表現は少なく、日本の契約約款より明確かつ詳細に書かれています。</span><br /><span style="color: #262626;">そのためFIDIC約款等の国際工事契約に基づいて仕事をしたことがある日本人にとっては、欧米での新しい契約の基本理念が日本の旧態依然とした建設法と同様の「相互の尊重と信頼」という事はたいへんな驚きなのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">しかしコラボラティブ契約が日本の契約約款と違うのは、ただ単に「誠実に対応する」だけでなく、「どう誠実に対処する」のかその具体的な仕組み化がなされている点です。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">以下、コラボラティブ契約（IPD）の３つの大きな特徴（柱）です。</span></p>
<ol>
<li><span style="color: #262626;">会社の枠を超え、できるだけ早期に統合されたチームを作る</span></li>
<li><span style="color: #262626;">プロジェクト当事者間でリスクや損益を共有する</span></li>
<li><span style="color: #262626;">効果的なツール・手法を当事者間で共有して運用する</span></li>
</ol>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-970 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD.jpg" alt="コラボラティブ契約" width="560" height="289" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD.jpg 1263w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-300x155.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-1024x530.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD-768x398.jpg 768w" sizes="(max-width: 560px) 100vw, 560px" /></p>
<p> </p>
<p><span style="color: #262626;">組織・商務・ツールの３点で関係者を一体化させます。以下がその具体策になります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">複数の契約参加者</span></span><br /><span style="color: #262626;">従来の契約は２者契約でした。例えば、「オーナー（発注者）と建設会社」の契約、「オーナー（発注者）と設計会社」の契約といった具合です。</span><br /><span style="color: #262626;">一方で、IPDは最低でも、オーナー、建設会社、設計会社の３者間の契約になります。</span><span style="color: #262626;">契約によっては、加えて主要な下請の設計会社や下請けの建設会社も契約当事者に入る事があります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">契約参加者で予備費・利益を共有（プール）</span></span><br /><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約（IPD）の参加者全員がチーム全体の利益に向かって貢献します。プールされた利益から各参加者にチームで決めた割合で利益分配されます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">  &#8211; 実際のコストが予算を上回れば、プールされた利益は減っていき、参加者全員の利益は減ります。</span><br /><span style="color: #262626;">  &#8211; 実際のコストが予算を下回れば、プールされた利益は増えていき、参加者全員の利益は増えます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えばある参加者のコストだけが予算を下回っても、参加者全体の総額でコストが予算を上回ればプールされた利益は減っていき、参加者全員の利益は減ります。</span><span style="color: #262626;">この仕組みによって、参加者全員がチーム全体の利益を追求するインセンティブを共有します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">会計を関係者間でオープン<br /></span></span><span style="color: #262626;">請負金は、コスト（原価）＋経費＋一定の利益率で構成され、更にプロジェクトの成果やKPI等にリンクされたインセンティブが含まれる場合もあります。</span><span style="color: #262626;">毎月の発注者からの支払いには、実際の発生コストに事前に決めた利益率分を上乗せされます。<br /></span><span style="color: #262626;">コストを原価で支払うため、また利益配分を正しく設定し実施するため、コスト情報をチーム内で透明にする必要があります。そのため、それぞれの会計情報を関係者間でオープンにします。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">全員一致の決定</span><br />決定すべき重要事項は、すべての関係者からの代表者で構成される共同意思決定機関によってプロジェクトにとって何が最適化という視点で、全員一致で決定します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">ミスは全当事者でカバー</span><br />故意でない過ちに対しては当事者が責任を負わず、全関係者で責任を共有します。プロジェクト関係者が故意でない過ちに対して他の関係者を提訴する権利を放棄します。</span><span style="color: #262626;">遅延やその他の修正・手戻りの影響を共有します。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">統合されたチーム</span><br />計画、設計の可能な限り早い段階から、当事者が１つのチームとして作業を開始し、１つの部屋（Big Room）で共に作業を行います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">● <span style="text-decoration: underline;">共通のツール</span><br />早期にチームを結成し、１つの同じ場所で、１つのチームとして、チームで共有されたゴールを目指して共同作業を行うため、関係者全員でBIM（Building Information Modeling）等のテクノロジーを共有したり最大限活用できます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「全ての関係者の満場一致」「過ちの当事者に責任を負わせない」「会計をオープンにする」「KPIを共有」などは従来の契約形態で長く仕事をして</span><span style="color: #262626;">きた人間では全く想像できない新しい考えですね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約は柔軟です。コラボレーションのレベルは、実際のプロジェクトまたは各当事者間の関係に合わせて調整できます。</span><span style="color: #262626;">よって、上記の項目もプロジェクトの協業・統合・経験・難易度等のレベルによって、契約に入れるものと入れないものの取捨選択ができます。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">良く考えてみれば、このような「チームへの貢献が自社のメリットにもなる」仕組みをきちんと作れれば、プロジェクト全体としてうまく回るだろうという事は容易に想像できます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">例えば、会社も子会社・関連会社・ホールディングカンパニー等ありますが、概してホールディングカンパニーは傘下のグループ全体の利益を最適化しようとするはずです。</span><span style="color: #262626;">親会社・子会社の関係でも、子会社の業績を全く省みず、親会社単独での利益のみを最大限追求する会社はないですよね。親子連結の業績を重視するはずです。</span><br /><span style="color: #262626;">それと同様に、プロジェクトでも参加者を１つのグループとしてまとめ、参加者全員がグループ全体としての利益を最適化する意図を持つならば、時に対立する立場に立つ異なる利害を持つ複数の組織の利益の積み上げより、グループ全体で積み上げた利益の方が大きくなる事は容易に想像出来るかと思います。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約は、ある意味では、特別目的事業体（SPV：Special Purpose Vehicle）やジョイントベンチャー（Joint Venture）に似たような共同体をつくる仕組みとも言えます。</span><br /><span style="color: #262626;">建設工事においてプロジェクト関係者全体でバーチャルな共同体を作る。</span><span style="color: #262626;">その実現のためには、親子会社間やジョイントベンチャーのように「会計をオープンにする」のが必要であろうことも十分に理解できます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">従来型の契約形態では、契約の仕組み上、</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">「プロジェクトの目標・成功」≠「各当事者の目標・成功」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">となってしまっていたものを、契約の枠組みを整えて、</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">「プロジェクトの目標・成功」＝「各当事者の目標・成功」</span></p>
<p><span style="color: #262626;">の仕組みを作っているわけです。</span></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-977 aligncenter" src="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD2-1.jpg" alt="コラボラティブ契約" width="645" height="257" srcset="https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD2-1.jpg 1401w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD2-1-300x119.jpg 300w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD2-1-1024x408.jpg 1024w, https://www.a-output.com/wp-content/uploads/2020/09/IPD2-1-768x306.jpg 768w" sizes="(max-width: 645px) 100vw, 645px" /></p>
<p><span style="color: #262626;"><br />このIPDを成功させるには、担当となるスコープを実行・管理するような従来型のプロジェクトで必要とされる能力に加えて、全ての当事者に、チームプレイ、ファシリテーション、コーチングの能力や、好奇心、チームへの積極性な献身、熱意が必要となります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">IPDでは、参加する会社を選ぶのに一般的に金額ベースの入札は行われませ</span><span style="color: #262626;">ん。上記の能力とそれを実現する柔軟さ、アジャイル、リーンな文化を持つまたは受け入れられる会社やメンバーが選ばれます。当然このような契約形態を選択しようとするオーナー側にも同様な企業文化があるわけです。１つのプロジェクトが成功すれば、次のプロジェクトでも一緒に行う可能性が高く、継続的な</span><span style="color: #262626;">ビジネス・パートナーシップにも繋がります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">興味深いのは、コラボラティブ契約（IPD）を取り入れたオーナーは、コストやスケジュールで達成されたメリットよりも、利害の対立や衝突が少なかったこと、そして、プロジェクトを前向きな雰囲気、ポジティブなチームメンバーと一緒に進められたことをメリットとして挙げています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約（IPD）については、また詳細や実例を紹介していきます。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>

<p><div class="oceanwp-oembed-wrap clr"><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="l28dMbSfSx"><a href="https://www.a-output.com/project-alliance-in-finland">プロジェクトアライアンス Project Alliance：フィンランドの事例</a></blockquote><iframe class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;プロジェクトアライアンス Project Alliance：フィンランドの事例&#8221; &#8212; あきと アウトプット" src="https://www.a-output.com/project-alliance-in-finland/embed#?secret=UEMhPjGOQp#?secret=l28dMbSfSx" data-secret="l28dMbSfSx" width="600" height="338" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></div></p>The post <a href="https://www.a-output.com/ipd002">コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに</a> first appeared on <a href="https://www.a-output.com">あきと アウトプット</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>コラボラティブ契約（Collaborative Contracting)：プロジェクトの新しい契約の形</title>
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		<dc:creator><![CDATA[akito]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 15 Sep 2020 11:13:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[海外建設]]></category>
		<category><![CDATA[コラボラティブ契約]]></category>
		<category><![CDATA[海外契約・パートナリング]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>コラボラティブ契約は欧米では20～30年も前から提案されていますが、日本ではあまり認知されていません。基本的な考えは、プロジェクト関係者全てに成功するインセンティブを与え、お互いに助け合う事がお互いのメリットになる仕組み [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0f5459" class="has-inline-color"><strong>コラボラティブ契約は欧米では20～30年も前から提案されていますが、日本ではあまり認知されていません。基本的な考えは、プロジェクト関係者全てに成功するインセンティブを与え、お互いに助け合う事がお互いのメリットになる仕組みを作ることです。</strong></mark></p>



<p class="has-text-align-center wp-block-paragraph">～ ～ ～ ～ ～</p>


<p><span style="color: #262626;"><span style="text-decoration: underline;"><a title="昭和型経営からアジャイル型経営へ：経営層の意識改革" href="https://www.a-output.com/mgmt002" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前々回</a></span>、<span style="text-decoration: underline;"><a title="昭和型経営をアジャイル型経営へ変える手段：チェンジマネジメント" href="https://www.a-output.com/mgmt003" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前回</a></span>の投稿で「予測型プロジェクトライフサイクル・ウォーターフォール型開発モデルとアジャイル型プロジェクトライフサイクル・アジャイル型開発モデル」や、「昭和型経営からアジャイル型経営への移行の必要性」を紹介しました。<br />今回紹介する「コラボラティブ契約」の基本的な概念も、従来の縦型・分断型・対立型の契約関係から、組織の垣根を超えフラットで一体型のチームを志向するという意味では、方向性・ベクトルとしては共通、同じ方向を向いていると言えます。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">「コラボラティブ契約（Collaborative Contracting)」の枠組みの契約の形が提案されたのは1990年代イギリスで、もう20～30年も前ですから表題のような「新しい」にはかなり語弊があるかもしれません。しかし、日本では一部の事業者や専門家を除いて、あまり認知されていないと思います。</span><br /><span style="color: #262626;">実はこのような長い歴史がある欧米でさえ、今でも「比較的新しい」契約形態として紹介される事が多いですから、まだ「新しい」と言い切ってしまっても良いでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約の基本的な概念は同じですが、欧米豪で名称や呼ばれ方が違い、基本的な理念は共通するものの仕組みが若干異なります。</span><br /><span style="color: #262626;">● イギリス：「NEC(New Engineering Contract)」という契約約款が1993年に正式に発行。</span><span style="color: #262626;">2017年に発行されたNEC4が最新。他国でも実績あり</span><br /><span style="color: #262626;">● オーストラリア：アライアンス契約（Alliance contracting）</span><br /><span style="color: #262626;">● アメリカ：IPD（Integrated Project Delivery：インテグレーテッド・プロジェクト・</span><span style="color: #262626;">デリバリー）</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「コラボラティブ契約」は、これらの契約の総称として使われることが多いです。更には後述する「パートナリング」のように、従来型の契約形態をベースにしたより緩やかな協力的な仕組みまで含んで呼ぶこともあります。まれですが「Relational Contracting」という表現もコラボラティブ契約同様の総称として使われることがあります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">従来の契約方式、例えば「総価請負契約」（英語では、Lump Sum / Fixed Price / Stipulated Sum と言われ、プロジェクトの範囲全部を最初に決めた金額で行うという契約です）は、プロジェクトを進める中で問題が生じて契約当事者が対立する関係になることが多く、結果的にどちらかが何かを勝ち取ると、他方は失うまたは負けるというような「Win-Lose」の商業的インセンティブが根底にあります。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「総価請負/ランプサム契約」のような従来の契約形態では、その仕組み上、請負会社はプロジェクトの価値を求められる以上に高めるような努力はせず、契約で求められることのみを責任を持って実施しようとするインセンティブが発生します。</span><br /><span style="color: #262626;">最初にプロジェクトの総額を決めますから、途中で問題や追加コストが発生した場合、プロジェクトオーナーは出来るだけその負担を請負会社に押し付けようとします。一方、請負会社としても追加の支払いがないと分かっているのに、余分なコストをかけることは避けたいですから、プロジェクトオーナーの意図とは反対の思惑で動きます。そのため、問題が起きた時に、協力して解決しようというよりは互いが互いに責任を押し付け合う構図になってしまいます。</span><br /><span style="color: #262626;">このような契約では、請負会社は自ら追加のコストをつぎ込んでまでより良い物を作ろうとか、決定した契約金を減らされるリスクを背負ってまで、自ら提案してオーナーのコストを下げる努力はしません。設計にミスがあっても、請負会社が自ら追加のコストを使って、設計者のミスに対処しようとも思わないでしょう。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">つまり、従来型の契約形態では、プロジェクト全体と各当事者の利害は一致しません。プロジェクト全体でみれば成功なのに、ある業者だけ大赤字ということもありえます。逆にプロジェクト全体でみれば大失敗なのに、ある業者だけ大きな利益を上げるということもありえます。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">契約上の対立の問題を軽減・解決するための仕組みとして「パートナリング」があります。懸念事項、想定される課題などが大きな問題に発展する前に、プロジェクト関係者で協議して解決を試みる制度です。<br />パートナリングはアメリカとイギリスで仕組みが若干異なるのですが、アメリカでは裁判外紛争解決手続（Alternative Dispute Resolution：ADR）に関連付けられて用いられ、紛争の早期予防・初期対応という意味合いで導入される事も多く、パートナリングがない場合に比較して紛争解決費用が抑えられる効果はあります。<br />しかし、契約自体は基本的に従来の形式であり、パートナリングは契約上の対立の問題を軽減するが対立をなくすものではなく、その効果には限界があります。</span></p>
<p style="text-align: center;">～ ～ ～ ～ ～</p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約の背後にある基本的な考え方は、プロジェクト関係者全てに成功するインセンティブを与えることです。</span><br /><span style="color: #262626;">例えば、設計者、元請、下請、トータルで費用を最適化しようとすることは、従来の契約形態ではありえませんが、コラボラティブ契約では実現できるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">パートナリングの仕組みでもそこまでは達成できません。当事者間の紛争が深刻になりプロジェクトにおける自社の収益が大きく悪化してきたら、身銭を切ってまで相手のコスト低減を助けることはしないでしょう。しかし、コラボラティブ契約では相手を助けることが自分の利益にもなるのです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約は相互利益の仕組みをつくり、友好的な関係を助長し、無駄なコストをお互いに費やすのではなく、共に生産性を上げプロジェクト全体の成果を向上させるものです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「そんなの言うは易く行うは難し、できるならとっくの昔にやっているよ。。」と思われるかもしれません。</span></p>
<p style="text-align: center;"><span style="color: #262626;">～ ～ ～ ～ ～</span></p>
<p><span style="color: #262626;">では、どうやってこれを実現していくのか？<br /></span><span style="color: #262626;">。。。「相互信頼と協業の精神をもって行動する」ことによってです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">「相互信頼と協業の精神をもって：in the spirit of mutual trust and co-operation」は、先に紹介したイギリスのNEC契約約款に記載されています。<br />アメリカ建築家協会(American Institute of Architects)発行の「Integrated Project Delivery: A Guide」にも冒頭に契約の原則として「相互の尊重と信頼：Mutual Respect and Trust」が謳われています。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">なんとっ！</span></p>
<p><span style="color: #262626;">日本では曖昧で見直す必要ありと、悪い意味で引用されることが多い建設業法第18条の「信義に従って誠実にこれを履行するものとする」が大事だというのです！国際</span><span style="color: #262626;">契約をやっている日本人にとってはびっくりですね。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">日本では「信義に従って誠実にこれを履行する」原則のもと、工期や金額の変更については、「発注者と受注者とが協議して定める。。。協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する（公共工事標準請負契約約款より引用）」と書かれていますが、結局実務上は片務的（片方に有利 → つまり発注者側に有利）になっています。<br />日本で「信義に従って誠実にこれを履行する」が機能しないのは、どう誠実に対応するかの具体的な記述が書かれていないからです。</span></p>
<p><span style="color: #262626;">コラボラティブ契約は、日本の契約約款のように、ただ「誠実に履行する」の一文が条項に含まれているだけではありません。お互いに無理して誠意に取り組むことを強制させるものでもありません。「どう誠実に対処する」のか、どう「Win-Win」の関係を作るのか、コラボラティブ契約には、プロジェクト参加者が必然的に「相互の尊重と信頼」のための具体的な仕組み化がなされているのです。<br />では、それはどのような仕組みなのでしょうか？</span><span style="color: #262626;"><a title="コラボラティブ契約（Collaborative Contracting）でプロジェクトをWin-Winに" href="https://www.a-output.com/ipd002" target="_blank" rel="noopener">次回</a>、コラボラティブ契約の仕組みの詳細を見ていきましょう。</span></p>


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